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株式会社トーマネ

会社概要

  • 株式会社トーマネ
  • 本社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目11番1号 東京橋ビル
    TEL: 03-6367-9860  FAX:03-6367-9878
  • 創業年月日:昭和9年6月 設立:昭和26年11月
  • 代表者:岩下 久起(いわした ひさおき)
  • 事業概要: 販売促進業務の総合的な企画・実施、店舗設計施工、マネキン人形・ディスプレイ器具の製造、販売、レンタル、内装仕上工事業・建築工事業

会社HP

本事例についての問い合わせ先

担当者名:社長室 室長 岩下沢子
電話番号:03-6367-9860
メールアドレス:sawako.iwashita@tomane.co.jp
 

創業時からマネキン人形を作られていたのでしょうか。

 弊社の初代は、明治から昭和にかけ、その名を知らしめた日本人形の名工「永徳斎」で五月人形の鎧甲冑を製作しておりました。手先の器用な弊社初代は、日本一の鎧甲冑の職人になることを目指しておりました。ある時、永徳斎の山川氏より「永徳斎でマネキン人形を製作してみないか。」と言われ、製作したのが弊社の始まりです。永徳斎では伝統的な手法で、お金に糸目をつけずあらゆる技術を用いて雛人形を作り続けていましたが、明治時代に入り、一流のものに精通している幕府や貴族などの裕福な後ろ盾を失った事や、生活様式の変化を受けて、日本人形からマネキン人形の製造も行うようになりました。当時、マネキンは全て(パルプ)紙で作られており、一体一体手作りで作られていた上に、それぞれに名前も付けられていたほどです。昭和33年からは、1体10Kgもしない軽量さと塗料の発色の良さ、強度などから、強化プラスチックが採用されて、現在のマネキン人形製造に至ります。この素材によりマネキン人形は量産されていきました。
 

マネキン人形はどのようにデザインされているのでしょうか。

 弊社には社内にマネキン人形の原型師がいます。彼らはマネキン人形を、モデルを使って製作することもありますし、原型師のイマジネーションの中から製作することもあります。もちろん、銀座などのファッションの発信地へリサーチにも行きますし、海外の情報も収集する体制になっております。次にどのようなマネキン人形を生み出せばいいのか、何が粋なのかは、最後は長年の経験に基づく感覚によって判断されていくこともあります。
 

マネキン人形を作る上で、困難な点や重視しているところを教えてください。

 皆さんお気づきにならないかと思いますが、マネキン人形の手や足、胴体の切り口が「みそ」なのです。切り口一つ間違えると、服の着脱がしづらくなってしまい、実際に店頭などで使うことが出来なくなります。また、コスチュームが映えるよう、左右がシンメトリーになっている必要もあります。
 また、マネキン人形で一番大切なことは、「人体そのものでは無いところを、どこまで人体に近いものにするか。」です。マネキン人形を人間の体に近づけてリアルを求めすぎてしまうと、蝋人形のようになってしまいます。服飾品を求める際には非日常的な美しさが必要になってきますので、マネキン人形とその服飾品、空間を日常から昇華させなければなりません。レアな部分を削ぎ落とし、人間の香りがしないものを、より人間に近づけていく、という一見矛盾している両者のバランスを取りながら製作しています。商業美術という規制がある中で、どのように表現していくのかが、マネキン人形製作の面白いところだと思っています。
 

空間デザインも手がけられているそうですね。

 当初はマネキン人形の製造のみでしたが、お客さまからマネキン人形だけでなく商業スペースをコーディネートして欲しいと依頼を受けたことがきっかけで、空間デザインも事業のうちの一つとしています。
 お客さまがお持ちのビジョン、ブランドイメージを、具現化するのが我々の役目です。マネキン人形について言えば、肌色や肉付きをどうするか、顔のあるタイプかヘッドレスのものか、手や首の向きをどうするのか一つで、着ている服飾品の見え方が変わってきます。そして、その服飾品を着たマネキン人形に合った什器や色の配置、装飾品などを組み合わせていきます。お客さまとコミュニケーションを取りながら、本当に表現したいものは何なのか、エッセンスはどこにあるのかを把握し、当初の希望を「この方が更に方が良い。」と提案することもあります。空間をデザインする際に最も気を配っていることは、お客様がお持ちの空間イメージを、決して損なう事無く、我々でさらに付加価値をつけ、ご提案させて頂く事です。
 マネキン人形や什器の強度、材質、見え方などを熟知している専門性を生かして、お客様のブランディングに最大限貢献していきたいと考えています。
 

海外への販路開拓はどのような状況でしょうか。

 海外に出たのは約30年前のことです。ドイツの企業に我々が、マネキン人形製作手順を伝えていったのがきっかけです。彼らは本当に我々のマネキン人形に惚れこんでいて、熱心にアプローチをしてきました。日本の我々の高い製作技術に多く魅了されていて、その技術を必要としていました。その企業は世界中に支店を持っており、海外での当社の代理店となっています。世界中と言えども、あまり進出していない地域もあります。日本のマネキン人形は、市場があまり成熟していない地域ですと、コピーされる恐れがあるからです。そういった地域の取引先については、自分達が良く知っている信頼できる企業でないと、ビジネスとしての関係が成り立たないと感じています。
 海外と国内との販売方法の違いですが、国内ではマネキン人形はレンタル商品がメインであり、空間デザインも含めて私共が提案しています。一方海外では、マネキン人形は売り切りであり、カタログを見て発注する様なものでディスプレイもお客さま自身で行います。国内のように、一緒になって提案していくという場面はほとんどありません。マネキン人形それ自体が勝負となってきますので、商品カタログには日本のものと比べて、マネキン人形一つ一つの特徴がわかるように力を入れています。環境のことを考え、マネキン人形のレンタルの仕組みを海外でも説明していますが、文化的になかなか受け入れてもらえません。レンタルの仕組みが浸透すれば、戦略も大いに変わってくるだろうと思います。

御社の強みはどのような点にあるとお考えでしょうか。

 アトリエが社内にあり、社内や営業から得たお客様の声を、全体に迅速に反映することができます。この業界では、都内で企画、製作、販売等全てまかなえるというのは他には無いのではないでしょうか。
 また、倉庫も配送に不自由の無い場所に確保してあります。なお、マネキン人形は配送にコストがかかるため、弊社では国内で16カ所の営業所を設けています。マネキン人形や、その他什器は、ただ打ち合わせた通りに置けば良いという訳ではありません。例えば百貨店でディスプレイする場合、百貨店の営業時間終了後から次の日の開店までのわずかな時間で、運び込み、セッティング、最終チェック等行わなければなりません。マネキン人形は輸送の際には、とてもかさばりチップするものですので、どのような組み合わせでトラックに積むか、また、ディスプレイする順番を逆算するとどのように奥から積んでいくと時間が短縮できるか、など、一つのディスプレイを完成させるために様々な行程を効率良く行うことが必要となってきます。そういった点も含めてトータルで想像できないと、理想のディスプレイを「現実的に」実現させることはできません。
 

マネキン人形とファッションの関係をどのように捉えられていますか。

 マネキン人形はあくまでも服飾品をより美しく、魅力あるものに見せるためにありますが、マネキン人形がファッションを引っ張ることがあっても良いと思っています。少し大げさかもしれませんが、マネキン人形がその服飾品を身につけたことによって、新たなイメージや雰囲気が生まれ、その世界観も含めてトレンドとなっていく、ということです。また、マネキン人形の中には、そのマネキン人形を使う側が覚悟して使わないと、服飾品がマネキン人形に負けてしまうという、マネキン人形が積極的に攻めているシリーズもあります。「この雰囲気に合う服飾品があればどうぞ。」というような、マネキン人形が前に出ているイメージです。両者のイメージがはまった時には、今までに無い世界観を作り出すことができます。ファッションが引っ張ったり、マネキン人形が引っ張ったりしながら、よりファッションの世界が豊かなものになっていけば良いと考えています。
 

最後に、御社の今後の展望をお聞かせください。

 どの業界でも、海外生産に頼らざるを得ない時代であることは痛感しているところです。私達も大変だと感じることは多々あります。しかし、私達は「日本の」マネキン人形を作り続けたいという強い想いがあります。先ほども申しました通り、海外ではマネキン人形は使い捨てられていますが、私達はマネキン人形をレンタルしています。メンテナンスを行い、時と場合によって色を変え、メークを変えお客様の望む形で納めさせて頂いております。それは、環境に優しくない業界は、今後受け入れられないだろうとも考えているからです。日本の美しいところを見つめなおし、環境を大切にする繊細さや気配りができることが大切です。日本の高い技術が失われないよう、東京の会社であることも誇りにしていくべきだと思っています。マネキン人形のジョイントなど、目に見えないところや、表面からは分からないところでも、実際海外の方が驚くような軽量で使いやすく、美しいものを追求し、MADE IN JAPANにこだわっていきたいです。


 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6794

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6794

最終更新日:2014年10月6日
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