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八内刃物製作所

会社概要

  • 社名:八内刃物製作所
  • 本社所在地:〒590-0928 大阪府堺市堺区北旅籠町西2丁2-13
  • TEL:072-320-8640 FAX:072-229-2080
  • 創業:1937年
  • 代表者:八内靖夫
  • 事業概要:伝統的工芸品「堺打刃物」の研ぎ、刃物の企画・製造・販売
     

会社HP

本事例についての問い合わせ先

(上記連絡先まで)



 コンパクト和包丁「YAUCHI」 Designed by 杢保順也
 ・ドイツ・IFプロダクトデザイン賞2014
 ・平成24年度「大阪製」ブランド認証商品
 

御社の直近の状況をお教え下さい。

 もともと私(二代目 八内靖夫氏)と妻とで、家業として、堺打刃物の「研ぎ」を行っていました。堺の場合は、鍜冶屋、研ぎ屋、問屋というように分業が進んでいます。従来から続いている取引形式は、問屋が鍛冶屋から鍛鉄された成形品を仕入れ、それを私達研ぎ屋に依頼をし研ぎあげ、問屋で柄を付けて流通をさせるというのが従来から続いてきた下請け的な取引の形です。
 堺市役所が伝統的工芸品の振興に積極的だったので、以前から相談していました。当時は後継者も決まっていませんでした。私は50年以上この仕事を続けていますが、折角の技術なのだからと市役所の方からも促されて、近隣のイベントに参加したり、誰でも工房を見学できるようにしたりすることにより、一般の方により知ってもらう活動を続けています。
 

そのような中、新商品の開発をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 私の息子(八内剛志氏)が後継者として家業を行うことを意思決定してくれたことがあります。息子は普通の会社でサラリーマンをしていましたが、本人としては伝統の技術を残さないといけないという思いで決断してくれました。有り難い限りです。また、娘もWEBサイトを整備してくれるなど、可能な範囲で協力してくれています。
 やはり、後継者ができたことにより、長期間に亘って安定した収入を上げることがますます必要であると考えました。今の取引の状況では、収入のほぼ8割が問屋さん経由の従来からの取引で、イベントやEコマースでの直販が2割程度です。直販の方が当然、利益はあげられますし、また直販を進めるためにも当社独自の商品を生み出していくことが必要だと改めて考えました。
 

最初の新商品開発から著名なデザイン賞を受賞されましたが、どのように商品は生み出されたのでしょうか。

 堺市役所からデザイナーの杢保(もくぼ)順也氏を紹介していただいて、3年前から新商品を作ろうということは話していたのですが、息子が後継者となり、息子に新商品開発を任せるようになってから、本格的に開発が始まりました。
 包丁本体のデザインはほとんど変えようがありませんが、柄の部分にこだわりを込めました。デザイナーの杢保氏からの要求はなかなか難しいものでしたが、息子が根気強く対応したことにより、やっと商品として耐えられるものができました。包丁の本体の方は私が研いで、柄の方は息子が作る、という形です。
 堺市役所の助言もあり、その試作品をもって、大阪のギフトショーに初出展した時、様々な方に興味をもっていただくことができました。それまでは農協で開催しているイベントなどにおいて夫婦で販売していただけだったのですが、このようなビジネスの展示会に出展し、販路を開拓しようとするのは初めての経験でした。
 そのような中、大阪ギフトショーに来ていた大阪府の職員の方の目にとまり、「大阪製」ブランドに応募してみないかと言われて応募したところ、認定を受けることができました。その後、デザイナーの杢保氏と付き合ううちに、同氏からドイツ・IFプロダクトデザイン賞に応募してみようと持ちかけられました。国内のグッドデザイン賞などもありましたが、どうせやるならば世界的にも最高レベルの賞に応募することにしました。運の要素も多分にあったと思いますが、作り込みにこだわった結果でもあると思っています。
 

IFプロダクトデザイン賞の受賞後、営業等の場面で変化はありましたか。

 正直、受賞したといっても、売上が大きく伸びているわけではありません。商品が、実際に手に持ってもらわないと、その良さがなかなか伝わらないものなので、お客様に触れてもらう、良さを伝える努力を、催事やイベントなどで地道に行っていくことが必要だと思っています。
 一方、受賞したコンパクト和包丁「YAUCHI」は、月産20本程度で、特に柄に使っている黒檀の加工に手間がかかるため、都心の小売店などに本格的に流通させるにも、残念ながら、生産コストに見合った利益が出ない商品です。ただ、この商品を開発する過程で、様々なことが勉強できましたので、そういう意味で当社にとって意味のある商品だと思います。


「研ぎ」の作業場の様子
 

 今後の課題と展望について教えてください。

 せっかく大きな賞を受賞したので、その実績を、今後どのように利用していくかを試行錯誤しています。受賞した「YAUCHI」は海外の方に受け入れられることが分かったので、利益が出るような価格で海外で売ることも視野に入れています。
 また、長期、安定した収入を確保する観点から、やはり直販の比率を高めていくことが必要です。そのために、自社商品の開発を続けて行きますし、Eコマースや海外を含めた販路開拓を考えていきます。
 また、後継者である息子が独り立ちできるよう、自分が元気なうちに自らの技術を息子に伝えていきます。
 ものづくりに終わりは無いと思っています。今後も、お客様の声を取り入れて、改善を重ねていきたいと思っています。
 

お問合せ先

商務情報政策局 日用品室
電話:03-3501-1705(直通)
FAX:03-3501-6794

(伝統的工芸品産業について)
商務情報政策局 伝統的工芸品産業室
電話:03-3501-3544(直通)
FAX:03-3501-6794

最終更新日:2014年11月4日
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