経済産業省
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◆2011年 米国APECの成果

◆2010年 日本APECの成果

米国APECの成果

首脳宣言「ホノルル宣言~継ぎ目のない地域経済を目指して~」

平成23年11月12日~13日に米国ホノルルにおいて、米国APECの締めくくりとして、APEC首脳会議が開催されました。会議のまとめとして首脳宣言「ホノルル宣言~継ぎ目のない地域経済を目指して~」が出され、昨年開催された日本APECにおいて首脳が合意した「横浜ビジョン」や「成長戦略」の実現に向けて目指すべき具体的成果について合意されました。

第19回APEC首脳会議「ホノルル宣言-継ぎ目のない地域経済を目指して」(主要ポイント)

■前文
●我々の地域は今や世界の成長の牽引役。世界経済は不透明だが、APECは協力を強化。横浜ビジョンに基づき、地域と世界の経済成長を断固として支持。
●WTOのDDA交渉において、斬新で信頼性のあるアプローチの模索を視野に入れる。貿易障壁の導入・引き上げを行わない措置の2015年末までの延長等、保護主義抑止に向けた約束を再確認。

■地域経済統合の強化及び貿易の拡大
●APEC首脳会議の地域経済統合を進める主たる手段の一つであるアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)等を通じて、次世代貿易投資課題に対処し、経済統合と貿易拡大に努力。
●効果的、無差別かつ市場主導のイノベーション政策の推進。
●中小企業のグローバル生産網参加促進のための協力分野の決定。
●サプライチェーンの効率性向上のため、免税輸入限度額を設定。
●中小企業が直面している貿易障壁の削減に向けて具体的な行動計画に合意。
●WTOにおけるITA(情報技術協定)の対象品目及び締約国・地域拡大の交渉開始を主導。
●APEC首脳会議構造改革新戦略の実施。
●農産品の輸出規制等WTO整合的でない措置を抑制。

■グリーン成長の促進
●2012年にAPEC首脳会議の環境物品リストの作成に取り組み、エコノミーの経済状況を考慮しつつ、2015年末までに同リストの実行税率を5%以下に削減。但し、WTOでの立場を予断しない。現地調達要求を含む非関税障壁を撤廃。
●APEC域内全体のエネルギー効率を2035年までに45%改善することを目指す。
●スマートな輸送、建築、電力網、雇用、知識共有、教育に関する措置を実施。
●低炭素開発戦略を経済成長計画に導入。低炭素モデル・タウンを含め、APECを梃子に同戦略を進める。

■規制の収斂及び協力
●政府部内の調整、規制影響評価、パブリック・コンサルテーションなど規制に関する良い慣行の導入に向けた措置を2013年までに実施。
●世界食品安全基金の支援等を通じた食品安全制度の強化・食品貿易の円滑化。

■今後に向けて
●「女性と経済」に関するサンフランシスコ宣言の実施をモニター。
●被災者との連帯を表明。民間部門・市民社会とともに災害対策に努める。

付属文書1:イノベーション政策
競争を促進し、技術参入を推進し、成長に必要なイノベーションとそのための能力の創造を奨励する無差別で開かれた貿易投資政策がイノベーション政策に不可欠であることに留意し、APEC首脳は以下を実施。
●イノベーション促進のため、効果的な知的財産権の保護・執行を提供。
●自発的・市場主導型の国際基準の利用。技術要件の貿易不制限も確保。
●知的財産の取得・開発場所等を資格要件としない等、内外無差別の政府調達制度の導入。WTOでの立場を予断しない。
●技術、生産プロセス等のライセンス契約が、WTOでの義務に従い、企業間の合意に基づき行われることを確保。

付属文書2:中小企業のグローバル生産網への参加強化
中小企業のグローバル生産網への参加強化のため、次世代型の自由貿易協定(含むアジア太平洋自由貿易圏)におけるモデルガイドラインにもなりうる協力分野を策定。以下を含む協力分野を例示。
●生産網の中で機会を活用する能力の強化(取引相手選び等)。
●貿易機会を活用する能力の強化。
●情報通信技術の利用及び知財保護の促進。

付属文書3:環境物品・サービス
環境関連の目的を、一番低コストで最新の技術を活用しつつ、新たなグリーン雇用を生み出しながら達成するためには、開かれた市場とさらなる環境技術普及が有益。このため、環境物品・サービスの貿易・投資を促進すべく、以下の措置を実施。
●2012年にAPECの環境物品リストを作成すべく取り組み、各エコノミーの経済状況を考慮しつつ、2015年末までに同リストの実行税率を5%以下に削減。WTOでの立場を予断しない。
●WTOでの義務に従い、2012年末までに環境物品・サービス貿易を歪める既存の現地調達要求を撤廃。新たな要求も控える。
●環境物品・サービスの政府調達政策を透明にする。

付属文書4:良き規制慣行の履行強化
●APEC首脳会議首脳は、規制に関し、2013年までに、①政府部内の調整、②規制の影響評価、③パブリック・コンサルテーション、について具体的措置を実施。

 

 

日本APECの成果

首脳宣言   ■ボゴール目標   ■ アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)   ■成長戦略

首脳宣言 「横浜ビジョン ~ボゴール、そしてボゴールを超えて~ 」

APEC大阪首脳会議(1995年11月)
 平成22年11月13~14日に横浜市において、日本APECの締めくくりとして、APEC首脳会議が開催されました。首脳会議においては、21世紀においてアジア太平洋地域を更に強化し統合するというビジョン及びビジョン実現の道筋を示すため議論が行われ、会議のまとめとして首脳宣言「横浜ビジョン ~ボゴール、そしてボゴールを超えて」が出されました。

第18回APEC首脳会議 「横浜ビジョン ~ ボゴール、そしてボゴールを超えて」首脳宣言(骨子)

■ これまでのAPECの歩み
・APECは、ボゴール目標によって示された道順に従って進み、アジア太平洋地域は、世界経済の原動力、そして成長エンジンとなった。
・ボゴール目標に向けたAPEC2010年エコノミーの進展に関する報告書を承認。13のエコノミーがボゴール目標の達成に向けた顕著な進展を遂げた。
・域内の自由で開かれた貿易及び投資を達成するという揺るぎないコミットメントを再確認。

■現下の好機と課題
・21世紀は、新たな好機と新たな課題とを投げかけている。
・アジア太平洋地域の経済は、近年の経済金融危機から回復しつつあるが、不確実性は未だ残っている。世界的な需要をリバランス・強化し、健全な財政運営を追求し、インフラ・中小企業・家計・グリーン投資等の主要分野に対するファイナンスを促進。より強固で強じんな世界金融システムを構築。
・ドーハ開発アジェンダの迅速かつ成功裏の妥結への強いコミットメント。
・保護主義を抑止するための継続的な取組において、新たな輸出制限を課すこと、又は輸出刺激措置を含むすべての分野におけるWTO非整合的な措置を実施することを控えるとの2008年に行った現状維持(スタンドスティル)に関するコミットメントを2013年末まで延長。
・国連の気候変動交渉に献身的であり続けるとのコミットメントの表明。

■APECの将来
我々は、課題に立ち向かってこれを克服するとともに、より完全に統合されるための好機を最大限に活用することができ、より質の高い成長及びより安全で安心な経済環境を実現するアジア太平洋地域を構想する。

「緊密な共同体」 ・・・ より強固で深化した地域経済統合を促進する共同体
・物品・サービス・資本の移動に対する障壁の削減。ビジネス関係者のより円滑な移動。税関関連手続の簡素化・調和。規制関連協力の深化。

「強い共同体」  ・・・ より質の高い成長を実現する共同体
・APECエコノミー内及びエコノミー間において均衡ある成長を推進。社会のあらゆる層がその潜在力を発揮するための機会を提供。
・低炭素でグリーンな経済の加速。イノベーションの推進。

「安全な共同体」 ・・・ より安全な経済環境を提供する共同体
・テロ、感染症、自然災害、食料不足等の発生抑止、備えの強化を通じて、自然及び人から生じる経済活動に対するリスクを最小化。

■我々が描くAPEC共同体の構想への道筋
「緊密な共同体」
  ・2020年のボゴール目標達成に向けて地域経済統合の取組を推進。
・アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けて具体的な手段をとる。FTAAPは、ASEAN+3、ASEAN+6及び環太平洋パートナーシップ(TPP)協定等の現在進行している地域的な取組を基礎として更に発展させることにより、包括的な自由貿易協定として追求。APECは、投資、サービス、電子商取引等の分野において分野別イニシアティブに関する作業を継続し、更に発展させることにより、FTAAPの追求に貢献。
・「APEC投資戦略」の実施。サプライチェーンの能力の2015年までに10%改善との目標を達成すべく取り組む。認定事業者制度に関する取組を継続

「強い共同体」
・APEC成長戦略を発表し、2015年に向け、着実に実施。構造改革のためのAPEC新戦略の承認。人材及び起業家精神の育成。グリーン雇用・技術・産業の創出。情報通信技術の利用の高度化。

「安全な共同体」
・食料安全保障、防災、感染症対策等に関する具体的取組の促進。「すべての道筋における前進のための経済・技術協力 」
・人材養成・技術普及を含む経済・技術協力(エコテク)活動の強化

■結び
今後、地域経済統合を強化・深化させ、貿易・投資に対する障壁に取り組むための具体的なイニシアティブを策定・実施し、将来における質の高い、持続可能な成長を確保するための作業を加速化する。

首脳宣言「横浜ビジョン ~ボゴール、そしてボゴールを超えて~」   正文   仮訳   骨子
ボゴール目標

2010年ボゴール目標達成評価に関する首脳声明 (骨子)

・5つの先進エコノミー(オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド及び米国)及び8つの自ら進んで加わった途上エコノミー(チリ、中国香港、韓国、マレーシア、メキシコ、ペルー、シンガポール及びチャイニーズ・タイペイ)による、ボゴール目標*達成に向けた進展を評価。
・報告書は、これらの13のエコノミー(以下、「2010年エコノミー」)が、更に取り組むべき作業が残っているものの、ボゴール目標達成に向けて顕著な進展を遂げたことを示している。
・関税に関しては、2010年エコノミーの単純平均実行関税率は、8.2パーセント(1996年)から5.4パーセント(2008年)まで大幅に削減。
・サービス貿易に関しては、国内政策改革、国際的な分野別協定並びに地域貿易協定及び自由貿易協定の締結・実施を通じて、自由化に重要な進展があった。
・投資に関しては、2010年エコノミーが外国投資に対して最恵国待遇及び内国民待遇を付与している二国間投資協定又は地域貿易協定及び自由貿易協定の数は、160(1996年)から340(2009年)に増加。
・貿易円滑化に関しては、貿易円滑化行動計画の下で、APEC地域で貿易取引費用を5パーセント削減(2002-2006年)し、更なる5パーセント削減(2007-2010年)に向けて取組を実施。国際開発金融機関との協働も開始、更なる貢献を歓迎。
・関税、サービス貿易及び投資に関する規制の削減・撤廃、非関税措置や「国内での」課題等の改善促進により、貿易・投資を更に自由化・円滑化するためのコミットメントを維持しなければならないことを認識。

* 1994年APEC首脳会議(於:インドネシア・ボゴール)の宣言に掲げられた「自由で開かれた貿易及び投資を、先進エコノミーについては2010年までに、途上エコノミーについては2020年までに達成する」との目標

2010年ボゴール目標達成評価に関する首脳声明    正文   仮訳   骨子

実行関税率-1996年及び2008年
アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋 (骨子)

APECメンバーは、下記の見解を共有する。
・FTAAPを、野心的なビジョンからより具体的なビジョンにする時機が今であることに合意し、FTAAPの実現に向けた具体的な措置をとるよう指示する。
・FTAAPは、狭義の(国境等における)自由化を達成する以上のことを成すべきであり、包括的で質の高いものであるとともに、「次世代型」(注)の貿易・投資の問題を組み込み、 対処すべき。
(注)新しい経済連携の切り口(例:非関税障壁、規制改革、物流円滑化)
・FTAAPは、ASEANプラス3、ASEANプラス6、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定といった現在進行している地域的な取組を基礎として更に発展させることにより、  包括的な自由貿易協定として追求されるべき。APECは、FTAAPの発展のプロセスにおいて、リーダーシップと知的インプットを提供するとともに、FTAAPに含まれるべき「次世代型」の貿易・投資の問題を規定・整理し、対処することに重要な役割を果たすことにより、FTAAPの育ての親(インキュベーター)として、重要で意義のある貢献を行う。
・APECは、投資、サービス、電子商取引、原産地規則、貿易円滑化、環境物品・サービス(EGS)等の分野において分野別イニシアチブに関する作業を継続し、更に発展させるこ  とにより、FTAAPの追求に貢献すべき。
・上記を実施するに当たっては、APECの非拘束的及び自主的な性質等の点が考慮されるべき。
・地域経済統合の課題の更なる進展を通じ、APECは、物品、サービス及びビジネス関係者が国境内で及び国境を越えて途切れることなく移動し、並びに活発なビジネス環境が一層可 能となる、より経済的に統合された共同体の創設を追求する。

アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋    正文   仮訳   骨子
成長戦略

APEC首脳の成長戦略(骨子)

■経済環境の変化に適合するための成長戦略の策定
・APECは、貿易・投資の自由化・円滑化及び地域経済統合を推進し、アジア太平洋地域の成長と経済発展に大きく貢献。同時に、この地域は著しく変化し、新たな機会とともに難問も浮き彫りになった。
・一国・地域の経済状況(雇用、安定など)が他の国・地域に影響を与える可能性が高まっている。越境する活動が拡大し、国・地域間及び国・地域内の不均衡と格差が露呈した。経済統合の恩恵が出来るだけ広く共有されることが重要。気候変動への対応を含め環境保護の重要性が高まった。自然災害、流行病、テロや食料難への対応も重要。
・こうした認識を踏まえ、アジア太平洋地域における「成長の質」を高めるため、APECとして成長戦略を策定。

■5つの成長の特性
「均衡ある成長」エコノミー内・エコノミー間の経済的不均衡を削減・解消。
 内容:黒字/赤字エコノミーの努力、インフラ整備等。

「あまねく広がる成長」社会のあらゆる層に参加・受益の機会を提供。
 内容:雇用創出、中小企業支援、社会保障体制整備、女性、高齢者支援等。

「持続可能な成長」環境との共生を高めるグリーン経済へ移行。
 内容:エネルギー効率と低炭素社会の促進、グリーン産業・ジョブの促進等。

「革新的成長」イノベーションを促進し新産業を育成。
 内容:知財保護・運用強化、基準の調和、情報通信技術の利活用促進等。

「安全な成長」経済活動に不可欠な安全を確保。
 内容:テロ対策、防災、流行病対策、食料安全保障、腐敗対策。

■APEC成長戦略のための行動計画
・APEC成長戦略を実施するための統合作業項目の構築
 「構造改革」教育、労働市場、中小企業、金融市場等の分野で構造改革を実施。
 「人材・起業家育成」中小企業大臣会合及び人材養成大臣会合の成果等を実施。
 「グリーン成長」APECグリーン成長計画を立案・実施。
 「知識基盤経済」知的財産権の保護・運用、情報通信技術のイノベーション等。
 「人間の安全保障」食料安全保障担当大臣の行動計画等を実施。
 ・複数年のフォローアップと実施
 2015年に進捗を首脳に報告する。
 高級実務者レベルで毎年進捗を確認する。
 国際的なフォーラム及び多国間機関と協力する。

APEC首脳の成長戦略    正文   仮訳   骨子

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