経済産業省
文字サイズ変更


千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二十四条の 解釈に関する了解

加盟国は、
千九百九十四年のガット第二十四条の規定を考慮し、
関税同盟及び自由貿易地域が、千九百四十七年のガットが作成されて以来その数及び重要性において大幅に増大し並びに今日世界貿易の相当な部分を占めることを認め、
関税同盟を組織し及び自由貿易地域を設定する協定の締約国の経済の一層密接な統合によって可能となる世界貿易の拡大への貢献を認め、
構成関税地域間における関税その他の制限的な通商規則の撤廃がすべての貿易に及ぶ場合にはそのような貢献が増加し、他方において、貿易の主要な分野が当該撤廃の対象から除外される場合にはそのような貢献が減少することを認め、
これらの協定の目的は、構成関税地域間の貿易を促進することにあって、これらの関税地域と他の加盟国との間の貿易に対する障害を引き上げることにあるべきでないこと、及びこれらの協定の締約国が協定の作成又は拡大に際し他の加盟国の貿易に悪影響を及ぼすことを最大限可能な限り避けるべきであることを再確認し、
新たに作成され又は拡大された協定を評価するための基準及び手続を明確化することにより、第二十四条の規定に従って通報された協定を検討し及び第二十四条に規定するすべての協定の透明性を改善することについての物品の貿易に関する理事会の役割の実効性を補強する必要性を確信し、
第二十四条12の規定に基づく加盟国の義務に関する共通の理解の必要性を認めて、
ここに、次のとおり協定する。
  1. 第二十四条の規定に適合する関税同盟、自由貿易地域及び関税同盟を組織し又は自由貿易地域を設定するための中間協定は、特に、同条の5から8までの規定を満足するものでなければならない。

第二十四条5
  1. 関税同盟の組織前及び組織後に適用されている関税及びその他の通商規則の全般的な水準に関する第二十四条5(a)の規定に従って行う判断は、関税及び課徴金に関しては、加重平均関税率及び徴収された関税の全般的な評価に基づく。この評価については、当該関税同盟によって提供される過去の代表的な期間の輸入統計(関税品目分類に従い、かつ、世界貿易機関の原産地規則に基づき国別に区分された価額及び数量によるもの)に基づいて行う。事務局は、ウルグァイ・ラウンドの多角的貿易交渉において関税に関する提案の評価に使われた方法に従って、加重平均関税率及び徴収された関税を算定する。その算定のために考慮される関税及び課徴金は、実行税率とする。数量化及び総額の算定が困難であるその他の通商規則の水準の全般的な評価については、個別の措置、規制、対象産品及び影響を受ける貿易の流れに関する検討が必要とされることがあることを認識する。

  2. 第二十四条5(c)に規定する「妥当な期間」は、例外的な場合を除くほか、十年を超えるべきでない。中間協定の締約国である加盟国が十年では十分でないと認める場合には、当該加盟国は、一層長い期間を必要とすることについて物品の貿易に関する理事会に十分な説明を行う。

第二十四条6
  1. 第二十四条6の規定は、関税同盟を組織する加盟国が譲許税率を引き上げることを提案する場合に従う手続を定めるものである。この点に関し、加盟国は、第二十八条に定められ、かつ、千九百八十年十一月十日に採択された「第二十八条の規定に基づく交渉のための手続」(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十七巻二十六ページから二十八ページまで)及び千九百九十四年のガット第二十八条の解釈に関する了解によって詳細に定められる手続が、関税同盟の組織又は関税同盟を組織するための中間協定の締結に際して関税譲許の修正又は撤回が行われる前に開始されなければならないことを再確認する。

  2. 第二十四条6に規定する交渉は、相互に満足すべき補償的調整を図るため、誠実に行われる。これらの交渉において、関税同盟を組織するに際し同一の関税品目について当該同盟を構成する他の関税地域が行った関税の引下げに対し、同条6の規定に従って妥当な考慮が払われるものとする。そのような引下げが必要な補償的調整を提供するために十分でない場合には、当該同盟は、補償(他の関税品目の関税の引下げの形をとることができる。)を提供する。その補償の提供は、当該関税品目の譲許の修正又は撤回について交渉する権利を有する加盟国によって考慮されるものとする。補償的調整が受入れ可能なものでない場合には、交渉は、継続されるべきである。そのような努力にもかかわらず、千九百九十四年のガット第二十八条の解釈に関する了解によって詳細に定められる第二十八条に規定する補償的調整に関する交渉において、交渉の開始から妥当な期間内に合意を達成することができない場合には、当該同盟は、譲許を修正し又は撤回することができる。この場合において、影響を受ける加盟国は、同条の規定に従って実質的に等価値の譲許を撤回することができる。

  3. 千九百九十四年のガットは、関税同盟の組織又は関税同盟を組織するための中間協定の締結の結果生ずる関税の引下げにより利益を受ける加盟国に対し、当該同盟を構成する関税地域に対して補償的調整を行う義務を課するものではない。
    関税同盟及び自由貿易地域に関する検討

  4. 第二十四条7(a)の規定に従って行われるすべての通報については、千九百九十四年のガットの関連規定及び1の規定に照らして作業部会が検討する。作業部会は、その検討の結果についての報告を物品の貿易に関する理事会に提出する。同理事会は、加盟国に対し、適当と認める勧告を行うことができる。

  5. 作業部会は、中間協定に関し、自己の報告において、関税同盟の組織又は自由貿易地域の設定に至るまでの時間的枠組みの案及びその組織又はその設定を完了するために必要な措置について適当な勧告を行うことができる。作業部会は、必要な場合には、当該協定に関し追加的な検討を行うことができる。

  6. 中間協定の締約国である加盟国は、物品の貿易に関する理事会に対し、当該協定に含まれる計画及び日程の実質的な変更を通報するものとし、理事会は、要請がある場合には、当該変更を検討する。

  7. 第二十四条7(a)の規定に従って通報される中間協定が同条5(c)の規定に反して計画及び日程を含まない場合には、作業部会は、その報告において、計画及び日程を勧告する。中間協定の締約国である加盟国は、その勧告に従って当該協定を修正する用意がないときは、状況に応じ、当該協定を維持し又は当該協定の効力を生じさせてはならない。勧告の実施に関するその後の検討のため、措置がとられるものとする。

  8. 地域的な取極に関する報告に係る千九百四十七年のガットの締約国団の千九百四十七年のガットの理事会への指示(ガット基本文書選集(BISD)追録第十八巻三十八ページ)において同締約国団が定めているように、関税同盟及び自由貿易地域を構成する関税地域は、関係取極の実施に関し、定期的に物品の貿易に関する理事会に報告する。当該取極に関する重要な変更及び進展については、これらが生じたときに報告すべきである。

    紛争解決

  9. 紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、関税同盟、自由貿易地域又は関税同盟を組織し若しくは自由貿易地域を設定するための中間協定に関する第二十四条の規定の適用から生ずる問題について、適用することができる。

第二十四条12
  1. 各加盟国は、千九百九十四年のガットに基づき、千九百九十四年のガットのすべての規定を遵守する完全な責任を有しており、また、自国の領域内の地域及び地方の政府及び機関によるその遵守を確保するために利用することができる妥当な措置をとる。

  2. 紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、加盟国の領域内の地域又は地方の政府又は機関によりとられる措置であって千九百九十四年のガットの規定の遵守に影響を及ぼすものについて、適用することができる。紛争解決機関が千九百九十四年のガットの規定が遵守されていない旨の裁定を行う場合には、責任を有する加盟国は、その遵守を確保するために利用することができる妥当な措置をとる。そのような遵守を確保することができなかった場合には、代償及び譲許その他の義務の停止に関する規定を適用する。

  3. 各加盟国は、自国の領域においてとられた措置で千九百九十四年のガットの実施に影響を及ぼすものについて他の加盟国がした申立てに好意的な考慮を払い、かつ、その申立てに関する協議のための機会を十分に与えることを約束する。

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.