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開発

開発を巡る問題

議論の背景

今次ドーハ・ラウンドは「ドーハ開発アジェンダ」という正式名称にもあるとおり、開発がその中心的課題に位置づけられており、また、2004年9月の第5回カンクン閣僚会議の前後から開発途上国の存在感の拡大に伴い、開発途上国の開発問題への対応が交渉の行方を左右する要因の1つとなっている。開発に関し、具体的な検討・作業項目としてドーハ閣僚宣言において合意されているのは、実施問題、S&D(特別かつ異なる待遇)、キャパシティ・ビルディング、貿易と債務・金融に関する問題、貿易と技術移転の問題、小規模経済国の貿易への配慮、後発開発途上国(LDC)への対応、である。このほか、先に述べた各交渉分野においても、開発途上国への配慮が大きな論点となっている。

2005年12月の香港閣僚会議においても開発途上国の開発問題は大きな論点となったが、開発途上国支援、とりわけLDC支援の必要性につき全加盟国間で認識が共有され、以下の成果が得られた。

後発開発途上国(LDC)向け無税無枠措置

LDCが強く求めていた、すべてのLDCの全産品に対する無税無枠の供与については、以下のとおり合意された(香港閣僚宣言附属書F)。

―すべてのLDCの全産品に対して、持続的方法によって、2008年若しくは遅くとも(ドーハ・アジェンダ合意の)実施期間の始まりまでに無税無枠を供与。

―現時点で供与に困難を有する国は、2008年若しくは遅くとも(ドーハ・アジェンダ合意の)実施期間の始まりまでに最低でも品目ベースで97%以上のLDCを原産とする産品に対し、無税無枠を供与。更に、上記の義務を漸進的に達成。

「貿易のための援助」等

閣僚宣言において「貿易のための援助」(詳細は後述)の重要性が確認され、事務局長の下に設置される作業部会が、2006年7月までに「貿易のための援助」を実施する方法に関する勧告を行うこととなった。その他、小規模経済国への配慮、S&D(詳細は後述)、実施問題(詳細は後述)についてもその重要性が確認され、更なる作業を継続することとなった。

開発途上国開発支援策(開発パッケージ)

香港閣僚会議で開発に大きな焦点が当たったことを受け、開発途上国が貿易自由化による利益をより多く享受できるよう、先進各国は自発的に貿易のための開発支援策(開発パッケージ)を次々に発表した。我が国は、他国に先駆けて、香港閣僚会議直前の2005年12月に総理から、一村一品運動の経験等を生かした開発途上国の輸出能力向上支援を含む「開発イニシアティブ」を発表し、開発途上国から高い評価を得ている。我が国のほか、米国及びEUの開発パッケージの内容は以下のとおり。

―我が国:2005年7月のグレンイーグルズでのG8サミットに向けて発表した開発支援策の一環として、今後3年間に、貿易・生産・流通インフラ関連で、合計100億ドルの資金協力を行い、また、この分野での技術協力として合計1万人の専門家派遣・研修員受入を行うことを目標とする。この「開発イニシアティブ」を通じて、開発途上国からの貿易の「生産」、「流通・販売」、「購入」という3つの局面において、「知識・技術」、「資金」、「人」、「制度」にわたって支援を行う。具体的には、我が国発の「一村一品」運動の経験等を活かした輸出能力向上支援やLDC産品の市場アクセスの原則として無税無枠化等が含まれている。

―米国:2010年までに貿易関連支援のため年間27億ドルの水準までを拠出を増加させる。

―EU:2010年までに貿易関連支援のため年間10億ユーロまで拠出を増加させる。

さらに、2013年インドネシア・バリ島で行われた閣僚会合において、開発分野について以下のような成果が得られた。

後発開発途上国(LDC)に対する優遇措置

(a)綿花貿易について、半年毎に綿花小委員会を開催し、香港閣僚会議で合意された市場アクセス拡大、国内支持及び輸出補助金の削減について検証する。また、綿花の開発支援側面の重要性を再確認し、「貿易のための援助」や関連国際機関による技術協力・能力構築の実施に際し、LDCが開発パートナーとの対話や開発戦略により特定したニーズにフォーカスすることが慫慂された。

(b)原産地規則についてガイドラインが作成された。ガイドラインでは、原産性を判定する際の付加価値基準の閾値や加工工程基準等について、LDCが要望する水準が盛り込まれている他、自己証明制度の導入等の書類の簡素化が求められている。また、原産地規則委員会は、本ガイドラインに基づき年次レビューを実施、一般理事会への報告を行い、WTO事務局はこれらレビューの結果をLDC小委員会に年1回報告する。

(c)サービス分野における優遇措置の運用について、サービス貿易理事会は優遇措置の運用を目指したプロセスを開始し、同措置の運用について定期的にレビューする。LDCは自らの輸出関心のあるサービス分野やモード(形態)を特定した集団リクエストを提出し、その6ヶ月後にサービス貿易理事会はハイレベル会合を開催する。同会合で、自主的に優遇措置を実施する先進国及び途上国は、優遇する分野やモードを提示する。

(d)無税無枠措置について、品目ベースで97%の無税無枠供与を達成していない先進国は、第10回閣僚会議までに改善に努めることが合意された。

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