・ AD措置は、WTO上認められた貿易救済措置の1つです。他国が不当に安い価格(不当廉売)で輸出をした場合、輸入国政府が国内産業を保護するために関税を課すことをい います。WTOのAD協定では①ダンピング、②損害、③因果関係が認定された場合、不当廉売関税を課すことを認めています( 概略図:PDFファイル)。 (概略図)  ・ AD措置は正しく運用されれば、不当廉売行為から国内産業を守るための正当な自己防衛手段として機能しますが、上記3要件の認定が不正確に行われ、またこれが濫用されると、輸出企業が正当な企業活動を行っているにも関わらず、国内の競争力のない企業を保護するだけの目的で使われ、高い関税障壁とな ります。 ※ OECD加盟国の平均譲許関税率は10%(日本、米国、EU、カナダの4カ国平均では4%)ですが、平均AD課税率は43%であり、AD措置の影響が極めて大きい。 ・ AD措置の濫用は、関税引き下げ等の市場アクセス改善の効果を無にするものであり、とりわけ、途上国からの輸入品をAD措置の対象とすることで途上国の経済発展を阻害していることも大きな問題 です。そのためAD規律の強化は、貿易を通じて成長を図るべき途上国の利益につながるものです。他方、途上国自らによるADの発動も増加傾向にあり、世界的なADの濫用に歯止めをかけることが必要 です。 途上国及び先進国に対するAD措置(1995~2005)
AD措置被発動国/発動国の上位5カ国・地域(1995年~2005年)
・ ADは、補助金・相殺措置、地域貿易協定(RTA)とともにルール交渉グループにおいて2002年2月から交渉が行われています(議長は2004年11月からウルグアイのヴァイエス大使が務めています)。このような中、日本は後述のADフレンズの国々を代表する存在として、交渉に積極的に関与し、AD規律の強化を主張してい ます(これまでに200超の提案ペーパーが提出されましたが、うち日本提案(他国との共同提案含む)が2割を占めます)。 ・ 2005年4月以来、10数カ国程度の少数国会合において、議長の指名に基づき論点整理を行う「議長の友(ファシリテーター)」を活用しつつ、個別論点(「サンセット」や「ゼロイング」等 ※注)ごとに実質的かつ詳細な議論がなされてき ました。 <交渉スケジュール経緯>
| 2001年10月 |
ドーハ閣僚会合でAD交渉開始に合意 (その後2~3ヶ月に一度のペースで公式全体会合を開催) |
| 2003年 9月 |
カンクン閣僚会合(ADは争点にならず) →交渉が事実上中断 |
| 2004年 4月 |
主な議論の場を非公式全体会合に移行 |
| 2005年 4月 |
少数国会合を非公式全体会合と並行して開始 (9月以降、「議長の友」を順次指名) |
| 2005年12月 |
香港閣僚会合 →他の交渉分野の進捗状況を踏まえつつ、ルール交渉議長にAD協定の改定テキストを提示する権限を付与 |
| 時期未定 |
議長による改定テキスト案の提示 |
※注 個別論点について( PDFファイル 以下の項目について掲載。) ・サンセット ・レッサー・デューティールールの義務化 ・ゼロイングの禁止 ・損害及び因果関係 ・無視できる輸入量 ・関連者 ・調査対象産品 ・適正手続の強化及び透明性確保
(1)ADフレンズとは ・ AD措置濫用防止のためにADの規律強化・明確化を目指すグループ。日本、チリ、ブラジル、ノルウェー、韓国、香港、台湾、スイス、シンガポール、コスタリカ、コロンビア、イスラエル、メキシコ、トルコ、タイの計15カ国・地域で構成され ます。 ・ ADフレンズでは、2005年、AD交渉によって達成すべき「6つの目標」( PDFファイル)を掲げ、それに基づき具体的な条文提案を行ってきてい ます。 (「6つの目標」)  ・ 専ら自国の輸出産業がAD措置の犠牲になっている輸出国側の立場が強い国(香港、ノルウェー等)から、自らもAD措置発動を増加させつつある穏健なAD発動国(ブラジル等)までを幅広く含み ます(途上国も多い)。 (2)主要国の立場( PDFファイル) 
・AD交渉における具体的な条文改正提案ペーパーの概要(日本語・ PDFファイル)
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