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千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定


1. 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定(千九百九十四年のガット)は、次のものにより構成される。

(a) 国際連合貿易雇用会議準備委員会第二会期の終了の時に採択された最終議定書(暫定的適用に関する議定書を除く。)に附属する千九百四十七年十月三十日付けの関税及び貿易に関する一般協定(世界貿易機関協定の効力発生の日前に効力を生じた法的文書により訂正され、改正され又は修正されたもの)
(b) 世界貿易機関協定の効力発生の日前に千九百四十七年のガットの下で効力を生じた次に掲げる法的文書
 
(i) 関税譲許に関連する議定書及び確認書
(ii) 加入議定書(暫定的適用に関する規定(当該加入議定書の日付の日に有効な法令に反しない最大限度において千九百四十七年のガット第二部の規定を暫定的に適用する旨定める規定を含む。)及び暫定的適用の撤回に関する規定を除く。)
(iii)

義務の免除に関する決定(千九百四十七年のガット第二十五条の規定に基づいて行われたもの)であって、世界貿易機関協定の効力発生の日に効力を有しているもの(注)

注: この規定の対象となる義務の免除については、千九百九十三年十二月十五日の文書(文書番号MTN―FA)の第二部の十一ページ及び十二ページの脚注7並びに千九百九十四年三月二十一日の文書(文書番号MTN―FA―訂正6)に掲げる。閣僚会議は、その第一回の会合においてこの規定の対象となる義務の免除に関するリストを改定する。その改定されたリストにおいては、千九百九十三年十二月十六日から世界貿易機関協定の効力発生の日前までに千九百四十七年のガットに基づいて決定される義務の免除を追加し、かつ、世界貿易機関協定の効力発生の日前に効力を失う義務の免除を削除する。

(iv) その他千九百四十七年のガットの締約国団が行った決定
(c) 次に掲げる了解
 
(i) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二条1(b)の解釈に関する了解
(ii) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第十七条の解釈に関する了解
(iii) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の国際収支に係る規定に関する了解
(iv) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二十四条の解釈に関する了解
(v) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定に基づく義務の免除に関する了解
(vi) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二十八条の解釈に関する了解
(d) 千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定のマラケシュ議定書


2. 注釈

(a) 千九百九十四年のガットの規定中「締約国」とあるのは「加盟国」と、「低開発締約国」及び「先進締約国」とあるのはそれぞれ「開発途上加盟国」及び「先進加盟国」と、「書記局長」とあるのは「世界貿易機関事務局長」と読み替えるものとする。
(b) 千九百九十四年のガットの第十五条の1、2及び8の規定、第三十八条の規定、附属書1(注釈及び補足規定)の「第十二条について」及び「第十八条について」の規定並びに第十五条の2、3、6、7及び9における特別為替取極に関する規定中「締約国団」(共同して行動する締約国をいう。)とあるのは、「世界貿易機関」と読み替えるものとする。千九百九十四年のガットが定める締約国団のその他の任務については、閣僚会議が割り振る。
(c)
(i) 千九百九十四年のガットの条約文は、英語、フランス語及びスペイン語を正文とする。
(ii) 千九百九十四年のガットのフランス語による条約文は、文書番号MTN・TNC―四一の文書の附属書Aの規定に従って訂正される。
(iii) ガット基本文書選集(BISD)第四巻に含まれている条約文が文書番号MTN・TNC―四一の文書の附属書Bの規定に従って訂正されたものを、千九百九十四年のガットのスペイン語による正文とする。

3.

(a) 千九百九十四年のガット第二部の規定は、加盟国が千九百四十七年のガットの締約国となる前に制定した特定の義務的法令であって、外国で製造され又は改造された船舶を国内の水域内及び排他的経済水域内のいずれかの点の間において商業用目的のために使用し、又はその使用のために販売し若しくは賃貸することを禁止するものに基づいて当該加盟国がとる措置については、適用しない。このような免除は、当該法令の千九百四十七年のガット第二部の規定に適合しない規定が継続して存在する場合又は即時に更新される場合及び当該規定が改正される場合に適用する。ただし、改正については、千九百四十七年のガット第二部の規定との適合性を減少させないものに限る。このような免除は、当該法令に基づいてとられる措置であって、世界貿易機関協定の効力発生の日前に通報され、かつ、特定されるものについて適用する。当該法令は、その後千九百九十四年のガット第二部の規定との適合性を減少させるように改正される場合には、この(a)の規定の対象とはならない。
(b) 閣僚会議は、世界貿易機関協定の効力発生の日の後五年以内に、及びその後は(a)に規定する免除が効力を有している間は二年ごとに、当該免除の必要性を生じさせた事情が引き続き存在するかしないかを検討する。
(c) (a)に規定する免除の対象となる措置をとる加盟国は、対象となる船舶の実際の及び予想される引渡しに関する五年間の移動平均から成る詳細な統計並びに当該船舶の使用、販売、賃貸又は修繕に関する追加の情報を毎年提出する。
(d) 加盟国は、(a)に規定する免除の対象となる措置をとる他の加盟国の領域において製造された船舶の使用、販売、賃貸又は修繕に対し相互的なかつ均衡のとれた制限を課することを正当化するように当該措置が運用されていると認める場合には、そのような制限を導入することができる。ただし、当該制限を導入する加盟国は、閣僚会議に対して事前に通報を行わなければならない。
(e) (a)に規定する免除は、当該免除が対象とする法令の特定の側面に関する解決(分野別の協定の枠組みその他の場において交渉されるもの)に影響を及ぼすものではない。


千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二条1(b)の解釈に関する了解


加盟国は、 ここに、次のとおり協定する。

  1. 第二条1(b)の規定に基づく法的な権利及び義務の透明性を確保するため、関税譲許品目に課される同条1(b)に規定する「その他の租税又は課徴金」の性質及び水準については、当該「その他の租税又は課徴金」が課される関税品目ごとに、千九百九十四年のガットに附属する譲許表に記録する。譲許表に記録することは、「その他の租税又は課徴金」の法的性質を変更するものではないと了解する。

  2. 第二条の規定の適用上、「その他の租税又は課徴金」に係る適用の日は、千九百九十四年四月十五日とする。したがって、「その他の租税又は課徴金」については、同日に適用される水準で譲許表に記録する。譲許に関するその後の再交渉又は新たな譲許に関する交渉において対象となる関税品目については、新たな譲許が譲許表に収録される日を当該関税品目の「その他の租税又は課徴金」に係る適用の日とする。特定の関税品目に関する譲許が千九百四十七年のガット又は千九百九十四年のガットに最初に収録された文書の日付についても、ルースリーフ式の譲許表6欄に引き続き記録する。

  3. 「その他の租税又は課徴金」は、すべての関税譲許について記録されるものとする。

  4. 関税品目が既に譲許の対象となっていた場合には、該当の譲許表に記録する「その他の租税又は課徴金」の水準は、当該譲許を最初に譲許表に収録した時の水準を超えるものであってはならない。加盟国は、「その他の租税又は課徴金」が当該関税品目の最初の譲許の時に存在しなかったことを理由として、他の加盟国に対し、「その他の租税又は課徴金」の存在について及び「その他の租税又は課徴金」の記録される水準の適合性について異議を申し立てることができる。ただし、その異議の申立ては、世界貿易機関協定の効力発生の日の後三年間又は千九百九十四年のガットに当該譲許表を附属させる文書を世界貿易機関事務局長に寄託する日が世界貿易機関協定の効力発生の日よりも遅い場合には当該寄託する日の後三年間にするものとする。

  5. 「その他の租税又は課徴金」を譲許表に記録することは、当該「その他の租税又は課徴金」の千九百九十四年のガットに基づく権利及び義務との適合性に影響を及ぼすものではない。ただし、4の規定により影響を受けるものは、この限りでない。すべての加盟国は、「その他の租税又は課徴金」の千九百九十四年のガットに基づく義務(4の規定により影響を受けるものを除く。)との適合性について、いつでも異議を申し立てる権利を保持する。

  6. この了解の適用に当たっては、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定が適用される。

  7. 千九百九十四年のガットに譲許表を附属させる文書を、世界貿易機関協定の効力発生の日までは千九百四十七年のガットの締約国団の事務局長に、その後は世界貿易機関事務局長に寄託する時に当該譲許表に記録されない「その他の租税又は課徴金」は、その後当該譲許表に追加されないものとし、また、適用の日に実施されている水準よりも低い水準で記録される「その他の租税又は課徴金」は、当該実施されている水準に回復されないものとする。ただし、追加又は変更がその寄託の日から六箇月以内に行われる場合は、この限りでない。

  8. 千九百九十四年のガット第二条1(b)の規定の適用上、それぞれの「その他の租税又は課徴金」に係る適用の日に関する2の規定は、千九百八十年三月二十六日に行われた適用の日に関する決定(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十七巻二十四ページ)に代わる。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第十七条の解釈に関する了解


加盟国は、

第十七条が、同条1に規定する国家貿易企業の活動に関する加盟国の義務として、国家貿易企業の活動を、民間貿易業者による輸入又は輸出に影響を及ぼす政府の措置に関して千九百九十四年のガットが定める無差別待遇の一般原則に適合させることを定めていることに留意し、

更に、国家貿易企業に影響を及ぼす政府の措置に関する千九百九十四年のガットに基づく義務に従うことに留意し、

この了解が同条に規定する実質的な規律の適用を妨げないことを認めて、

ここに、次のとおり協定する。
  1. 加盟国は、国家貿易企業の活動の透明性を確保するため、5の規定に基づいて設置される作業部会が行う検討のために、作業のための次の定義に従って、物品の貿易に関する理事会に対しこれらの企業を通報する。その通報は、政府又は次に定める企業が直接又は最終的に消費するための産品であって、再販売するため又は販売のための物品の生産に使用するためのものではないものの輸入については、適用しない。

    「政府又は非政府の企業(販売に従事する機関を含む。)であって、購入及び販売を通じ輸入又は輸出の水準又は仕向け先に影響を及ぼす排他的又は特別な権利又は特権(法令又は憲法上の権限を含む。)を付与されたもの」

  2. 各加盟国は、この了解の規定を考慮して、物品の貿易に関する理事会に対する国家貿易企業についての通報に関する自国の方針について検討する。各加盟国は、その検討を行うに当たり、通報した企業の運営及びその運営の国際貿易への影響を明確に評価することが可能となるように最大限に可能な透明性を確保する必要性に考慮を払うべきである。

  3. 通報については、千九百六十年五月二十四日に採択された国家貿易に関する質問表(ガット基本文書選集(BISD)追録第九巻百八十四ページ及び百八十五ページ)に従って行う。この場合において、加盟国は、1に規定する企業によって輸入又は輸出が実際に行われたか行われなかったかを問わず、当該企業を通報する。

  4. 他の加盟国が通報義務を十分に履行していないと信ずるに足りる理由がある場合には、加盟国は、当該他の加盟国にその問題を提起することができる。問題の満足すべき解決が得られない場合には、当該問題を提起した加盟国は、5の規定に基づいて設置される作業部会における検討のため、物品の貿易に関する理事会に対して対抗的に通報することができるものとし、同時に、その旨を当該他の加盟国に通報する。

  5. 物品の貿易に関する理事会のために通報及び対抗的な通報を検討することを目的として、作業部会を設置する。同理事会は、作業部会の検討を踏まえ、通報の妥当性及び追加の情報の必要性に関して勧告を行うことができる。ただし、この勧告は、第十七条4(c)の規定の適用を妨げるものではない。作業部会は、受領した通報を踏まえ、3に規定する国家貿易に関する質問表及び1の規定に従って通報される国家貿易企業の範囲の妥当性を検討する。作業部会は、また、政府と企業との関係及びこれらの企業が行う活動の類型について、第十七条の目的に資する例示表を作成する。事務局は、作業部会のため、国家貿易企業の国際貿易に関係する運営に関して一般的な背景を説明する文書を作成する。作業部会の構成国の地位は、希望するすべての加盟国に開放する。作業部会は、世界貿易機関協定の効力発生の日から一年以内に、及びその後は少なくとも年一回会合する。作業部会は、毎年物品の貿易に関する理事会に報告を行う。(注)

    注: この作業部会の活動については、千九百九十四年四月十五日に採択された通報手続に関する閣僚決定の3に定める作業部会の活動と調整する。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定の国際収支に係る規定に関する了解


加盟国は、

千九百九十四年のガットの第十二条及び第十八条B並びに千九百七十九年十一月二十八日に採択された国際収支上の目的のためにとられる貿易上の措置に関する宣言(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十六巻二百五ページから二百九ページまで。この了解において「千九百七十九年の宣言」という。)の規定を認識し、これらの規定を明確にするために、(注)

ここに、次のとおり協定する。

注: この了解の規定は、千九百九十四年のガットの第十二条及び第十八条Bの規定に基づく加盟国の権利及び義務を変更することを意図するものではない。紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、国際収支上の目的のためにとられる輸入制限的な措置の適用から生ずる問題について、適用することができる。

措置の適用
  1. 加盟国は、国際収支上の目的のためにとられる輸入制限的な措置の撤廃の時期についての予定を可能な限り速やかに公表する約束を確認する。加盟国は、国際収支の状況の変化を考慮し、適当な場合には、当該予定を変更することができるものと了解する。加盟国は、予定を公表しない場合には、その理由を正当とする根拠を示す。

  2. 加盟国は、貿易の流れを乱す影響が最も少ない措置を優先してとる約束を確認する。このような措置(この了解において「価格を基礎とする措置」という。)は、輸入課徴金、輸入供託金その他輸入される物品の価格に影響を及ぼすこれらと同様の貿易上の措置をいうものと了解する。加盟国は、第二条の規定にかかわらず、自国の譲許表に記載されている水準を超えて、国際収支上の目的のためにとられる価格を基礎とする措置をとることができるものと了解する。更に、当該加盟国は、この了解に定める通報のための手続に従い、価格を基礎とする措置が譲許税率を超える額を個々に明示する。

  3. 加盟国は、危機的な国際収支の状況が存在するため価格を基礎とする措置により対外支払の状況の急速な悪化を阻止することができない場合を除くほか、国際収支上の目的のための新たな数量制限を課することを避けるよう努める。加盟国は、数量制限を課する場合には、価格を基礎とする措置が国際収支の状況に対処するために妥当な手段ではない理由を正当とする根拠を示す。数量制限を維持している加盟国は、その後の累次の協議において、数量制限が対象とする範囲及び数量制限の制限的効果を著しく減少させる上でいかなる進展があったかを示す。加盟国は、国際収支上の目的のためにとられる輸入制限的な措置に関しては、同一の産品について二種類以上のものをとることはできないことを了解する。

  4. 加盟国は、国際収支上の目的のためにとられる輸入制限的な措置を輸入の全般的な水準を管理するためにのみとることができること及び当該措置が国際収支の状況に対処するために必要な限度を超えてはならないことを確認する。加盟国は、付随する保護主義的な効果を最小限にするため、透明性を確保するように制限を運用する。輸入加盟国の当局は、制限の対象とする産品を決定するに当たって用いる基準を正当とする十分な根拠を示す。加盟国は、第十二条3及び第十八条10に定めるところにより、特定の重要な産品の場合には、一律に課される課徴金その他国際収支上の目的のためにとられる措置の適用を除外し又は制限することができる。「重要な産品」とは、基本的な消費に必要な産品又は加盟国の国際収支の状況を改善する努力に資する産品(例えば、生産のために必要な資本財又は投入物)をいうものと了解する。加盟国は、数量制限を運用するに当たり、避けることができない場合に限り裁量的な輸入許可制度を用いるものとし、同制度を段階的に廃止する。輸入可能な数量又は価額を決定するに当たって用いる基準については、正当とする十分な根拠を示す。

    国際収支上の目的のための制限に関する協議のための手続

  5. 国際収支上の目的のための制限に関する委員会(この了解において「委員会」という。)は、国際収支上の目的のためにとられるすべての輸入制限的な措置を審査するために協議を行う。委員会の構成国の地位は、希望するすべての加盟国に開放する。委員会は、次の諸規定に定めるところにより、千九百七十年四月二十八日に承認された国際収支上の目的のための制限に関する協議のための手続(ガット基本文書選集(BISD)追録第十八巻四十八ページから五十三ページまで。この了解において「通常の協議手続」という。)に従う。

  6. 新たな制限を課し又は既存の制限の実質的な強化により当該制限の全般的な水準を引き上げる加盟国は、これらの措置をとった時から四箇月以内に委員会との協議を開始する。当該措置をとった加盟国は、適宜、協議が第十二条4(a)又は第十八条12(a)の規定に従って行われるよう要請することができる。要請が行われない場合には、委員会の議長は、そのような協議を行うよう当該加盟国を招請する。協議において審査することができる事項には、特に、国際収支上の目的のための新たな種類の制限的な措置の導入、制限の水準の引上げ又は制限の対象とする産品の範囲の拡大を含むものとする。

  7. 国際収支上の目的のために課されるすべての制限は、第十二条4(b)又は第十八条12(b)の規定に従い委員会が行う定期的な審査を受ける。この場合において、協議の頻度は、協議を行う加盟国との合意によって変更することができるものとし、また、当該審査は、一般理事会が特別の審査手続を勧告するときは、これに従う。

  8. 後発開発途上加盟国又は従前の協議において委員会に提出した予定に従って自由化のための努力を継続している開発途上加盟国は、千九百七十二年十二月十九日に承認された簡易な手続(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十巻四十七ページから四十九ページまで。この了解において「簡易な協議手続」という。)に従って協議を行うことができる。簡易な協議手続は、開発途上加盟国の貿易政策に関する検討が協議と同一の暦年に予定されている場合にも用いることができる。この場合において、通常の協議手続を用いるべきであるかないかについての決定は、千九百七十九年の宣言の8に定める事項に基づいて行われるものとする。後発開発途上加盟国の場合を除くほか、簡易な協議手続を連続して三回以上用いることはできない。

    通報及び文書

  9. 加盟国は、一般理事会に対し、国際収支上の目的のためにとられる輸入制限的な措置の導入又はその措置の適用に当たって加えた変更及び1の規定に従って公表された措置の撤廃の時期についての予定の変更を通報する。重要な変更については、その公表の前に又はその公表の後三十日以内に一般理事会に通報する。各加盟国は、法令、政策に関する文書又は公告のすべての変更を含む包括的な通報を、毎年、加盟国による審査のために事務局に対して行う。通報には、可能な限り、措置の種類、措置の運用に当たって用いる基準、対象産品及び影響を受ける貿易の流れに関する関税品目ごとの十分な情報を含める。

  10. 委員会は、いずれかの加盟国の要請に基づき、通報を検討することができる。その検討の対象は、通報によって提起される特定の問題の明確化又は第十二条4(a)若しくは第十八条12(a)に規定する協議の必要性の有無に限定する。加盟国は、他の加盟国の輸入制限的な措置が国際収支上の目的のためにとられたものであると信ずるに足りる理由を有する場合には、委員会の注意を喚起することができる。委員会の議長は、当該輸入制限的な措置に関する情報の提供を要請し、当該情報をすべての加盟国が入手することができるようにする。委員会の構成国は、協議において適当な明確化を求める権利を害されることなく、委員会と協議を行う加盟国の検討に資するため、事前に質問を提出することができる。

  11. 委員会と協議を行う加盟国は、次の情報その他適当と認める情報を記載した協議のための基本文書を作成する。簡易な協議手続に従う場合には、協議を行う加盟国は、基本文書に記載されるべき事項に関する重要な情報を記載した文書を提出する。
    (a) 国際収支の状況及び見通しに関する概要(健全かつ永続的な基礎の上に国際収支の均衡を回復するためにとられる国内政策上の措置及び国際収支の状況に関係する国内的及び対外的な要因についての考察を含む。)
    (b) 国際収支上の目的のために課される制限、当該制限の法的根拠及び当該制限に付随する保護主義的効果を減ずるためにとられる措置に関する十分な記述
    (c) 前回の協議の後、委員会の結論を踏まえて輸入制限を緩和するためにとられた措置
    (d) 残存する制限の撤廃及び段階的な緩和に関する計画

  12. 事務局は、委員会における協議を促進するため、事実に即して背景を説明する文書(協議の計画中の様々な側面を取り扱うもの)を作成する。開発途上加盟国の場合には、事務局が作成する当該文書には、背景及び分析に関する資料(協議を行う加盟国の国際収支の状況に関連する対外的な貿易の環境及び国際収支の状況についての当該加盟国の見通しに関するもの)を含める。事務局の技術援助部門は、開発途上加盟国の要請に基づき、協議のための文書の作成を援助する。

    国際収支上の目的のための制限に関する協議の結論

  13. 委員会は、一般理事会に対し協議に関して報告する。通常の協議手続が用いられた場合には、報告には、協議の計画中の様々な事項についての委員会の結論並びに当該結論の基礎となる事実及び理由を示すべきである。委員会は、その結論に、第十二条及び第十八条Bの規定、千九百七十九年の宣言並びにこの了解の実施を促進することを目的とする勧告案を含めるよう努める。国際収支上の目的のためにとられる制限的な措置の撤廃の時期についての予定が示された場合において、一般理事会は、加盟国が当該予定に従っているときは千九百九十四年のガットに基づく義務を遵守しているものとみなすよう勧告することができる。一般理事会が具体的な勧告を行う場合には、加盟国の権利及び義務については、当該勧告に照らして評価する。一般理事会が行う具体的な勧告の案を委員会が提示しない場合には、委員会の結論には、委員会において表明された様々な見解を記録すべきである。簡易な協議手続が用いられた場合には、委員会の報告には、委員会における議論の主要な要素の要約及び通常の協議手続に従う必要性の有無についての決定を含める。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二十四条の解釈に関する了解


加盟国は、

千九百九十四年のガット第二十四条の規定を考慮し、

関税同盟及び自由貿易地域が、千九百四十七年のガットが作成されて以来その数及び重要性において大幅に増大し並びに今日世界貿易の相当な部分を占めることを認め、

関税同盟を組織し及び自由貿易地域を設定する協定の締約国の経済の一層密接な統合によって可能となる世界貿易の拡大への貢献を認め、

構成関税地域間における関税その他の制限的な通商規則の撤廃がすべての貿易に及ぶ場合にはそのような貢献が増加し、他方において、貿易の主要な分野が当該撤廃の対象から除外される場合にはそのような貢献が減少することを認め、

これらの協定の目的は、構成関税地域間の貿易を促進することにあって、これらの関税地域と他の加盟国との間の貿易に対する障害を引き上げることにあるべきでないこと、及びこれらの協定の締約国が協定の作成又は拡大に際し他の加盟国の貿易に悪影響を及ぼすことを最大限可能な限り避けるべきであることを再確認し、

新たに作成され又は拡大された協定を評価するための基準及び手続を明確化することにより、第二十四条の規定に従って通報された協定を検討し及び第二十四条に規定するすべての協定の透明性を改善することについての物品の貿易に関する理事会の役割の実効性を補強する必要性を確信し、

第二十四条12の規定に基づく加盟国の義務に関する共通の理解の必要性を認めて、

ここに、次のとおり協定する。

  1. 第二十四条の規定に適合する関税同盟、自由貿易地域及び関税同盟を組織し又は自由貿易地域を設定するための中間協定は、特に、同条の5から8までの規定を満足するものでなければならない。

    第二十四条5

  2. 関税同盟の組織前及び組織後に適用されている関税及びその他の通商規則の全般的な水準に関する第二十四条5(a)の規定に従って行う判断は、関税及び課徴金に関しては、加重平均関税率及び徴収された関税の全般的な評価に基づく。この評価については、当該関税同盟によって提供される過去の代表的な期間の輸入統計(関税品目分類に従い、かつ、世界貿易機関の原産地規則に基づき国別に区分された価額及び数量によるもの)に基づいて行う。事務局は、ウルグァイ・ラウンドの多角的貿易交渉において関税に関する提案の評価に使われた方法に従って、加重平均関税率及び徴収された関税を算定する。その算定のために考慮される関税及び課徴金は、実行税率とする。数量化及び総額の算定が困難であるその他の通商規則の水準の全般的な評価については、個別の措置、規制、対象産品及び影響を受ける貿易の流れに関する検討が必要とされることがあることを認識する。

  3. 第二十四条5(c)に規定する「妥当な期間」は、例外的な場合を除くほか、十年を超えるべきでない。中間協定の締約国である加盟国が十年では十分でないと認める場合には、当該加盟国は、一層長い期間を必要とすることについて物品の貿易に関する理事会に十分な説明を行う。

    第二十四条6

  4. 第二十四条6の規定は、関税同盟を組織する加盟国が譲許税率を引き上げることを提案する場合に従う手続を定めるものである。この点に関し、加盟国は、第二十八条に定められ、かつ、千九百八十年十一月十日に採択された「第二十八条の規定に基づく交渉のための手続」(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十七巻二十六ページから二十八ページまで)及び千九百九十四年のガット第二十八条の解釈に関する了解によって詳細に定められる手続が、関税同盟の組織又は関税同盟を組織するための中間協定の締結に際して関税譲許の修正又は撤回が行われる前に開始されなければならないことを再確認する。

  5. 第二十四条6に規定する交渉は、相互に満足すべき補償的調整を図るため、誠実に行われる。これらの交渉において、関税同盟を組織するに際し同一の関税品目について当該同盟を構成する他の関税地域が行った関税の引下げに対し、同条6の規定に従って妥当な考慮が払われるものとする。そのような引下げが必要な補償的調整を提供するために十分でない場合には、当該同盟は、補償(他の関税品目の関税の引下げの形をとることができる。)を提供する。その補償の提供は、当該関税品目の譲許の修正又は撤回について交渉する権利を有する加盟国によって考慮されるものとする。補償的調整が受入れ可能なものでない場合には、交渉は、継続されるべきである。そのような努力にもかかわらず、千九百九十四年のガット第二十八条の解釈に関する了解によって詳細に定められる第二十八条に規定する補償的調整に関する交渉において、交渉の開始から妥当な期間内に合意を達成することができない場合には、当該同盟は、譲許を修正し又は撤回することができる。この場合において、影響を受ける加盟国は、同条の規定に従って実質的に等価値の譲許を撤回することができる。

  6. 千九百九十四年のガットは、関税同盟の組織又は関税同盟を組織するための中間協定の締結の結果生ずる関税の引下げにより利益を受ける加盟国に対し、当該同盟を構成する関税地域に対して補償的調整を行う義務を課するものではない。

    関税同盟及び自由貿易地域に関する検討

  7. 第二十四条7(a)の規定に従って行われるすべての通報については、千九百九十四年のガットの関連規定及び1の規定に照らして作業部会が検討する。作業部会は、その検討の結果についての報告を物品の貿易に関する理事会に提出する。同理事会は、加盟国に対し、適当と認める勧告を行うことができる。

  8. 作業部会は、中間協定に関し、自己の報告において、関税同盟の組織又は自由貿易地域の設定に至るまでの時間的枠組みの案及びその組織又はその設定を完了するために必要な措置について適当な勧告を行うことができる。作業部会は、必要な場合には、当該協定に関し追加的な検討を行うことができる。

  9. 中間協定の締約国である加盟国は、物品の貿易に関する理事会に対し、当該協定に含まれる計画及び日程の実質的な変更を通報するものとし、理事会は、要請がある場合には、当該変更を検討する。

  10. 第二十四条7(a)の規定に従って通報される中間協定が同条5(c)の規定に反して計画及び日程を含まない場合には、作業部会は、その報告において、計画及び日程を勧告する。中間協定の締約国である加盟国は、その勧告に従って当該協定を修正する用意がないときは、状況に応じ、当該協定を維持し又は当該協定の効力を生じさせてはならない。勧告の実施に関するその後の検討のため、措置がとられるものとする。

  11. 地域的な取極に関する報告に係る千九百四十七年のガットの締約国団の千九百四十七年のガットの理事会への指示(ガット基本文書選集(BISD)追録第十八巻三十八ページ)において同締約国団が定めているように、関税同盟及び自由貿易地域を構成する関税地域は、関係取極の実施に関し、定期的に物品の貿易に関する理事会に報告する。当該取極に関する重要な変更及び進展については、これらが生じたときに報告すべきである。

    紛争解決

  12. 紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、関税同盟、自由貿易地域又は関税同盟を組織し若しくは自由貿易地域を設定するための中間協定に関する第二十四条の規定の適用から生ずる問題について、適用することができる。

    第二十四条12

  13. 各加盟国は、千九百九十四年のガットに基づき、千九百九十四年のガットのすべての規定を遵守する完全な責任を有しており、また、自国の領域内の地域及び地方の政府及び機関によるその遵守を確保するために利用することができる妥当な措置をとる。

  14. 紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、加盟国の領域内の地域又は地方の政府又は機関によりとられる措置であって千九百九十四年のガットの規定の遵守に影響を及ぼすものについて、適用することができる。紛争解決機関が千九百九十四年のガットの規定が遵守されていない旨の裁定を行う場合には、責任を有する加盟国は、その遵守を確保するために利用することができる妥当な措置をとる。そのような遵守を確保することができなかった場合には、代償及び譲許その他の義務の停止に関する規定を適用する。

  15. 各加盟国は、自国の領域においてとられた措置で千九百九十四年のガットの実施に影響を及ぼすものについて他の加盟国がした申立てに好意的な考慮を払い、かつ、その申立てに関する協議のための機会を十分に与えることを約束する。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定に基づく義務の免除に関する了解

加盟国は、ここに、次のとおり協定する。

  1. 義務の免除のための要請又は既存の義務の免除の延長のための要請には、加盟国がとろうとする措置、加盟国が達成しようとする具体的な政策上の目的及び加盟国が千九百九十四年のガットに基づく義務に適合する措置をとるならばその政策上の目的を達成することができない理由を記載する。

  2. 世界貿易機関協定の効力発生の日に有効な義務の免除は、1及び同協定第九条に定める手続に従って延長されない限り、当該免除が終了する日又は当該効力発生の日から二年が経過する日のいずれか早い日に終了する。

  3. 加盟国は、千九百九十四年のガットに基づき自国に与えられた利益が次に掲げるいずれかの結果として無効にされ又は侵害されていると認める場合には、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガット第二十三条の規定を適用することができる。
    (a) 義務を免除された加盟国がその免除の条件を遵守しなかったこと。
    (b) 義務の免除の条件に適合する措置をとったこと。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第二十八条の解釈に関する了解

加盟国は、ここに、次のとおり協定する。

  1. 譲許に関係する輸出(譲許を修正し又は撤回する加盟国の市場への当該譲許の対象となる産品の輸出)が自国の輸出全体に対し最も高い比率を有する加盟国は、当該譲許の修正又は撤回について、第二十八条1に規定する直接に交渉したことから生ずる権利又は同条1に規定する主要供給国としての利害関係を有しない場合には、当該譲許について主要供給国としての利害関係を有するものとみなす。この1に定める基準が中小の輸出加盟国への交渉する権利の再配分を確保する上で十分に機能したかしなかったかについて決定するため、この1の規定については、世界貿易機関協定の効力発生の日から五年以内に物品の貿易に関する理事会が検討する。この1の規定が十分に機能しなかったと決定される場合には、十分な資料が入手可能であるかないかを踏まえ、譲許に関係する輸出と問題となっている産品のすべての市場への輸出との比率に基づく基準の採用を含め、可能な改善が検討されるものとする。

  2. 加盟国は、自国が1の規定に基づく主要供給国としての利害関係を有すると認める場合には、譲許を修正し又は撤回することを提案する加盟国に対し、自国の主張をこれを立証する証拠と共に書面により通報し、かつ、同時に事務局に通報すべきである。この場合において、千九百八十年十一月十日に採択された「第二十八条の規定に基づく交渉のための手続」(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十七巻二十六ページから二十八ページまで)の4を適用する。

  3. いずれの加盟国が主要供給国としての利害関係(1又は第二十八条1に規定するもの)又は実質的な利害関係を有するかについて決定するに当たっては、譲許の対象となる産品の最恵国待遇の下で行われる貿易についてのみ考慮する。ただし、譲許の対象となる産品の貿易であって取決めに基づかない特恵待遇の下で行われていたものが、譲許の修正若しくは撤回のための交渉の際に又は当該交渉の終了時にそのような特恵待遇から生ずる利益を受けなくなり最恵国待遇の下での貿易となる場合には、当該貿易を考慮する。

  4. 新たな産品(三年間の貿易統計を入手することができない産品)に関する関税譲許が修正され又は撤回される場合には、当該産品が属している又は以前に属していた関税品目について直接に交渉したことから生ずる権利を有する加盟国は、当該産品に関する譲許について直接に交渉したことから生ずる権利を有するものとみなす。主要供給国としての利害関係及び実質的な利害関係についての決定並びに補償の算定に当たっては、特に、譲許の対象となる産品についての輸出加盟国における生産能力、投資及び輸出の伸びの予測並びに輸入加盟国における当該産品の需要の見通しを考慮する。この4の規定の適用上、「新たな産品」は、現行の関税品目から細分化したことにより創設される関税品目に属する産品を含むものと了解する。

  5. 加盟国は、自国が4の規定に基づく主要供給国としての利害関係又は実質的な利害関係を有すると認める場合には、譲許を修正し又は撤回することを提案している加盟国に対し、自国の主張をこれを立証する証拠と共に書面により通報し、かつ、同時に事務局に通報すべきである。この場合において、2に規定する「第二十八条の規定に基づく交渉のための手続」の4を適用する。

  6. 関税割当てが適用数量に制限のない関税譲許に代わる場合には、提供される補償の額については、譲許の修正によって実際に影響を受ける貿易の額を超えるものとすべきである。補償の算定のための基礎については、将来の貿易の見通しが当該関税割当ての水準を超える額を用いるべきである。将来の貿易の見通しの算定は、次のいずれか大きい方に基づくべきであると了解する。ただし、いかなる場合にも、加盟国の補償についての責任は、譲許の完全な撤回によって課される責任を超えてはならない。
    (a) 直近の代表的な三年間の平均年間貿易量に、当該貿易量に同一の時期の輸入の平均年間成長率又は十パーセントのいずれか高い方を乗じたものを加えたもの
    (b) 直近の年における貿易量にその十パーセントを加えたもの

  7. 加盟国は、修正され又は撤回される譲許について主要供給国としての利害関係を有する場合(1又は第二十八条1のいずれの規定が適用される場合であるかを問わない。)には、補償的譲許が行われた品目について直接に交渉する権利を与えられる。ただし、他の方法による補償が関係加盟国によって合意される場合は、この限りでない。

千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定のマラケシュ議定書

加盟国は、

ウルグァイ・ラウンドに関する閣僚宣言に従って千九百四十七年のガットの枠組みにおいて交渉を行い、

ここに、次のとおり協定する。
  1. この議定書に附属する加盟国の譲許表は、世界貿易機関協定が当該加盟国について効力を生じた日から、千九百九十四年のガットに附属する当該加盟国の譲許表となる。後発開発途上国に対する優遇措置に関する閣僚決定に基づいて提出される譲許表は、この議定書に附属するものとみなす。

  2. 各加盟国が同意した関税の引下げについては、加盟国の譲許表に別段の定めがある場合を除くほか、五回の均等な税率の引下げによって実施する。加盟国の譲許表に別段の定めがある場合を除くほか、一回目の引下げについては世界貿易機関協定が効力を生ずる日に実施し、二回目以降の引下げについては同協定が効力を生ずる年の翌年から毎年一月一日に実施するものとし、また、最終税率は、同協定が効力を生じた日の後四年以内に適用する。同協定が効力を生じた後にこれを受諾する加盟国は、自国の譲許表に別段の定めがある場合を除くほか、自国について同協定が効力を生ずる日以前に実施することとされていたすべての税率の引下げ及び第二段の規定に従い翌年一月一日に実施する義務を負うこととなる税率の引下げを、自国について同協定が効力を生ずる日に実施し、また、残余のすべての税率の引下げを第二段の規定に従って実施する。引下げの各段階における引下げ後の税率の端数については、切り上げ又は切り捨てて、小数点以下一位までとすべきである。農業に関する協定第二条に定める農産品に関する関税の段階的な引下げについては、譲許表の関連する部分に定めるところに従って実施する。

  3. この議定書に附属する譲許表に定める譲許及び約束の実施は、要請があったときは、加盟国による多角的な検討の対象となる。このことは、世界貿易機関協定附属書一Aの協定に基づく加盟国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。

  4. いずれの加盟国も、この議定書に附属する自国の譲許表が1の規定により千九百九十四年のガットの譲許表となった後は、自国の譲許表に定める譲許であって、その譲許表が千九百九十四年のガットの譲許表となっていない他のウルグァイ・ラウンドの参加国が主要供給国である産品に関する譲許については、いつでも当該譲許の全部又は一部を停止し又は撤回することができる。ただし、当該譲許の停止又は撤回の措置をとるに先立ち、加盟国は、その停止又は撤回につき書面による通報を物品の貿易に関する理事会に行うものとし、また、要請があったときは、その譲許表が千九百九十四年のガットの譲許表となっており、かつ、当該産品について実質的な利害関係を有する加盟国と協議を行わなければならない。譲許がこの4の規定により停止され又は撤回された場合にも、当該譲許については、主要供給国である加盟国の譲許表が千九百九十四年のガットの譲許表となった日から実施する。

  5. (a) この議定書に附属する譲許表に定める譲許の対象となっている各産品に関し、千九百九十四年のガット第二条1の(b)及び(c)において言及されている千九百九十四年のガットの日付については、この議定書の日付とする。ただし、農業に関する協定第四条2の規定の適用は妨げられない。
    (b) この議定書に附属する譲許表に関し、千九百九十四年のガット第二条6(a)において言及されている千九百九十四年のガットの日付については、この議定書の日付とする。

  6. 譲許表第三部に定める非関税措置に関する譲許の修正又は撤回を行う場合には、千九百九十四年のガット第二十八条の規定及び千九百八十年十一月十日に採択された「第二十八条の規定に基づく交渉のための手続」(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十七巻二十六ページから二十八ページまで)を適用する。このことは、千九百九十四年のガットに基づく加盟国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。

  7. この議定書に附属する譲許表のいずれかの産品についての待遇が、世界貿易機関協定の効力発生前に千九百四十七年のガットの譲許表に定められていた当該産品についての待遇よりも不利なものとなる場合には、当該譲許表を附属させた加盟国は、千九百四十七年又は千九百九十四年のガット第二十八条の関連規定の定めるところにより必要とされる適切な措置をとったものとみなす。この7の規定は、エジプト、ペルー、南アフリカ及びウルグァイのみに適用する。

  8. この議定書に附属する譲許表は、各譲許表に定めるところにより、英語、フランス語又はスペイン語を正文とする。

  9. この議定書の日付は、千九百九十四年四月十五日とする。

ウルグァイ・ラウンド

第三十八表 日本国の譲許表
(平八条五・全改、平九条一二・平一二条四・一部改正)

この譲許表は、英語のみを正文とする。

この譲許表が効力を生ずる日に、千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定(以下「千九百九十四年のガット」という。)の従前の譲許表第三十八表は、この譲許表に代わる。

    第三十八表の日本国の譲許表に関する注釈

  1. この譲許表は、次の部分から構成される。

    (a) 第一部 最恵国関税率表
    第一節 農産品
    第一A節 関税
    第一B節 関税割当て
    第二節 その他の産品
    第一部第二節の附属書1
    第一部第二節の附属書2
    第一部 最恵国関税率表
    第二節 その他の産品
    第一部第二節に関する注釈
    (b) 第二部 特恵関税率表
    (c) 第三部 非関税譲許表
    (d) 第四部 農産品についての補助の制限に関する約束
    第一節 国内助成(助成合計総量)に関する約束
    第二節 輸出補助金に係る予算上の支出及び数量の削減に関する約束
    第三節 輸出補助金の交付の範囲の制限に関する約束
    (e) 第三十八表の日本国の譲許表の附属書
    この譲許表に定める譲許及び約束については、千九百九十四年のガットにこの譲許表を附属させた日から実施する。当該譲許及び約束は、2から6までの規定及びこの譲許表の関連部分の注釈に従い、この譲許表が千九百九十五年一月一日に効力を生じたならば実施すべきものを実施する。

  2. 第一部第一節に定める関税の引下げその他の市場アクセスに関する約束については、その節に別段の定めがある場合を除くほか、千九百九十五年四月一日に開始し二千一年三月三十一日に終了する実施期間を通じて毎年均等に実施する。関税の譲許については、千九百九十五年四月一日から実施する。

  3. 第一部第二節に定める関税の引下げについては、日本国政府は、千九百九十五年一月一日に、一回目の引下げとして3欄に定める基準税率から同欄に定める最終税率までの総引下げ幅の五分の一に相当する税率の引下げを実施し、その引下げの後は、総引下げ幅の五分の四に相当する税率を四等分したものをそれぞれ千九百九十六年、千九百九十七年、千九百九十八年及び千九百九十九年の一月一日に引き下げる。

  4. (a) 1(e)に掲げる第三十八表の日本国の譲許表の附属書の規定に従い、千九百九十五年一月一日に、千九百九十四年のガットに基づく譲許として当該附属書の対象となる産品の関税を撤廃する。
    (b) 「P」を付した関税率表番号には、当該附属書の(3)から(6)までのいずれかに該当する産品を含む。
    (c) 当該附属書の対象となる産品が分類されている関税率表番号に対応する第一部第二節の最終税率が「無税」となっていない場合には、当該附属書の規定が優先する。

  5. 従価税につき2及び3の規定並びに第一部の第一A節及び第二節の注釈に従って引下げを実施した後の税率に小数点以下一位未満の端数があるときは、これを四捨五入する(〇・〇五パーセントは、〇・一パーセントとする。)。従量税につき2及び3の規定並びに第一部の第一A節及び第二節の注釈に従って引下げを実施した後の税率に一銭(百分の一円をいう。)未満の端数があるときは、これを四捨五入する(〇・五銭は、一銭とする。)。

  6. ウルグァイ・ラウンドに関する閣僚宣言に従って行われたウルグァイ・ラウンドの多角的貿易交渉のいずれかの参加国が日本国の関心品目についての譲許若しくは約束の実施又は税率の段階的な引下げを遅延させ、停止し又は撤回する場合には、日本国政府は、妥当な措置をとる権利を留保する。当該多角的貿易交渉のいずれかの参加国がその譲許又は約束の全般的な実施を中断し又は著しく遅延させる場合にも、日本国政府は、その中断又は遅延に対応する措置をとる権利を留保する。

    第一部 最恵国関税率表 〔略〕
    第二部 特恵関税率表 〔略〕
    第三部 非関税譲許表 〔略〕
    第四部 農産品についての補助の制限に関する約束(農業に関する協定第三条) 〔略〕
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