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貿易に関連する投資措置に関する協定

加盟国は、

閣僚がプンタ・デル・エステ宣言において「投資措置の貿易に対する制限的及び阻害的な影響に関連するガットの条項の運用について検討した上で、適当な場合には、貿易に対するこのような望ましくない影響を回避するために必要となる追加的な規定を交渉において定めるべきである」ことを合意したことを考慮し、

すべての貿易相手国、特に開発途上加盟国の経済成長を拡大させるために、自由な競争を確保しつつ、世界貿易の拡大及び漸進的自由化を促進し並びに国境を越える投資を容易にすることを希望し、

開発途上加盟国、特に後発開発途上加盟国の貿易上、開発上及び資金上の特別のニーズを考慮し、

一部の投資措置が貿易に対し制限的及び阻害的な影響をもたらすことがあることを認めて、

ここに、次のとおり協定する。

第一条 適用範囲

この協定は、物品の貿易に関連する投資措置(この協定において「貿易関連投資措置」という。)についてのみ適用する。


第二条 内国民待遇及び数量制限

  1. いかなる加盟国も、千九百九十四年のガットの第三条又は第十一条の規定に反する貿易関連投資措置をとってはならない。ただし、この1の規定は、千九百九十四年のガットに基づく他の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。

  2. 千九百九十四年のガット第三条4に規定する内国民待遇についての義務に反する貿易関連投資措置及び千九百九十四年のガット第十一条1に規定する数量制限の一般的廃止の義務に反する貿易関連投資措置の例示表は、この協定の附属書に含められる。


第三条 例外規定

千九百九十四年のガットに基づくすべての例外規定は、適当な場合には、この協定について準用する。


第四条 開発途上加盟国

開発途上加盟国は、千九百九十四年のガット第十八条の規定、千九百九十四年のガットの国際収支に係る規定の解釈に関する了解及び千九百七十九年十一月二十八日に採択された国際収支の擁護を目的とした貿易措置に関する宣言(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十六巻二百五ページから二百九ページまで)が、加盟国に対し千九百九十四年のガットの第三条及び第十一条の規定から逸脱することを認めている範囲及び方法で、この協定の第二条の規定から一時的に逸脱することができる。


第五条 通報及び経過措置

  1. 加盟国は、世界貿易機関協定の効力発生の日から九十日以内に、この協定の規定に適合しない貿易関連投資措置であって、現にとられているすべてのものを物品の貿易に関する理事会に通報する。このような貿易関連投資措置(一般的にとられるものであるか個別にとられるものであるかを問わない。)を通報するときは、その概要も通報する。(注)

    注: 裁量的な権限の下でとられる貿易関連投資措置は、個別にとられるものについて通報する。特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなる情報は、開示することを要しない。

  2. 1の規定に基づいて自己が通報したすべての貿易関連投資措置については、先進加盟国は世界貿易機関協定の効力発生の日から二年以内、開発途上加盟国は当該日から五年以内及び後発開発途上加盟国は当該日から七年以内に、これらを廃止する。

  3. 物品の貿易に関する理事会は、この協定の規定の実施に当たり特別の困難があることを立証する開発途上加盟国(後発開発途上加盟国を含む。)について、要請に基づき、1の規定に基づいて通報した貿易関連投資措置の廃止に係る経過期間を延長することができる。同理事会は、要請を検討するに当たり、当該開発途上加盟国の個別の開発上、資金上及び貿易上のニーズを考慮する。

  4. 加盟国は、経過期間中、1の規定に基づいて通報したいずれの貿易関連投資措置の条件も、世界貿易機関協定の効力発生の日に適用される条件と比較して、より一層第二条の規定に抵触するように変更してはならない。同協定の効力発生の日の前百八十日の期間内に導入された貿易関連投資措置は、2に規定する経過措置による利益を受けない。

  5. 第二条の規定にかかわらず、加盟国は、1の規定に基づいて通報した貿易関連投資措置の対象となっている既存の企業を不利な立場に置かないようにするため、次の(1)及び(2)の規定に該当する場合には、経過期間中新規投資に対し当該既存の企業に対するものと同一の貿易関連投資措置をとることができる。

    (i) 新規投資に係る産品が当該既存の企業に係る産品と同種のものであること。
    (ii) 新規投資と当該既存の企業との間の競争条件を異ならせることを回避する必要があること。

    このようにして新規投資に対してとられたすべての貿易関連投資措置は、物品の貿易に関する理事会に通報する。このような貿易関連投資措置の条件は、競争に与える影響において、当該既存の企業に対して適用される条件と同等とするものとし、また、このような貿易関連投資措置は、当該既存の企業に対してとられる貿易関連投資措置と同時に終了する。


第六条 透明性の確保

  1. 加盟国は、貿易関連投資措置に関し、千九百九十四年のガット第十条の規定、千九百七十九年十一月二十八日に採択された通報、協議、紛争解決及び監視に関する了解事項に含まれる「通報」に関する約束及び千九百九十四年四月十五日に採択された通報手続に関する閣僚による決定における透明性の確保及び通報に関する義務についての自国の約束を再確認する。

  2. 各加盟国は、貿易関連投資措置(地域及び地方の政府及び機関がそれらの地域及び地方においてとるものを含む。)を見いだすことができる出版物を事務局に通報する。

  3. 各加盟国は、この協定から生じ、かつ、他の加盟国が提起したいかなる問題に関しても、情報提供の要請に好意的な考慮を払うものとし、その問題に関する協議を行うための適当な機会を与える。千九百九十四年のガット第十条の規定に従い、加盟国は、法令の実施を妨げる等公共の利益に反し又は公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような情報の開示を要求されない。


第七条 貿易に関連する投資措置に関する委員会

  1. この協定により、貿易に関連する投資措置に関する委員会(この協定において「委員会」という。)を設置する。委員会は、すべての加盟国に開放する。委員会は、議長及び副議長を選出するものとし、少なくとも年に一回会合するほか、いずれかの加盟国の要請に基づいて会合する。

  2. 委員会は、物品の貿易に関する理事会により与えられた任務を遂行するものとし、この協定の運用及び実施に関する事項について協議する機会を加盟国に与える。

  3. 委員会は、この協定の運用及び実施を監視し、物品の貿易に関する理事会に対して毎年これを報告する。

第八条 協議及び紛争解決

紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。


第九条 物品の貿易に関する理事会による検討

物品の貿易に関する理事会は、世界貿易機関協定の効力発生の日の後五年以内に、この協定の運用について検討し、適当な場合には、この協定の改正を閣僚会議に提案する。同理事会は、この検討において、この協定に投資政策及び競争政策に関する規定を補足すべきであるかないかを考慮する。


附属書 例示表

  1. 千九百九十四年のガット第三条4に規定する内国民待遇についての義務に反する貿易関連投資措置には、国内法令若しくは行政上の決定に基づく義務的な若しくは執行可能な貿易関連投資措置又は利益を得るために従うことが必要な貿易関連投資措置であって、次に掲げるものを含む。

    (a) 国内原産の産品又は国内供給源からの産品の企業による購入又は使用を要求するもの。特定の産品、産品の数量若しくは価額又は当該企業により国内で生産される産品の数量若しくは価額に対する比率のいずれを定めているかを問わない。
    (b) 輸入産品の企業による購入又は使用を当該企業により国内で生産される産品で輸出されるものの数量又は価額に関連する量に制限することを要求するもの


  2. 千九百九十四年のガット第十一条1に規定する数量制限の一般的廃止の義務に反する貿易関連投資措置には、国内法令若しくは行政上の決定に基づく義務的な若しくは執行可能な貿易関連投資措置又は利益を得るために従うことが必要な貿易関連投資措置であって、次に掲げるものを含む。

    (a) 企業の国内生産に使用される産品又は当該国内生産に関連する産品の当該企業による輸入を一般的に制限するか又は当該企業により国内で生産される産品で輸出されるものの数量若しくは価額に関連する量に制限するもの
    (b) 企業が利用することのできる外国為替を当該企業に帰せられる外国為替の流入に関連する量に制限することにより、当該企業の国内生産に使用される産品又は当該国内生産に関連する産品の当該企業による輸入を制限するもの
    (c) 産品の企業による輸出又は輸出のための販売を制限するもの。特定の産品、産品の数量若しくは価額又は当該企業により国内で生産される産品の数量若しくは価額に対する比率のいずれを定めているかを問わない。

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