経済産業省
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政府調達に関する協定

(平成七年十二月八日)
(条約第二十三号)
修正 平成 八年 三月一八日外務省告示第一三七号
訂正 同 八年一二月 三日同 第五八七号
同 九年 二月一八日同 第 四七号
同 一〇年 二月 六日同 第 二四号
同 一〇年 二月一〇日同 第 二九号
同 一〇年 九月二八日同 第四五〇号
同 一一年 一月一三日同 第 三九号
同 一一年 一月二六日同 第 五七号
同 一二年一〇月三〇日同 第四六〇号
修正 同 一三年 二月二七日同 第 六八号


政府調達に関する協定をここに公布する。

この協定の締約国(以下「締約国」という。)は、

世界貿易の一層の自由化及び拡大を図り、かつ、世界貿易を規律する国際的な枠組みを改善するため、政府調達に係る法令、手続及び慣行についての権利及び義務に関する効果的な多角的枠組みの必要性を認め、

政府調達に係る法令、手続及び慣行は、国内産品若しくは国内のサービス又は国内供給者に保護を与えるように立案され、制定され、かつ、外国産品又は国内産品及び外国のサービス又は国内のサービス並びに外国の供給者又は国内供給者に適用されるべきでないこと並びに外国産品若しくは外国のサービスの間又は外国の供給者の間に差別を設けるべきでないことを認め、

政府調達に係る法令、手続及び慣行を透明なものにすることが望ましいことを認め、

政府調達に係る国際的な規則の公正な、迅速な、かつ、効果的な実施を確保するために通報、協議、監視及び紛争解決に関する国際的な手続を定めること並びに権利及び義務の均衡をできる限り高い水準に維持することの必要性を認め、 開発途上国、特に後発開発途上国の開発上、資金上及び貿易上のニーズに留意する必要を認め、

千九百七十九年四月十二日に作成され、千九百八十七年二月二日に改正された政府調達に関する協定第九条6(b)の規定に従って、相互主義に基づいて同協定を拡充し及び改善し並びに同協定の適用範囲にサービスに関する契約を含めるよう適用範囲を拡大することを希望し、

この協定の締約国でない国の政府によるこの協定の受諾及びこの協定への加入を奨励することを希望し、

このような目的を達成するために更に交渉を行って、

ここに、次のとおり協定する。

第一条 適用範囲

  1. この協定は、附属書1(注)において特定するこの協定の適用対象となる機関による調達に係る法令、手続及び慣行について適用する。

    注: 附属書1は、各締約国について五の付表に分けられる。
    付表1においては、中央政府の機関を掲げる。
    付表2においては、地方政府の機関を掲げる。
    付表3においては、この協定に従って調達するその他のすべての機関を掲げる。
    付表4においては、この協定の適用を受けるサービスを特定する(この協定の適用を受けるサービスを掲げる方法によるか、適用を受けないサービスを掲げる方法によるかを問わない。)。
    付表5においては、この協定の適用を受ける建設サービスを特定する。
    基準額については、各締約国の付表において特定する。


  2. この協定は、購入、借入れ(購入を選択する権利の有無を問わない。)等の方法を通じて行う契約による調達(産品とサービスとを組み合わせたものを含む。)について適用する。

  3. 機関が、附属書1に掲げられていない企業に対し、この協定の適用を受ける調達に関連して当該企業が締結する契約について特定の要件に従ったものであることを求める場合には、当該要件について第三条の規定が準用される。

  4. この協定は、附属書1において特定する基準額以上の価額の調達契約について適用する。
第二条 契約の評価
  1. この協定を実施する上で、契約の価額(注)の算定に当たっては、2から6までの規定を適用する。

    注: この協定は、第九条の規定に従って公示を行う時点において契約の価額が基準額と同額又はこれを超えるものと見積もられる調達契約について適用する。

  2. 評価については、すべての形態の報酬(特別報酬、料金、手数料及び利子を含む。)を考慮する。

  3. 機関は、この協定の適用を回避する意図の下に、評価の方法を選択してはならず、また、いかなる調達も分割してはならない。

  4. 一の調達のために、二以上の契約又は区分した契約を締結する場合には、評価の基礎は、次のいずれかの価額とする。
    (a) 当初の契約が締結される会計年度の前会計年度又は当該契約の締結前十二箇月の間に締結した同種の一連の契約の実際の価額(可能な場合には、当初の契約締結後の十二箇月の間の調達数量及び調達価額の予想される変動を調整した価額とする。)
    (b) 当初の契約が締結される会計年度又は当該契約の締結後の十二箇月の間における一連の契約の見積価額

  5. 産品若しくはサービスの借入契約の場合又は価格の総額を特定しない契約の場合における評価の基礎は、次のとおりとする。
    (a) 期間の定めのある契約の場合は、その期間が十二箇月以下のときは当該期間における契約の価額の総額とし、その期間が十二箇月を超えるときは見積残存価額を含む当該期間における契約の価額の総額とする。
    (b) 期間の定めのない契約の場合は、一月当たりの支払金額に四十八を乗じたものとする。
    疑義がある場合は、第二の評価の基礎、すなわち(b)が使用される。

  6. 調達計画が選択権条項を必要とする旨定めている場合においては、評価の基礎は、選択権を行使して行う購入を含む最大限の調達価額の総額とする。
第三条 内国民待遇及び無差別待遇
  1. 各締約国は、法令、手続及び慣行であってこの協定の適用を受ける政府調達に係るものについて、他の締約国の産品及びサービスに対し並びに他の締約国の供給者であって締約国の産品及びサービスを提供するものに対し、即時にかつ無条件で、次の待遇よりも不利でない待遇を与える。
    (a) 国内の産品、サービス及び供給者に与えられる待遇
    (b) 当該他の締約国以外の締約国の産品、サービス及び供給者に与えられる待遇

  2. 各締約国は、法令、手続及び慣行であってこの協定の適用を受ける政府調達に係るものについて次のことを確保する。
    (a) 機関が、国内に設立された特定の供給者を、当該供給者が有している外国企業等との関係(所有関係を含む。)の程度に基づいて、国内に設立された他の供給者より不利に取り扱ってはならないこと。
    (b) 機関が国内に設立された供給者をその供給する産品又はサービスの生産国に基づいて差別してはならないこと。ただし、次条の規定に従って生産国とされる国が協定の締約国であることを条件とする。

  3. 1及び2の規定は、輸入について又は輸入に関連して課されるすべての種類の関税及び課徴金、これらの徴収の方法その他の輸入に関連する規則及び手続並びにサービスの貿易に影響を及ぼす措置(法令、手続及び慣行であってこの協定の適用を受ける政府調達に係るものを除く。)については、適用しない。
第四条 原産地に関する規則
  1. 締約国は、この協定の適用を受ける政府調達のために他の締約国から輸入され又は供給される産品又はサービスにつき、通常の貿易においてかつ当該他の締約国からの同一の産品又はサービスの輸入又は供給の取引の時に適用する原産地に関する規則と異なる規則を適用してはならない。

  2. 締約国は、世界貿易機関を設立する協定(以下「世界貿易機関協定」という。)附属書一Aの原産地規則に関する協定に基づいて行われる物品に係る原産地規則の調和のための作業計画及びサービスの貿易に関する交渉の終了の後、1の規定を適宜改正するに当たり、当該作業計画及び交渉の結果を考慮する。
第五条 開発途上国に対する特別のかつ異なる待遇
    目的

  1. 締約国は、この協定の実施及び運用に当たり、この条に定めるところにより、開発途上国、特に後発開発途上国の次のことの必要性に照らしてその開発上、資金上及び貿易上のニーズに妥当な考慮を払う。
    (a) 国際収支の状況の悪化をもたらさないこと及び経済開発計画を実施するために十分な通貨準備を確保すること。
    (b) 国内工業の確立又は発展(都市化していない地域又は後進地域における小規模工業及び家内工業の発展を含む。)及び経済の他の部門における経済開発を促進すること。
    (c) 政府調達に全面的又は実質的に依存をしている特定の産業部門をその依存をしている間援助すること。
    (d) 開発途上国の間の地域的又は世界的な取極であって世界貿易機関の閣僚会議に提出され、かつ、否認されなかったものを通じて経済開発を勧奨すること。

  2. 各締約国は、政府調達に係る法令及び手続の立案及び適用に当たり、後発開発途上国及び経済開発が初期の段階にある開発途上国の特別の問題に留意して、この協定の定めるところによって開発途上国からの輸入の増大を促進する。

    適用範囲

  3. 開発途上国がその開発上、資金上及び貿易上のニーズに合致する条件でこの協定に参加することができることを確保するため、この協定の適用を受ける開発途上国の調達に関する交渉の過程において、1に掲げることが十分に考慮される。先進国は、この協定の適用範囲の表を作成するに当たり、開発途上国がその輸出について関心を有する産品及びサービスを調達する機関をその表に含めるように努める。

    合意による適用除外

  4. 開発途上国は、この協定に基づく交渉に参加する他の国との間で、それぞれの場合における特殊な状況を考慮し、当該開発途上国の適用範囲の表に掲げる機関、産品又はサービスについての内国民待遇に関する規則の適用除外につき相互に受諾可能なものについて交渉することができる。この交渉においては、1の(a)から(c)までに定めることに妥当な考慮が払われる。1(d)の開発途上国の間の地域的又は世界的な取極に参加している開発途上国は、それぞれの場合における特殊な状況を考慮し、特に、当該地域的又は世界的な取極に定める政府調達に関する規定及び特定の産品又はサービスが共通の産業開発計画の対象とされることのあることを考慮して、これらの国の適用範囲の表についてのこの協定の適用除外についても交渉することができる。

  5. この協定の効力発生の後、開発途上締約国は、その開発上、資金上及び貿易上のニーズを考慮して、適用範囲の表の修正に関する第二十四条6の規定により当該開発途上締約国の適用範囲の表を修正することができるものとし、また、それぞれの場合における特殊な状況を考慮し、かつ、1の(a)から(c)までの規定に妥当な考慮を払い、その表に掲げる機関、産品又はサービスについての内国民待遇に関する規則の適用除外を認めるよう政府調達に関する委員会(以下「委員会」という。)に要請することができる。開発途上締約国は、また、この協定の効力発生の後、開発途上国の間の地域的又は世界的な取極に参加することにかんがみ、それぞれの場合における特殊な状況を考慮し、かつ、1(d)の規定に妥当な考慮を払い、自国の適用範囲の表に掲げる機関、産品又はサービスについてのこの協定の適用除外を認めるよう委員会に要請することができる。開発途上締約国は、適用範囲の表の修正に関し委員会に要請するに当たり、要請に関連する文書又は問題の検討に必要な情報を添える。

  6. 4及び5の規定は、この協定の効力発生の後にこの協定に加入する開発途上国について準用する。

  7. 4から6までに定める合意による適用除外については、14の規定に従って検討する。

    開発途上締約国に対する技術援助

  8. 各先進締約国は、開発途上締約国が政府調達に係る問題を解決するに当たって要請した場合には、適当と認めるすべての技術援助を開発途上締約国に与える。

  9. 8の技術援助は、開発途上締約国の間における無差別の原則の下に、特に次のものに関して与えられる。

    契約の締結に係る特定の技術的問題の解決

    要請を行う締約国と当該要請を受ける締約国とが技術援助の枠内において取り扱うことに合意する他のすべての問題

  10. 8及び9の技術援助には、開発途上締約国の供給者が作成する資格の審査に係る書類及び入札書を機関の指定する世界貿易機関の公用語に翻訳することが含まれる。ただし、先進締約国が当該翻訳を負担と考える場合は、この限りでない。この場合において、先進締約国は、自国又はその機関に対する開発途上締約国からの要請に応じ、その旨説明しなければならない。

    情報センター

  11. 先進締約国は、特に、政府調達に係る法令、手続及び慣行、調達計画についての既に行われた公示並びにこの協定の適用を受ける機関の所在地に関する情報並びに既に調達された又は将来調達される産品又はサービスの特質及び数量に関する情報についての開発途上締約国からの妥当な要請に応ずるため、個別に又は共同して、情報センターを設置する。これらの情報には、将来の入札について提供し得る情報を含む。委員会も、情報センターを設置することができる。

    後発開発途上国に対する特別の待遇

  12. 異なるかつ一層有利な待遇、相互主義及び開発途上国の一層完全な参加に関する千九百七十九年十一月二十八日付けの千九百四十七年のガットの締約国団の決定(ガット基本文書選集(BISD)追録第二十六巻二百三ページから二百五ぺージまで)6を考慮し、開発途上締約国のための一般又は個別の措置に関し、後発開発途上締約国に対し及び後発開発途上締約国を原産地とする産品又はサービスの後発開発途上締約国の供給者に対し特別の待遇が与えられる。締約国は、この協定の締約国でない後発開発途上国を原産地とする産品又はサービスのこの協定の締約国でない後発開発途上国の供給者に対し、この協定の利益を与えることができる。

  13. 各先進締約国は、要請があったときは、後発開発途上国の潜在的な入札者に対し、その入札の準備並びに自国の機関及び後発開発途上国の供給者が関心を有すると思われる産品又はサービスの選択について適当と認める援助を与える。先進締約国は、同様に、これらの入札者が調達計画の対象となる産品又はサービスに関する強制規格及び任意規格を遵守するように援助を与える。

    検討

  14. 委員会は、毎年この条の規定の運用及び実効性について検討するものとし、また、締約国が提出する報告に基づき、三年ごとに、この条の規定の運用の影響を評価するために主要な検討を行う。委員会は、三年ごとの検討の一部として、特に第三条の規定を含めこの協定を最大限度において実施するため、関係のある開発途上国の開発、資金及び貿易の状況を考慮して、4から6までの規定により認められる適用除外を修正するかどうか又は延長するかどうかについて検討する。

  15. 各開発途上締約国は、第二十四条7の規定による新たな交渉の過程において、その経済、資金及び貿易の状況を考慮に入れて、その適用範囲の表を増補する可能性について考慮する。
第六条 技術仕様
  1. 機関の定める技術仕様であって、品質、性能、安全、寸法等の調達される産品若しくはサービスの特性、記号、専門用語、包装、証票及びラベル等又は生産工程及び生産方法について規定したもの並びに機関の定める適合性評価手続に係る要件は、国際貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として又はこれをもたらす効果を有するものとして、立案され、制定され又は適用されてはならない。

  2. 機関は、技術仕様については、適当な場合には、(a)デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目して、また、(b)国際規格が存在するときは当該国際規格、国際規格が存在しないときは国内強制規格(注1)、認められた国内任意規格(注2)又は建築規準に基づいて定める。

    注1: この協定の適用上、強制規格とは、産品若しくはサービスの特性又はその関連の生産工程若しくは生産方法について規定する文書であって遵守することが義務付けられているもの(適用可能な管理規定を含む。)をいう。強制規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品、サービス又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

    注2: この協定の適用上、任意規格とは、産品若しくはサービス又は関連の生産工程若しくは生産方法についての規則、指針又は特性を一般的及び反復的な使用のために規定する、認められた機関が承認した文書であって遵守することが義務付けられていないものをいう。任意規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品、サービス又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

  3. 入札説明書においては、調達に当たって適合することを要求する要件として商標、商号、特許、デザイン若しくは型式又は産地、生産者若しくは供給者を特定してはならず、当該要件の説明においてこれらに言及してはならない。ただし、これらを用いなければ十分に明確な又は理解しやすい当該要件の説明を行うことができない場合にその説明において「又はこれと同等のもの」というような文言をこれらに付すときは、この限りでない。

  4. 機関は、特定の調達のための仕様の準備に利用し得る助言を、競争を妨げる効果を有する方法により、当該調達に商業上の利害関係を有する可能性のある企業に対し求め又は当該企業から受けてはならない。
第七条 入札の手続
  1. 各締約国は、自国の機関の入札の手続が無差別に適用され、かつ、この条から第十六条までの規定に合致することを確保する。

  2. 機関は、いかなる供給者に対しても、特定の調達に関する情報を競争を妨げる効果を有する方法によって与えてはならない。

  3. この協定の適用上、
    (a) 公開入札の手続とは、関心を有するすべての供給者が入札を行うことのできる手続をいう。
    (b) 選択入札の手続とは、機関によって入札を行うよう招請された供給者が第十条3その他のこの協定の関連規定により入札を行うことのできる手続をいう。
    (c) 限定入札の手続とは、第十五条に定める場合においてのみ機関が供給者と個別に折衝する手続をいう。
第八条 供給者の資格の審査

機関は、供給者の資格の審査の過程において、他の締約国の供給者の間又は国内供給者と他の締約国の供給者との間に差別を設けてはならない。資格の審査に係る手続は、次の規定に合致するものでなければならない。
    (a) 入札の手続への参加のためのいかなる条件も、関心を有する供給者が資格の審査に係る手続を開始することができるよう、また、当該手続を早期に完了することが調達制度の効率的な運用と両立する場合には当該供給者が当該手続を早期に完了することができるよう、適当に早い時期に公示される。
    (b) 入札の手続への参加のためのいかなる条件も、供給者が当該入札に係る契約を履行する能力を有していることを確保する上で不可欠なものに限定されなければならない。供給者に要求される参加のための条件(供給者の資金上、商業上及び技術上の能力を証明するために必要な情報、資金上の保証並びに技術的資格を含む。)及び資格の審査は、国内供給者よりも他の締約国の供給者が不利となるものであってはならず、かつ、他の締約国の供給者の間に差別を設けるものであってはならない。供給者の資金上、商業上及び技術上の能力は、供給組織の間の法的関係に妥当な考慮を払いつつ、調達機関が存する領域内における供給者の事業活動及びその供給者の世界的な事業活動の双方に基づき判断しなければならない。
    (c) 他の締約国の供給者を供給者の名簿に記載しないようにするため、又は特定の調達計画について他の締約国の供給者を考慮しないようにするため、供給者の資格の審査の過程及び当該資格の審査に必要な期間を利用してはならない。機関は、特定の調達計画への参加のための条件を満たしている国内供給者又は他の締約国の供給者を資格を有する供給者として認める。特定の調達計画に参加しようとする供給者であって資格を有すると認められていないものも、資格の審査に係る手続を完了するために十分な期間がある場合には、考慮される。
    (d) 資格を有する供給者の常設名簿を保持する機関は、供給者がいつでも資格の審査の申請をすることができること及び当該名簿に記載されることを要請するすべての資格を有する供給者の名称を適当な短期間内に当該名簿に記載することを確保する。
    (e) 機関は、次条1の規定により公示が行われた場合において資格を有すると認められていない供給者が調達計画に参加しようとするときは、速やかに資格の審査に係る手続を開始する。
    (f) 機関は、資格を有する供給者となることを申請したいかなる供給者に対しても当該申請に係る決定を通知するものとし、常設名簿に記載された資格を有する供給者に対し常設名簿の失効又は当該供給者の常設名薄からの除外を通知する。
    (g) 各締約国は、次のことを確保する。
    (i) 各機関及びその構成機関が、異なった手続をとる必要があることを十分に実証する場合を除き、単一の資格の審査に係る手続をとること。
    (ii) 機関の間における資格の審査に係る手続の相違を最小限にするための努力が払われること。
    (h) (a)から(g)までの規定は、倒産、虚偽の申告等を理由として供給者を排除することを妨げるものではない。ただし、この措置は、この協定の内国民待遇及び無差別待遇の規定に合致することを条件とする。
第九条 調達計画への参加に対する招請
  1. 機関は、2及び3の規定に従い、第十五条(限定入札)に別段の定めがある場合を除くほか、すべての調達計画への参加に対する招請を公示する。この公示は、附属書2に掲げる適当な出版物により行われる。

  2. 参加に対する招請は、6に規定する調達案件の公示により行うことができる。

  3. 付表2及び付表3に掲げる機関は、7に規定する調達予定の公示又は9に規定する資格審査制度に係る公示を、参加に対する招請として使用することができる。

  4. 参加に対する招請として調達予定の公示を使用する機関は、関心を表明したすべての供給者に対し、その後少なくとも6に規定する情報を含む情報に基づいてその関心を確認するよう招請する。

  5. 参加に対する招請として資格審査制度に係る公示を使用する機関は、関心を表明したすベての者が調達への参加に対する関心を評価するための有意義な機会を有することのできるような情報を、第十八条4の規定に考慮を払いつつかつ時宜を得た方法で提供する。この情報には、可能な範囲で、6及び8の公示に含まれる情報を含める。関心を有する一の供給者に提供された情報は、その他の関心を有する供給者に対し無差別に提供される。

  6. 2の調達案件の公示には、次の事項に関する情報を含める。
    (a) 調達されるべき産品又はサービスの特質、数量、選択により更に調達を行う場合にはその調達及び可能な場合にはそのような選択を行うことが見込まれる時期、並びに一連の契約の場合においては調達されるべき産品又はサービスの特質、数量及び可能な場合には次回以降の入札の公示の見込まれる時期
    (b) 公開入札の手続又は選択入札の手続の別及び交渉を行う意図の有無
    (c) 産品の納入又はサービスの提供の開始又は完了の日
    (d) 入札に招請されるため若しくは供給者の名簿に記載される資格を得るための申請書の提出の場所及び最終期日又は入札書の受領の場所及び最終期日並びに当該申請書又は当該入札書の作成に用いる言語
    (e) 仕様書その他の文書を入手するために必要な情報を提供し及び契約を締結する機関の所在地
    (f) 供給者に要求される経済上及び技術上の要件、資金上の保証並びに情報
    (g) 入札説明書に対して支払うべき金額及びその支払条件
    (h) 機関の要求する調達の方法(購入若しくは借入れ又はこれらの組合せ)

  7. 3の調達予定の公示には、6に規定する情報をできる限り多く含めるものとし、また、いかなる場合においても、8に規定する情報及び次の事項を含める。
    (a) 関心を有する供給者は機関に対し当該調達ヘの関心を表明すべきである旨の記述
    (b) 更なる情報を入手することのできる機関の連絡部局

  8. 機関は、世界貿易機関のいずれかの公用語で、各調達計画について公示の概要を公示する。当該公示の概要には、少なくとも次の情報を含める。
    (a) 契約の対象事項
    (b) 入札書又は入札に招請されるための申請書の提出期限
    (c) 契約に関する文書を入手することができる場所

  9. 資格を有する供給者の常設名簿を保持する機関は、選択入札の手続に関し、毎年、附属書3に掲げる出版物のうちいずれかのものにより次の(a)から(c)までの事項について公示する。
    (a) 保持する常設名簿の一覧表(常設名簿を使用して調達する産品若しくはサービス又は産品群若しくはサービス群に関する見出しを含む。)
    (b) 供給者が常設名簿に記載されるため満たすべき条件及び当該機関がこれらの条件について審査する方法
    (c) 常設名簿の有効期間及び更新手続
    3の規定に従って参加に対する招請として公示を使用する場合には、当該公示には、更に、次の情報を含める。
    (d) 産品又はサービスの特質
    (e) 当該公示を参加に対する招請とする旨の記述
    もっとも、資格審査制度の有効期間が三年以下であり、かつ、当該公示において当該制度の有効期間が明らかにされるとともに更に公示が行われないことが明らかにされている場合には、当該制度の適用の開始に当たり一回の公示を行うことで足りる。当該制度は、この協定を回避する目的で利用してはならない。

  10. 調達計画への参加に対する招請について公示した場合において、その公示又は入札説明書に定める開札の期日又は入札書の受領の最終期日の前に当該公示を修正し又は再度公示することが必要となったときは、修正の公示又は再度公示される公示が行われる出版物は、変更の対象となった公示が行われた当初の出版物が配布された範囲と同一の範囲に配布される。特定の調達計画に関して特定の供給者に提供される重要な情報は、供給者がその情報を検討し及びこれに対応することができるような適当に早い時期に、同時に他のすべての関係のある供給者に提供される。

  11. 機関は、この条に規定する公示又はその公示が行われる出版物において、当該調達がこの協定の適用を受ける旨を明らかにする。
第十条 選択の手続
  1. 機関は、選択入札の手続の下で最適のかつ効果的な国際競争が行われるようにするため、調達制度を効率的に運用することとの両立を図りつつ、それぞれの調達計画において、できる限り多くの国内供給者及び他の締約国の供給者を入札に招請する。機関は、公正かつ無差別な方法で、当該手続に参加する供給者を選択する

  2. 資格を有する供給者の常設名簿を保持する機関は、当該名簿に記載されている供給者の中から入札に招請される者を選択することができる。いずれの選択においても、常設名簿に記載されている供給者は、衡平な機会を与えられる。

  3. 前二条の資格の審査に係る手続を完了するために十分な期間があることを条件として、特定の調達計画に参加しようとする供給者であって資格を有すると認められていないものも入札を行うことを認められ、かつ、これらの供給者に対し考慮が払われる。当該計画に参加することを認められる追加の供給者の数が制限されるのは、調達制度の効率的な運用の観点から行われる場合に限られる。

  4. 選択入札の手続に参加しようとする場合には、テレックス、電報又はファクシミリによって要請することができる。
第十一条 入札の期限及び納入又は提供の期限
    通則

  1. (a) いずれの期限も、他の締約国の供給者及び国内供給者が入札の行われる前に入札書を準備し、かつ、提出することができるよう決定されるものとする。機関は、期限の決定に当たり、合理的と認める自己の必要性に基づき、調達計画の複雑なこと、予想される下請契約の範囲、外国及び国内の地点から入札書を郵送するため通常要する時間等の要素を考慮する。
    (b) 各締約国は、機関が入札書の受領又は入札に招請されるための申請書の受領の最終期日を設定する際に公示の遅れを考慮するよう確保する。

    期限

  2. 3に定める場合を除くほか、
    (a) 公開入札の手続の場合には、入札書が受領される期間は、第九条1に定める公示の日から四十日未満であってはならない。
    (b) 資格を有する供給者の常設名簿を使用しない選択入札の手続の場合には、入札に招請されるための申請書を提出することができる期間は、第九条1に定める公示の日から二十五日未満であってはならず、入札書が受領される期間は、入札の招請状の発出の日から四十日未満であってはならない。
    (c) 資格を有する供給者の常設名簿を使用する選択入札の手続の場合には、入札書が受領される期間は、入札の招請状の当初の発出の日が第九条1に定める公示の日と一致するかしないかを問わず、入札の招請状の当初の発出の日から四十日未満であってはならない。

  3. 2に定める期間は、次に規定する状況においては短縮することができる。
    (a) 少なくとも次の(1)から(4)までの事項を含む別の公示が、四十日前に既に行われており、かつ、当該公示が行われてから十二箇月を超えていない場合には、入札書が受領される四十日の期間につき、有効な入札を可能とする十分な期間をもって代えることができる。当該期間は、原則として、二十四日未満であってはならないものとし、いかなる場合にも十日未満であってはならない。
    (i) できる限り多くの第九条6に規定する情報
    (ii) 第九条8に規定する情報
    (iii) 関心を有する供給者は機関に対し当該調達への関心を表明すべきである旨の記述
    (iv) 更なる情報を入手することのできる機関の連絡部局
    (b) 第九条6に規定する一連の契約に関する二回目以降の公示の場合には、入札書が受領される四十日の期間を二十四日以上の期間まで短縮することができる。
    (c) 2に定める期間は、機関が十分に実証する緊急事態により当該期間が実際的でなくなる場合には、短縮することができる。ただし、第九条1に定める公示の日から十日未満であってはならない。
    (d) 2(c)に定める期間は、付表2及び付表3に掲げる機関による調達については、機関とすべての選択された供給者との間の相互の合意により定めることができる。そのような合意が存在しない場合には、機関は、有効な入札を可能とする十分な期間を定めることができる。ただし、いかなる場合にも十日未満であってはならない。

  4. 納入又は提供の期日の決定に当たっては、機関の合理的と認める必要性に基づき、調達計画の複雑なこと、予想される下請契約の範囲並びに製造、在庫の積出し及び供給地点からの産品の輸送又はサービスの提供に実際に要する時間等の要素を考慮する。
第十二条 入札説明書
  1. 入札の手続において二以上の言語による入札書の提出を機関が認める場合には、これらの言語のいずれか一は、世界貿易機関の公用語とする。

  2. 供給者に提供される入札説明書には、供給者が有効な入札書を提出するために必要なすべての情報(調達計画の公示において公表すべき情報(第九条6(g)のものを除く。)及び次の事項に関する情報を含む。)を記載する。
    (a) 入札書を送付すべき機関の所在地
    (b) 補足的な情報を要請する場合においてその要請を送付すべきあて先
    (c) 入札書及び入札に係る文書の作成に用いる言語
    (d) 入札書の受領の最終日時及び入札書が受領される期間
    (e) 開札に立ち会うことを認められる者並びに開札の日時及び場所
    (f) 供給者に要求される経済上及び技術上の要件、資金上の保証並びに情報又は文書
    (g) 要求される産品若しくはサービス又はこれらに関する要件についての完全な説明(技術仕様、満たすべき適合性の証明並びに必要な設計図、図案及び解説資料を含む。)
    (h) 落札基準(入札を評価する際に考慮される要因であって価格以外のもの並びに輸送費、保険料及び検査費、他の締約国の産品又はサービスの場合における関税その他の輸入課徴金、租税及び支払通貨等入札価格を評価する際に含める費用の要素を含む。)
    (i) 支払条件
    (j) その他の条件
    (k) この協定の締約国でない国であって第十七条に定める条件に従うものからの入札が考慮されるための同条に規定する条件がある場合には、当該条件

    機関による入札説明書の送付

  3. (a) 機関は、公開入札の手続において、その手続に参加する供給者から要請があったときは入札説明書を送付するものとし、当該説明書についての説明に関する合理的な要請に速やかに応ずる。
    (b) 機関は、選択入札の手続において、その手続に参加しようとする供給者から要請があったときは入札説明書を送付するものとし、当該説明書についての説明に関する合理的な要請に速やかに応ずる。
    (c) 機関は、入札の手続に参加する供給者からの関連情報についての合理的な要請に速やかに応ずる。ただし、その情報は、当該入札の手続において、競争者よりも当該供給者による落札のために有利となるものであってはならない。
第十三条 入札書の提出及び受領、開札並びに落札
  1. 入札書の提出及び受領、開札並びに落札は、この条の規定に合致するものでなければならない。
    (a) 入札は、原則として、書面により、直接に又は郵便で行う。テレックス、電報又はファクシミリによる入札が認められる場合には、これらによって行われる入札には、入札を評価するために必要な情報、特に、入札者が提示する確定的な価格並びに入札の手続への参加に関する条件及び規定に入札者が同意する旨の記述を含めなければならない。当該入札は、書簡によって又はテレックス、電報若しくはファクシミリの署名入り写しの送付によって速やかに確認されなければならない。電話による入札は、認められない。テレックス、電報又はファクシミリの内容と期限後に受領した文書との間に相違又は矛盾がある場合には、これらの内容は、当該文書に優先する。
    (b) 開札から落札までの間に故意でない様式の誤りを訂正する機会を入札者に与える場合には、差別的な措置となるようなものであってはならない。

    入札書の受領

  2. 入札書が入札説明書に指定する部局に定められた日時の後に到着した場合において、その遅延が専ら機関の取扱いの誤りによるものであるときは、供給者が不利に取り扱われることはない。入札書は、他の例外的事態の下においても、機関の手続が定めている場合には、考慮の対象となることがある。

    開札

  3. 公開入札又は選択入札の手続において機関が求めた入札書は、開札が適正に行われることを保証する手続及び条件に従って受領され、かつ、開披される。入札書の受領及び開披は、この協定の内国民待遇及び無差別待遇の規定に合致するものでなければならない。開札に関する情報は、必要がある場合には第十八条から第二十条まで及び第二十二条の手続に従って使用されるため、機関について責任を有する政府当局が利用することができるように機関により保管される。

    落札

  4. (a) 落札の対象とされるためには、入札書が、開札の時に公示又は入札説明書の基本的要件に適合したものでなければならず、かつ、参加の条件を満たした供給者から提出されたものでなければならない。機関は、他の入札書に記載された価格よりも異常に低い価格を記載した入札書を受領した場合には、当該入札書を提出した入札者が参加の条件を満たし、かつ、契約の条件を履行することができることを確保するため、当該入札者に照会することができる。
    (b) 機関は、公共の利益のために契約を締結しないと決定した場合を除くほか、国内産品若しくは国内のサービスに係る入札であるか他の締約国の産品若しくはサービスに係る入札であるかを問わず、十分に契約を履行する能力があると決定された入札者であって、最低価格による入札を行ったもの又は公示若しくは入札説明書に定める特定の評価基準により最も有利であると決定された入札を行ったものを落札者とする。
    (c) 落札者の決定は、入札説明書に記載された落札基準及び基本的要件に従って行う。

    選択権条項

  5. 選択権条項は、協定を回避する目的で利用してはならない。
第十四条 交渉
  1. 締約国は、機関が次のいずれかの場合に交渉を行うことを認めることができる。
    (a) 第九条2の公示(調達案件の手続への供給者の参加に対する招請)において機関が交渉を行う意図を明示した調達の場合
    (b) 評価を行った結果、公示又は入札説明書に定める特定の評価基準によりいずれかの入札が明白に最も有利であると認められない場合

  2. 交渉は、主として入札の長所及び短所を確認するために用いられる。

  3. 機関は、入札書を秘密のものとして取り扱う。機関は、特に、特定の参加者がその入札書を他の参加者の入札書の水準まで改善することを支援することを意図して情報を提供してはならない。

  4. 機関は、交渉において、異なる供給者の間において差別をしてはならないものとし、特に、次のことを確保する。
    (a) 参加者の排除は、公示及び入札説明書に定める基準に従って行われること。
    (b) 基準及び技術的要件についてのすべての変更は、引き続き交渉に参加しているすべての者に対し書面により通知されること。
    (c) 引き続き交渉に参加しているすべての者は、変更された要件に基づき新たな又は修正された提案を行う機会を与えられること。
    (d) 引き続き交渉に参加しているすべての者は、交渉が終了した場合には、これらの者に共通の期限までに最終的な入札を行うことを認められること。
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