経済産業省
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貿易の技術的障害に関する協定

加盟国は、

ウルグァイ・ラウンドの多角的貿易交渉に考慮を払い、

千九百九十四年のガットの目的を達成することを希望し、

国際規格及び国際適合性評価制度が生産の効率を改善し及び国際貿易を容易なものにすることによりその目的の達成に重要な貢献をすることができることを認め、

よって、国際規格及び国際適合性評価制度の発展を奨励することを希望し、

あわせて、強制規格及び任意規格(これらの規格には、包装に関する要件及び証票、ラベル等による表示に関する要件を含む。)並びに強制規格又は任意規格の適合性評価手続が国際貿易に不必要な障害をもたらすことのないようにすることを確保することを希望し、

いかなる国も、同様の条件の下にある国の間において恣意的若しくは不当な差別の手段となるような態様で又は国際貿易に対する偽装した制限となるような態様で適用しないこと及びこの協定の規定に従うことを条件として、自国の輸出品の品質を確保するため、人、動物又は植物の生命又は健康を保護し若しくは環境の保全を図るため又は詐欺的な行為を防止するために必要であり、かつ、適当と認める水準の措置をとることを妨げられるべきでないことを認め、

いかなる国も、自国の安全保障上の重大な利益を保護するために必要な措置をとることを妨げられるべきでないことを認め、

規格の国際的な標準化が先進国から開発途上国への技術の移転に貢献することができることを認め、

開発途上国が、強制規格、任意規格及び強制規格又は任意規格の適合性評価手続の作成及び適用に際して特別の困難に直面することがあることを認め、また、開発途上国の努力を支援することを希望して、

ここに、次のとおり協定する。


第一条 一般規定

    1.1 標準化及び適合性評価手続に関し用いられる一般用語は、当該用語が用いられている文脈を考慮し、かつ、この協定の対象及び目的に照らして、原則として、国際連合及びその関連機関において又は国際標準化機関により採用された定義と同一の意味で使用する。
    1.2 もっとも、この協定の適用上、附属書一に掲げる用語については、同附属書に定義する意味で使用する。
    1.3 工業品及び農産品を含め、すべての産品は、この協定の規定の適用を受ける。
    1.4 政府機関が自らの生産又は消費の必要上作成する購入仕様は、この協定の規定の適用を受けないものとする。もっとも、これらは、政府調達に関する協定の対象とされる範囲内で同協定において取り扱われる。
    1.5 この協定の規定は、衛生植物検疫措置の適用に関する協定附属書Aに定義する衛生植物検疫措置については、適用しない。
    1.6 この協定において強制規格、任意規格及び適合性評価手続というときは、これらの改正、これらの対象となる産品の追加及び適合性評価手続の規則の追加を含むものとし、重要でない性格の改正及び追加を除く。
強制規格及び任意規格

第二条 強制規格の中央政府機関による立案、制定及び適用

    中央政府機関に関し、
    2.1 加盟国は、強制規格に関し、いずれの加盟国の領域から輸入される産品についても、同種の国内原産の及び他のいずれかの国を原産地とする産品に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えることを確保する。
    2.2 加盟国は、国際貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として又はこれらをもたらす結果となるように強制規格が立案され、制定され又は適用されないことを確保する。このため、強制規格は、正当な目的が達成できないことによって生ずる危険性を考慮した上で、正当な目的の達成のために必要である以上に貿易制限的であってはならない。正当な目的とは、特に、国家の安全保障上の必要、詐欺的な行為の防止及び人の健康若しくは安全の保護、動物若しくは植物の生命若しくは健康の保護又は環境の保全をいう。当該危険性を評価するに当たり、考慮される関連事項には、特に、入手することができる科学上及び技術上の情報、関係する生産工程関連技術又は産品の意図された最終用途を含む。
    2.3 強制規格は、その制定の契機となった事情若しくは目的が存在しなくなった場合又は事情の変化若しくは目的の変更について一層貿易制限的でない態様で対応することができる場合には、維持されてはならない。
    2.4 加盟国は、強制規格を必要とする場合において、関連する国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは、当該国際規格又はその関連部分を強制規格の基礎として用いる。ただし、気候上の又は地理的な基本的要因、基本的な技術上の問題等の理由により、当該国際規格又はその関連部分が、追求される正当な目的を達成する方法として効果的でなく又は適当でない場合は、この限りでない。
    2.5 他の加盟国の貿易に著しい影響を及ぼすおそれのある強制規格を立案し、制定し又は適用しようとする加盟国は、他の加盟国の要請に応じ、2.2から2.4までに規定する強制規格の正当性について説明する。強制規格が2.2の規定に明示的に示されたいずれかの正当な目的のため立案され、制定され又は適用され、かつ、関連する国際規格に適合している場合には、当該強制規格については、国際貿易に対する不必要な障害をもたらさないとの推定(反証を許すもの)を行う。
    2.6 加盟国は、強制規格についてできる限り広い範囲にわたる調和を図るため、自国が強制規格を制定しており又は制定しようとしている産品についての国際規格を適当な国際標準化機関が立案する場合には、能力の範囲内で十分な役割を果たすものとする。
    2.7 加盟国は、他の加盟国の強制規格が自国の強制規格と異なる場合であっても、当該他の加盟国の強制規格を同等なものとして受け入れることに積極的な考慮を払う。ただし、当該他の加盟国の強制規格が自国の強制規格の目的を十分に達成することを当該加盟国が認めることを条件とする。
    2.8 加盟国は、適当な場合には、デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目した産品の要件に基づく強制規格を定める。
    2.9 関連する国際規格が存在しない場合又は強制規格案の技術的内容が関連する国際規格の技術的内容に適合していない場合において、当該強制規格案が他の加盟国の貿易に著しい影響を及ぼすおそれがあるときは、加盟国は、次の措置をとる。
    2.9.1
    特定の強制規格を導入しようとしている旨を、他の加盟国の利害関係を有する者が知ることのできるように適当な早い段階で出版物に公告する。
    2.9.2 強制規格案が対象とする産品を、当該強制規格案の目的及び必要性に関する簡潔な記述と共に事務局を通じて他の加盟国に通報する。その通報は、当該強制規格案を修正すること及び意見を考慮することが可能な適当な早い段階で行う。
    2.9.3
    要請に応じ、強制規格案の詳細又は写しを他の加盟国に提供し、及び可能なときは、関連する国際規格と実質的に相違する部分を明示する。

    2.9.4

    書面による意見の提出のための適当な期間を他の加盟国に差別することなしに与えるものとし、要請に応じその意見について討議し、並びにその書面による意見及び討議の結果を考慮する。
    2.10 加盟国は、2.9の柱書きに定める条件の下においても、安全上、健康上、環境の保全上又は国家の安全保障上の緊急の問題が生じている場合又は生ずるおそれがある場合には、2.9に定める措置のうち必要と認めるものを省略することができる。ただし、強制規格の制定に際し、次の措置をとることを条件とする。
    2.10.1 特定の強制規格及びその対象とする産品を、当該強制規格の目的及び必要性に関する簡潔な記述(緊急の問題の性格についての記述を含む。)と共に事務局を通じて他の加盟国に直ちに通報する。
    2.10.2
    要請に応じ強制規格の写しを他の加盟国に提供する。
    2.10.3
    他の加盟国に書面による意見の提出を差別することなしに認めるものとし、要請に応じその意見について討議し、並びにその書面による意見及び討議の結果を考慮する。
    2.11 加盟国は、制定されたすべての強制規格を、他の加盟国の利害関係を有する者が知ることのできるように速やかに公表すること又は他の方法で利用することができるようにすることを確保する。
    2.12 加盟国は、2.10に規定する緊急事態の場合を除くほか、輸出加盟国、特に開発途上加盟国の生産者がその産品又は生産方法を輸入加盟国の要件に適合させるための期間を与えるため、強制規格の公表と実施との間に適当な期間を置く。


第三条 強制規格の地方政府機関及び非政府機関による立案、制定及び適用
    加盟国の領域内の地方政府機関及び非政府機関に関し、

    3.1 加盟国は、自国の領域内の地方政府機関及び非政府機関が前条の規定(2.9.2及び2.10.1に規定する通報の義務を除く。)を遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
    3.2 加盟国は、中央政府の段階の直下の段階に属する地方政府の強制規格が2.9.2及び2.10.1の規定に従って通報されることを確保する。ただし、当該通報が事前に通報された自国の中央政府機関の強制規格の技術的内容と実質的に同一の技術的内容を有する場合には、当該通報が要求されないことに留意する。
    3.3 加盟国は、2.9及び2.10に規定する通報、情報の提供、意見の提出及び討議を含め、他の加盟国との連絡が中央政府を通じて行われることを要求することができる。
    3.4 加盟国は、自国の領域内の地方政府機関又は非政府機関が前条の規定に反する態様で行動することを要求し又は助長するような措置をとってはならない。
    3.5 加盟国は、前条のすべての規定の遵守についてこの協定の下で完全な責任を負う。加盟国は、中央政府機関以外の機関が同条の規定を遵守することを支援する積極的な措置及び制度を企画立案し、実施する。

第四条 任意規格の立案、制定及び適用

    4.1 加盟国は、中央政府標準化機関が附属書三の任意規格の立案、制定及び適用のための適正実施規準(この協定において「適正実施規準」という。)を受け入れかつ遵守することを確保する。加盟国は、自国の領域内の地方政府標準化機関及び非政府標準化機関並びに加盟国又は自国の領域内の一若しくは二以上の機関が構成員である地域標準化機関が適正実施規準を受け入れかつ遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。更に、加盟国は、これらの標準化機関が適正実施規準に反する態様で行動することを直接又は間接に要求し又は助長するような措置をとってはならない。標準化機関の適正実施規準の遵守についての加盟国の義務は、標準化機関が適正実施規準を受け入れているか受け入れていないかを問わず適用する。
    4.2 適正実施規準を受け入れかつ遵守している標準化機関は、この協定の原則に従っているものと加盟国により認められる。
強制規格及び任意規格への適合

第五条 中央政府機関による適合性評価手続

    5.1 加盟国は、強制規格又は任意規格に適合していることの明確な保証が必要とされる場合には、自国の中央政府機関が他の加盟国の領域を原産地とする産品につき次の規定を適用することを確保する。
    5.1.1 適合性評価手続は、他の加盟国の領域を原産地とする産品の供給者に対し、同等の状態において国内原産の同種の産品の供給者又は他のいずれかの国を原産地とする同種の産品の供給者に与えられる条件よりも不利でない条件で開放されるように、立案され、制定され及び適用される。当該適合性評価手続の開放は、当該適合性評価手続の規則に従い適合性評価を受けるという供給者の権利を伴うものである。この権利は、当該適合性評価手続により予見される場合には、施設のある場所において適合性評価の活動が行われるようにすることができること及び適合性評価制度の証票を受領することができることを含む。
    5.1.2 適合性評価手続は、国際貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として又はこれらをもたらす結果となるように立案され、制定され又は適用されることのないようにする。特に、このことは、不適合により生ずる危険性を考慮に入れつつ、産品が適用される強制規格又は任意規格に適合しているとの十分な確信を輸入加盟国に与えるために必要である以上に適合性評価手続が厳重なものであってはならず又は厳重に適用されてはならないことを意味する。
    5.2 加盟国は、5.1の規定を実施する場合には、次の規定を適用することを確保する。
    5.2.1 適合性評価手続は、できる限り速やかに、かつ、他の加盟国の領域を原産地とする産品が同種の国内原産の産品に与えられる順序よりも不利でない順序で行われ、完了する。
    5.2.2 各適合性評価手続の処理に要する標準的な期間は、公表され、又は要請に応じ処理に要する予想される期間は、申請者に通知される。権限のある機関は、申請を受理した場合には、書類が不備でないことについての審査を速やかに行い、及びすべての不備について正確かつ十分な方法で申請者に通知する。権限のある機関は、必要に応じて是正手段がとられるように、評価の結果を正確かつ十分な方法で申請者にできる限り速やかに伝達する。申請に不備がある場合であっても、申請者が要請するときは、権限のある機関は、実行可能な限り適合性評価の手続を進める。申請者は、その要請により、手続の段階を通知され、及び遅延があればその説明を受ける。
    5.2.3 要求される情報は、適合性を評価し及び手数料を決定するために必要なものに限られる。
    5.2.4 適合性評価手続から得られ又はこれに関連して提供される他の加盟国の領域を原産地とする産品に関する情報の秘密は、国内原産の産品の場合と同様に、かつ、正当な商業上の利益が保護されるような方法で尊重される。
    5.2.5 他の加盟国の領域を原産地とする産品の適合性評価のために課するいかなる手数料も、同種の国内原産の又は他のいずれかの国を原産地とする産品に課することのできる手数料との関係において、申請者の施設が適合性評価を行う機関の施設と異なる場所にあることに起因する通信費、交通費その他の費用を考慮し、公平なものとする。
    5.2.6 適合性評価手続に用いる施設の場所の選択及び見本の抽出は、申請者又はその代理人に無用な不便を与えないものとする。
    5.2.7 適用される強制規格又は任意規格に産品が適合していることを決定した後に当該産品の仕様が変更された場合には、仕様の変更された産品に対する適合性評価手続は、当該産品が関連する強制規格又は任意規格に引き続き適合しているという十分な確信が得られるか得られないかを決定するために必要なものに限られる。
    5.2.8 適合性評価手続の運用に関し申し立てられた不服を審査し及び申し立てられた不服が正当とされた場合には、是正手段をとるための手続を用意する。
    5.3 5.1及び5.2のいかなる規定も、加盟国が自国の領域内で妥当な抜取り検査を行うことを妨げるものではない。
    5.4 加盟国は、産品が強制規格又は任意規格に適合していることの明確な保証が必要とされる場合において、国際標準化機関によって発表された関連する指針若しくは勧告が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは、当該指針若しくは勧告又はこれらの関連部分を中央政府機関が適合性評価手続の基礎として用いることを確保する。ただし、特に、国家の安全保障上の必要、詐欺的な行為の防止、人の健康又は安全の保護、動物又は植物の生命又は健康の保護、環境の保全、気候その他の地理的な基本的要因、基本的な技術上又は社会的生産基盤上の問題等の理由により、当該指針若しくは勧告又はこれらの関連部分が当該加盟国にとって適当でない場合は、この限りでない。もっとも、この場合には、要請に応じ、十分な説明を行う。
    5.5 加盟国は、適合性評価手続についてできる限り広い範囲にわたる調和を図るため、適合性評価手続のための指針又は勧告を適当な国際標準化機関が立案する場合には、能力の範囲内で十分な役割を果たすものとする。
    5.6 国際標準化機関により発表された関連する指針若しくは勧告が存在しない場合又は適合性評価手続案の技術的内容が国際標準化機関により発表された関連する指針若しくは勧告の技術的内容に従っていない場合において、当該適合性評価手続案が他の加盟国の貿易に著しい影響を及ぼすおそれがあるときは、加盟国は、次の措置をとる。
    5.6.1 特定の適合性評価手続を導入しようとしている旨を、他の加盟国の利害関係を有する者が知ることのできるように適当な早い段階で出版物に公告する。
    5.6.2 適合性評価手続案が対象とする産品を、当該適合性評価手続案の目的及び必要性に関する簡潔な記述と共に事務局を通じて他の加盟国に通報する。その通報は、当該適合性評価手続案を修正すること及び意見を考慮することが可能な適当な早い段階で行う。
    5.6.3 要請に応じ、適合性評価手続案の詳細又は写しを他の加盟国に提供し、及び可能なときは、国際標準化機関により発表された関連する指針又は勧告と実質的に相違する部分を明示する。
    5.6.4 書面による意見の提出のための適当な期間を他の加盟国に差別することなしに与えるものとし、要請に応じその意見について討議し、並びにその書面による意見及び討議の結果を考慮する。
    5.7 加盟国は、5.6の柱書きに定める条件の下においても、安全上、健康上、環境の保全上又は国家の安全保障上の緊急の問題が生じている場合又は生ずるおそれがある場合には、5.6に定める措置のうち必要と認めるものを省略することができる。ただし、適合性評価手続の制定に際し、次の措置をとることを条件とする。
    5.7.1 特定の適合性評価手続及びその対象とする産品を、当該適合性評価手続の目的及び必要性に関する簡潔な記述(緊急の問題の性格についての記述を含む。)と共に事務局を通じて他の加盟国に直ちに通報する。
    5.7.2 要請に応じ適合性評価手続の規則の写しを他の加盟国に提供する。
    5.7.3 他の加盟国に書面による意見の提出を差別することなしに認めるものとし、要請に応じその意見について討議し、並びにその書面による意見及び討議の結果を考慮する。
    5.8 加盟国は、制定されたすべての適合性評価手続を、他の加盟国の利害関係を有する者が知ることのできるように速やかに公表すること又は他の方法で利用することができるようにすることを確保する。
    5.9 加盟国は、5.7に規定する緊急事態の場合を除くほか、輸出加盟国、特に開発途上加盟国の生産者がその産品又は生産方法を輸入加盟国の要件に適合させるための期間を与えるため、適合性評価手続に関する要件の公表と実施との間に適当な期間を置く。

第六条 適合性評価の中央政府機関による承認

    中央政府機関に関し、
    6.1 6.3及び6.4の規定の適用を妨げることなく、加盟国は、他の加盟国の適合性評価手続が自国の適合性評価手続と異なる場合であっても、可能なときは、当該他の加盟国の適合性評価手続の結果を受け入れることを確保する。ただし、適用される強制規格又は任意規格に適合しているかどうかについて当該他の加盟国の適合性評価手続によって与えられる保証が自国の適合性評価手続によるものと同等であると当該加盟国が認めることを条件とする。特に、次の事項について、相互に満足すべき了解に達するため、事前の協議が必要となることが認められる。
    6.1.1 輸出加盟国の適合性評価の結果が継続的に信頼できるものであることについて確信が得られるような、輸出加盟国における適合性評価を行う関連する機関の十分かつ永続的な技術的能力。この点に関し、資格認定等により、国際標準化機関によって発表された関連する指針又は勧告の遵守が確認されていることが、十分な技術的能力を示すものとして考慮される。
    6.1.2 輸出加盟国において指定される機関により提示された適合性評価の結果の受入れの限度
    6.2 加盟国は、自国の適合性評価手続が6.1の規定を実行可能な限り実施することのできるものであることを確保する。
    6.3 加盟国は、他の加盟国から要請があった場合には、それぞれの適合性評価手続の結果の相互承認のための合意をすることを目的として交渉するよう奨励される。加盟国は、その合意が6.1の基準を満たすことを要求し、及びその合意により関連する産品の貿易が促進される可能性を有していることを両加盟国が認めることを要求することができる。
    6.4 加盟国は、自国の領域内又は他のいずれかの国の領域内に存在する適合性評価機関に与えられる条件よりも不利でない条件で、他の加盟国の領域内に存在する適合性評価機関が自国の適合性評価手続に参加することを認めるよう奨励される。


第七条 地方政府機関による適合性評価手続

    加盟国の領域内の地方政府機関に関し、
    7.1 加盟国は、自国の領域内の地方政府機関が前二条の規定(5.6.2及び5.7.1に規定する通報の義務を除く。)を遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
    7.2 加盟国は、中央政府の段階の直下の段階に属する地方政府の適合性評価手続が5.6.2及び5.7.1の規定に従って通報されることを確保する。ただし、当該通報が事前に通報された自国の中央政府機関の適合性評価手続の技術的内容と実質的に同一の技術的内容を有する場合には、当該通報が要求されないことに留意する。
    7.3 加盟国は、5.6及び5.7に規定する通報、情報の提供、意見の提出及び討議を含め、他の加盟国との連絡が中央政府を通じて行われることを要求することができる。
    7.4 加盟国は、自国の領域内の地方政府機関が前二条の規定に反する態様で行動することを要求し又は助長するような措置をとってはならない。
    7.5 加盟国は、前二条のすべての規定の遵守についてこの協定の下で完全な責任を負う。加盟国は、中央政府機関以外の機関が前二条の規定を遵守することを支援する積極的な措置及び制度を企画立案し、実施する。

第八条 非政府機関による適合性評価手続

    8.1 加盟国は、適合性評価手続を用いる自国の領域内の非政府機関が第五条及び第六条の規定(適合性評価手続案を通報する義務に関する規定を除く。)を遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。更に、加盟国は、当該非政府機関がこれらの条の規定に反する態様で行動することを直接又は間接に要求し又は助長するような措置をとってはならない。
    8.2 加盟国は、非政府機関が第五条及び第六条の規定(適合性評価手続案を通報する義務に関する規定を除く。)を遵守する場合にのみ自国の中央政府機関が当該非政府機関により用いられる適合性評価手続を認めるものであることを確保する。

第九条 国際制度及び地域制度

    9.1 強制規格又は任意規格に適合していることの明確な保証が必要とされる場合において、実行可能なときは、加盟国は、適合性評価のための国際制度を作成し及び採用し、かつ、これに加盟し又は参加する。
    9.2 加盟国は、自国の領域内の関係機関が加盟し又は参加している適合性評価のための国際制度及び地域制度が第五条及び第六条の規定を遵守することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。更に、加盟国は、これらの制度がこれらの条の規定に反する態様で運用されることを直接又は間接に要求し又は助長するような措置をとってはならない。
    9.3 加盟国は、国際適合性評価制度又は地域適合性評価制度が、可能な場合において第五条及び第六条の規定を遵守するときにのみ自国の中央政府機関がこれらの制度を認めるものであることを確保する。
情報及び援助

第十条 強制規格、任意規格及び適合性評価手続に関する情報


    注 「国民」とは、世界貿易機関の加盟国である独立の関税地域については、当該関税地域に住所を有しているか又は現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する自然人又は法人をいう。
    10.1 各加盟国は、他の加盟国及び他の加盟国の利害関係を有する者からの次の事項に関する妥当な照会に応じ並びにこれらに関する関連文書を提供する能力を有する照会所を設けることを確保する。
    10.1.1 中央政府機関、地方政府機関、強制規格を遵守させる法的権限を有する非政府機関又はこれらの機関が加盟し若しくは参加している地域標準化機関が制定し又は提案した自国の領域内における強制規格
    10.1.2 中央政府機関、地方政府機関又はこれらの機関が加盟し若しくは参加している地域標準化機関が制定し又は提案した自国の領域内における任意規格
    10.1.3 中央政府機関、地方政府機関、強制規格を遵守させる法的権限を有する非政府機関又はこれらの機関が加盟し若しくは参加している地域機関の適合性評価手続又は適合性評価手続案であって自国の領域内で用いるもの
    10.1.4 国際標準化機関、地域標準化機関、適合性評価制度並びにこの協定の範囲内の二国間及び多数国間取極への加盟国又はその領域内の関連する中央政府機関若しくは地方政府機関の加盟及び参加の状況(照会所は、当該適合性評価制度及び当該取極についての適当な情報を提供する能力を有するものとする。)
    10.1.5 この協定に基づいて行われる公告の場所又は情報を入手することができる場所に関する情報
    10.1.6 10.3に規定する照会所の所在地
    10.2 加盟国は、法律上又は行政上の理由により二以上の照会所を設ける場合には、他の加盟国に対し、照会所のそれぞれの責任の分担に関する十分かつ明確な情報を提供することを確保する。更に、加盟国は、誤った照会所に対して行われた照会を速やかに正しい照会所に伝達することを確保する。
    10.3 各加盟国は、他の加盟国及び他の加盟国の利害関係を有する者からの次の事項に関する妥当な照会に応じ並びにこれらに関する関連文書を提供し並びに当該関連文書の入手が可能な場所に関する情報を提供する能力を有する照会所を設けることを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
    10.3.1 非政府標準化機関又は非政府標準化機関が加盟し若しくは参加している地域標準化機関が制定し又は提案した自国の領域内における任意規格
    10.3.2 非政府機関又は非政府機関が加盟し若しくは参加している地域機関の適合性評価手続又は適合性評価手続案であって自国の領域内で用いるもの
    10.3.3 国際標準化機関、地域標準化機関、適合性評価制度並びにこの協定の範囲内の二国間及び多数国間取極への自国の領域内の関連する非政府機関の加盟及び参加の状況(照会所は、当該適合性評価制度及び当該取極についての適当な情報を提供する能力を有するものとする。)
    10.4 加盟国は、他の加盟国又は他の加盟国の利害関係を有する者がこの協定の規定に基づいて文書の写しを要求した場合には、送付に係る実費を除くほか、当該写しが自国民又は他の加盟国の国民(注)に要求される価格と同一の公平な価格で提供されることを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。

    注: 「国民」とは、世界貿易機関の加盟国である独立の関税地域については、当該関税地域に住所を有しているか又は現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する自然人又は法人をいう。

    10.5 先進加盟国は、他の加盟国から要請があった場合には、特定の通報が対象とする文書又は、当該文書が長大なものであるときは、当該文書の要約を英語、フランス語又はスペイン語の翻訳によって提供する。
    10.6 事務局は、この協定の規定に基づく通報を受領した場合には、当該通報の写しをすべての加盟国並びに関係を有する国際標準化機関及び国際適合性評価機関に送付するものとし、開発途上加盟国が特に関心を有する産品に関する通報については、開発途上加盟国の注意を喚起する。
    10.7 貿易に著しい影響を及ぼすおそれのある強制規格、任意規格又は適合性評価手続に関する問題について加盟国が他の国と合意に達した場合には、当該合意の当事国である少なくとも一の加盟国は、当該合意が対象とする産品を事務局を通じて他の加盟国に通報する。その通報には、当該合意の簡潔な記述を含む。関係加盟国は、要請に応じ、類似の合意をするために又はそのような合意に参加させるために他の加盟国と協議を行うよう奨励される。
    10.8 この協定のいかなる規定も、加盟国に対して次のことを要求するものと解してはならない。
    10.8.1 自国の言語以外の言語による文書の公表
    10.8.2 自国の言語以外の言語による原案の詳細又は写し(10.5に規定するものを除く。)の提供
    10.8.3 その開示が自国の安全保障上の重大な利益に反すると認められる情報の提供
    10.9 事務局への通報は、英語、フランス語又はスペイン語によって行う。
    10.10 加盟国は、この協定に従い通報手続(附属書三に規定するものを除く。)に関するこの協定の規定を国家的規模において実施する責任を負う単一の中央政府当局を指定する。
    10.11 加盟国は、法律上又は行政上の理由により、通報手続に関する責任が二以上の中央政府当局によって分担される場合には、これらの機関のそれぞれの責任の分担に関する十分かつ明確な情報を他の加盟国に提供する。

第十一条 他の加盟国に対する技術援助

    11.1 加盟国は、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、強制規格の立案に関し助言を与える。
    11.2 加盟国は、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、国内標準化機関の設立及び国際標準化機関への参加に関し、助言を与え、また、相互に合意する条件で技術援助を与えるものとし、自国の標準化機関が同様の助言及び援助を与えるよう奨励する。
    11.3 加盟国は、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、次の事項に関し、強制規格を遵守させる権限を有する自国の領域内の機関が助言を与えるようにするため、利用し得る妥当な措置をとるものとし、また、相互に合意する条件で技術援助を与える。
    11.3.1 強制規格を遵守させる権限を有する機関又は強制規格に係る適合性評価機関の設立
    11.3.2 加盟国の強制規格に最もよく適合することとなる方法
    11.4 加盟国は、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、当該要請をした加盟国の領域内で制定された任意規格に係る適合性評価機関の設立に関し、助言が与えられるようにするため、利用し得る妥当な措置をとるものとし、また、相互に合意する条件で技術援助を与える。
    11.5 加盟国は、自国の領域内の政府機関又は非政府機関の運用する適合性評価制度への参加を他の加盟国、特に開発途上加盟国の生産者が希望し、これらの国から要請があった場合には、当該生産者のとるべき措置に関し、助言を与えるものとし、また、相互に合意する条件で技術援助を与える。
    11.6 国際適合性評価制度又は地域適合性評価制度に加盟し又は参加している加盟国は、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、これらの制度の加盟国又は参加国としての義務を履行することができるようにするための制度及び法的枠組みの制定に関し、助言を与えるものとし、また、相互に合意する条件で技術援助を与える。
    11.7 加盟国は、自国の領域内の機関が国際適合性評価制度又は地域適合性評価制度に加盟し又は参加している場合において、要請があったときは、他の加盟国、特に開発途上加盟国に対し、当該他の加盟国の領域内の関係機関がこれらの適合性評価制度の加盟者又は参加者としての義務を履行することができるようにするための制度の設定に関し、当該機関が助言を与えるよう奨励する。この場合において、当該他の加盟国からのそのような制度の設定に関する技術援助の要請を考慮すべきである。
    11.8 加盟国は、11.1から11.7までの規定により他の加盟国に対し助言及び技術援助を与えるに当たっては、後発開発途上加盟国のニーズを優先させる。

第十二条 開発途上加盟国に対する特別のかつ異なる待遇

    12.1 加盟国は、開発途上加盟国に対し、12.2から12.10までの規定及びこの協定の他の関連規定により、異なるかつ一層有利な待遇を与える。
    12.2 加盟国は、この協定の国内における実施及びこの協定上の機関の設置に関する規定の実施に当たり、開発途上加盟国の権利及び義務に関するこの協定の規定に特別の注意を払い、また、開発途上加盟国の開発上、資金上及び貿易上の特別のニーズを考慮する。
    12.3 加盟国は、強制規格、任意規格及び適合性評価手続の立案及び適用に当たり、これらの強制規格、任意規格及び適合性評価手続が、開発途上加盟国からの輸出に不必要な障害をもたらすことのないようにするため、開発途上加盟国の開発上、資金上及び貿易上の特別のニーズを考慮する。
    12.4 加盟国は、国際規格、指針又は勧告が存在する場合であっても、開発途上加盟国が特別の技術的及び社会経済的条件の下にあるときは、当該開発途上加盟国が開発上のニーズと両立する固有の技術、生産方法及び生産工程を維持することを目的とする特定の強制規格、任意規格又は適合性評価手続を制定することを認める。したがって、加盟国は、開発途上加盟国がその開発上、資金上及び貿易上のニーズと両立しない国際規格を自国の強制規格又は任意規格(これらの規格に係る検査方法を含む。)の基礎として用いることを期待すべきではないことを認める。
    12.5 加盟国は、開発途上加盟国の特別の問題を考慮して、国際標準化機関及び国際適合性評価制度がすべての加盟国内の関係機関による積極的なかつ代表としての参加を容易にするように組織されかつ運用されることを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
    12.6 加盟国は、開発途上加盟国の要請に応じ、当該開発途上加盟国が特別の関心を有する産品につき、国際標準化機関が国際規格の立案の可能性を検討すること及び、実行可能なときは、国際規格を立案することを確保するため、利用し得る妥当な措置をとる。
    12.7 加盟国は、強制規格、任意規格及び適合性評価手続の立案及び適用が開発途上加盟国からの輸出の拡大及び多様化に不必要な障害をもたらすことのないようにすることを確保するため、前条の規定により、開発途上加盟国に対し技術援助を与えるものとし、技術援助の条件の決定に当たっては、要請をした加盟国及び特に後発開発途上加盟国の発展段階を考慮する。
    12.8 開発途上加盟国が強制規格、任意規格及び適合性評価手続の立案及び適用に当たって特別の問題(制度及び社会的生産基盤に関する問題を含む。)に直面することのあることが認められ、また、開発途上加盟国の開発上及び貿易上の特別のニーズ並びに技術上の発展の段階がこの協定に基づく義務の十分な履行を妨げることのあることが認められる。よって、加盟国は、この事実を十分に考慮する。このため、第十三条に規定する貿易の技術的障害に関する委員会(この協定において「委員会」という。)は、開発途上加盟国がこの協定を遵守することができるように、要請に応じ、この協定に基づく義務を、全部又は一部につき特定しかつ一定の期限を付して、免除することを認めることができる。委員会は、要請の検討に当たっては、開発途上加盟国の強制規格、任意規格及び適合性評価手続の立案及び適用に関する特別の問題、開発上及び貿易上の特別のニーズ並びに技術上の発展の段階がこの協定に基づく義務の十分な履行を妨げることのあることを考慮し、また、特に、後発開発途上加盟国の特別の問題を考慮する。
    12.9 先進加盟国は、協議の過程において、開発途上加盟国が強制規格、任意規格及び適合性評価手続を企画立案し及び実施する際に直面する特別の困難に留意し、また、開発途上加盟国のこの方向における努力を支援することを希望して、その開発上、資金上及び貿易上の特別のニーズを考慮する。
    12.10 委員会は、その国内面に対する配慮又は国際的配慮の下に開発途上加盟国に対しこの協定において認められている特別のかつ異なる待遇について、定期的に検討する。
機関、協議及び紛争解決

第十三条 貿易の技術的障害に関する委員会

    13.1 この協定により、貿易の技術的障害に関する委員会を設置する。委員会は、各加盟国の代表で構成する。委員会は、議長を選出するものとし、この協定の実施又はこの協定の目的の達成に関する事項について協議する機会を加盟国に与えるため必要に応じ、少なくとも年一回会合し、また、この協定に基づく任務又は加盟国により与えられた任務を遂行する。
    13.2 委員会は、作業部会その他の適当な機関を設置する。これらの機関は、委員会によりこの協定の関連規定に基づいて与えられた任務を遂行する。
    13.3 この協定に基づく作業と他の専門的な機関における政府の作業との不必要な重複は避けるべきである。委員会は、このような重複を最小限にするため、この問題を検討する。

第十四条 協議及び紛争解決

    14.1 この協定の実施に影響を及ぼす問題に関する協議及び紛争解決は、紛争解決機関の主催の下で行われる。紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、これらの協議及び紛争解決について準用する。
    14.2 小委員会は、紛争当事国の要請により又は自己の発意に基づいて、専門家による詳細な検討を必要とする技術的な性格を有する事項について援助するための技術専門家部会を設置することができる。
    14.3 技術専門家部会は、附属書二に定める手続に従う。
    14.4 加盟国は、第三条、第四条及び第七条から第九条までの規定に関して満足すべき結果に他の加盟国が到達していないため自国の貿易上の利益が著しい影響を受けていると認める場合には、紛争解決に関するこの条の規定を用いることができる。この場合において、前段に規定する結果は、これらの条において関係機関を加盟国とみなした場合の結果と同等のものでなければならない。
最終規定

第十五条 最終規定

    留保

    15.1 この協定のいかなる規定についても、他のすべての加盟国の同意なしには、留保を付することができない。
    検討
    15.2 各加盟国は、世界貿易機関協定が自国について効力を生じた日の後速やかに、この協定の実施及び運用を確保するための既存の措置又はそのためにとられた措置を委員会に通報するものとし、これらの措置のその後のいかなる変更も委員会に通報する。
    15.3 委員会は、この協定の目的を考慮に入れて、毎年この協定の実施及び運用について検討する。
    15.4 委員会は、必要なときは、第十二条の規定の適用を妨げることなく、相互の経済的利益及び権利と義務との間の均衡を確保するためにこの協定に基づく権利及び義務の調整を勧告することを目的として、世界貿易機関協定の効力発生の日の後三年以内に及びその後は三年ごとに、この協定(透明性を確保することに関する規定を含む。)の実施及び運用について検討する。委員会は、適当な場合には、特にこの協定の実施により得られた経験を考慮に入れ、この協定を改正する提案を物品の貿易に関する理事会に提出する。

附属書

    15.5 この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。

附属書一 この協定のための用語及びその定義


国際標準化機構・国際電気標準会議指針書第二巻(ISO・IECガイド2)の第六版(千九百九十一年)の「標準化及び関連する活動に関する一般用語並びにこれらの用語の定義」に提示される用語をこの協定で使用する場合には、サービスがこの協定の対象から除かれていることに留意し、同指針書において定義されるこれらの用語の意味と同一の意味を有する。

もっとも、この協定の適用上、次の定義を適用する。

  1. 強制規格
    産品の特性又はその関連の生産工程若しくは生産方法について規定する文書であって遵守することが義務付けられているもの(適用可能な管理規定を含む。)。強制規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

    注釈 国際標準化機構・国際電気標準会議指針書第二巻の定義は、個々に完結したものではなく、いくつかの定義の「積上方式」に基づく。


  2. 任意規格
    産品又は関連の生産工程若しくは生産方法についての規則、指針又は特性を一般的及び反復的な使用のために規定する、認められた機関が承認した文書であって遵守することが義務付けられていないもの。任意規格は、専門用語、記号、包装又は証票若しくはラベル等による表示に関する要件であって産品又は生産工程若しくは生産方法について適用されるものを含むことができ、また、これらの事項のうちいずれかのもののみでも作成することができる。

    注釈 国際標準化機構・国際電気標準会議指針書第二巻に定義する用語は、産品、工程及びサービスを対象とする。この協定は、産品又は生産工程若しくは生産方法に関する強制規格、任意規格及び適合性評価手続のみを取り扱う。同指針書第二巻に定義する「任意規格」は、義務的な又は任意のものである。この協定の適用上、任意規格は任意の文書として、また、強制規格は義務的な文書として定義されている。国際的な標準化のための機関によって立案される任意規格は、コンセンサス方式によって承認されている。この協定は、コンセンサス方式によって承認されていない文書も対象とする。


  3. 適合性評価手続
    強制規格又は任意規格に関連する要件が満たされていることを決定するため、直接又は間接に用いるあらゆる手続

    注釈 適合性評価手続には、特に、試料採取、試験及び検査についての手続、適合性についての評価、確認及び保証、登録、認定及び承認並びにこれらの組合せを含む。

  4. 国際機関又は国際制度
    少なくともすべての加盟国の関係機関が加盟することのできる機関又は制度

  5. 地域機関又は地域制度
    一部の加盟国のみの関係機関が加盟することのできる機関又は制度

  6. 中央政府機関
    中央政府その他この協定に係る活動に関して中央政府の監督の下にある機関(中央政府というときは、中央政府の個別の省庁を含む。)

    注釈 欧州共同体については、中央政府機関を規律する規定を適用する。もっとも、欧州共同体の域内において地域機関又は地域適合性評価制度が設立され又は設定される場合には、当該地域機関又は当該地域適合性評価制度は、この協定の地域機関又は地域適合性評価制度に関する規定の適用を受ける。

  7. 地方政府機関
    中央政府以外の政府(例えば、アメリカ合衆国、カナダ、ドイツ連邦共和国、スイス連邦等の州、地方自治体等)その他この協定に係る活動に関して中央政府以外の政府の監督の下にある機関(中央政府以外の政府というときは、中央政府以外の政府の個別の省庁を含む。)

  8. 非政府機関
    中央政府機関及び地方政府機関以外の機関(強制規格を遵守させる法的権限を有する非政府機関を含む。)

附属書二 技術専門家部会

    第十四条の規定に基づいて設置される技術専門家部会については、次に定める手続を適用する。

  1. 技術専門家部会は、小委員会の権限の下に置かれる。技術専門家部会の付託事項及び詳細な作業手続は、小委員会が決定するものとし、また、技術専門家部会は、小委員会に対して報告を行う。

  2. 技術専門家部会には、問題となっている分野において専門的な能力及び経験を有する者のみが参加することができる。

  3. 紛争当事国の国民は、紛争当事国の合意がある場合を除くほか、技術専門家部会の構成員となることはできない。ただし、他の者では遂行することができない特別な科学上の専門知識が必要であると小委員会が認める場合は、この限りでない。紛争当事国の公務員は、技術専門家部会の構成員となることはできない。技術専門家部会の構成員は、政府又は機関の代表としてではなく、個人の資格で職務を遂行する。したがって、政府又は機関は、技術専門家部会に付託された問題につき、技術専門家部会の構成員に指示を与えてはならない。

  4. 技術専門家部会は、適当と認めるいかなる者とも協議し、並びにこれらの者に対して情報及び技術上の助言の提供を要請することができる。技術専門家部会は、いずれかの加盟国の管轄内にある者に対して情報又は助言の提供を要請するに先立ち、当該加盟国の政府にその旨を通報する。加盟国は、技術専門家部会が必要かつ適当と認める情報の提供を要請した場合には、速やかかつ完全に応ずる。

  5. 紛争当事国は、技術専門家部会に提供されるすべての関連情報(秘密の性質を有するものを除く。)を取得する機会を有する。技術専門家部会に提供された秘密の情報は、当該情報を提供した政府、機関又は個人の正式の同意を得ないで開示してはならない。当該情報の開示が技術専門家部会に対して要求された場合において、当該情報の技術専門家部会による開示について同意が得られないときは、当該情報を提供した政府、機関又は個人は、当該情報の秘密でない要約を提供する。

  6. 技術専門家部会は、関係加盟国に対し、その意見を得るために報告案を送付し、適当な場合には、最終報告において当該意見を考慮に入れる。その最終報告は、小委員会に提出される際に当該関係加盟国にも送付される。

附属書三 任意規格の立案、制定及び適用のための適正実施規準

    一般規定

    A. 適正実施規準の適用上、この協定の附属書一の用語の意義は、同附属書の定義に従う。
    B. 適正実施規準は、世界貿易機関の加盟国の領域内の標準化機関(中央政府機関であるか地方政府機関であるか非政府機関であるかを問わない。)、一又は二以上の構成員が世界貿易機関の加盟国である政府地域標準化機関及び一又は二以上の構成員が世界貿易機関の加盟国の領域内に所在する非政府地域標準化機関(適正実施規準においてこれらの標準化機関を「標準化機関」という。)の受入れのために開放しておく。
    C. 適正実施規準を受け入れ又は適正実施規準の受入れを撤回した標準化機関は、その旨をジュネーヴにある国際標準化機構・国際電気標準会議情報センターに通報する。その通報には、関係標準化機関の名称及び所在地並びに現在の及び予定されるその標準化活動の範囲を含める。その通報は、同情報センターに直接若しくは国際標準化機構・国際電気標準会議の国を代表する構成員を通じて又は、可能なときは、国際標準化機構情報ネットワーク(ISONET)に関係する国の構成員若しくは国際支部のいずれか適当なものを通じて、送付することができる。
    実体規定
    D. 標準化機関は、任意規格に関し、いずれの世界貿易機関の加盟国の領域を原産地とする産品についても、同種の国内原産の産品及び他のいずれかの国を原産地とする産品に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与える。
    E. 標準化機関は、国際貿易に対する不必要な障害をもたらすことを目的として又はこれらをもたらす結果となるように任意規格が立案され、制定され及び適用されないことを確保する。
    F. 標準化機関は、国際規格が存在するとき又はその仕上がりが目前であるときは、当該国際規格又はその関連部分を任意規格の基礎として用いる。ただし、当該国際規格又はその関連部分が不十分な保護の水準、気候上の又は地理的な基本的要因、基本的な技術上の問題等の理由により、効果的でなく又は適当でない場合は、この限りでない。
    G. 標準化機関は、任意規格についてできる限り広い範囲にわたる調和を図るため、自らが任意規格を制定しており又は制定しようとしている対象事項についての国際規格を国際標準化機関が立案する場合には、適切な方法で、能力の範囲内で十分な役割を果たすものとする。ある加盟国の領域内のすべての標準化機関のための特定の国際標準化活動への参加は、可能なときは、当該国際標準化活動の対象事項について任意規格を制定しており又は制定しようとしている当該加盟国の領域内のすべての標準化機関を代表する一の代表団を通じて行う。
    H. 加盟国の領域内の標準化機関は、国内の他の標準化機関又は関係する国際標準化機関若しくは地域標準化機関の活動との全部又は一部の重複を避けるよう、及び自己が作成する任意規格につき国内の合意が得られるようあらゆる努力を払う。同様に、地域標準化機関は、関係国際標準化機関の活動との全部又は一部の重複を避けるようあらゆる努力を払う。
    I. 標準化機関は、適当な場合には、デザイン又は記述的に示された特性よりも性能に着目した産品の要件に基づく任意規格を定める。
    J. 標準化機関は、少なくとも六箇月に一回、その名称及び所在地、現在立案されている任意規格並びに直前の期間において制定された任意規格を含む作業計画を公表する。立案中の任意規格とは、任意規格を作成することを決定した時から任意規格が制定されるまでのものをいう。特定の任意規格案の表題は、要請に応じ、英語、フランス語又はスペイン語によって提供する。作業計画の存在の通知は、標準化活動に関する、全国的な又は、状況に応じ、地域的な出版物に公表する。
    作業計画には、各任意規格について、国際標準化機構情報ネットワークの規則に従い、対象事項に関連する分類、任意規格の作成において到達している段階、基礎として用いた国際規格の出典を表示する。標準化機関は、当該作業計画の公表の時までに、当該作業計画の存在をジュネーヴにある国際標準化機構・国際電気標準会議情報センターに通報する。
    通報には、標準化機関の名称及び所在地、作業計画が公表されている出版物の名称及び号、当該作業計画が適用される期間、当該出版物に価格がある場合にはその価格並びに当該出版物の入手方法を含める。その通報は、国際標準化機構・国際電気標準会議情報センターに直接又は、可能なときは、国際標準化機構情報ネットワークに関係する国を代表する構成員若しくは同情報ネットワークの国際支部のいずれか適当なものを通じて、送付することができる。
    K. 国際標準化機構・国際電気標準会議の国を代表する構成員は、国際標準化機構情報ネットワークの構成員となるために又は他の機関が構成員となることを指名するために及び同情報ネットワークの構成員として可能な最高の類型の構成員となるためにあらゆる努力を払う。他の標準化機関は、同情報ネットワークの構成員と提携するためにあらゆる努力を払う。
    L. 標準化機関は、任意規格を制定する前に、世界貿易機関の加盟国の領域内の利害関係を有する者が任意規格案についての意見を提出するために少なくとも六十日の期間を置く。ただし、この期間は、安全上、健康上又は環境上の緊急の問題が生じている場合又は生ずるおそれがある場合には、短縮することができる。標準化機関は、意見の提出期間が開始されるまでに、Jに規定する出版物に意見の提出期間を公告する。その公告には、実行可能な限り、任意規格案が関連する国際規格と相違しているか相違していないかを含める。
    M. 標準化機関は、世界貿易機関の加盟国の領域内の利害関係を有する者の要請に応じ、意見を求めるために提示した任意規格案の写しを速やかに提供し又は提供の便宜を図る。この役務の提供のために課する手数料は、送付に係る実費を除くほか、国内及び外国の者について同一の手数料とする。
    N. 標準化機関は、意見の提出期間中に受領した意見を任意規格の作成のその後の段階において、考慮する。適正実施規準を受け入れた標準化機関を通じて受領した意見については、要請があった場合には、可能な限り速やかに回答する。その回答には、関連する国際規格と相違する必要がある理由についての説明を含める。
    O. 任意規格が制定された場合には、速やかに公表する。
    P. 標準化機関は、世界貿易機関の加盟国の領域内の利害関係を有する者の要請に応じ、自己の最新の作業計画又は制定した任意規格の写しを速やかに提供し又は提供の便宜を図る。この役務の提供のために課する手数料は、送付に係る実費を除くほか、国内及び外国の者について同一の手数料とする。

    Q.

    標準化機関は、適正実施規準を受け入れた他の標準化機関が行う適正実施規準の実施に関する申立てに好意的な考慮を払うものとし、その申立てに関する協議を行うための機会を十分に与える。標準化機関は、不服を解決するために客観的な努力を払う。
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