経済産業省
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補助金及び相殺措置に関する協定

加盟国は、ここに、次のとおり協定する。

第一部 一般規定

第一条 補助金の定義

    1.1 この協定の適用上、次の(a)の(1)又は(2)のいずれか及び(b)の条件が満たされる場合には、補助金は、存在するものとみなす。
    (a) (1) 加盟国の領域における政府又は公的機関(この協定において「政府」という。)が資金面で貢献していること。すなわち、
    (i) 政府が資金の直接的な移転を伴う措置(例えば、贈与、貸付け及び出資)、資金の直接的な移転の可能性を伴う措置又は債務を伴う措置(例えば、債務保証)をとること。
    (ii) 政府がその収入となるべきものを放棄し又は徴収しないこと(例えば、税額控除等の財政による奨励)。(注)

    注: 千九百九十四年のガット第十六条(第十六条の注釈及び補足規定)及びこの協定の附属書1から附属書3までの規定に基づき、いずれかの輸出産品が、国内消費に向けられる同種の産品に課される関税若しくは内国税を免除されること又はこれらの関税若しくは内国税が課されたときにその額を超えない額だけ払戻しを受けることは、補助金とはみなさない。
    (iii) 政府が一般的な社会資本以外の物品若しくは役務を提供し又は物品を購入すること。
    (iv) 政府が資金調達機関に支払を行うこと、又は政府が民間団体に対し、通常政府に属する任務であって(1)から(3)までに規定するものの一若しくは二以上を遂行すること若しくは政府が通常とる措置と実質上異ならないものをとることを委託し若しくは指示すること。
    (2) 千九百九十四年のガット第十六条に規定する何らかの形式による所得又は価格の支持があること。
    (b) (a)の(1)又は(2)の措置によって利益がもたらされること。
    1.2 1.1に規定する補助金は、次条の規定に基づいて特定性を有する場合に限り、第二部の規定又は第三部若しくは第五部の規定の適用を受ける。
第二条 特定性
    2.1 1.1に規定する補助金が当該補助金を交付する当局(この協定において「交付当局」という。)の管轄の下にある一の企業若しくは産業又は企業若しくは産業の集団(この協定において「特定企業」という。)について特定性を有するか有しないかを決定するため、次の原則を適用する。

    (a) 交付当局又は交付当局の適用する法令が補助金の交付の対象を明示的に特定企業に限定している場合には、当該補助金は、特定性を有するものとする。

    (b) 交付当局又は交付当局の適用する法令が補助金の交付を受ける資格及び補助金の額を規律する客観的な基準又は条件(注)を定めている場合には、特定性は、存在しないものとする。ただし、当該資格が自動的に付与されるものであり、かつ、当該基準及び条件が厳格に遵守されていることを条件とする。当該基準又は条件については、確認することができるように、法令その他の公文書に明確に定めなければならない。

    注: この(b)に規定する「客観的な基準又は条件」とは、中立的であり、特定企業を他のものよりも有利に扱うものではなく、本質的に経済に係るものであり、かつ、一様に適用される基準又は条件(例えば、被用者の数又は企業の規模)をいう。

    (c) (a)及び(b)に定める原則の適用の結果として特定性が存在しないと認められるにもかかわらず、補助金が実際には特定性を有するものである可能性があると信ずるに足りる理由がある場合には、他の要因を考慮することができる。この要因とは、限定された数の特定企業による補助金制度の利用、特定企業による補助金制度の支配的な利用、特定企業に対する均衡を失した多額の補助金の交付及び補助金の交付を決定するに当たって交付当局が裁量的な方法をとっていること(注)をいう。この(c)の規定の適用に当たっては、交付当局の管轄の下にある経済活動の多様性の程度及び補助金制度を運用している期間の長さを考慮する。

    注: この点に関し、特に、補助金の申請が拒否され又は承認される頻度及びそのような決定の理由に関する情報を考慮する。
    2.2 交付当局の管轄の下にある地理的に指定された地域内にある特定企業のみに交付される補助金は、特定性を有するものとする。この協定の適用上、権限を有するすべての段階の政府が行う一般的に適用される税率の決定又は変更は、特定性を有する補助金とはみなさないと了解する。
    2.3 次条の規定に該当する補助金は、特定性を有するものとみなす。
    2.4 この条に規定する特定性については、実証的な証拠に基づく明確な裏付けによって決定する。
第二部 禁止される補助金

第三条 禁止
    3.1 農業に関する協定に定める場合を除くほか、第一条に規定する補助金のうち次のものについては、禁止する。
    (a) 法令上又は事実上(注1)、輸出が行われることに基づいて(唯一の条件としてであるか二以上の条件のうち一の条件としてであるかを問わない。)交付される補助金(附属書1に掲げるものを含む(注2)。)

    注1: 補助金の交付が法的には輸出が行われることに基づいたものではない場合においても、当該補助金の交付が実際の又は予想される輸出又は輸出収入と事実上結び付いていることが事実によって立証されるときは、この基準は、満たされるものとする。輸出を行う企業に補助金を交付するという単なる事実のみを理由として、この3.1に規定する輸出補助金とみなされることはない。

    注2: 輸出補助金には当たらないものとして附属書1に規定する措置は、この条の規定又はこの協定の他のいかなる規定によっても禁止されない。

    (b) 輸入物品よりも国産物品を優先して使用することに基づいて(唯一の条件としてであるか二以上の条件のうち一の条件としてであるかを問わない。)交付される補助金
    3.2 加盟国は、3.1に規定する補助金を交付し又は維持してはならない。
第四条 救済措置
    4.1 加盟国は、他の加盟国が禁止される補助金を交付し又は維持していると信ずるに足りる理由がある場合には、当該他の加盟国に対し協議を要請することができる。
    4.2 4.1の規定に基づく協議の要請には、禁止される補助金の存在及び性格についての入手可能な証拠を付する。
    4.3 関係する補助金を交付し又は維持しているとされた加盟国は、4.1の規定に基づく協議の要請を受けた場合には、できる限り速やかに協議に応ずる。協議は、事実関係を明らかにすること及び相互に合意する解決を得ることを目的とする。
    4.4 協議の要請から三十日(注)以内に相互に合意する解決が得られなかった場合には、協議の当事者である加盟国は、小委員会を直ちに設置するため、問題を紛争解決機関に付託することができる。もっとも、同機関が小委員会を設置しないことをコンセンサス方式によって決定する場合には、小委員会は、設置されない。

    注: この条に定める期間は、合意によって延長することができる。
    4.5 小委員会は、設置された場合には、関係する措置が禁止される補助金であるかないかの問題に関し、常設専門家部会(注)の援助を要請することができる。同部会は、その要請を受けた場合には、当該措置の存在及び性格についての証拠を直ちに検討するものとし、また、当該措置をとり又は維持している加盟国に対し、当該措置が禁止される補助金ではないことを立証する機会を与える。同部会は、小委員会が決定する期限内に小委員会に結論を報告する。小委員会は、当該措置が禁止される補助金であるかないかの問題に関する同部会の結論を修正することなく受諾する。

    注: 第二十四条の規定に基づいて設置する。
    4.6 小委員会は、紛争当事国に最終的な報告を送付する。当該報告については、小委員会の構成及び付託事項の確定の日から九十日以内にすべての加盟国に送付する。
    4.7 関係する措置が禁止される補助金であると認める場合には、小委員会は、補助金を交付している加盟国に対し、当該補助金を遅滞なく廃止するよう勧告する。この点に関し、小委員会は、当該措置を廃止しなければならない期限をその勧告において特定する。
    4.8 小委員会の報告は、すべての加盟国への送付から三十日以内に、紛争解決機関によって採択される。ただし、一の紛争当事国が上級委員会への申立ての意思を同機関に正式に通報し又は同機関が当該報告を採択しないことをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。
    4.9 小委員会の報告について申立てがされた場合には、上級委員会は、紛争当事国が当該申立ての意思を正式に通報した日から三十日以内に決定を行う。上級委員会は、三十日以内に報告を作成することができないと認める場合には、報告を送付するまでに要する期間の見込みと共に遅延の理由を書面により紛争解決機関に通報する。この期間は、いかなる場合にも、六十日を超えてはならない。同機関は、上級委員会の報告を、加盟国への送付の後二十日以内に採択し(注)、紛争当事国は、これを無条件で受諾する。ただし、同機関が当該報告を採択しないことをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。

    注: 紛争解決機関の会合がこの期間内に予定されていない場合には、この目的のために開催される。
    4.10 小委員会が定めた期限(小委員会又は上級委員会の報告の採択の日から起算する。)内に紛争解決機関の勧告が実施されない場合には、同機関は、申立てをした加盟国(この協定において「申立加盟国」という。)に対し、適当な対抗措置をとることを承認する(注)。ただし、同機関が対抗措置に係る申請を却下することをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。

    注: この4.10の前段の規定は、この条に規定する補助金が禁止されているという事実に照らして均衡を失する対抗措置を認めることを意味するものではない。
    4.11 紛争当事国が紛争解決了解第二十二条6に規定する仲裁を要請する場合には、仲裁人は、対抗措置が適当であるかないかを決定する。(注)

    注: この4.11の規定は、この条に規定する補助金が禁止されているという事実に照らして均衡を失する対抗措置を認めることを意味するものではない。
    4.12 この条の規定に従って紛争を処理するに当たっては、紛争解決了解に従って紛争処理のために適用される期間については、この条に特に定める期間を除くほか、同了解に定める期間の半分の期間とする。

第三部 相殺措置の対象となる補助金

第五条 悪影響

加盟国は、1.1及び1.2に規定する補助金によって、他の加盟国の利益に次のいずれの悪影響も及ぼすべきではない。

    (a) 他の加盟国の国内産業に対する損害(注)

    注: 「国内産業に対する損害」の語は、第五部におけるものと同一の意味で用いる。
    (b) 他の加盟国に対し千九百九十四年のガットに基づいて直接又は間接に与えられた利益、特に、千九百九十四年のガット第二条の規定に基づく譲許の利益の無効化又は侵害(注)

    注: この協定において、「無効化又は侵害」の語は、千九百九十四年のガットの関連規定におけるものと同一の意味で用いるものとし、無効化又は侵害の存在は、当該関連規定の適用に関する慣行に従って認定する。
    (c) 他の加盟国の利益に対する著しい害(注)

    注: この協定において、「他の加盟国の利益に対する著しい害」の語は、千九百九十四年のガット第十六条1におけるものと同一の意味で用い、著しい害のおそれを含む。

    この条の規定は、農業に関する協定第十三条に規定する農産品に関して維持される補助金については、適用しない。


第六条 著しい害
    6.1 次のいずれかの場合には、前条(c)に規定する著しい害は、存在するものとみなす。
    (a) 補助金の総額が産品の価額の五パーセントを超える場合(注1、注2)

    注1: 産品の価額に対する補助金の総額の割合は、附属書4の規定に従って算定する。
    注2: 民間航空機は、多数国間の特定の規律に服すると見込まれるので、この(a)に定める基準は、民間航空機については、適用しない。

    (b) 補助金がいずれかの産業の営業上の損失を補てんするものである場合
    (c) 補助金がいずれかの企業の営業上の損失を補てんするものである場合。ただし、当該企業について繰り返されることのない一回限りの措置であって、長期的な解決を図るための時間を与え、かつ、深刻な社会的問題を避けるためにのみとるものを除く。
    (d) 債務の直接的な免除(注)、すなわち、政府に対して負っている債務を免除する場合及び債務の返済を補てんする贈与を行う場合

    注: 加盟国は、民間航空機の製造に対するロイヤルティに係る融資は、実際の販売の水準が予想される販売の水準を下回るために全額返済されていない場合には、それ自体、この(d)に定める著しい害を構成するものではないことを認める。
    6.2 6.1の規定にかかわらず、補助金を交付している加盟国が、当該補助金が6.3に規定する影響のいかなるものももたらさなかったことを立証する場合には、著しい害は、存在するとは認めない。
    6.3 前条(c)に規定する著しい害は、次に規定するもののうち一又は二以上に該当する場合には、生ずることがある。
    (a) 補助金の効果が、補助金を交付している加盟国の市場への他の加盟国からの同種の産品の輸入を代替し又はその輸入を妨げるものであること。
    (b) 補助金の効果が、第三国市場において他の加盟国の同種の産品の輸出を代替し又はその輸出を妨げるものであること。
    (c) 補助金の効果が、補助金の交付を受けた産品の価格を同一の市場における他の加盟国の同種の産品の価格よりも著しく下回らせるものであること又は同一の市場における価格の上昇を著しく妨げ、価格を著しく押し下げ若しくは販売を著しく減少させるものであること。
    (d) 補助金の効果が、当該補助金の交付を受けた特定の一次産品(注)について、当該補助金を交付している国の世界市場における占拠率を当該国が過去三年間に有していた平均的な占拠率よりも増加させるものであり、かつ、その増加が、補助金が交付された期間を通じて一貫したものであること。

    注: ただし、多数国間で合意された他の特定の規律が当該産品の貿易に適用される場合は、この限りでない。
    6.4 6.3(b)の規定の適用上、輸出を代替すること又は妨げることには、6.7に規定する場合を除くものとし、(しかるべき代表的な期間であって、関係産品の市場の拡大の傾向を明確に立証するために十分な期間(この期間は、通常の場合には、少なくとも一年とする。)を通じて)相対的な市場占拠率の変化が補助金の交付を受けていない同種の産品にとって不利益となるように生じたことが立証される場合を含む。「相対的な市場占拠率の変化」には、(a)補助金の交付を受けた産品の市場占拠率が増加すること、(b)補助金が存在しなかったとしたならば補助金の交付を受けた産品の市場占拠率が減少したであろうという状況において、当該市場占拠率が一定であること及び(c)補助金の交付を受けた産品の市場占拠率が、補助金が存在しなかったとした場合の市場占拠率の減少の速度よりも遅い速度で減少していることを含む。
    6.5 6.3(c)の規定の適用上、価格を下回らせることには、補助金の交付を受けた産品の価格と同一の市場に供給される補助金の交付を受けていない同種の産品の価格との比較によって立証される場合を含む。この比較については、商取引の同一の段階で、かつ、同等な時点で行うものとし、価格の比較に影響を及ぼすその他の要因に妥当な考慮を払う。もっとも、このような直接的な比較を行うことができない場合には、価格を下回らせることについては、単位当たりの輸出価額に基づいて立証することができる。
    6.6 自国の市場において著しい害が生じたと申し立てる加盟国は、附属書53の規定に従うことを条件として、紛争当事国の市場占拠率の変化及び関係産品の価格について入手することができるすべての関連情報を次条に規定する紛争当事国及び7.4の規定に基づいて設置される小委員会に提供する。
    6.7 6.3の規定の適用上、関係する期間中に次のいずれかの状況が存在する(注)場合には、輸出又は輸入を代替し又は妨げることが著しい害をもたらすことはない。

    注: 特定の状況がこの6.7に規定されているという事実は、それ自体、千九百九十四年のガット又はこの協定において、当該特定の状況にいかなる法的地位も与えるものではない。これらの状況は、単発的なもの、突発的なものその他重要でないものであってはならない。
    (a) 申立加盟国からの同種の産品の輸出又は関係する第三国の市場への申立加盟国からの輸入の禁止又は制限
    (b) 関係産品について、貿易を独占し又は国家貿易を実施している輸入国の政府が、非商業的理由により、申立加盟国からの輸入を他の国からの輸入に転換することを決定すること。
    (c) 自然災害、同盟罷業、輸送上の混乱その他の不可抗力であって、申立加盟国から輸出することができる産品の生産、品質、数量又は価格に相当な影響を与えるものが生じていること。
    (d) 申立加盟国からの輸出を制限する取決めが存在すること。
    (e) 申立加盟国が輸出することができる関係産品の量を自発的に減少させること(特に、申立加盟国の企業が自主的に当該産品の輸出を新たな市場に割り当てる場合を含む。)。
    (f) 輸入国における基準その他の法的な規制を遵守しないこと。
    6.8 6.7に規定する状況が存在しない場合には、著しい害の存在については、小委員会に提供された情報又は小委員会が入手した情報(附属書5の規定に従って提供されたものを含む。)に基づいて決定すべきである。
    6.9 この条の規定は、農業に関する協定第十三条に規定する農産品に関して維持される補助金については、適用しない。
第七条 救済措置
    7.1 農業に関する協定第十三条に定める場合を除くほか、加盟国は、第一条に規定する補助金であって他の加盟国が交付し又は維持するものが自国の国内産業に対する損害、無効化若しくは侵害又は著しい害をもたらしていると信ずるに足りる理由がある場合には、当該他の加盟国に対し協議を要請することができる。
    7.2

    7.1の規定に基づく協議の要請には、(a)補助金の存在及び性格についての入手可能な証拠並びに(b)国内産業に対する損害、無効化若しくは侵害又は協議を要請する加盟国の利益に対する著しい害(注)についての入手可能な証拠を付する。

    注: 要請が6.1に規定する著しい害をもたらすものとみなされる補助金に関係する場合には、著しい害についての入手可能な証拠は、6.1の条件を満たしているかいないかについての入手可能な証拠に限定することができる。

    7.3 関係する補助金を交付し又は維持しているとされた加盟国は、7.1の規定に基づく協議の要請を受けた場合には、できる限り速やかに協議に応ずる。協議は、事実関係を明らかにすること及び相互に合意する解決を得ることを目的とする。
    7.4 協議により六十日(注)以内に相互に合意する解決が得られなかった場合には、協議の当事者である加盟国は、小委員会を設置するため、問題を紛争解決機関に付託することができる。もっとも、同機関が小委員会を設置しないことをコンセンサス方式によって決定する場合には、小委員会は、設置されない。小委員会の構成及び付託事項については、小委員会が設置された日から十五日以内に確定する。

    注: この条に定める期間は、合意によって延長することができる。
    7.5 小委員会は、問題を検討するものとし、紛争当事国に最終的な報告を送付する。当該報告については、小委員会の構成及び付託事項の確定の日から百二十日以内にすべての加盟国に送付する。
    7.6 小委員会の報告は、すべての加盟国への送付から三十日以内に、紛争解決機関によって採択される(注)。ただし、一の紛争当事国が上級委員会への申立ての意思を同機関に正式に通報し又は同機関が当該報告を採択しないことをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。

    注: 紛争解決機関の会合がこの期間内に予定されていない場合には、この目的のために開催される。
    7.7 小委員会の報告について申立てがされた場合には、上級委員会は、紛争当事国が当該申立ての意思を正式に通報した日から六十日以内に決定を行う。上級委員会は、六十日以内に報告を作成することができないと認める場合には、報告を送付するまでに要する期間の見込みと共に遅延の理由を書面により紛争解決機関に通報する。この期間は、いかなる場合にも、九十日を超えてはならない。同機関は、上級委員会の報告を、加盟国への送付の後二十日以内に採択し(注)、紛争当事国は、これを無条件で受諾する。ただし、同機関が当該報告を採択しないことをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。

    注: 紛争解決機関の会合がこの期間内に予定されていない場合には、この目的のために開催される。
    7.8 補助金が第五条に規定する他の加盟国の利益に対する悪影響をもたらしたと決定する旨の小委員会又は上級委員会の報告が採択される場合には、当該補助金を交付し又は維持している加盟国は、当該悪影響を除去するための適当な措置をとり又は当該補助金を廃止する。
    7.9 紛争解決機関が小委員会又は上級委員会の報告を採択した日から六箇月以内に加盟国が補助金の悪影響を除去し又は補助金を廃止するための適当な措置をとらず、かつ、代償についての合意が存在しない場合には、同機関は、申立加盟国に対し、存在すると決定された悪影響の程度及び性格に応じた対抗措置をとることを承認する。ただし、同機関が対抗措置に係る申請を却下することをコンセンサス方式によって決定する場合は、この限りでない。
    7.10 紛争当事国が紛争解決了解第二十二条6に規定する仲裁を要請する場合には、仲裁人は、対抗措置が、存在すると決定された悪影響の程度及び性格に応じたものであるかないかを決定する。


第四部 相殺措置の対象とならない補助金

第八条 相殺措置の対象とならない補助金の特定

    8.1 次の補助金は、相殺措置の対象とならない補助金とみなす。(注)

    注: 加盟国が種々の目的のための政府による援助を広く提供していること及びこのような援助がこの条に規定する相殺措置の対象とならない補助金の取扱いの条件を満たすことができないという事実は、それ自体、加盟国が当該援助を提供することを制限するものではないことを認める。

    (a) 第二条に規定する特定性を有しない補助金
    (b) 第二条に規定する特定性を有する補助金であって、8.2の(a)、(b)又は(c)に定めるいずれかの条件を満たすもの
    8.2 第三部及び第五部の規定にかかわらず、次の補助金は、相殺措置の対象とならないものとする。
    (a) 企業が行う研究活動又は高等教育機関若しくは研究機関が企業との契約に基づいて行う研究活動に対する援助であって(注1、注2、注3)、産業上の研究(注4)に係るものについては当該研究の費用の七十五パーセント以下であり又は競争前の段階の開発活動(注5)に係るものについては当該活動の費用の五十パーセント以下であるもの(注6、注7)。ただし、当該援助の対象が次の事項に限定されていることを条件とする。

    注1: 民間航空機は、多数国間の特定の規律に服すると見込まれるので、この(a)の規定は、民間航空機については、適用しない。
    注2: 第二十四条に規定する補助金及び相殺措置に関する委員会(この協定において「委員会」という。)は、世界貿易機関協定の効力発生の日の後十八箇月以内に、この(a)の規定の運用を改善するために必要なあらゆる変更を行うため、同規定の運用について検討する。委員会は、この変更を行う可能性を検討するに当たり、研究計画の運用に関する加盟国の経験及び他の適当な国際機関の活動に照らして、この(a)に規定する定義を慎重に検討する。
    注3: この協定は、高等教育機関又は研究機関が独立して行う基礎的な研究活動については、適用しない。「基礎的な研究」とは、工業上又は商業上の目的と関連を有しない科学上及び技術上の一般的な知識の拡大を目的とする研究をいう。
    注4: 「産業上の研究」とは、新たな産品、工程若しくは役務の開発又は既存の産品、工程若しくは役務の相当な改善に有用となり得る新たな知識の発見を目的とする計画的な研究又は詳細な調査をいう。
    注5: 「競争前の段階の開発活動」とは、産業上の研究の成果を新たな、修正された又は改善された産品、工程又は役務のための計画、青写真又は企画に具体化すること(販売を目的とするか使用を目的とするかを問わない。)をいい、商業的に使用することができない第一段階の原型を作ることを含む。「競争前の段階の開発活動」には、更に、代わりの産品、工程又は役務の構想及び企画並びに事業の第一段階の実施又は実験的な実施を含む。ただし、これらの事業が工業への適用又は商業上の活用のために転用され又は利用される場合は、この限りでない。既存の産品、生産ライン、製造工程、役務その他進行中の作業の日常的又は定期的な変更は、改善をもたらし得るものであっても、「競争前の段階の開発活動」には含めない。
    注6: この(a)に規定する相殺措置の対象とならない援助が許容される水準については、個別の事業の存続期間中に要した対象となる費用の総額に照らして設定する。
    注7: 産業上の研究及び競争前の段階の開発活動の両者にまたがる計画については、相殺措置の対象とならない援助が許容される水準は、この両者に適用される相殺措置の対象とならない援助が許容される水準(この(a)の(i)から(v)までに規定するすべての対象となる費用に基づいて算定する。)の単純平均を超えてはならない。


    (i)人件費(専ら当該研究活動のために雇用される研究者、技術者その他補助的な要員に関する費用)
    (ii)専ら当該研究活動のために永続的に使用される(商業的な原則に基づいて処分される場合を除く。)器具、装置、土地及び建物に関する費用
    (iii)専ら当該研究活動のために使用されるコンサルタントの役務及びこれと同等の役務(既成の研究、技術上の知識及び特許を含む。)に関する費用
    (iv)当該研究活動の結果として直接生ずる追加的な間接費
    (v)その他当該研究活動の結果として直接生ずる運営費(例えば、材料、需品その他これらに類するものに関する費用)
    (b) 地域開発の一般的な枠組み(注)に基づいて加盟国の領域内の不利な立場にある地域に対して与えられる援助であって、対象となる地域内において第二条に規定する特定性を有しないもの。ただし、次のことを条件とする。

    注: 「地域開発の一般的な枠組み」とは、地域的な補助金制度が国内的に一貫し、かつ、一般的に適用される地域開発に関する政策の一部であること及び地域開発のための補助金が当該地域の開発に影響を及ぼさず又は実質的な影響を及ぼさない地理的に孤立した場所に交付されるものではないことをいう。

    (i) 不利な立場にある地域は、それぞれが明確に指定された地理的な連続性を有する一の地域でなければならず、かつ、他の地域と区別することができる経済的及び行政的な同一性を有していなければならないこと。
    (ii) 地域は、当該地域の困難が一時的な状況により生じているものではないことを示す中立的かつ客観的な基準(注)に基づいて不利な立場にあるものとみなされるものであること。この基準については、確認することができるように、法令その他の公文書に明確に定めなければならない。

    注: 「中立的かつ客観的な基準」とは、地域開発に関する政策の枠組みにおいて、地域的な不均衡を除去し又は軽減するために適当な程度を超えて特定の地域を有利に取り扱うことのない基準をいう。この点に関し、地域的な補助金制度については、補助金を交付する事業計画ごとに援助の額の上限を設定する。この上限については、援助が提供される地域の開発の程度に応じて差異を設けなければならず、また、投資又は雇用創出に関する費用に着目して設定しなければならない。この上限の範囲内において、援助については、第二条に規定する特定企業による補助金の支配的な利用又は特定企業に対する均衡を失した多額の補助金の交付を回避するため、十分幅広く、かつ、均衡のとれた額で分配する。

    (iii) (ii)の基準は、経済的な発展を評価するための指標であって次の要因の少なくとも一に基づくものを含むこと。
    一人当たり若しくは一世帯当たりの所得又は一人当たりの国内総生産(この所得又は国内総生産は、関係する領域についての平均値の八十五パーセントを超えてはならない。)
    失業率(この失業率は、関係する領域についての平均値の少なくとも百十パーセントでなければならない。)
    これらの指標については、三年の期間にわたって算定する。もっとも、これらの指標については、複合的なものとすること及び他の要因を含めることができる。
    (c) 既存の施設(注)を、法令により課される新たな環境上の要件(企業に対し一層大きな制約及び財政的な負担をもたらすもの)に適合させることを促進するための援助。ただし、次のことを条件とする。

    注: 「既存の施設」とは、新たな環境上の要件が課されたときに少なくとも二年間使用されている施設をいう。

    (i) 援助が繰り返されることのない一回限りの措置であること。
    (ii) 援助の額が新たな環境上の要件に適合するための費用の二十パーセント以下に限定されていること。
    (iii) 援助が当該援助を受けた投資に係る施設の更新又は操業に関する費用(企業がすべてを負担しなければならないもの)を負担するものではないこと。
    (iv) 援助が、企業が計画する有害なもの及び汚染の削減に直接の関連を有し並びに当該削減の計画と均衡のとれたものであり、かつ、製造の過程において節約することができる費用を負担するものではないこと。
    (v) 援助が新たな設備又は生産工程を採用することができるすべての企業にとって利用可能なものであること。
    8.3 加盟国は、補助金制度について8.2の規定を適用しようとする場合には、その実施に先立ち第七部の規定に従って委員会に通報する。その通報は、当該補助金制度が8.2の関連規定に定める条件及び基準に適合するものであることを他の加盟国が評価することができるようにするために十分正確なものとする。加盟国は、また、特に、補助金制度ごとの総額及び補助金制度の変更に関する情報を提供することにより、当該通報を毎年改定したものを委員会に提供する。その他の加盟国は、通報された補助金制度の下における個々の事例に関する情報を要請する権利を有する。(注)

    注: 通報に関するこの8.3の規定は、秘密の情報(業務上の秘密の情報を含む。)の提供を求めるものではないことを認める。
    8.4 事務局は、加盟国の要請に基づき、8.3の規定に基づいて行われた通報を検討するものとし、また、必要な場合には、通報された補助金制度であって検討の対象となっているものに関する追加の情報を補助金を交付している加盟国に対し要請することができる。事務局は、その検討の結果を委員会に報告する。委員会は、要請に基づき、8.2に定める条件及び基準が満たされていたかいなかったかを決定するため、事務局の検討の結果(又は、事務局による検討が要請されていない場合には、通報それ自体)を速やかに検討する。この8.4に定める手続は、補助金制度に関する通報と委員会の通常会合との間に少なくとも二箇月以上の間隔が存在していることを条件として、遅くとも当該通報の後の最初の委員会の通常会合において完結させる。この8.4に規定する検討の手続は、要請に基づき、通報された補助金制度(その通報については、8.3に定めるところにより毎年改定する。)の重要な変更についても適用する。
    8.5 8.4に規定する委員会の決定又は委員会が当該決定を行わないこと及び通報された補助金制度に定める条件についての個々の事例における違反については、加盟国の要請に基づき、拘束力を有する仲裁に付託する。仲裁を行う機関は、問題が当該機関に付託された日から百二十日以内にその結論を加盟国に提示する。この8.5の規定に別段の定めがある場合を除くほか、この8.5の規定に基づき行われる仲裁については、紛争解決了解を適用する。
第九条 協議及び承認された救済措置
    9.1 8.2に規定する制度の実施の過程において、当該制度が8.2に定める基準に適合しているという事実にかかわらず、加盟国は、当該制度が当該加盟国の国内産業に対して回復し難い損害を生ずるような著しい悪影響を及ぼしていると信ずるに足りる理由がある場合には、補助金を交付し又は維持している加盟国に対し協議を要請することができる。
    9.2 関係する補助金を交付し又は維持している加盟国は、9.1の規定に基づく協議の要請を受けた場合には、できる限り速やかに協議に応ずる。協議は、事実関係を明らかにすること及び相互に受け入れることが可能な解決を得ることを目的とする。
    9.3 9.2の規定に基づく協議において当該協議の要請から六十日以内に相互に受け入れることが可能な解決が得られなかった場合には、当該協議を要請した加盟国は、問題を委員会に付託することができる。
    9.4 問題が委員会に付託された場合には、委員会は、直ちに事実関係及び9.1に規定する悪影響の証拠を検討する。委員会は、当該悪影響が存在すると決定する場合には、補助金を交付している加盟国に対し、当該悪影響を除去するような方法で制度を修正することを勧告することができる。委員会は、問題が9.3の規定に基づいて委員会に付託された日から百二十日以内にその結論を提示する。委員会は、その勧告が六箇月以内に実施されなかった場合には、協議を要請した加盟国に対し、存在すると決定された当該悪影響の性格及び程度に応じた適当な対抗措置をとることを承認する。

第五部 相殺措置

第十条 千九百九十四年のガット第六条の規定の適用(注)

注: 第二部及び第三部の規定は、この部の規定と併せて適用することができる。もっとも、特定の補助金が輸入加盟国の国内市場に及ぼす影響に関しては、当該補助金について一の救済形態(この部に定める要件が満たされた場合に課することができる相殺関税又は第四条若しくは第七条に規定する対抗措置のいずれか)のみを用いることができる。第三部及びこの部の規定は、第四部の規定に従って相殺措置の対象とならないとみなされた措置については、適用してはならない。もっとも、8.1(a)に規定する措置については、第二条に規定する特定性を有するものであるかないかを決定するために調査することができる。第三部又はこの部の規定は、また、8.2に規定する補助金であって8.3に規定する通報が行われていない制度に基づいて交付されるものについて適用することができるが、当該補助金が8.2に定める基準に適合するものであると認められる場合には、当該補助金は、相殺措置の対象とならないものとして取り扱う。

加盟国は、いずれかの加盟国の領域の産品であって他の加盟国の領域に輸入されるものに対する相殺関税(注1)が千九百九十四年のガット第六条の規定及びこの協定に定める条件に適合して課されることを確保するため、必要なすべての措置をとる。相殺関税は、この協定及び農業に関する協定に従って開始し(注2)、実施する調査に基づいてのみ課することができる。

注1: 「相殺関税」とは、千九百九十四年のガット第六条3に定義するとおり、産品の製造、生産又は輸出について直接又は間接に交付される補助金を相殺する目的で課する特別の関税をいうものと了解する。
注2: 以下「開始する」又は「開始」とは、加盟国が次条の規定に従って正式に調査を始めるための手続上の措置をとることをいう。


第十一条 調査の開始及び実施

    11.1 11.6に規定する場合を除くほか、申し立てられた補助金の存在、程度及び影響を決定するための調査は、国内産業によって又は国内産業のために行われる書面による申請に基づいて開始する。
    11.2 11.1の申請には、(a)補助金の存在及び、可能なときは、その額、(b)この協定により解釈される千九百九十四年のガット第六条に規定する損害の存在並びに(c)補助金の交付を受けた産品の輸入と申し立てられた損害との間に因果関係が存在することについての十分な証拠を含める。関連する証拠によって裏付けられない単なる主張は、この11.2に定める要件を満たすために十分なものであるとみなすことができない。この申請には、申請者が合理的に入手することができる次の事項に関する情報を含むものとする。

    (i) 申請者の身元関係事項並びに当該申請者による同種の産品の国内生産の量及び価額に関する記述。書面による申請が国内産業のために行われる場合には、当該申請は、同種の産品の知られているすべての国内生産者(又は同種の産品の国内生産者の団体)の名簿を記載すること並びに可能な限り当該国内生産者による同種の産品の国内生産の量及び価額を記述することによって、申請がいずれの産業のために行われているかを明らかにする。
    (ii) 補助金の交付を受けていると申し立てられた産品に関する完全な記述、関係原産国又は関係輸出国の国名、知られている輸出者又は外国の生産者のそれぞれの身元関係事項及び当該産品を輸入していることが知られている者の名簿
    (iii) 当該補助金の存在、額及び性格に関する証拠
    (iv) 当該補助金の交付を受けた産品の輸入が補助金の効果を通じて国内産業に対する申し立てられた損害をもたらしたという証拠。この証拠には、補助金の交付を受けていると申し立てられた産品の輸入の量の推移、これらの輸入が国内市場における同種の産品の価格に及ぼす影響及びこれらの輸入が国内産業に結果として及ぼす影響(国内産業の状態に関係を有する要因及び指標、例えば、15.2及び15.4に規定するものによって示されるもの)に関する情報を含む。
    11.3 当局は、申請の際に提供された証拠が調査の開始を正当とするために十分なものであるかないかを決定するため、当該証拠の正確さ及び妥当性について検討する。
    11.4 11.1の調査については、同種の産品の国内生産者が申請について表明した(注1)支持又は反対の程度の検討に基づき、当局が、当該申請が国内産業によって又は国内産業のために行われている(注2)と決定しない限り、開始してはならない。申請は、当該申請について支持を表明している国内生産者の生産高の合計が、当該申請について支持又は反対のいずれかを表明している国内産業の一部が生産する同種の産品の総生産の五十パーセントを超える場合には、「国内産業によって又は国内産業のために」行われたものとみなす。ただし、申請を明示的に支持している国内生産者による生産が国内産業によって生産される同種の産品の総生産の二十五パーセント未満である場合には、調査を開始してはならない。

    注1: 非常に多数の生産者から成る産業であって、その生産者が加盟国の領域内に広く分布するものについては、当局は、統計上有効な標本抽出の方法を用いて支持及び反対を決定することができる。
    注2: 加盟国は、特定の加盟国の領域内においては、同種の産品の国内生産者の被用者又はこれらの代表が11.1の調査のための申請を行い又は支持することができることを認識する。
    11.5 当局は、調査を開始する旨の決定が行われない限り、調査の開始を求める申請書を公表しないようにする。
    11.6 関係当局は、特別な状況において国内産業によって又は国内産業のために行われる調査の開始を求める書面による申請を受領しないで調査を開始することを決定する場合には、調査の開始を正当とする十分な証拠(11.2に規定する補助金、損害及び因果関係の存在についてのもの)があるときにのみ手続を進める。
    11.7 補助金及び損害の双方についての証拠は、(a)調査を開始するかしないかを決定するに当たり同時に考慮するものとし、(b)その後の調査の過程においても、遅くともこの協定に従って暫定措置がとられる日から、同時に考慮する。
    11.8 産品が原産国から直接に輸入されず、中間国から輸入加盟国に輸入される場合については、この協定を完全に適用するものとし、この協定の適用上、取引が原産国と輸入加盟国との間において行われたものとみなす。
    11.9 関係当局は、補助金又は損害のいずれか一方についての証拠が事案に関する手続の進行を正当とするために十分でないと認める場合には、速やかに11.1の申請を却下するものとし、また、速やかに調査を取りやめる。関係当局は、補助金の額が僅きん少であり、又は補助金の交付を受けた産品の現実の若しくは潜在的な輸入の量若しくは損害が無視することのできるものである場合には、直ちに手続を取りやめる。この11.9の規定の適用上、補助金の額は、産品の価額の一パーセント未満である場合には、僅きん少であるものとみなす。
    11.10 調査は、通関手続を妨げるものであってはならない。
    11.11 調査については、特別の場合を除くほか、その開始の後一年以内に完結させなければならず、かつ、いかなる場合においても、その開始の後十八箇月を超えてはならない。
第十二条 証拠
    12.1 相殺関税の賦課のための調査に利害関係を有する加盟国及び当該利害関係を有するすべての者は、当局が必要とする情報について通知されるものとし、また、当該調査について関連を有すると考えるあらゆる証拠を書面により提出する機会を十分に与えられる。
    12.1.1 相殺関税の賦課のための調査に使用される質問書を受領する輸出者、外国の生産者又は利害関係を有する加盟国は、回答のために少なくとも三十日の期間を与えられる(注)。この三十日の期間の延長に関する要請に対しては、妥当な考慮が払われるべきであり、理由が示される場合には、そのような延長は、実行可能なときはいつでも認められるべきである。

    注: 輸出者に与えられる期間は、原則として、質問書の受領の日から起算するものとし、このため、質問書は、回答者又は輸出加盟国の適当な外交上の代表者若しくは、世界貿易機関の加盟国である独立の関税地域については、輸出を行う当該関税地域の公式の代表者に送付された日から一週間で受領されたものとみなす。
    12.1.2 秘密の情報の保護に関する要件に従うことを条件として、利害関係を有する一の加盟国又は一の者が書面によって提出した証拠については、調査に参加している利害関係を有する他の加盟国又は他の者が速やかに入手することができるようにする。
    12.1.3 当局は、調査が開始された場合には、11.1に規定する申請書の全文を知られている輸出者(注)及び輸出加盟国の当局に速やかに提供するものとし、また、要請があったときは、利害関係を有する他の者が当該申請書の全文を入手することができるようにする。12.4に規定する秘密の情報の保護に対して、妥当な考慮を払う。

    注: 関係する輸出者の数が特に多い場合には、申請書の全文は、輸出者に代えて輸出加盟国の当局又は関係する貿易業者の団体にのみ提供されるべきであり、その後、当該当局又は当該団体が当該申請書の写しを関係する輸出者に送付すべきであると了解する。
    12.2 利害関係を有する加盟国及び者は、また、正当な理由がある場合には、情報を口頭で提供する権利を有する。情報が口頭で提供される場合には、利害関係を有する加盟国及び者は、その後、当該情報を書面に作成するものとする。調査当局のいかなる決定も、当該調査当局が文書による記録として保有している情報及び論証であって、秘密の情報を保護する必要性に妥当な考慮を払いつつ、調査に参加する利害関係を有する加盟国及び者が入手することができるようにしたもののみに基づいて行うことができる。
    12.3 当局は、実行可能なときはいつでも、利害関係を有するすべての加盟国及び者に対し、それぞれの立場の主張に関係があるすべての情報であって、12.4に規定する秘密のものではなく、かつ、相殺関税の賦課のための調査において当該当局が使用するものを閲覧する機会及びこれらの情報に基づいてそれぞれの主張について準備する機会を適時に与える。
    12.4 いかなる情報も、その性質上(例えば、その開示が競争者に対して競争上の著しい利益を与えること又はその開示が情報を提供した者に対して若しくは情報を提供した者の当該情報についての情報源である者に対して著しい悪影響を及ぼすことを理由として)秘密であるもの又は調査の当事者が秘密の情報として提供したものは、正当な理由が示される場合には、当局により秘密として取り扱われる。当該情報は、当該当事者の明示的な同意を得ないで開示してはならない(注)。

    注: 加盟国は、特定の加盟国の領域において厳格な保護命令に定める条件による開示が必要となることのあることを認める。
    12.4.1 当局は、秘密の情報を提供した利害関係を有する加盟国又は者に対し当該情報の秘密でない要約を提出するよう要請する。この要約は、秘密の情報として提供されたものの実質を合理的に理解することができるように十分詳細なものとする。例外的な場合には、当該利害関係を有する加盟国又は者は、当該情報を要約することが不可能であることを示すことができる。このような例外的な場合には、要約することが不可能であることの理由を提出しなければならない。
    12.4.2 当局は、秘密扱いの要請に正当な理由がないと認める場合において、情報の提供者が当該情報の公表を望まず又は一般的な表現若しくは要約された形によるその開示を認めないときは、その情報の正確であることが適当な者から当局に対して十分に立証されない限り、その情報を無視することができる。(注)

    注: 加盟国は、秘密扱いの要請を恣意的に拒否すべきでないことを合意する。加盟国は、更に、調査当局が手続に関連を有する情報のみについて秘密扱いの免除を要請することができることを合意する。
    12.5 当局は、12.7に規定する場合を除くほか、利害関係を有する加盟国又は者が提供した情報であって、自己が行う認定の根拠とするものの正確さについて、調査の過程において十分に確認する。
    12.6 調査当局は、必要に応じ、他の加盟国の領域において調査を行うことができる。ただし、調査当局が当該他の加盟国にその旨を十分な時間的余裕をもって通知し、かつ、当該他の加盟国が調査に反対しないことを条件とする。更に、調査当局は、企業の構内において調査を行うこと及び企業の記録を調べることができる。ただし、(a)当該企業が同意すること及び(b)当該他の加盟国がその旨の通知を受け、反対しないことを条件とする。企業の構内において行う調査については、附属書6に定める手続を適用する。秘密の情報の保護に関する要件に従うことを条件として、当局は、当該調査の結果に関係する企業がその結果を入手することができるようにするか又は12.8の規定に従ってこれらの企業にその結果を通知するものとし、また、申請者がその結果を入手し得るようにすることができる。
    12.7 利害関係を有する加盟国又は者が妥当な期間内に必要な情報の入手を許さず若しくはこれを提供しない場合又は調査を著しく妨げる場合には、知ることができた事実に基づいて仮の又は最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)を行うことができる。
    12.8 当局は、最終的な決定を行う前に、検討の対象となっている重要な事実であって、確定的な措置をとるかとらないかを決定するための基礎とするものを利害関係を有するすべての加盟国又は者に通知する。その通知は、これらの者が自己の利益を擁護するための十分な時間的余裕をもって行われるべきである。
    12.9 この協定の適用上、「利害関係を有する者」には、次のものを含む。

    (i) 調査の対象となる産品の輸出者、外国の生産者、輸入者又は貿易業者の団体若しくは業界団体であって、その構成員の過半数が当該産品の生産者、輸出者若しくは輸入者であるもの

    (ii) 輸入加盟国における同種の産品の生産者又は貿易業者の団体若しくは業界団体であって、その構成員の過半数が輸入加盟国の領域において同種の産品を生産しているもの

    (i)及び(ii)の規定は、加盟国がこれらの規定に規定する国内又は外国の関係者以外のものを利害関係を有する者に含めることを妨げるものではない。
    12.10 当局は、調査の対象となる産品の産業上の使用者及び、調査の対象となる産品が一般に小売段階で販売されている場合には、代表的な消費者団体に対し、補助金、損害及び因果関係に係る調査に関連する情報を提供する機会を与える。
    12.11 当局は、利害関係を有する者(特に小規模な会社)が要請された情報を提供する際に直面する困難について妥当な考慮を払うものとし、また、実行可能な援助を行う。
    12.12 12.1から12.11までに定める手続は、加盟国の当局が、この協定の関連規定に従い、調査の開始及び仮の若しくは最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)についての手続の迅速な進行又は暫定措置若しくは最終的な措置の適用を妨げることを目的とするものではない。
第十三条 協議
    13.1 11.2に掲げる事項に関して事情を明らかにするため及び相互に合意する解決を得るため、第十一条に規定する申請が受理された後できる限り速やかに、いかなる場合にも調査が開始される前に、自国の産品が調査の対象となり得る加盟国を協議に招請する。
    13.2 更に、事実関係を明らかにするため及び相互に合意する解決を得るため、調査の期間を通じて、自国の産品が調査の対象となっている加盟国に対し協議を継続するための適当な機会を与える。(注)

    注: この13.2の規定により、協議のための適当な機会を与えることなく肯定的な仮の又は最終的な決定を行うことが認められないことが、特に重要である。この協議は、第二部、第三部又は第十部に定める手続をとる場合の基礎となることがある。
    13.3 協議に関するこの条の規定は、加盟国の当局が、この協定の関連規定に従い、調査の開始及び仮の若しくは最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)について手続を迅速に進めること又は暫定措置若しくは最終的な措置をとることを妨げるものではない。ただし、協議のための適当な機会を与える義務に影響を及ぼさないことを条件とする。
    13.4 調査を開始しようとする加盟国又は調査を実施している加盟国は、要請があったときは、自国の産品が調査の対象となる加盟国が秘密でない証拠(調査の開始又は実施に当たって用いられる秘密の情報に係る秘密でない要約を含む。)を知ることができるようにする。

第十四条 補助金を受ける者の利益による補助金の額の算定

この部の規定の適用上、調査当局が1.1の規定に従い補助金を受ける者に与えられる利益を計算するために使用する方法は、当該加盟国の国内法令又は実施規則に規定する。また、加盟国は、個々の事例についてこの方法を適用するに当たって、透明性をもって実施し、かつ、適切に説明する。この方法は、次の指針に適合するものとする。

    (a) 政府による出資は、その投資の決定が当該加盟国の領域内の民間投資者の投資に関する通常の慣行(危険資本の提供に関するものを含む。)と適合しないものとみなすことができない限り、利益をもたらすものとみなしてはならない。
    (b) 政府による貸付けは、当該貸付けを受けている企業が当該貸付けに対して支払う額と当該企業が市場で実際に同等な商業的貸付けを受ける場合に当該商業的貸付けに対して支払う額との間に差がない限り、利益をもたらすものとみなしてはならない。この場合において、利益は、これらの二の額の差額とする。
    (c) 政府による債務保証は、当該債務保証を受けている企業が政府によって保証されている貸付けに対して支払う額と当該企業が政府による保証なしに同等な商業的貸付けを受ける場合に当該商業的貸付けに対して支払う額との間に差がない限り、利益をもたらすものとみなしてはならない。この場合において、利益は、手数料の差を調整した後のこれらの二の額の差額とする。
    (d) 政府による物品若しくは役務の提供又は物品の購入は、当該提供が妥当な対価よりも少ない額の対価で行われ、又は当該購入について妥当な対価よりも多い額の対価が支払われるものでない限り、利益をもたらすものとみなしてはならない。対価の妥当性は、当該提供又は購入が行われる国における関係する物品又は役務についての市場の一般的状況(価格、品質、入手可能性、市場性、運送その他の購入又は販売の条件を含む。)との関連において決定される。

第十五条 損害(注)の決定

注: この協定において「損害」とは、別段の定めがない限り、国内産業に対する実質的な損害若しくは実質的な損害のおそれ又は国内産業の確立の実質的な遅延をいい、この条の規定により解釈する。
    15.1 千九百九十四年のガット第六条の規定の適用上、損害の決定は、実証的な証拠に基づいて行うものとし、(a)補助金の交付を受けた産品の輸入の量及び当該輸入が国内市場における同種の産品(注)の価格に及ぼす影響並びに(b)当該輸入が同種の産品の国内生産者に結果として及ぼす影響の双方についての客観的な検討に基づいて行う。

    注: この協定において「同種の産品」とは、同一の産品、すなわち、検討の対象となる産品とすべての点で同じである産品又は、そのような産品がない場合には、すべての点で同じではないが当該産品と極めて類似した性質を有する他の産品をいうものと解する。
    15.2 調査当局は、補助金の交付を受けた産品の輸入の量については、当該輸入が絶対量において又は輸入加盟国における生産若しくは消費と比較して相対的に著しく増加したかしなかったかを考慮する。調査当局は、当該輸入が価格に及ぼす影響については、当該輸入の価格が輸入加盟国の同種の産品の価格を著しく下回るものであるかないか又は、当該輸入の及ぼす影響により、価格が著しく押し下げられているかいないか若しくは当該輸入がなかったとしたならば生じたであろう価格の上昇が著しく妨げられているかいないかを考慮する。これらの要因のうち一又は数個の要因のみでは、必ずしも決定的な判断の基準とはならない。
    15.3 二以上の国からのある産品の輸入が同時に相殺関税の賦課のための調査の対象である場合において、調査当局は、(a)各国からの輸入について定められる補助金の額が11.9に規定する僅きん少であるものよりも大きく、かつ、各国からの輸入の量が無視することができるものではなく、また、(b)輸入産品の間の競争の状態及び輸入産品と国内の同種の産品との間の競争の状態に照らして輸入の及ぼす影響を累積的に評価することが適当であると決定したときにのみ、このような輸入の及ぼす影響を累積的に評価することができる。
    15.4 補助金の交付を受けた産品の輸入の国内産業に及ぼす影響についての検討は、当該国内産業の状態に関係を有するすべての経済的な要因及び指標(生産高、販売、市場占拠率、利潤、生産性、投資収益若しくは操業度における現実の及び潜在的な低下、資金流出入、在庫、雇用、賃金、成長、資本調達能力若しくは投資に及ぼす現実の及び潜在的な悪影響又は国内価格に影響を及ぼす要因並びに農業については助成に関する政府の施策に係る負担の増大の有無を含む。)についての評価を含む。これらの要因及び指標は、すべてを網羅するものではなく、また、これらの要因のうち一又は数個の要因のみでは、必ずしも決定的な判断の基準とはならない。
    15.5 補助金の交付を受けた産品の輸入が当該補助金の及ぼす影響(注)によりこの協定に定義する損害を与えていることが立証されなければならない。当該輸入と国内産業に対する損害との因果関係は、当局が入手したすべての関連する証拠の検討に基づいて明らかにする。当局は、当該輸入以外の要因であって、国内産業に対して同時に損害を与えていることが知られているいかなる要因も検討するものとし、また、これらの他の要因による損害の責めを当該輸入に帰してはならない。この点について関連を有することがある要因には、特に、当該補助金の交付を受けていない同種の産品の輸入の量及び価格、需要の減少又は消費態様の変化、外国の生産者及び国内生産者の制限的な商慣行並びに外国の生産者と国内生産者との間の競争、技術の進歩並びに国内産業の輸出実績及び生産性を含む。

    注: 15.2及び15.4に規定するところによる。
    15.6 補助金の交付を受けた産品の輸入の及ぼす影響については、入手することができる資料により、生産工程、生産者の販売、利潤等に基づいて同種の産品の国内生産を他の産品の国内生産と区別することができる場合には、当該同種の産品の国内生産との関連において評価する。そのような区別を行うことができない場合には、当該輸入の及ぼす影響については、必要な情報を入手することができる最小範囲の産品(同種の産品を含む。)の生産について検討することによって評価する。
    15.7 実質的な損害のおそれの決定は、事実に基づくものでなければならず、単に申立て、推測又は可能性の希薄なものに基づくものであってはならない。補助金が損害を与えるような事態を生ずるに至る状況の変化は、明らかに予見され、かつ、差し迫ったものでなければならない。調査当局は、実質的な損害のおそれの存在に関する決定を行うに当たっては、特に、次の要因を考慮すべきである。
    (i) 補助金の性格及び補助金により生ずることのある貿易上の影響
    (ii) 補助金の交付を受けた産品の国内市場への輸入の著しい率による増加であって、輸入が相当に増加する可能性を示すもの
    (iii) 輸出者の能力の十分な余力又は輸出者の能力の差し迫ったかつ相当な増加であって、補助金の交付を受けた産品の輸入加盟国の市場への輸出が相当に増加する可能性を示すもの。この点について、追加的な輸出を吸収することができる他の輸出市場の存在に考慮を払う。
    (iv) 国内価格を著しく押し下げ又は国内価格の上昇を著しく妨げる影響を有する価格であって、追加的な輸入に対する需要を増加させる可能性がある価格で輸入が行われているかいないか。
    (v) 調査の対象となる産品の在庫
    これらの要因のうち一の要因のみでは、必ずしも決定的な判断の基準とはならず、考慮された要因が、全体として、補助金の交付を受けた産品の追加的な輸出が差し迫っており、かつ、保護的な措置がとられない限り実質的な損害が生ずるという結論を導くものでなければならない。
    15.8 補助金の交付を受けた産品の輸入が損害を与えるおそれがある事案に関しては、相殺措置の適用は、特別の注意をもって検討し及び決定する。
第十六条 国内産業の定義
    16.1 この協定の適用上、「国内産業」とは、16.2に定める場合を除くほか、同種の産品の国内生産者の全体又はこれらの国内生産者のうち当該産品の生産高の合計が当該産品の国内総生産高の相当な部分を占めている生産者をいうものと解する。もっとも、生産者が補助金の交付を受けていると申し立てられた産品の輸出者若しくは輸入者と関係を有する(注)場合又は生産者自身が補助金の交付を受けていると申し立てられた産品若しくは他の国からの同種の産品の輸入者である場合には、「国内産業」には、これらの生産者を含まないと解することができる。

    注: この16.1の規定の適用上、生産者は、輸出者又は輸入者との間において、(a)両者のいずれか一方の者が他方の者を直接若しくは間接に支配している場合、(b)両者が同一の第三者によって直接若しくは間接に支配されている場合又は(c)両者が共同して同一の第三者を直接若しくは間接に支配している場合にのみ、関係を有するものとみなす。この場合において、生産者が輸出者又は輸入者と関係を有するものであるとみなすためには、その関係による影響が、当該生産者に対して、関係を有しない生産者の行動とは異なる行動をとらせるようなものであることを信じ又は疑うに足りる理由があることを条件とする。この16.1の規定の適用上、一方の者が法律上又は事実上他方の者を拘束し又は指図する地位にある場合には、当該一方の者は、当該他方の者を支配しているものとみなされる。
    16.2 例外的な状況においては、一の加盟国の領域を関係産品の生産について二以上の競争的市場に分割し、各市場内の生産者を別個の国内産業とみなすことができる。もっとも、(a)各市場内の生産者が生産した当該産品の全部又はほぼ全部をそれぞれの市場で販売しており、かつ、(b)その領域の当該市場以外の場所にある生産者が当該市場に当該産品を実質的に供給していないことを条件とする。このような例外的な状況においては、国内産業全体の相当な部分に損害が生じていないときでも、このような分割された市場に補助金の交付を受けた産品の輸入が集中しており、かつ、当該輸入がその市場内の当該生産の全部又はほぼ全部を生産する生産者に損害を与えていることを条件として損害の存在を認定することができる。
    16.3 国内産業が特定の地域、すなわち、16.2に規定する市場における生産者をいうものと解される場合には、相殺関税は、最終的な消費のためにその地域に仕向けられる産品についてのみ課する。輸入加盟国の憲法がこのような方法によって相殺関税を課することを認めていない場合には、輸入加盟国は、地域についての限定を付することなく相殺関税を課することができる。ただし、(a)第十八条の規定により、補助金の交付を受けている場合の価格による当該地域に対する輸出を停止する機会及びその他の保証を与える機会を輸出者に提供したにもかかわらず、この点に関し適当な保証が速やかに得られず、かつ、(b)相殺関税を当該地域に供給を行う特定の生産者の産品に対してのみ課することができない場合に限る。
    16.4 二以上の国が千九百九十四年のガット第二十四条8(a)に規定する単一の統一された市場としての性格を有する統合の水準に達した場合には、統合された地域全体における産業は、16.1及び16.2に規定する国内産業とみなされる。
    16.5 15.6の規定は、この条について準用する。
第十七条 暫定措置
    17.1 暫定措置は、次の(a)から(c)までに定める条件が満たされた場合においてのみ、とることができる。
    (a) 第十一条の規定に従って調査が開始され、その旨について公告され、並びに利害関係を有する加盟国及び者が情報を提供し及び意見を表明するための十分な機会が与えられること。
    (b) 補助金が存在しており、かつ、当該補助金の交付を受けた産品の輸入が国内産業に損害を与えていることについて、肯定的な仮の決定が行われること。
    (c) 損害が調査中に生ずることを防止するために暫定措置が必要であると関係当局が認めること。
    17.2 暫定措置は、現金の供託による又は債券等による保証の形式をとる暫定的な相殺関税とすることができるものとし、現金の供託又は債券等による保証の額は、暫定的に算定された補助金の額に等しいものとする。
    17.3 暫定措置は、調査の開始の日から六十日が経過するまでは、とってはならない。
    17.4 暫定措置の適用は、できる限り短い期間に限るものとし、その期間は、四箇月を超えるものであってはならない。
    17.5 暫定措置の適用に当たっては、第十九条の関連規定を準用する。
第十八条 約束
    18.1 次のいずれかのことを内容とする満足すべき自発的な約束を認める場合には、暫定措置をとらず又は相殺関税を課することなく、手続を停止し又は取りやめることができる。(注)

    注: 「手続を停止し又は取りやめることができる」とは、18.4に規定する場合を除くほか、約束の実施と併せて手続を継続することを許すものと解してはならない。

    (a) 輸出加盟国の政府が、補助金の廃止、補助金の制限又は補助金の及ぼす影響に関係する他の措置をとることに同意すること。
    (b) 輸出者が、補助金の与える損害が除去されると調査当局により認められる価格の修正に同意すること。約束に基づく価格の引上げは、補助金の額を相殺するために必要な範囲を超えるものであってはならない。補助金の額よりも少ない額の価格の引上げが国内産業に対する損害を除去するために十分である場合には、当該価格の引上げの額は、その少ない額であることが望ましい。
    18.2 輸入加盟国の当局は、補助金及び補助金によって生ずる損害について肯定的な仮の決定を行わない限り、また、輸出者が行う約束については、輸出加盟国の承諾を得ない限り、約束を求め又は認めてはならない。
    18.3 輸入加盟国の当局が、現実の又は潜在的な輸出者が極めて多数であることその他の理由(一般的な政策上の理由を含む。)により、約束を認めることが実際的でないとする場合には、申出のあった約束を認める必要はない。この場合において、当局は、実行可能なときは、約束を認めることが適当でないとするに至った理由を輸出者に提示するものとし、また、可能な限り、輸出者に対しその点について意見を表明する機会を与える。
    18.4 約束を認めた場合であっても、輸出加盟国が希望し又は輸入加盟国が決定するときは、補助金及び損害の調査は、完結させる。この場合において、補助金又は損害について否定的な決定が行われたときは、約束は、自動的に消滅する。ただし、その決定が主として約束の存在によるものである場合は、この限りでなく、その場合には、関係当局は、この協定に合致する妥当な期間その約束を維持することを要求することができる。補助金及び損害について肯定的な決定が行われた場合には、約束は、その条件及びこの協定に従って存続する。
    18.5 輸入加盟国の当局は、価格に関する約束を勧奨することができる。もっとも、いかなる輸出者も約束をすることを強制されない。政府又は輸出者が約束を申し出ず又は約束を申し出るようにとの勧奨を受け入れないことは、事案を検討する上でいかなる影響も及ぼすものではない。もっとも、当局は、補助金の交付を受けた産品の輸入が引き続き行われる場合に損害のおそれが現実のものとなる可能性が大きくなると判断することができる。
    18.6 輸入加盟国の当局は、約束が認められた政府又は輸出者に対し、約束の履行に関連する情報を定期的に提供すること及び当局が関連資料の確認を行うことを認めることを要求することができる。約束の違反があった場合には、輸入加盟国の当局は、この協定に従って迅速な措置(入手可能な最善の情報を用いて暫定措置を直ちにとることを含む。)をとることができる。この場合には、暫定措置がとられた日前九十日を超えない日以後消費のために輸入された産品につき、この協定に従って確定的な税を課することができる。ただし、約束の違反があった日前に輸入された産品については、遡及して課してはならない。
第十九条 相殺関税の賦課及び徴収
    19.1 加盟国は、協議を完結させるために妥当な努力を払った後、補助金の存在及び額につき並びに当該補助金の交付を受けた産品の輸入が当該補助金の及ぼす影響により損害を与えていることにつき最終的な決定を行った場合には、当該補助金が廃止されない限り、この条の規定により相殺関税を課することができる。
    19.2 相殺関税を課するためのすべての要件が満たされた場合にこれを課するか課さないかの決定及び課すべき相殺関税の額を補助金の額に等しい額とするか又は補助金の額よりも少ない額とするかの決定は、輸入加盟国の当局によって行われる。相殺関税の賦課は、すべての加盟国の領域において裁量行為であることが望ましく、また、補助金の額よりも少ない額の相殺関税の賦課が国内産業に対する損害を除去するために十分である場合には、相殺関税の額は、その少ない額であることが望ましい。また、相殺関税の賦課によって自己の利益が望ましくない影響を受けるおそれのある国内の利害関係を有する者(注)が表明する意見を関係当局が十分考慮することができる手続を確立することが望ましい。

    注: この19.2の規定の適用上、「国内の利害関係を有する者」には、調査の対象となる輸入産品の消費者及び産業上の使用者を含む。
    19.3 いずれかの産品について相殺関税を課する場合には、相殺関税については、補助金の交付を受け、かつ、損害を与えていると認定された産品の輸入(すべての輸入源からの輸入。ただし、補助金を受けることを放棄した輸入源又はこの協定に定める条件による約束が認められた輸入源からの輸入を除く。)につき、それぞれの場合において適正な額を無差別に課する。輸出者のうち、その輸出が確定的な相殺関税の対象となり、かつ、調査に協力することを拒否したこと以外の理由で実際に調査されなかったものは、調査当局が速やかに相殺関税の額を個別に定めるための迅速な見直しを受ける権利を有する。
    19.4 いかなる輸入産品についても、その存在が認定された補助金の額(補助金の交付を受けて輸出された産品の単位当たりの補助金の額)を超える額の相殺関税を課してはならない。(注)

    注: この協定において「課する」とは、関税又は内国税の確定的又は最終的な賦課又は徴収を法令により行うことをいう。
第二十条 遡
    20.1 暫定措置又は相殺関税は、それぞれ17.1又は19.1の規定に基づいて行われた決定が効力を生じた後に消費のために輸入される産品についてのみ課する。ただし、この条に規定する例外が適用される場合は、この限りでない。
    20.2 損害の最終的な決定(損害のおそれ及び産業の確立の実質的な遅延に係るものを除く。)が行われる場合又は、損害のおそれの最終的な決定の場合であって暫定措置がとられなかったとしたならば補助金の交付を受けた産品の輸入の及ぼした影響により損害の決定が行われたであろうと認められるときは、暫定措置がとられていた期間について相殺関税を遡及して課することができる。
    20.3 確定的な相殺関税の額が現金の供託又は債券等による保証の額を上回る場合には、その差額は、徴収してはならない。確定的な相殺関税の額が現金の供託又は債券等による保証の額を下回る場合には、超過額を迅速に還付し、債券等の担保を迅速に解除する。
    20.4 20.2の場合を除くほか、損害のおそれ又は産業の確立の実質的な遅延の決定が行われる場合において、損害がまだ生じていないときは、確定的な相殺関税は、損害のおそれ又は産業の確立の実質的な遅延の決定が行われた日からのみ課することができる。この場合には、暫定措置の適用期間中に行われた供託に係る現金を迅速に還付し、債券等の担保を迅速に解除する。
    20.5 最終的な決定が否定的である場合には、暫定措置の適用期間中に行われた供託に係る現金を迅速に還付し、債券等の担保を迅速に解除する。
    20.6 当局が、補助金の交付を受けた産品につき、千九百九十四年のガット及びこの協定に反して交付された補助金による利益を受ける産品の比較的短期間における大量の輸入が回復し難い損害を与えていると認定する危機的な事態が存在する場合において、そのような損害の再発を防止するために当該産品の輸入について相殺関税を遡及して課する必要があると認められるときは、確定的な相殺関税は、暫定措置がとられた日前九十日を超えない日以後消費のために輸入された産品について課することができる。
第二十一条 相殺関税及び約束に係る期間及び見直し
    21.1 相殺関税は、損害を与えている補助金に対処するために必要な期間及び限度においてのみ効力を有する。
    21.2 当局は、相殺関税の賦課を継続することの必要性につき、正当な理由がある場合には、自己の発意に基づいて又は、確定的な相殺関税の賦課の日から合理的な期間が経過しているときは、見直しの必要性を裏付ける実証的な情報を提供する利害関係を有する者の要請に基づいて、見直しを行う。利害関係を有する者は、相殺関税の賦課を継続することが補助金を相殺するために必要であるかないか若しくは相殺関税が撤廃され若しくはその額が変更された場合に損害が存続し若しくは再発する可能性があるかないか又はこれらの双方について検討することを当局に要請する権利を有する。当局は、この21.2の規定に基づく見直しの結果、相殺関税を維持する正当な理由がないと決定する場合には、直ちに相殺関税を撤廃する。
    21.3 21.1及び21.2の規定にかかわらず、いかなる確定的な相殺関税も、その賦課の日、21.2の規定に基づく最新の見直しの日(ただし、当該見直しが補助金及び損害の双方を対象としていた場合に限る。)又はこの21.3の規定に基づく最新の見直しの日から五年以内に撤廃する。ただし、当局が、自己の発意に基づいて又はその撤廃の日に先立つ合理的な期間内に国内産業によって若しくは国内産業のために行われた正当に裏付けられた要請に基づいて当該撤廃の日前に開始した見直しにおいて、相殺関税の撤廃が補助金及び損害の存続又は再発をもたらす可能性があると決定する場合は、この限りでない(注)。相殺関税は、この見直しの結果が出るまでの間、効力を有するものとすることができる。

    注: 相殺関税の額を遡及して確定する場合には、最新の確定のための手続において相殺関税を課さないと認定することは、それ自体、当局に対して確定的な相殺関税の撤廃を求めるものではない。
    21.4 証拠及び手続に関する第十二条の規定は、この条の規定に基づいて行われる見直しについて準用する。この見直しは、迅速に行うものとし、通常、この見直しの開始の日から十二箇月以内に完結させる。
    21.5 この条の規定は、第十八条の規定に基づいて認められた約束について準用する。
第二十二条 公告及び決定の説明
    22.1 当局は、第十一条の規定に基づいて調査を開始することを正当とするために十分な証拠があると認める場合には、自国の産品が当該調査の対象となる加盟国及び調査当局に知られている利害関係を有するその他の者にその旨を通知するものとし、また、その旨を公告する。
    22.2 調査の開始についての公告は、次の事項に関する適切な情報を含むものとするか、又は公告とは別の報告書(注)によってこれらの情報を入手することができるようにして行う。

    注: 当局は、この条に規定する情報及び説明を別の報告書によって提供する場合には、公衆が当該報告書を容易に入手することができることを確保する。

    (i) 輸出国の国名及び関係する産品
    (ii) 調査の開始の日
    (iii) 調査の対象となる補助金に関する記述
    (iv) 損害の申立ての根拠となる要因の要約
    (v) 利害関係を有する加盟国及び者による意見の提出先
    (vi) 利害関係を有する加盟国及び者が意見を表明することができる期限
    22.3 仮の又は最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)、第十八条の規定に基づき約束を認めるための決定、その約束の終了及び確定的な相殺関税の撤廃は、公告する。この公告は、事実及び法令に係る問題であって調査当局が重要と認めたすべてのものに関して得られた認定及び結論を十分詳細に記載するか、又は別の報告書によって入手することができるようにして行う。この公告及び別の報告書はすべて、自国の産品が決定又は約束の対象となる加盟国及び知られている利害関係を有するその他の者に送付されるものとする。
    22.4 暫定措置の適用についての公告は、補助金及び損害の存在に関する仮の決定について十分詳細な説明を記載するか、又は別の報告書によって入手することができるようにして行うものとし、また、提示された論証の採用又は却下をもたらした事実及び法令に係る事項について言及する。この公告又は別の報告書には、秘密の情報の保護に関する要件に妥当な考慮を払いつつ、特に、次のものを含む。
    (i) 供給者の氏名又は、これが実行可能でない場合には、関係供給国の国名
    (ii) 通関上十分に明確な産品に関する記述
    (iii) 定められた補助金の額及び補助金の存在が決定された根拠
    (iv) 第十五条に規定する損害の決定に関連して行った検討
    (v) 決定に至った主な理由
    22.5 確定的な税の賦課又は約束の承認について肯定的な決定が行われた場合には、調査の完結又は停止についての公告は、秘密の情報の保護に関する要件に十分な考慮を払いつつ、最終的な措置の適用又は約束の承認をもたらした事実及び法令に係る事項並びに理由についてのすべての関連情報を含むものとするか、又は別の報告書によってこれらの情報を入手することができるようにして行う。この公告又は別の報告書には、特に、22.4に規定する情報並びに利害関係を有する加盟国並びに輸出者及び輸入者が提示した関連する論証又は主張を採用し又は却下した理由を含む。
    22.6 第十八条の規定に基づいて約束を認めた後に行う調査の完結又は停止についての公告は、その約束のうちの秘密でない部分を含むものとするか、又は別の報告書によって当該部分を入手することができるようにして行う。
    22.7 この条の規定は、前条の規定に基づく見直しの開始及び完結並びに第二十条に規定する相殺関税を遡及して課するための決定について準用する。

第二十三条 司法上の審査

加盟国は、自国の法令に相殺関税に係る措置に関する規定を有する場合には、特に、最終的な決定及び第二十一条に規定する決定の見直しに関する行政上の措置を速やかに審査するため、司法裁判所、仲裁裁判所若しくは行政裁判所又はそれらの訴訟手続を維持する。これらの裁判所又は訴訟手続は、当該最終的な決定又は見直しについて責任を有する当局から独立したものとし、また、行政手続に関与した利害関係を有するすべての者であって、行政措置によって直接かつ個別に影響を受けているものに対し、審査に関与する機会を提供する。

第六部 機関

第二十四条 補助金及び相殺措置に関する委員会及び補助機関


    24.1

    この協定により、各加盟国の代表で構成する補助金及び相殺措置に関する委員会を設置する。委員会は、議長を選出するものとし、少なくとも年二回会合するほか、この協定の関連規定の定めるところによりいずれかの加盟国の要請に基づき会合する。委員会は、この協定に基づく任務又は加盟国により与えられた任務を遂行するものとし、この協定の実施又はこの協定の目的の達成に関する事項について協議する機会を加盟国に与える。世界貿易機関事務局は、委員会の事務局として行動する。

    24.2 委員会は、適当な場合には、補助機関を設置することができる。
    24.3 委員会は、補助金及び貿易に関係する分野において高い資質を有する独立した五人の者で構成する常設専門家部会を設置する。委員会は、同部会を構成する専門家を選出するものとし、専門家の一人は、毎年交代する。同部会は、4.5に定めるところにより、小委員会を援助するよう要請されることがある。委員会は、また、補助金の存在及び性格に関する勧告的意見を求めることができる。
    24.4 加盟国は、自国が導入しようとしている補助金又は維持している補助金の性格について常設専門家部会と協議することができるものとし、同部会は、この点について勧告的意見を与えることができる。この勧告的意見は、秘密のものとして扱い、第七条に規定する手続において用いることができない。
    24.5 委員会及び補助機関は、その任務を遂行するため、適当と認めるいかなる者とも協議し及びこれらの者から情報を求めることができる。もっとも、委員会又は補助機関は、いずれかの加盟国の管轄内にある者から情報を求めるのに先立ち、当該加盟国にその旨を通知する。
第七部 通報及び監視
    第二十五条 通報

    25.1 加盟国は、千九百九十四年のガット第十六条1の規定の適用を妨げることなく、毎年遅くとも六月三十日までに補助金の通報を行うこと及び当該通報を25.2から25.6までの規定に適合するものとすることについて合意する。
    25.2 加盟国は、1.1に規定する補助金(自国の領域内において交付し又は維持しているもの)であって第二条に規定する特定性を有するものを通報する。
    25.3 通報の内容は、他の加盟国が貿易上の影響を評価し及び通報された補助金制度の運用を理解することができるよう十分明確なものとすべきである。この点に関し、加盟国は、補助金に関する質問表(注)の内容及び形式に影響を及ぼすことなく、自国の通報が次の情報を含むことを確保する。

    注: 委員会は、ガット基本文書選集(BISD)追録第九巻の百九十三ページ及び百九十四ページに規定する質問表の内容及び形式を見直すための作業部会を設置する。

    (i) 補助金の形態(例えば、贈与、貸付け、税の軽減等)
    (ii) 産品の単位当たりの補助金の額又は、これが可能でない場合には、補助金の総額若しくは補助金のための年間の予算額(可能な場合には、前年における産品の単位当たりの補助金の額の平均を示すことができるもの)
    (iii) 政策目的又は補助金の目的
    (iv) 補助金の交付の期間又は当該補助金に係るその他の期間
    (v) 補助金の貿易上の影響を評価することができる統計資料
    25.4 25.3に規定する特定の事項を通報に含めない場合には、通報自体にその理由を記載する。
    25.5 補助金が特定の産品又は部門に交付されている場合には、産品又は部門ごとに通報を行う。
    25.6 加盟国は、千九百九十四年のガット第十六条1及びこの協定に基づいて通報することが求められている措置が自国の領域内に存在しないと判断する場合には、その旨を事務局に書面によって通報する。
    25.7 加盟国は、措置の通報が千九百九十四年のガット及びこの協定の下における当該措置の法的地位、この協定の下で当該措置がもたらす影響又は当該措置自体の性格を予断するものではないことを認める。
    25.8 いずれの加盟国も、他の加盟国が交付し又は維持している補助金(第四部に規定するものを含む。)の性格及び範囲に関する情報並びに、他の加盟国が特定の措置について通報の要件を満たしていないと認める場合には、その理由の説明をいつでも書面により要請することができる。
    25.9 25.8に規定する要請を受けた加盟国は、25.8の情報をできる限り速やかに、かつ、包括的なものとして提供するものとし、また、加盟国から要請があった場合に当該加盟国に対し追加の情報を提供することができるようにしておくものとする。当該要請を受けた加盟国は、特に、自国がこの協定の規定を遵守していることを他の加盟国が評価することができるようにするため、十分詳細な情報を提供する。これらの情報が提供されていないと認める加盟国は、委員会の注意を喚起することができる。
    25.10 加盟国は、補助金としての効果を有する他の加盟国の措置について千九百九十四年のガット第十六条1及びこの条の規定による通報が行われていないと認める場合には、当該他の加盟国の注意を喚起することができる。注意の喚起の後これらの申し立てられた補助金について速やかに通報が行われない場合には、当該加盟国は、自ら当該補助金について委員会に通報することができる。
    25.11 加盟国は、相殺関税についてとられたすべての仮の又は最終的な措置を遅滞なく委員会に報告する。その報告は、事務局において、他の加盟国による閲覧に供する。加盟国は、また、半年ごとに、直前の六箇月の期間にとられた相殺関税についてのすべての措置に関する報告を提出する。その半年ごとの報告については、合意された標準的な様式で提出する。
    25.12 各加盟国は、委員会に対し、(a)第十一条に規定する調査を開始し及び実施する権限を有する当局並びに(b)この調査の開始及び実施を規律する国内手続について通報する。
第二十六条 監視
    26.1 委員会は、三年ごとに開催される特別会合において、千九百九十四年のガット第十六条1及びこの協定の25.1の規定に基づいて行われる新たなかつ完全な通報を検討する。特別会合が開催されない年に行われる通報(改定の通報)については、委員会の通常会合において検討する。
    26.2 委員会は、25.11の規定に基づいて提出される報告を通常会合において検討する。


第八部 開発途上加盟国

第二十七条 開発途上加盟国に対する特別のかつ異なる待遇

    27.1 加盟国は、補助金が開発途上加盟国の経済開発計画において重要な役割を果たすことがあることを認める。
    27.2 補助金の禁止に関する3.1(a)の規定は、次の国については適用しない。
    (a) 附属書7に規定する開発途上加盟国
    (b) 世界貿易機関協定の効力発生の日から八年間についてその他の開発途上加盟国(ただし、27.4の規定を遵守することを条件とする。)
    27.3 補助金の禁止に関する3.1(b)の規定は、開発途上加盟国については世界貿易機関協定の効力発生の日から五年間適用しないものとし、また、後発開発途上加盟国については同日から八年間適用しない。
    27.4 27.2(b)に規定する開発途上加盟国は、八年以内に輸出補助金を廃止するものとし、当該輸出補助金の廃止は、漸進的に行われることが望ましい。もっとも、開発途上加盟国は、輸出補助金の水準を引き上げてはならないものとし(注)、また、輸出補助金の交付が自国の開発上のニーズと合致しない場合には、この27.4に定める期間よりも短い期間内に当該輸出補助金を廃止する。開発途上加盟国は、八年の期間を超えて輸出補助金を交付する必要があると認める場合には、当該八年の期間の満了の日の遅くとも一年前までに委員会と協議するものとし、委員会は、当該開発途上加盟国のすべての関連する経済上、財政上及び開発上のニーズを検討した後、当該八年の期間の延長が正当であるかないかを決定する。委員会がこの延長が正当であると決定する場合には、当該開発途上加盟国は、当該輸出補助金を維持する必要性の有無を決定するため、毎年委員会と協議を行う。当該輸出補助金を維持する必要性があると委員会が決定しない場合には、当該開発途上加盟国は、存続している輸出補助金を承認された最後の期間の満了から二年以内に段階的に廃止する。

    注: この27.4の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日に輸出補助金を交付していない開発途上加盟国については、千九百八十六年に交付した輸出補助金の水準に基づいて適用する。
    27.5 開発途上加盟国は、いずれかの産品について輸出競争力を得た場合には、当該産品に対する輸出補助金を二年間にわたり段階的に廃止する。もっとも、附属書7に規定する開発途上加盟国であって一又は二以上の産品について輸出競争力を得たものは、当該産品に対する輸出補助金を八年間にわたり漸進的に廃止する。
    27.6 開発途上加盟国による産品の輸出が連続した二暦年の間当該産品の世界貿易の三・二五パーセント以上を占めるに至った場合には、当該産品についての輸出競争力が得られたものとする。輸出競争力は、(a)輸出競争力を得た開発途上加盟国による通報又は(b)加盟国の要請により事務局が行う算定に基づいて得られたものとする。この27.6の規定の適用上、産品は、統一システムの品目表の部に従って定められるものとする。委員会は、世界貿易機関協定の効力発生の日から五年でこの27.6の規定の運用を見直す。
    27.7 第四条の規定は、27.2から27.5までの規定に合致する輸出補助金の場合には、開発途上加盟国については適用しない。この場合には、第七条の規定を適用する。
    27.8 開発途上加盟国が交付する補助金については、当該補助金が6.1の規定に従いこの協定に規定する著しい害を及ぼすと推定してはならない。著しい害は、27.9の規定を適用するに当たっては、6.3から6.8までの規定に従い、実証的な証拠によって裏付けられるものとする。
    27.9 開発途上加盟国が交付し又は維持する第三部に規定する相殺措置の対象となる補助金であって6.1に規定するもの以外のものについては、第七条の規定に基づいて措置をとることは、認められない。ただし、関税譲許その他千九百九十四年のガットに基づく義務の無効化又は侵害が当該補助金の交付の結果として存在しており、その結果、当該補助金がこれを交付している開発途上加盟国の市場への他の加盟国からの同種の産品の輸入を代替しており又は当該輸入を妨げていると認定される場合及び輸入加盟国の市場において国内産業に対する損害が生じている場合は、この限りでない。
    27.10 開発途上加盟国を原産国とする産品に対する相殺関税の賦課のための調査は、関係当局が次のいずれかのことを決定する場合には、速やかに完結させる。

    (a) 当該産品に交付されている補助金の全般的な水準が、単位当たりで計算して当該産品の価額の二パーセント以下であること。

    (b) 補助金の交付を受けた産品の輸入の量が輸入加盟国における同種の産品の輸入の総量の四パーセント未満であること。ただし、輸入の量が単独では当該輸入の総量の四パーセント未満である開発途上加盟国からの輸入の量を合計した場合において、当該輸入の量の合計が輸入加盟国における同種の産品の輸入の総量の九パーセントを超えるときは、この限りでない。
    27.11 27.2(b)の対象とされている開発途上加盟国であって世界貿易機関協定の効力発生の日から八年の期間が経過する前に輸出補助金を廃止したもの及び附属書Ⅶに規定する開発途上加盟国については、27.10(a)に規定する数値は、二パーセントではなく三パーセントとする。この27.11の規定は、輸出補助金の廃止が委員会に通報された日から適用するものとし、当該通報を行った開発途上加盟国が輸出補助金を交付しない限り適用する。この27.11の規定は、同協定の効力発生の日から八年で効力を失う。
    27.12 27.10及び27.11の規定は、15.3に規定する僅きん少であるものの決定を規律する。
    27.13 債務の直接的な免除及び社会費用を負担するための補助金の交付(形態のいかんを問わず、政府収入の放棄その他債務の移転を含む。)が開発途上加盟国の民営化計画の枠組みの下で行われ、かつ、これらの補助金が当該民営化計画と直接結び付いている場合には、第三部の規定は、当該補助金については適用しない。ただし、当該民営化計画及び当該補助金の双方が限られた期間に適用され、かつ、委員会に通報されていること並びに当該民営化計画が最終的に関係企業の民営化をもたらすものであることを条件とする。
    27.14 委員会は、利害関係を有する加盟国の要請があった場合には、開発途上加盟国の特定の輸出補助金が当該開発途上加盟国の開発上のニーズに合致しているかいないかを審査するため、当該輸出補助金について検討する。
    27.15 委員会は、利害関係を有する開発途上加盟国の要請があった場合には、特定の相殺措置が当該開発途上加盟国に適用される27.10及び27.11の規定に適合しているかいないかを審査するため、当該相殺措置について検討する。

第九部 経過措置

第二十八条 既存の制度

    28.1 加盟国が世界貿易機関協定に署名する日前に自国の領域において有していた補助金制度であってこの協定に適合しないものについては、次のとおりとする。
    (a) 世界貿易機関協定が当該加盟国について効力を生ずる日の後九十日以内に委員会に通報する。
    (b) 世界貿易機関協定が当該加盟国について効力を生ずる日から三年以内にこの協定に適合させるものとし、それまでの間は、第二部の規定は、適用しない。
    28.2 いかなる加盟国も、28.1に規定する補助金制度の適用範囲を拡大してはならず、また、当該補助金制度の期間の満了の時において当該補助金制度を更新してはならない。

第二十九条 市場経済への移行

    29.1 中央計画経済から市場自由企業経済への移行過程にある加盟国は、この移行のために必要な制度及び措置を適用することができる。
    29.2 29.1に規定する加盟国は、第三条の規定の適用を受ける補助金制度であって29.3の規定に従って通報するものを世界貿易機関協定の効力発生の日から七年以内に段階的に廃止し又は第三条の規定に適合させる。この場合には、第四条の規定は、適用しない。この期間においては、更に、次のとおりとする。
    (a) 6.1(d)の規定の適用を受ける補助金制度については、第七条の規定を適用しない。
    (b) 相殺措置の対象となるその他の補助金については、27.9の規定を適用する。
    29.3 第三条の規定の適用を受ける補助金制度については、世界貿易機関協定の効力発生の日の後実行可能な限り早い日に委員会に通報する。このような補助金に関する追加的な通報については、同協定の効力発生の日の後二年以内に行うことができる。
    29.4 29.1に規定する加盟国は、例外的な事情のある場合において、自国が通報した制度及び措置並びにこれらに係る期限について逸脱することが移行過程のために必要と認められるときは、委員会によってその逸脱を承認されることがある。

第十部 紛争解決

第三十条

    この協定に別段の定めがある場合を除くほか、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される千九百九十四年のガットの第二十二条及び第二十三条の規定は、この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。

第十一部 最終規定

第三十一条 暫定的な適用

    6.1の規定並びに第八条及び第九条の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日から五年の期間適用する。委員会は、この期間が経過する日の遅くとも百八十日前までに、その後の期間についてこれらの規定を現在のまま又は修正して適用するかしないかを決定するため、これらの規定の運用を検討する。

第三十二条 その他の最終規定

    32.1 他の加盟国の補助金に対するいかなる措置も、この協定により解釈される千九百九十四年のガットの規定による場合を除くほか、とることができない。(注)

    注: この32.1の規定は、適当な場合には千九百九十四年のガットの他の関連規定による措置をとることを妨げるものではない。
    32.2 この協定のいかなる規定についても、他のすべての加盟国の同意なしには、留保を付することができない。
    32.3 32.4の規定に従い、この協定は、調査及び既存の措置の見直しであって、各加盟国について世界貿易機関協定が効力を生ずる日以後に行われる申請に基づいて開始されるものについて適用する。
    32.4 既存の相殺措置に21.3の規定を適用するに当たっては、当該措置は、遅くとも各加盟国について世界貿易機関協定が効力を生ずる日にとられたものとみなす。ただし、同日に効力を有する加盟国の法令が既に21.3に規定する条項と同様のものを有する場合を除く。
    32.5 各加盟国は、世界貿易機関協定が自国について効力を生ずる日以前に、自国の法令及び行政上の手続を当該加盟国について適用されるこの協定に適合したものとすることを確保するため、すべての必要な一般的又は個別的な措置をとる。
    32.6 各加盟国は、この協定に関連を有する法令の変更及びその運用における変更につき、委員会に通報する。
    32.7 委員会は、この協定の目的を考慮して、毎年この協定の実施及び運用について検討する。委員会は、検討の対象となった期間における状況について毎年物品の貿易に関する理事会に報告する。
    32.8 この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。

附属書1 輸出補助金の例示表

    (a) 政府が、企業又は産業に対し、輸出が行われることに基づいて直接補助金を交付すること。
    (b) 外貨資金特別割当制度その他これに類する輸出について報奨を与える措置
    (c) 政府によって定められ又は義務付けられる輸出貨物の国内運送に係る料金であって、輸出貨物を国内貨物よりも有利に扱うもの
    (d) 政府又は政府機関が、直接又は政府が義務付ける制度を通じて間接に、輸出される産品の生産に用いるため輸入された又は国産の物品又は役務を提供する場合において、国内消費に向けられる産品の生産に用いるため当該輸入された又は国産の物品又は役務と同種の又は直接に競合する物品又は役務を提供する場合におけるよりも有利な条件で提供すること。ただし、物品については、その条件が輸出者にとり世界市場において商業的に得られる(注1)条件よりも有利な場合に限る。
    (e) 商工業を営む企業が支払う又は支払うべき直接税(注2)又は社会保障負担金につき、輸出に関連させてその額の全部又は一部の免除、軽減又は繰延べを認めること(注3)。
    (f) 直接税の課税標準の計算において、国内消費向けの生産について認められる控除に加え、輸出又は輸出実績に直接に関連させて特別の控除を認めること。
    (g) 輸出される産品の生産及び流通に関し、同種の産品が国内消費向けに販売される場合にその生産及び流通に関して課される間接税(注2)の額を超える額の間接税の免除又は軽減を認めること。
    (h) 輸出される産品の生産に用いられる物品又は役務に対して課される前段階の累積的な間接税(注2)につき、同種の産品が国内消費向けに販売される場合において当該同種の産品の生産に用いられる物品又は役務に対して課される前段階の累積的な間接税と同種の間接税について認められる免除、軽減又は繰延べに係る額を超えて免除、軽減又は繰延べを認めること。もっとも、前段階の累積的な間接税が輸出される産品の生産において消費される投入物(利用できなかったものに対して通常の考慮を払う。)に対して課される場合には、国内消費向けに販売される同種の産品について当該間接税の免除、軽減又は繰延べが認められていないときでも、当該輸出される産品については、当該間接税の免除、軽減又は繰延べを認めることができる(注4)。この点については、附属書2に規定する生産工程における投入物の消費に関する指針に従って解釈する。
    (i) 輸出される産品の生産において消費される輸入された投入物(利用できなかったものに対して通常の考慮を払う。)に対して課される輸入課徴金(注2)の額を超えて輸入課徴金の軽減又は払戻しを認めること。もっとも、特別の場合には、企業は、投入物の輸入及びこれに対応する産品の輸出の双方が合理的な期間内(二年を超えないものとする。)に行われることを条件として、前段の規定による利益を得るため、輸入される投入物と量並びに品質及び特性を同一にする国産物品を当該輸入される投入物に代えて用いることができる。この点については、附属書2に規定する生産工程における投入物の消費に関する指針及び附属書3に規定する輸出補助金としての代替物に係る払戻制度の決定に関する指針に従って解釈する。
    (j) 政府(又は政府の監督の下にある特別の機関)が、輸出信用保証制度、輸出信用保険制度、輸出される産品に係る費用の上昇に対処する保険制度若しくは保証制度又は外国為替の変動の危険に対処する制度について長期的な運用に係る経費及び損失を補てんするためには不十分な料率によってこれらの制度を運用すること。
    (k) 政府(又は政府の監督の下にある若しくは政府の権限の下で活動する特別の機関)が、輸出信用に用いる資金を自ら獲得するために実際に支払わなければならない利率(又は輸出信用に用いる資金と償還期間、他の信用条件及び通貨を同一にする資金を獲得するために国際資本市場において借入れを行ったとしたならば支払わなければならなかったであろう利率)よりも低い利率で輸出信用を供与すること又は輸出者若しくは金融機関が輸出信用の供与を受けるために負担する費用の全部又は一部を支払うこと。ただし、政府が輸出信用を供与すること及び費用を支払うことが輸出信用の条件について相当な利益を与えるために行われる場合に限る。
    もっとも、加盟国が千九百七十九年一月一日において少なくとも十二の原加盟国が参加している公的輸出信用に関する国際的な約束(又は当該約束を継承する約束であってこれらの原加盟国によって採択されるもの)の参加国である場合又は事実上当該約束における利率に関する規定を適用している場合には、これらの規定に合致する輸出信用の供与は、この協定により禁止される輸出補助金とはみなされない。
    (l) その他公的勘定による負担であって千九百九十四年のガット第十六条に規定する輸出補助金に該当するもの

    注1: 「商業的に得られる」とは、国産物品又は輸入された物品のいずれかの選択が、制限されておらず、かつ、商業的考慮に基づいてのみ行われることをいう。
    注2: この協定の適用上、
    「直接税」とは、賃金、利潤、利子、賃貸料、ロイヤルティその他の所得に対して課される税及び不動産の所有に対して課される税をいう。
    「輸入課徴金」とは、関税その他この注2に規定していない課徴金であって輸入に対して課されるものをいう。
    「間接税」とは、売上税、個別消費税、取引高税、付加価値税、フランチャイズ税、印紙税、流通税、事業資産税、国境税その他の税であって直接税及び輸入課徴金以外のものをいう。
    「前段階の」間接税とは、産品の生産に直接又は間接に用いる物品又は役務に対して課される間接税をいう。
    「累積的な」間接税とは、生産の一の段階において課税された物品又は役務が当該生産のその後の段階において用いられる場合に当該生産のその後の段階において税額控除を行う仕組みを有しない多段階にわたる間接税をいう。
    税の「軽減」には、税の払戻しを含む。
    輸入課徴金の「軽減又は払戻し」には、輸入課徴金の全部又は一部の免除又は繰延べを含む。
    注3: 加盟国は、例えば、適当な額の利子が徴収される場合には繰延べが輸出補助金に該当しないことを認める。加盟国は、課税上、輸出企業とその支配下にある外国の買手との間、又は輸出企業と当該輸出企業と同一の支配下にある外国の買手との間の取引における産品の価格については全く独立の立場で行動する独立の企業の間において支払われるであろう価格を用いるべきであるとの原則を再確認する。加盟国は、この原則に反するおそれがあり、かつ、輸出取引について直接税の相当な減額をもたらす行政上の措置及び他の措置につき、他の加盟国の注意を喚起することができる。この場合において、加盟国は、千九百九十四年のガットに基づく加盟国の権利及び義務(当該注意の喚起により行われることとなる協議に関する権利を含む。)を害することなく、通常、既存の二国間の租税条約その他特定の国際的な制度を利用して意見の相違を解消するよう努める。
    (e)の規定は、加盟国が自国又は他の加盟国の企業の外国源泉所得に対する二重課税を防止するための措置をとることを制限するものではない。
    注4: (h)の規定は、付加価値税制度及びこれに代わるような国境における税の調整については、適用しない。付加価値税の過度の軽減の問題については、専ら(g)の規定により取り扱う。


附属書2 生産工程における投入物の消費に関する指針(注)

注: 生産工程において消費される投入物とは、生産工程において輸出される産品に組み込まれ、これと一体を成している投入物、生産工程において用いられるエネルギー、燃料及び油並びに輸出される産品を得る過程で消費される触媒をいう。

    1. 間接税払戻制度は、輸出される産品の生産において消費される投入物(利用できなかったものに対して通常の考慮を払う。)に対して課される前段階の累積的な間接税の免除、軽減又は繰延べを認めることができる。同様に、輸入課徴金に係る払戻制度は、輸出される産品の生産において消費される投入物(利用できなかったものに対して通常の考慮を払う。)に対して課される輸入課徴金の軽減又は払戻しを認めることができる。

    2. この協定の附属書1の輸出補助金の例示表は、同附属書の(h)及び(i)において「輸出される産品の生産において消費される投入物」について規定している。同附属書(h)に定めるところにより、間接税払戻制度は、輸出される産品の生産において消費される投入物に対して実際に課される前段階の累積的な間接税の額を超えて当該間接税の免除、軽減又は繰延べをもたらす場合には、輸出補助金となり得る。同附属書(i)に定めるところにより、輸入課徴金に係る払戻制度は、輸出される産品の生産において消費される投入物に対して実際に課される輸入課徴金の額を超えて当該輸入課徴金の軽減又は払戻しをもたらす場合には、輸出補助金となり得る。同附属書の(h)及び(i)の規定は、輸出される産品の生産において消費される投入物の使用に関する認定の際に、利用できなかったものに対して通常の考慮を払わなければならないことを規定している。同附属書(i)の規定は、適当な場合の代替について規定している。


  1. 調査当局は、この協定に基づく相殺関税の賦課のための調査の一部として投入物が輸出される産品の生産において消費されたかされなかったかを検討するに当たっては、次の規定に従うべきである。

    1. 間接税払戻制度又は輸入課徴金に係る払戻制度が、輸出される産品の生産において消費される投入物に対して課された間接税又は輸入課徴金の額を超える額による払戻しによって補助金を交付するものであると申し立てられた場合には、調査当局は、どのような投入物が輸出される産品の生産において消費されているか及び消費される当該投入物の額がいかなるものであるかを確認するための制度又は手続を輸出国の政府が有しているかいないか及び適用しているかいないかを最初に決定すべきである。調査当局は、当該制度又は手続が適用されていると決定した場合には、当該制度又は手続が合理的であるかないか、意図された目的上効果的であるかないか及び輸出国における一般的に認められた商業上の慣行に基づくものであるかないかを調べるため、当該制度又は手続を検討すべきである。調査当局は、情報を確認し又は当該制度若しくは手続が効果的に適用されていることを十分に確認するため、12.6の規定に従って実際的な調査を行うことが必要であると認めることができる。

    2. 1に規定する制度若しくは手続が存在しない場合、当該制度若しくは手続が合理的でない場合又は当該制度若しくは手続が設けられており、かつ、合理的であると認められるが、これが適用されていないか若しくは効果的に適用されていないと認められる場合には、輸出加盟国が、超過して払戻しが行われているかいないかを決定するため、実際に消費された投入物に基づいて更に検討する必要がある。調査当局が必要と認める場合には、1の規定に従って、更に検討が行われる。

    3. 投入物が、生産工程において用いられ、かつ、輸出される産品の中に物理的に存在する場合には、調査当局は、当該投入物が輸出される産品に組み込まれ、これと一体を成しているものとみなすべきである。加盟国は、必ずしも投入物が生産工程に投入された時の形と同じ形で最終的な産品の中に存在する必要がないことに留意する。

    4. 輸出される産品の生産において消費される特定の投入物の額を決定するに当たり、「利用できなかったものに対して通常の考慮を払う」ことに留意し、当該利用できなかったものは、輸出された産品の生産において消費されたものとみなされるべきである。「利用できなかったもの」とは、投入物のうち、生産工程における独立の機能を果たさないもの、非効率等の理由により輸出された産品の生産において消費されないもの又は生産工程に係る製造業者によって回収されず、使用されず若しくは販売されないものをいう。

    5. 調査当局は、利用できなかったものに対する考慮が「通常の」ものであるかないかを決定するに当たり、適当な場合には、生産工程、輸出国の産業の有する平均的な経験その他の技術的要因を考慮すべきである。利用できなかった投入物の額が間接税又は関税の払戻し又は軽減に含まれることが意図されている場合には、輸出国の当局が当該利用できなかった投入物の額を合理的に計算したかしなかったかが重要な問題であるということに、調査当局は、留意すべきである。

附属書3 輸出補助金としての代替物に係る払戻制度の決定に関する指針

  1. 輸入課徴金に係る払戻制度は、産品の生産工程において消費される投入物に対する輸入課徴金の還付又は払戻しを認めることができる。輸出される産品には、輸入される投入物に代わるものとして、国産の投入物であって当該輸入される投入物と同一の品質及び特性を有するものを用いることができる。附属書1の輸出補助金の例示表の(i)に定めるところにより、代替物に係る払戻制度は、払戻しが要求されている輸入された投入物に対して最初に課される輸入課徴金の額を超える額による払戻しをもたらす場合には、輸出補助金となる。


  2. 調査当局は、この協定に従って相殺関税の賦課のための調査の一部として代替物に係る払戻制度を検討するに当たっては、次の規定に従うべきである。

    1. 輸出補助金の例示表の(i)の規定は、国産の投入物が輸入される投入物と量並びに品質及び特性を同一にすることを条件として、輸出される産品の生産において、当該国産の投入物を当該輸入される投入物に代えて用いることができることを規定している。払戻しの要求の対象となる投入物の量が輸出される類似の産品(形状を問わない。)に用いられる量を超えないこと及び当該輸入される投入物に対して当初に課される輸入課徴金の額を超える額による輸入課徴金の払戻しがないことを輸出加盟国の政府が確保し及び立証することを可能にする確認のための制度又は手続が存在することが重要である。

    2. 代替物に係る払戻制度が補助金を交付するものであると申し立てられた場合には、調査当局は、輸出国政府が確認のための制度又は手続を有しているかいないか及び適用しているかいないかを最初に決定すべきである。調査当局は、当該制度又は手続が適用されていると決定した場合には、確認のための手続が合理的であるかないか、意図された目的上効果的であるかないか及び輸出国における一般的に認められた商業上の慣行に基づくものであるかないかを調べるため、当該確認のための手続を検討すべきである。当該手続がこれらの基準を満たすものであり、かつ、効果的に適用されていると決定される場合には、補助金は、存在しないとみなすべきである。調査当局は、情報を確認し又は当該手続が効果的に適用されていることを十分に確認するため、12.6の規定に従って実際的な調査を行うことが必要であると認めることができる。

    3. 確認のための手続が存在しない場合、当該手続が合理的でない場合又は当該手続が設けられており、かつ、合理的であると認められるが、これが実際には適用されていないか若しくは効果的に適用されていないと認められる場合には、補助金は、存在し得るものとする。このような場合には、輸出加盟国が、超過して払戻しが行われているかいないかを決定するため、実際の取引に基づいて更に検討する必要がある。調査当局が必要と認める場合には、2の規定に従って、更に検討が行われる。

    4. 代替物に係る払戻制度は、輸出者に対して払戻しの要求を行う対象として特定の輸入貨物を選択することを認めるものであっても、それ自体、補助金の交付とみなされるべきではない。

    5. 政府が輸入課徴金に係る払戻制度に基づいて払い戻す金銭に対して利子を支払う場合には、実際に支払った又は支払うべき利子の範囲内で附属書1(i)に規定する輸入課徴金の超過払戻しが存在するものとみなすことがある。


附属書4 産品の価額に対する補助金の総額の割合の計算(6.1(a))(注)

注: 6.1(a)の規定の適用上、この附属書に規定されていない事項又は更に明確にされる必要がある事項に関し、必要に応じ、加盟国間の了解を図るべきである。

  1. 6.1(a)の規定の適用上、補助金の額については、補助金を交付する政府が負担する費用により計算する。

  2. 3から5までに規定する場合を除くほか、補助金の全般的な割合が産品の価額の五パーセントを超えているかいないかを決定するに当たっては、当該産品の価額については、販売に係る資料の入手が可能な期間であって補助金が交付されている期間に先立つ直近の十二箇月の期間における補助金を受ける企業(注1)の販売総額として計算する(注2)。

    注1: 補助金を受ける企業は、補助金を交付する加盟国の領域内の企業とする。
    注2: 税に関連する補助金の場合には、産品の価額については、補助金を受ける企業の販売総額であって当該税に関連する措置がとられた会計年度におけるものとして計算する。


  3. 補助金が一の産品の生産又は販売に結び付いている場合には、産品の価額については、販売に係る資料の入手が可能な期間であって当該補助金が交付されている期間に先立つ直近の十二箇月の期間における当該補助金を受ける企業の当該一の産品の販売総額として計算する。

  4. 補助金を受ける企業が立ち上がり段階にある場合において、補助金の全般的な割合が投資の総額の十五パーセントを超えるときは、著しい害が存在するものとみなす。この4の規定の適用上、立ち上がり期間は、生産を行う最初の一年間を超えないものとする(注)。

    注: 立ち上がり段階には、生産が開始されていない場合であっても、補助金から利益を受ける産品の開発又は当該産品の製造施設の建設に対する資金面での約束が既になされている場合を含む。

  5. 補助金を受ける企業が所在する国の経済にインフレーションが存在する場合には、産品の価額については、当該企業の前暦年における販売総額(又は、補助金が一の産品に結び付いている場合には、当該一の産品の販売額)を補助金の交付される月に先立つ十二箇月の間におけるインフレーションの率によって調整したものとして計算する。

  6. 特定の年の補助金の全般的な割合の決定に当たっては、加盟国の領域内において異なる制度の下で交付される補助金の合計及び異なる当局によって交付される補助金の合計に基づいて計算する。

  7. 世界貿易機関協定の効力発生の日前に交付される補助金については、その利益が将来の生産に配分される場合には、補助金の全般的な割合に含める。

  8. 6.1(a)の規定の適用上、この協定の関連規定により相殺措置の対象とならない補助金については、補助金の額の計算に含めない。

附属書5 著しい害に関する情報を収集するための手続

  1. すべての加盟国は、7.4から7.6までの規定に定める手続に従って小委員会が検討する証拠の収集に協力する。紛争当事国である加盟国及び関係する第三国である加盟国は、7.4の規定が適用されたときは、この1の規定の実施について責任を有する自己の領域内の機関及び情報提供の要請に応ずるための手続を速やかに紛争解決機関に通報する。

  2. 7.4の規定に基づき問題が紛争解決機関に付託された場合には、同機関は、要請に基づき、補助金の存在、補助金の額及び補助金を受けた企業の販売総額を確定するために必要な情報並びに補助金の交付を受けた産品が与える悪影響を分析するために必要な情報を補助金を交付している加盟国の政府から入手するための手続を開始する(注1)。この過程には、適当な場合には、情報を収集し及び第七部に定める通報手続を通じて紛争当事国が入手することができる情報を明確なものとし、かつ、詳細なものとするために、補助金を交付している加盟国及び申立加盟国の政府に対して質問書を提示することを含む(注2)。

    注1: 著しい害の存在が立証されなければならない場合に適用する。
    注2: 紛争解決機関が情報を収集する過程においては、その性質上秘密である情報又はこの過程に関与する加盟国が秘密のものとして提供した情報を保護する必要を考慮する。


  3. 第三国の市場における影響については、紛争当事国は、悪影響を分析するために必要な情報であって申立加盟国又は補助金を交付している加盟国から合理的に入手することができないものを、第三国である加盟国の政府に対する質問を含む手段を通じ収集することができる。この場合、この要請は、第三国である加盟国に対して不合理な負担を課さないような方法で行われるべきである。第三国である加盟国は、特に、そのために市場又は価格の分析を特別に行うことを期待されない。提供される情報は、当該第三国が既に入手したもの又は容易に入手することができるもの(例えば、関係する統計機関が既に収集した最新の統計であって公表されていないもの、関係産品の輸入及び申告価額に関する通関資料等)とする。ただし、紛争当事国が自国の負担で詳細な市場の分析を行う場合には、第三国である加盟国の当局は、当該分析を行う者又は企業の作業に対して便宜を与える。また、これらの者又は企業は、政府が通常秘密としている情報以外のすべての情報を入手する機会を与えられる。

  4. 紛争解決機関は、情報を収集するための過程を促進するための職務を遂行する代表者を指名する。当該代表者の目的は、紛争の多角的な検討を迅速に行うことを容易にするために必要な情報を適時に収集することを確保することに限られる。当該代表者は、特に、必要な情報を最も効果的に収集する方法を提案すること及び当事国の協力を奨励することができる。

  5. 2から4までに定める情報を収集するための過程は、7.4の規定に基づいて問題が紛争解決機関に付託された日から六十日以内に完結させる。この過程で入手された情報は、第十部の規定により同機関が設置する小委員会に提出される。当該情報は、特に、補助金の額(及び、適当な場合には、補助金を受けた企業の販売総額)、補助金の交付を受けた産品の価格、補助金の交付を受けていない産品の価格、市場に供給する他の供給者の産品の価格、補助金の交付を受けた産品の市場への供給の変動及び市場占拠率の変動に関する資料を含むべきである。当該情報は、また、反証のための証拠及び小委員会が結論を得る過程において適当とみなす補足的な情報も含むべきである。

  6. 情報を収集するための過程において補助金を交付している加盟国又は第三国である加盟国が協力しない場合には、申立加盟国は、入手可能な証拠に基づき、当該補助金を交付している加盟国又は第三国である加盟国が協力を行わないという事実及び状況を示すとともに著しい害に関する自国の立場を表明する。補助金を交付している加盟国又は第三国である加盟国の協力がないために情報が入手できない場合には、小委員会は、必要に応じ、その他の方法により入手可能な最善の情報によって記録を完成することができる。

  7. 小委員会は、決定を行うに当たり、情報を収集するための過程に関与する当事国の協力がないという事実に基づいて当該当事国に不利益な推定を行うべきである。

  8. 小委員会は、入手可能な最善の情報又は不利益な推定のいずれか一方を用いることを決定するに当たり、情報提供の要請の合理性及び当事国が当該要請に応ずるために協力的かつ適時に払った努力に関して、4の規定に従って指名される紛争解決機関の代表者の助言を考慮する。

  9. 情報を収集するためのいかなる過程も、紛争の適切な解決のために重要と認められる追加の情報であって当該手続を通じて十分に収集されなかったものを小委員会が求めることを制限するものではない。もっとも、小委員会は、特定の当事国の立場を支持する情報であって、情報を収集するための過程において当該当事国が合理的な理由なしに協力しなかった結果として記録に記載されていないものについては、通常、記録を完成するための追加の情報として提供を要請すべきではない。
附属書6 12.6の規定に基づく現地調査に関する手続
  1. 調査の開始に当たっては、現地調査の実施に関する意図を輸出加盟国の当局及び関係があると知られている企業に通知すべきである。

  2. 例外的な状況において調査団に政府の職員ではない専門家を含めようとする場合には、企業及び輸出加盟国の当局にその旨を通知すべきである。その専門家は、秘密の取扱いに係る要件に違反した場合には、効果的な制裁の対象とされるべきである。

  3. 訪問調査を最終的に計画する前に輸出加盟国における関係企業の明示の同意を得ることを標準的な慣行とすべきである。

  4. 調査当局は、関係企業の同意を得たときは、速やかに、訪問調査を受ける企業の名称及び所在地並びに合意された訪問調査の日を輸出加盟国の当局に通知すべきである。

  5. 訪問調査を行う前に、関係企業に対し十分前もって通知すべきである。

  6. 質問書について説明するための訪問調査は、輸出企業の要請に基づいてのみ行うべきである。当該要請が行われる場合には、調査当局は、当該輸出企業のために当該訪問調査を行うことができる。当該訪問調査は、(a)輸入加盟国の当局が関係加盟国の政府の代表者にその旨を通知し、かつ、(b)その代表者が訪問調査に反対しない場合にのみ行うことができる。

  7. 現地調査については、提供された情報を確認し又は更に詳細な情報を入手することを主たる目的としていることにかんがみ、質問書に対する回答を受領した後に行うべきである。ただし、企業が同意し、輸出加盟国の政府が予定されている訪問調査について調査当局より通知され、かつ、当該政府が当該訪問調査に反対しない場合は、この限りでない。更に、訪問調査の前に、確認する情報の一般的な性格及び追加的に必要な情報について関係企業に通知することを標準的な慣行とすべきである。ただし、このことは、入手した情報に照らして更に詳細な情報の提供を現地において要請することを妨げるものではない。

  8. 輸出加盟国の当局又は企業が行った照会又は質問であって現地調査の成功に不可欠なものについては、可能なときはいつでも、訪問調査を行う前に回答すべきである。
附属書7 27.2(a)に規定する開発途上加盟国
    (平13外告118・一部改正)

    27.2(a)の規定に基づき3.1(a)が適用されない開発途上加盟国は、次のとおりとする。
    (a) 国際連合が後発開発途上国に指定する世界貿易機関の加盟国
    (b) 世界貿易機関の加盟国である次の開発途上国(ただし、一人当たりの国民総生産が年額千合衆国ドルに達したときは、27.2(b)の規定に従って他の開発途上加盟国に適用される規定が適用される。)(注)
    ボリヴィア、カメルーン、コンゴー、象牙海岸共和国、ドミニカ共和国、エジプト、ガーナ、グァテマラ、ガイアナ、ホンデュラス、インド、インドネシア、ケニア、モロッコ、ニカラグァ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、セネガル、スリ・ランカ及びジンバブエ

    注: 開発途上加盟国を(b)の表に含めるに当たっては、一人当たりの国民総生産に関する世界銀行の最新の資料による。
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