東京電力株式会社福島第一原子力発電所における緊急時作業に従事した放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る改善についての原子力安全・保安院の評価について
本件の概要
原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)は、平成23年8月12日、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)から「福島第一原子力発電所における緊急作業に従事した放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る改善について」の報告を受け、当該報告の評価を以下のとおり行いました。
(1)保安院の8つの指示事項に対する改善状況については、①被ばく線量の管理体制については、7月1日に福島安定化センター個人線量管理グループを設置し、個人線量管理を35人の専属体制で実施していること、②高線量下での作業管理については、空気中の放射性物質濃度条件を超える作業では、作業前後の内部被ばくを測定する手順書の運用が8月22日から開始されていること、③線量管理については、ID番号による管理を開始するとともに、ホールボディカウンター(以下「WBC」という。)の整備を進め、最終的には14台での運用を目指し、9月以降は月1回のWBC測定を実施する予定としていることなどの実施状況を確認した結果、東京電力の対策は妥当と判断します。
(2)6名の線量限度を超えた者の詳細調査結果については、3月の放射性物質濃度が高い作業場所において、内部摂取を防ぐための全面チャコールフィルタ付きマスク(以下、「全面マスク」という)を適切に着用していなかったことが主な原因と考えられ、対策として全面マスクの確実な着用を徹底するなど、東京電力の原因分析と対策は妥当と評価し、対策を引き続き実施していくことで過大な内部被ばくの防止に寄与できると考えます。
(3)6月17日に発生した全面マスク着用に関する不適合の原因と再発防止対策については、東京電力の原因及び再発防止対策については妥当と判断します。
福島第一原子力発電所での従業員被ばくについては、3月11日以降、放射線量が低減し、放射線防護対策の充実と相まって、個人被ばく線量が低下してきており、線量管理システムについても個人線量管理を行えるシステムを構築し、作業者証を用いた出入り管理を行い、通常の被ばく管理が実施できるようになりつつあります。また、WBCを増設し、内部被ばくの適切な時期での測定、スクリーニング基準を追加するなど、事故収束作業下における放射線管理の充実が図られていると考えます。
今後の保安院の指示に対する進捗状況並びに事業者自ら行う再発防止対策の実施状況について、東京電力福島第一原子力発電所、福島第一安定化セター及び本店などへの確認を保安調査等で適宜行っていくこととします。
担当
原子力安全・保安院 原子力発電検査課
公表日
平成23年8月30日(火)
