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3Dプリンタから生まれる今後のものづくりのあり方を考察した「新ものづくり研究会」の報告書が取りまとまりました

本件の概要

経済産業省で昨年10月より開催してきた、3Dプリンタが生み出す付加価値と、今後のものづくりの方向性を考察した「新ものづくり研究会」(座長:東京大学大学院 経済学研究科 新宅純二郎教授)の報告書が取りまとまりました。

1.背景

近年、「3Dプリンタ」が急速に注目を集めています。その本質は、プリンタそのものではなく、「デジタルデータから直接様々な造形物を作り出す」ことで、デジタル製造技術の発展を一気に加速する点にあります。一方、欧米各国が、ものづくりにおけるこうした新しい動きに対して、産学官を挙げた取組を進めているものの、我が国は対応が遅れているとの指摘もあります。このため、本研究会では昨年10月から計4回にわたって、下記の諸点について検討を進め、このたび報告書として取りまとめました。

  1. 付加製造技術は、ものづくりにおいてどのような活用可能性があるのか。その革新性はどこにあるのか。
  2. 製造プロセスのデジタル化が進展している中で、新たな技術を捉えた場合、産業や社会にどのような変化が起きるのか。こうした変化をビジネスの変革に生かし、企業の収益力、競争力を高めていくための戦略はどのようなものか。
  3. こうした変化を捉え、日本企業の強みを生かし弱みを克服していくために、必要な政策対応は何か。

2.概要

「3Dプリンタ」は、1つは精密な工作機械(付加製造装置)として、生産性向上や、臓器モデル、人工骨といったプロセス・プロダクト双方の革新をもたらします。もう1つは、幅広い主体のものづくりツール(いわゆる3Dプリンタ)として、手軽なアイデアの実体化を可能にし、様々な主体のものづくり参入を可能とします。付加製造技術はまだ課題も多いですが、2020年時点での経済波及効果は約21.8兆円と予想され、欧米が先行する現状を脱し、我が国の競争力強化につなげていく戦略的取組が不可欠となっています。

付加製造技術は、我が国製造業にも 2 つの方向性をもたらします。1 つは、自動車や航空機、医療など精密なものづくりを行う際の、「データ統合力」(様々なデータ や経験値を蓄積して設計情報を高度化する能力)の重要性をより高めていく点であり、新しい製品を生み出していくためには、設計と製造の現場が密接に連携してい くことが重要となります。もう 1 つは、ものづくりの裾野が広がることにより、大規模資本や設備を有さない新たな主体が、情報家電などを中心に「インディーズメーカ ー」として参入し、様々なアイデアが造形化されて「適量規模の消費市場」が開拓できるようになる点であり、個人やベンチャー企業、専門業者等が協業して、オープン なネットワークでものづくりを進めることが重要となります。

今後はまず、装置、材料、ソフト一体の技術開発、次に、オープンなネットワークでのものづくりを促進するための環境整備、第3に、3 次元データの扱いに慣れた人材の育成、最後に、付加価値の源泉の変化に柔軟に対応できる企業組織のあり方などについて、取り組むことが重要となります。

3.委員

新ものづくり研究会の委員は下記の通りです。

新宅  純二郎     東京大学大学院経済学研究科教授(座長)
朝比奈  奎一     東京都立産業技術高等専門学校名誉教授
内原    康雄        株式会社NCネットワーク代表取締役
小笠原    治        株式会社  nomad  代表取締役
京極    秀樹        近畿大学工学部教授
柴沼    俊一        株式会社シグマクシスパートナー
田中    浩也        慶應義塾大学環境情報学部准教授
冨山    和彦        株式会社経営共創基盤代表取締役CEO
新野    俊樹        東京大学生産技術研究所教授
野口    祐子        グーグル株式会社法務部長   弁護士
山中    俊治        東京大学生産技術研究所教授
渡邊    大知        株式会社JMC代表取締役
(計12名・敬称略・順不同)

担当

製造産業局 参事官室

公表日

平成26年2月21日(金)

発表資料

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