経済産業省
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再生医療等製品に関する特許期間の延長についてとりまとめました

本件の概要

昨秋の薬事法改正により再生医療関連製品に関する規制が整備され、iPS細胞を利用した細胞シートやヒト細胞に遺伝子導入した医薬品などが新たに「再生医療等製品」とされます(平成26年11月施行予定)。
これを受け、特許庁では、再生医療技術のイノベーションを促進する観点から、「再生医療等製品の特許権の存続期間検討WG(座長:熊谷健一明治大学教授)」において、「再生医療等製品」の特許権について、存続期間延長制度の対象とし、権利保護期間を通常20年のところ、最長25年間とする旨のとりまとめを行いました。

1.背景

再生医療分野については、2050年には国内市場で2.5兆円、世界市場で38兆円にまで成長が期待されており(出典:経済産業省「再生医療の実用化・産業に関する研 究会報告書」(平成25年2月)」、今後、我が国におけるイノベーションを推進していく必要があります。

昨秋の薬事法改正の結果(本年11月施行予定)、①従来は「医療機器」として分類されていた細胞シートなどが、新たに「再生医療等製品」として分類されるとともに、②遺伝子導入医薬品などの「医薬品」の一部も、新たに「再生医療等製品」として規制対象となることを踏まえ、これらを、特許権の存続期間延長制度の対象とするかどうかを産業構造審議会 知的財産分科会特許制度小委員会再生医療等製品の特許権の存続期間検討ワーキンググループで議論しました。

(参考)特許権の存続期間延長制度の概要
特許法では、製造販売等に当たって政府から許認可を取得するために、特許権を実施できなかった期間については、最長で5年間(合計で25年まで)、特許権の存続期間の延長を認め、その研究開発費用の回収を可能としています。(現在は、「医薬品」と「農薬」が延長対象)。
なお、欧米でも、最長で5年間の特許権の存続期間の延長を認めています(米国は、「医薬品(再生医療製品を含む)」、「医療機器」、「食品添加物」、「着色料」が、欧州は、「医薬品(再生医療製品を含む)」と「農薬」が延長対象)。

 2.ワーキンググループ「 とりまとめ」の概要

「再生医療等製品」には、(使用期限や場所などの条件が付されない)通常の承認制度(改正薬事法23条の25)とは別に、「条件及び期限付承認」(同23条の26)という我が国独自の新承認制度も導入されます。

ワーキンググループにおける議論の結果、再生医療等製品に関する特許権の延長期間は次のとおりとすることとされました。
<通常の承認制度が適用された場合>
延長期間は、治験開始から承認まで。
<条件及び期限付き承認の場合>
延長期間は、治験開始から「条件及び期限付承認」まで。
ただし、今後、「条件及び期限付承認」の実際の条件・期限に関する改正法の運用状況を踏まえ、必要があれば、見直しを行います。

3.今後の見通しについて

本ワーキンググループのとりまとめを踏まえ、関連する政令(特許法施行令)を改正し、改正薬事法の施行(本年11月予定)と同時に施行する予定です。
なお、この政令改正は、今次通常国会に提出予定の特許法等の改正法案とは関係がありません。

(参考)産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会
「再生医療等製品の特許権の存続期間検討ワーキンググループ」委員
相澤英孝    一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
蘆立順美    東北大学大学院法学研究科教授
石川浩      日本知的財産協会副理事長
岩﨑直子    日本ジェネリック製薬協会
内田一広 一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム
江上美芽 東京女子医科大学先端生命医科学研究所客員教授
岸本達人    日本弁理士会執行理事
熊谷健一    明治大学法科大学院教授(座長)
高須直子    京都大学 iPS 細胞研究所医療応用推進室長
田中昌利    長島・大野・常松法律事務所弁護士
出澤真理    一般社団法人日本再生医療学会理事
宮内正雄   日本製薬工業協会知的財産委員
(敬称略、五十音順)

【2月28日資料修正】
発表資料1ページ目第1文中、新たに再生医療等製品とされる例を修正しました。
1.背景第2段落中、「バイオ医薬品」を「遺伝子導入医薬品」に修正しました。

担当

特許庁 調整課 審査基準室

公表日

平成26年2月26日(水)

発表資料

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