経済産業省
文字サイズ変更

消費者に信頼されるパーソナルデータ利活用ビジネスの促進に向け、消費者への情報提供・説明を充実させるための「基準」を取りまとめました

本件の概要

パーソナルデータ(*)を利活用したビジネスについては、消費者ニーズに即応した様々な新規事業の創出、データ駆動型イノベーションへの期待が高まっています。 一方、スマートフォンの普及等を背景にサービスが気軽に利用できるようになったこともあいまって、消費者が、サービスの内容やプライバシーとの関係について十分に理解できていない状態で利用を進め、その結果、自身のパーソナルデータの予想外の利用に当惑し、不安に思うケースが出ています。この場合、事業者も、せっかく画期的なサービスを展開した矢先に、消費者、有識者等からの厳しい批判に直面し、短期間で事業をやめざる得なくなることが少なくありません。
経済産業省では、このような状況を踏まえ、パーソナルデータを利活用したビジネスを促進するためには、消費者と事業者の信頼関係の構築が何よりも重要であるとの考え方に立ち、事業者がパーソナルデータを利活用したビジネスを行う上で、特に、パーソナルデータを取得する際に取り組むべき、消費者への情報提供・説明の あり方を示す「評価基準」を取りまとめました。併せて、このような「消費者の立場に立った情報提供」を事業者が効果的に行うことを支援する趣旨で、第三者として行政や専門家が「評価基準」をもとに相談に応じ、事業者に消費者のよりよいサービス選択に資する情報提供を促す仕組み(「事前相談評価」)を整理しました。

*  パーソナルデータとは、個人情報保護法に規定する「個人情報」に限らず、位置情報や購買履 歴など、広く個人に関する個人識別性のない情報を含む情報をいいます。

1.背景と目的

ブロードバンド環境等の通信インフラの整備、スマートフォンなどの個人の活動から情報を得る端末の普及、情報処理技術の向上等により、多種多様なデータを収集、分 析することが可能になってきています。このような技術向上を背景に、多種多様なデータを積極的に利活用することで、社会課題解決による国民生活の利便性向上、新ビジネス創出、サービスの魅力・付加価値向上等の可能性が高まってきています。一方において、近時はプライバシー意識の高い消費者が増加しており、事業者による パーソナルデータの取得や利活用が、プライバシーへの配慮が不十分であるとして 批判を受けるという事態が発生しています。
事業者によるパーソナルデータの利活用に対する批判は、「このような情報まで取られているとは思わなかった」とか、「このような使われ方をするとは思わなかった」といったことから発生しているものがほとんどであり、取得段階でのパーソナルデータの 取扱いに関する情報提供や説明が、消費者の理解を得る上で、十分に機能を果たしていないことに原因があると考えられます。
経済産業省では、2013年5月に、「IT融合フォーラム   パーソナルデータワーキング グループ報告書」を公表し、パーソナルデータの利活用を進める上で、消費者と事業者の信頼関係の構築が何よりも重要であるとの考え方の下、事業者がパーソナルデ ータを取得する際に満たすべき、消費者に対する情報提供や説明に係る「分かり易さに関する手法・アプローチ」を示しました。
今般、この「分かり易さに関する手法・アプローチ」を広く普及させていくために、これを実践しようとする多くの様々な事業者が参照し利用できるような「評価基準」を策定し、併せて、事業者が基準に合致した取組を行っていることを客観的に評価し消費者に情報提供できるような第三者による評価の仕組み(「事前相談評価」)を整理しました。

2.事前相談評価の試行

このような「評価基準」や評価の仕組みの構築に関する取組の実例は乏しいところ、「評価基準」の活用を通じて、消費者との信頼関係構築を重視する事業者の裾野を広げようとするならば、事業者の日頃のサービスの検討や提供の現場において、行動指針となるような、可能な限り具体性のある基準でなければなりません。
このような認識の下、本事業では、パーソナルデータを利活用したサービスを展開しようとする事業者を対象とした「事前相談評価」を試行的に実施することを通じて、具体性のある「評価基準」を策定しました。
本事業では、事前相談評価の試行に貢献しようという参加事業者を募り、各参加事業者に、パーソナルデータの取扱いに関する消費者に対する情報提供や説明に係る「分かり易さに関する手法・アプローチ」の実践案を作成してもらいました。参加事業者は、経済産業省や有識者の評価及びその改善に関する助言を得つつ、自身の「分かり易さに関する手法・アプローチ」の実践案を、より望ましいものへと改善しました。 このような事前相談評価の試行に係る一連の過程と並行して、これらの過程から得られた知見を順次反映していく形で、「分かり易さに関する手法・アプローチ」の実践に 取り組もうとする事業者や、相談評価を行おうとする第三者の判断の拠り所となる「評価基準」を策定しました。また、「評価基準」の策定に当たっては、参加事業者の実践案の「分かり易さ」に関する消費者アンケートを実施し、消費者目線の「分かり易さ」にも十分配慮しました。

3.具体的内容

(1) 「評価基準」を以下の通り取りまとめました。

1.記載事項

(1) 必要十分な記載事項

  1. パーソナルデータの取扱いに関する情報として、以下の7項目が記載されていること
    1. 提供するサービスの概要
    2. 取得するパーソナルデータと取得の方法
    3. パーソナルデータの利用目的
    4. パーソナルデータやパーソナルデータを加工したデータの第三者への提供の有無及び提供先
    5. 消費者によるパーソナルデータの提供の停止・訂正の可否及びその方法
    6. 問合せ先
    7. 保存期間、廃棄

2.記載方法

(1) 取得するパーソナルデータとその取得方法に係る記載方法

  1. 取得するパーソナルデータの項目とその取得方法について、可能な限り 細分化し、具体的に記載していること
  2. 取得するパーソナルデータの項目やその取得方法のうち、消費者にとって分かりにくいものを明確に記載していること

(2) パーソナルデータの利用目的に係る記載方法

  1. 取得するパーソナルデータの利用目的を特定し、具体的に記載していること
  2. パーソナルデータの利用目的が、取得するパーソナルデータの項目と対応して記載されていること
  3. 取得するパーソナルデータの利用目的のうち、消費者にとって分かりにく いものを明確に記載していること

(3) 第三者への提供の有無及びパーソナルデータやパーソナルデータを加工し たデータの提供先に係る記載方法

  1. 事業者が取得するパーソナルデータやパーソナルデータを加工したデー タを第三者に提供する場合、その提供先(事後的に提供先を変更する場 合は提供先の選定条件を含む)及び提供目的が記載されていること
  2. 事業者が取得したパーソナルデータを加工したデータを第三者に提供す る場合、その加工方法が記載されていること

(4) 消費者によるパーソナルデータの提供の停止の可否及びその方法に係る記載方法

  1. 消費者が事業者によるパーソナルデータの取得の中止又は利用の停止が可能であるかが記載され、可能である場合には取得の中止方法又は利用の停止方法を明示して記載していること

(2) 事前相談評価の第三者による評価の仕組みを以下の図の通り整理しました

(3) 事前相談評価の試行の結果をより具体的に示すことにより、信頼関係構築を重視する事業者の裾野を広げることを目的として、経済産業省において、評価の結果、モデルとなるような参加事業者による「分かり易さに関する手法・アプローチ」の実践例を取りまとめました(別添資料:『「分かり易さに関する手法・アプローチ」に係るベストプラクティス集』を参照。)。

【4月22日差し替え】資料に誤記があったので発表資料を差し替えました。

担当

商務情報政策局 情報経済課

公表日

平成26年3月26日(水)

発表資料

関連リンク

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.