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中国との特許審査協力を拡大します

本件の概要

特許庁と中国国家知識産権局は、昨日、日中特許庁長官会合を開催しました。本会合では、両国の特許審査判断の相違を最小化することを目指し、特に早期に発明の権利化が要望されている特許出願を題材として両国の審査判断が異なる原因分析を開始することに合意しました。また、特許審査ハイウェイ(PPH)は我が国企業 にとって中国での早期の特許権取得が期待できる枠組みであることから、その利用拡大のために制度・運用上の課題を検討する体制を新たに共同で構築することに合意しました。

 1.背景

中国における我が国企業の知財の保護の強化と知財を巡る日中両国の制度環境の整備に向けて、特許庁(JPO)は、中国国家知識産権局(SIPO)と1994年から「日中特許庁長官会合」をほぼ定期的に開催し、特許・意匠分野についての協力を行っており、今回20回目の会合を行いました(11月13日:札幌にて)。

 2.第  20  回日中特許庁長官会合の結果(概要)

(1)「審査官協議」による制度・運用面での協力・改善 近年、中国の特許出願件数の伸びは著しく、2011年には米国を上回り、出願件数で世界一となり、今や世界の出願総件数の約 1/4※1を占めています。増加する特許出 願を背景に、ユーザーから迅速で的確な特許審査を実現することが求められています。そこで、両国の制度・運用の相違点を明らかにすることを通じて制度・運用面の改善を図るため、「審査官協議」の一層の充実を図ることに合意しました。

(2)特許審査ハイウェイ(PPH)※2
2011年から試行している「日中PPH」※3 について、これまでに2300件に及ぶ我が国 企業による利用実績があるところ、我が国企業からは、中国における出願書類の訂正(補正)期間の制限等により、PPHの活用に困難な点があるとの指摘もあり、こうし た指摘も踏まえ、中国での権利取得期間を大幅に短縮できる制度として、我が国企業からの期待が大きい「日中PPH」について、その運用・制度上の問題点を日中共同で分析し、その解決に向け議論を進め、その結果を次回会合で報告することに合意しました。

 (3)分類
特許審査において、最新の技術動向を反映した分類を活用して先行技術調査がされ ることが、ユーザーにとって迅速で安定した権利の取得につながります。ユーザーのより迅速で安定した権利の取得のため、我が国企業が競争力を有する技術分野にお いて有用な分類である「FI/F ターム」※4 を中国が特定の技術分野の特許文献について将来的に付与するプロジェクトについて、今後、強化・促進していくことについて合意しました。

(4)実用新案制度
中国において大量に出願され、無審査で登録されている実用新案(2012 年出願件数: 中国74万件、日本8千件)について、我が国企業からは権利濫用のおそれがあることが指摘されていることを踏まえ、両庁で、実用新案制度における権利濫用防止の重 要性について認識を共有し、日中韓で作成した日中韓実用新案制度比較表に基づき、両国の制度の相違点等について意見交換を行うことで合意しました。

(5)意匠
我が国発のデザインを模倣から守るため、意匠権の有効性を担保する要件を統一す るべく、創作非容易性の比較研究を実施し、来年度の長官会合に向け結果を取りまとめるよう努力することに合意しました。また、JPO からは、自動車のヘッドライトなど 製品の一部分の模倣からデザインを守る部分意匠制度、秘密意匠制度、権利濫用防止規定の必要性について言及し、これらのテーマについて意見交換を行うことで合 意しました。さらに、他人のデザインを盗用して出願する「冒認意匠出願」に対する連
絡調整の枠組みを構築することで合意しました。そして、日中両国が意匠の重要性に かんがみて、国際協力にイニシャティヴを協調して発揮していくことを合意しました。

(6)審判
今年11月に開催された審判専門家間の意見交換について、双方の審判分野の相互 理解を深めるために有益であったことを確認し、日中審判専門家会合として定期会合化し、今後、審判官の相互派遣などの実現に向けて、実務者間で調整を進めることで合意しました。

 3.今後の取組

特許庁は、日中二国間の枠組みを活用し、我が国の知財権が中国において迅速かつ質の高い審査によって保護・活用される環境の構築に努めてまいります。
※  1  2011年の特許出願件数は中国52.6万件(2012年は65.3万件)、日本34.3万件、米国50.4万件、韓国17.9万件で、全世界では214万件です。
※ 2 PPH とは、先に出願した第1国(例えば、日本)の特許庁で特許要件を満たすと判断された出願について、後に出願した第 2国(例えば、中国)において、一般の出願に優先した早期審査が可能となる制度です。
※  3  日中PPH は、2011年から試行を開始し、本年11月に試行期間を更に2年間延長することを決定しました。試行開始から 2013年6月末までにPPHが利用された件数は、日本から中国への出願で2289件、中国から日本への出願で46件です。
※  4  国際特許分類(IPC)を基礎として細展開された日本国特許庁独自の特許分類です。

担当

特許庁 総務部 国際政策課

公表日

平成25年11月14日(木)

発表資料

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