経済産業省
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第 33 回三極特許庁長官会合を横浜で開催しました

本件の概要

特許庁と米国特許商標庁、欧州特許庁は、4 日、第 33 回日米欧三極特許庁長官会合を開催しました。また、この長官会合に併せて、3 日に各国ユーザー団体を招待し、三極特許庁・ユーザー会合を開催しました。長官会合においては、複数庁の特許審査情報をワンストップで一般ユーザーにも提供する環境整備や IT を活用した新たなユーザー向けサービス等の実現に向け協力を進めていくことに合意しました。また、特許制度運用調和に向け、ユーザーからの要望を踏まえ、引き続き三極で協 力しながら貢献していくことで合意しました。

1.第  33 回三極特許庁長官会合の結果(概要)

①特許審査情報のワンストップ提供と新たな IT サービス協力
日米欧三極特許庁並びに中国及び韓国特許庁を含めた五大特許庁の特許審査情報を各庁の審査官がワンストップで取得可能なシステムの一般ユーザーへの提供を着実に実施するべく、三極特許庁で協力を進めて行くことに合意しました。また、このような特許庁間の協力に基づくシステムに関連して、出願手続や出願管理に関する出願人負担を更に軽減していくという観点から、複数庁に出願された特許出願の審査状況に関する情報の提供など、ITを活用したサービスの充実化に向け、ユーザーの要望を踏まえながら検討、協力を進めていくことに合意しました。
 ②特許審査ハイウェイ(PPH)
ユーザーからPPHの拡大、運用改善に関する要望が出されており、それを踏まえて検討してきたところ、今般会合では、ユーザーの利便性向上に向けた五大特許庁によるPPHでの取り組みについて、協力して議論を進めていくことについて合意しました。
③特許制度調和
三極特許庁(日・米・欧)と、欧州主要国(英、独、仏、丁)の知財庁(いわゆる「テゲルンゼーグループ(*3)」)は、昨年4月に開催された会合において、国毎に制度の差異が大きい4項目(グレースピリオド(*4)、衝突する出願の取扱い(*5)、18ヶ月全件公開(*6)、先使用権(*7))に関して、各庁が実施したユーザー協議結果を分析した最終統合レポートをとりまとめました。
それを受け、その結果について、ユーザーと議論を行い、ユーザーからのフィードバックを得るため、三極特許庁はそれぞれ制度調和シンポジウムを開催しました。今般会合では、各庁が開催した制度調和シンポジウムの結果を報告するとともに、三極ユーザーからフィードバックを得ました。
また、現在、これら4項目の特許制度調和に向けて、グループB+(*8)の枠組みで議論が進められているところ、今般会合では、三極特許庁と三極ユーザーとで協力してこれらの項目についての制度調和のモメンタムを維持していくことに合意しました。
*3 テゲルンゼーグループ:初回会合を2011年7月にミュンヘン近郊の都市「テゲルンゼー」で開催。
*4 グレースピリオド:特許出願日前の一定の期間であって、この期間中であれば、出願より前に自らの発明を発表しても、その発明の新規性が失われないとされる期間。特許出願前の論文発表等をどの範囲で許容するかが論点。(日本では、「新規性喪失の例外」という規定。)
*5 衝突する出願の取り扱い:出願を審査する際、先に出願済みであるが出願公開されていない別の出願に記載された発明を(実際は秘密状態にあるが)公知の先行技術と擬制して、後の出願を拒絶することがある。このようなケースにおいて、先の出願を「衝突する出願(Conflicting Application)」という。(日本では、特許法第29条の2による「拡大された範囲の先願」という規定)。出願済みだが公開されていない技術がどの程度後願を排除する効果があるかが論点。
*6 18ヶ月全件公開:多くの国では出願後18ヶ月で出願は公開されるが、米国は米国のみに出願される場合に出願人の意思で出願が公開されない場合あり。
*7 先使用権:特許された発明について、第三者がその出願より前にその特許発明の使用(又は使用の準備)をしていた場合、その第三者が引き続きその発明を使用できる権利。特許権がなくても、特許が出願される前から事業を実施している者は無償でその技術を利用できるが、米国は先使用権の適用に条件あり。
*8グループB+:WIPO・Bグループ(先進国)メンバー、EUメンバー国、欧州特許条約(EPC)メンバー国、欧州特許庁、(EPO)、欧州委員会(EC)、及び韓国の、46か国の特許庁及び2機関で構成。
④特許制度の運用調和
現在、五大特許庁の枠組みで記載要件、出願人による先行技術の開示義務、発明の単一性の三項目についての制度運用調和に向けた議論が進められているところ、 今般会合では、前日の三極ユーザーとの会合の結果を受けて、5 月の五大特許庁長官会合に結びつけていくために、引き続き、これら三項目を並行して議論を進めるこ ととし、そのために三極で協力していくという考え方を共有しました。
⑤その他
本会合の機会を利用し、JPO と USPTO の 2 国間で会談を行い、特許検索に使用す る分類に関する協力を強化することに合意しました。

2.今後の取組

特許庁は、三極協力を通じ、我が国を始めとする特許制度のユーザーにとって、国内外において低コストで予見性の高い権利取得を可能とするグローバルな特許制度の整備を進めてまいります。
※参加者
日本国特許庁(JPO):伊藤長官 他
米国特許商標庁(USPTO):リー副長官 他
欧州特許庁(EPO):バティステリ長官 他
 (オブザーバー)世界知的所有権機関(WIPO):高木事務局長補 他

担当

特許庁総務部 国際政策課

公表日

平成27年3月5日(木)

発表資料

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