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国内外での安定した特許の取得に向け前進しました~第7回日米欧中韓五大特許庁長官会合の結果について~

本件の概要

 特許庁と米国特許商標庁、欧州特許庁、中国国家知識産権局、韓国特許庁は、本日、第7回五大特許庁長官会合を開催しました。今回の会合においては、特許制度調和に向け、ユーザーから要望が出ていた調和の議論を進める項目について、五庁間で検討がされたところ、優先的に議論を進める項目について合意しました。
また、特許庁から、ユーザーが審査結果を適時に得られるようにすることについての共通認識をとりまとめたポリシーを提案し、合意しました。

 1.背景

日米欧中韓の五大特許庁(五庁)への特許出願は188万件であり、世界の特許出願件数235万件のうち、8 割近くを占めています。そのため、五庁は知的財産における世界的な取組をリードすべく2007 年より長官会合を継続して開催し、審査結果の相互利用・手続きの簡素化・審査の質の向上等の課題について、幅広い協力を行っており、今年で7回目を迎えました(6月6日:韓国・釜山にて開催)。また、長官会合にあわせて五庁ユーザーとの会合も開催され、特許制度運用調和等について、積極的な意見交換が行われました。

2.第7回五大特許庁長官会合の結果(概要)

①特許制度調和
特許制度調和に向けて、産業界から出ていた要望をもとに、調和の議論を進める項目について、五庁間で検討がされたところ、本会合において、記載要件*1、出願人による先行技術の開示義務*2、発明の単一性*3の3項目が、五庁の枠組みにおいて優先的に調和に向けた議論を行う項目として合意されました。
今後、各項目についての論点整理、比較研究等を通じ、制度の国際的な調和が進み、日本で特許となった発明について、海外でも円滑に特許となることが期待されます。
*1「記載要件」:権利範囲を記載する書類(「特許請求の範囲」)や発明の内容を説明する書類(「明細書」)等の出願書類の記載に関する要件。例えば、権利を求める技術的な範囲が明確であること、第三者が発明を実施できる程度に記載されていること、等が要件とされている。
*2「出願人による先行技術の開示義務」:審査の参考資料として活用するために、出願人が出願時に有していた先行技術文献情報について、情報開示を求める制度。迅速な審査や権利の安定化につながる。
*3「発明の単一性」:一つの出願で、まとめて審査され得る発明の範囲。技術的に密接に関係する発明は、別々の出願とするよりも、一つにまとめて出願する方が、出願人においてはコスト・手続負担の点で有利となる。
②審査の適時性に関するポリシー
我が国特許庁から、ユーザーが審査結果を適時に得られるようにすることについての共通認識をとりまとめたポリシーを提案し、五庁で合意しました。これにより、権利取得まで適時に審査が行われることの重要性が確認され、今後は、このポリシーを指針として、五庁がワークシェアリングに資する新たな枠組みの構築に取り組んでいくことが期待されます。
③特許審査情報の相互利用及び提供
昨年長官会合以降の進展として、五庁の特許審査情報を各庁の審査官がワンストップで取得可能なシステムが完成したこと(2013年7月)、我が国特許庁が、WIPOとも協力して、このシステムを五庁以外にも拡大する取り組みを進め、他五庁に先駆け、英国、オーストラリア、カナダとも特許審査情報を共有するシステムを構築したこと(2014年3月)について、報告されました。
今次会合では、特許審査のワークシェアリングを促進するための特許審査情報を利便性よく参照できるグローバルなシステムの整備について意見交換されました。
今後、このようなシステムを整備することにより、世界各国/地域において早期に安定した特許権の取得ができる環境を実現することが期待されます。

3.今後の取組

特許庁は、五大特許庁の枠組みの中で、特許審査情報の相互利用、ユーザーへの提供等、利用拡大に向けた取組を推進すると共に、特許制度運用調和に向けた検討・協力等、ユーザーが権利化を目指す際の利便性の向上に役立つ協力を推進し、我が国ユーザーのニーズが各国の知財政策に適切に反映されるよう努めてまいります。

※参加者
日本国特許庁(JPO):羽藤長官 他
米国特許商標庁(USPTO):リー副長官 他
欧州特許庁(EPO):バティステリ長官 他
中国国家知識産権局(SIPO):申局長 他
韓国特許庁(KIPO):キム庁長 他
(オブザーバー)世界知的所有権機関(WIPO):高木事務局長補 他
 

担当

特許庁総務部国際政策課

公表日

平成26年6月6日(金)

発表資料

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