経済産業省
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株主総会の招集通知等に対する機関投資家の評価ポイントをとりまとめました

本件の概要

近年、「日本版スチュワードシップ・コード」の導入や「コーポレートガバナンス・コード」の検討、「伊藤レポート(※1)」の公表等をきっかけとして、企業と投資家の対話の在り方に関する議論が本格化しています。経済産業省では、企業と投資家が対話を深め、より良い関係を構築するための一助とすることを目的に、企業と投資家との重要なコミュニケーション手段の一つである株主総会の招集通知等について、投資家の評価する点を調査しました。
本調査結果を参照、活用することにより、企業の株主総会や情報開示、IR(Investor Relations)の担当者が、自らの取組を振り返り、より効果的なものにしていくきっかけとなることが期待されます。

1.本調査について

本調査は、2015年1月~2015年3月にかけて、日本版スチュワードシップ・コードの受入表明を行った機関投資家から、年金基金等を抜いた149組織に対し、以下に関する考え方を調査しました。

  1. 株主総会招集通知の記載内容や説明についての評価ポイント
  2. 株主総会における各議案の重視度合いや賛否判断にあたり必要な情報開示事項
  3. 株主総会招集通知の発送手段等について重視する点
  4. 日本版スチュワードシップ・コードに基づく活動において重視する点

なお、回答は64組織からあったほか、国際的な投資家組織(ACGA、ICGN、Group of Global Investors等)の協力もあり、調査結果には海外のグローバル投資家の視点も加わっています。

2.調査結果

調査結果から、機関投資家が株主総会の議案や招集通知等の情報提供において、重視するポイントとして、以下のような傾向が明らかになりました。

  1. 内容としては、他の議案・情報に比べて、取締役や監査役の選任、買収防衛策を特に重視していること
  2. 議案の賛否判断に係る情報提供・開示の媒体としては、招集通知(事業報告)だけでなく他の情報も含めて判断していること、また、議案・内容によってはアニュアルレポート等他の媒体を適切とする面もあること
  3. 方法としては、招集通知の早期発送や問い合わせへの適切な対応等を希望していること

また、スチュワードシップ・コードに基づく活動については、情報開示を重視する度合が高い事項と経営者による直接的な説明や個別の対話を重視する事項との違いが見られました。特に、企業価値向上に向けた取組や経営戦略に係る事項については、事業報告等による情報開示よりも、経営者からの説明や経営者との直接対話を求める傾向が見られました。その他の項目については、情報開示を重視する度合が高いものも多い結果が得られています。

これに関連して、経済産業省が主催する「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」では、2015年4月に最終報告書をとりまとめ、適切な総会日程の設定や招集通知を含む適時・適切な情報開示による株主の議案検討・対話の質の向上、一体的な情報開示や中長期的な企業価値に関する情報の充実等に向けた提言を行っています(※2)。本調査結果で得られた、議案の早期発送や事業報告以外の媒体も活用した情報開示への要請や対話と情報開示の役割分担等は、同研究会での議論を補完するものとも言えます。

3.調査の経緯

本調査は、「企業報告ラボ(※3)」のプロジェクトの一つとして実施されています。
具体的には、「機関投資家の視点から見た株主総会の招集通知」の良い(悪い)事例を幅広く集めて紹介し、企業の総会実務やIR等に携わる担当者にとって有用な情報を提供することを目的として、「グッド/バッドプラクティス事例分析作業部会」が2013年に立ち上がりました。同作業部会は、2014年に、本調査の予備的調査(パイロットプロジェクト)として、調査規模や質問項目を限定した調査を実施し、その結果を公表しています(※4)。

(※1)2014年8月に、経済産業省が取り組む「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(座長:伊藤邦雄一橋大学大学院商学研究科教授)において取りまとめたもので、企業が投資家との対話を通じて持続的成長に向けた資金を獲得し、企業価値を高めていくための課題を分析し、提言を行っている。詳細は、http://www.meti.go.jp/press/2014/08/20140806002/20140806002.html

(※2)「持続的成長に向けた企業と投資家の対話促進研究会」報告書
http://www.meti.go.jp/press/2015/04/20150423002/20150423002.html

(※3)企業と投資家が企業価値の向上につながるより良い対話や開示のあり方を検討、調査、提案する場として、企業や金融市場の関係者を中心に2012年に開始(事務局:経済産業省、企業活力研究所)。
詳細は、http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/

(※4)2014年のパイロット調査の結果詳細http://www.meti.go.jp/press/2014/05/20140509003/20140509003.html

担当

経済産業政策局企業会計室

公表日

平成27年4月24日(金)

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