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特許審査の質についてのユーザー評価調査報告書を公表します

本件の概要

特許審査の質についての評価調査の結果を報告書にまとめましたので公表します。特許庁では、本調査により把握された評価の結果を踏まえ、引き続き特許審査の質の維持・向上に努めてまいります。

1.調査結果の概要

  • 今回の調査においても、過去2回の調査と同様、概ね9割という、他の調査には見られない非常に高い回答率となりました。このことは、特許審査の質に対するユーザーの関心の高さを反映したものと認識しています。
  •  特許審査の質について「5:満足」~「3:普通」の評価が概ね9 割以上を占める結果となっており、ユーザーから引き続き一定以上の評価が得られています。
  • 今回の調査から調査方法を変更した、在外出願人及び代理人のいずれからも、内国出願人からの回答に比べて特許審査の質を高く評価する回答がより多く得られました。また、無記名回答を選ばれた方は約1割でしたが、記名の有無によって、評価の傾向に大きな差はありませんでした。
  • 特許審査の手続に関する項目の評価と質全般の評価との相関関係を分析して見える化した結果、以下の事項が確認できました。

① 特許審査の手続に関する多くの評価項目で、満足度が上昇していることが確認できました。特に、単一性(二以上の発明について、一の願書で出願できる範囲を規定した要件)の判断に関しては、ユーザーの満足度が高まる傾向が見られました。
② 審査官が出願を拒絶しようとする際に出願人にその理由を通知する拒絶理由通知の記載の充実、特許性の判断における審査官間でのばらつきの低減、先行技術調査における特に外国特許文献や非特許文献(論文等)の調査の充実について、特許庁として引き続き取り組むべき項目であることが確認できました。

2.調査方法の概要

  • 合計で709者のユーザー、2808件の出願を対象に、平成26年8月~11月に調査票の配付及び回収を順次実施し、以下の4点について5段階評価を得ました。

① 国内出願における特許審査の質全般
② 特定の国内出願(平成25 年に査定謄本の送達)における特許審査の質
③ PCT出願(特許協力条約に基づく国際出願)における国際調査等の質全般
④ 特定のPCT出願(平成25 年に報告書等の発送)における国際調査等の質

  • 特許審査は、発明内容の理解、先行技術調査、特許性の判断、判断結果の通知という手続で行われますが、上記①及び③の調査の中では、この手続に関する10項目以上の項目についても、5段階評価を得ました。各評価項目の評価と質全般の評価との相関関係を分析することで、優先的に取り組むべき項目の見える化を図っています。審査の質に関する調査において、このような相関関係に基づく見える化分析を行うことは、EPO及びUSPTO等が行う顧客満足度調査では見られない日本国特許庁独自のもので、海外特許庁の品質管理担当者からも注目されています。
  • 今回の調査では、調査対象者の自由・率直な意見を得るために、記名/無記名のいずれかを回答者が選択できる任意記名式を新たに採用しました。また、代理人を介することなく在外出願人の意見を直接収集するとともに、代理人に対しては代理人の視点からの意見を収集しました。
図1.国内出願の質全般(左)
図2.PCT出願の質全般(右)

 


 

3.本調査の位置付け

我が国の成長戦略を示す「日本再興戦略」改訂2014においても、世界最高の知財立国を目指すに当たり新たに講ずべき具体的施策として、「『世界最速・最高品質』の審査を実現する」ことが掲げられています。審査の質の向上は世界的な潮流となっており、例えば、欧州特許庁(EPO)では「品質は我々の最優先事項(Qualityis our top priority)」というメッセージを長官が発し、米国特許商標庁(USPTO)では2014-2018年度戦略計画の中で、「特許の質と適時性の最適化(Optimize Patent Quality and Timeliness)」を第1のゴールとして設定しています。
このような中において、特許庁は、平成26年4月に特許審査の品質管理の基本原則を示す「特許審査に関する品質ポリシー」を公表するともに、同年8 月には外部有識者による客観的な品質管理システムの導入の一環として、産業構造審議会のもとに審査品質管理小委員会を設置しました。
また、世界最高品質の特許審査を実現するには、特許審査に対するユーザー(出願人や権利を行使される第三者等)のニーズや期待を適切に把握した上で、その質の維持・向上のための取組を継続することが不可欠であるとの認識のもと、平成24年度より、特許審査の質についてのユーザー評価調査を行っています。
本調査は、上記品質ポリシーが示す品質管理の基本原則を実現するための重要な手段であるとともに、平成27 年4 月に公表された審査品質管理小委員会の報告書「審査品質管理の充実に向けて(平成26年度)」においても、本調査の結果を品質管理施策に反映する取組を一層強化すべきであるとの提言がなされています。

参考資料1:平成26年度 特許審査の質についてのユーザー評価調査報告書 調査分析結果の概要
参考資料2:特許審査の手続の流れ

担当

特許庁 審査第一部 調整課 品質管理室

公表日

平成27年5月27日(水)

発表資料

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