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第24回アジア輸出管理セミナーが開催されました

本件の概要

2月21日から3日間、アジア輸出管理セミナーが開催されました(主催:一般財団法人安全保障貿易情報センター(CISTEC)、共催:経済産業省及び外務省)。24回目の開催にあたる今回のセミナーには、約30ヶ国・地域と国際機関、シンクタンク等から約190名が参加しました。

1.本セミナーの背景

アジア輸出管理セミナーは、アジア各国・地域の輸出管理担当者を対象に、安全保障貿易管理の重要性に対する共通認識を高め、輸出管理制度を構築・強化することにより、アジア地域及び国際的な不拡散のための取組を強化することを目的として、1993年から始まりました。世界の安全保障環境が大きく変化する中、経済発展著しいアジアが機微な貨物の調達先や迂回拠点として懸念国等に利用されるリスクも高まっており、懸念国による調達活動の巧妙化に対する制度強化、アジアにおける制度整備の進展と課題等について意見交換を行いました。

2.今回のセミナーについて

(1)参加者
ASEAN各国、インド、中国、米国や欧州など約30ヶ国・地域と国際機関やシンクタンク等から約190名が参加しました。

(2)今回のセミナーの主な内容
【開会挨拶】
中川経済産業大臣政務官から、開会の挨拶として、北朝鮮の核実験やミサイル発射、非国家主体によるテロ事件など、安全保障を巡る環境は厳しさを増しており、また、懸念国等による大量破壊兵器等の開発に必要な貨物や技術の調達活動が多様化・巧妙化している中で、アジアにおいても実効的な輸出管理制度の構築と厳格な執行、さらには国際連携を強化していくことが重要であるとのメッセージを述べました。

【懸念国等の調達活動の多様化を踏まえた安全保障輸出管理の取組強化】
懸念国等による機微な貨物や技術の調達活動が多様化・巧妙化していることを踏まえた輸出管理の取組強化について、パネルディスカッションで議論が行われました。パネリスト(飯田経済産業省貿易管理部長、ロペス米国商務省不拡散担当部長、ユソフ・マレーシア国際貿易産業省戦略貿易監督官及びスチュワート・英国ロンドン大学キングスカレッジ上級研究員)から、輸出管理の実効性を高めるためには、人材育成、厳格な取締りや省庁間連携が重要であり、政府だけでなく産業界やアカデミアと連携して取組を進めていく必要性が提起されました。また、懸念国等は輸出管理の取組の弱い国・地域を迂回拠点として利用する可能性が高いことから、国際的に連携を強化していくことが今まで以上に重要であるとの議論が行われました。

【テロ行為を踏まえた輸出管理の取組強化】
テロ組織によるテロ行為が世界中で行われていることを踏まえ、テロ組織への武器移転や流用・転用が行われないための武器の輸出管理の強化の必要性について発表がありました。武器の販売先の限定や武器の無可動化などの取組事例や、テロ組織による武器入手事例の紹介があり、テロ組織への武器の輸出管理の強化の重要性について、参加者間の認識を高める機会となりました。

【安全保障の確保に向けた国際的な取組】
北朝鮮による核・ミサイル開発や、非国家主体によるテロ活動などを踏まえた国際輸出管理レジーム、国際連合安全保障理事会等による具体的な取組や、懸念国等の調達活動などが紹介されました。どのような国でも懸念国等の調達活動に巻き込まれる可能性があるため、レジームのガイドラインや国連安保理決議等を遵守して輸出管理の抜け穴を作らないことが重要である点について、再認識する好機となりました。

【アジアの輸出管理制度の進展】
アジア全体の輸出管理制度の現状と、タイ、中国及びフィリピンにおける輸出管理の進展について報告があり、アジアにおける制度構築の導入状況を知る好機となりました。また、これまで輸出管理制度が導入された国において、導入後、貿易活動へのプラスの影響が出ているとの分析結果が示されました。輸出管理が、安全保障面だけでなく、経済的な面でも、プラスの効果があることが再認識され、制度導入が進んでいない国にとっても、非常に有益な情報となりました。

【産業界や大学における輸出管理の取組強化】
産業界へのアウトリーチの重要性と企業における取組事例、大学や研究機関における輸出管理の重要性と大学における取組事例について発表がありました。産業界における輸出管理については、政府と協力して産業界自らが主体となって輸出管理をするべきであるとの認識が共有され、日本企業の自主的な取組事例が紹介されました。また、大学や研究機関においては機微な研究等を行う事例も多く頻繁に技術移転が行われていることから、特に無形技術移転の管理について大学等に働きかけることが重要であること、日本の大学における電子化された輸出管理の取組事例などが紹介されました。

【政策分科会】
政策分科会(参加者を複数のグループに分け、より双方向の討論を行う少人数のセッション)では、政策担当者、審査官及び執行担当に分かれて活発な意見交換が行われました。政策分科会では、国内にどのように輸出管理を浸透させるかについて議論が行われ、産業界等との関係者との連携を深め、合法的な貿易を阻害しない点について理解を得ることが重要との議論が行われました。審査分科会及び執行分科会では、審査官や執行官が直面する共通の課題として、人材育成、情報交換や省庁間連携をいかに進めるべきかについて議論が行われました。また、各分科会での議論を通じて、参加者間の人的ネットワークの強化につながりました。

【輸出管理を巡る新たな課題】
通過積替規制やキャッチオール規制の重要性と各国の取組事例について発表が行われました。通過積替の規制については、合法的な貿易を阻害しないよう関係機関と適切に情報交換を行うことの重要性を再認識する好機となりました。また、国際輸出管理レジームで規制されていない貨物や技術であっても、規制品と同等の能力を持つ、又は代用品になり得るものもあるため、用途や需要者を見極めることによってキャッチオール規制を行うことが重要であるとの認識が共有されました。

(3)今回の成果
ASEAN各国、インド、中国、米国や欧州など約30ヶ国・地域と国際機関やシンクタンク等から総勢約190名の参加者を得て、輸出管理に係る様々な課題や最新の取組の状況について多角的かつ網羅的な情報交換や意見交換を行いました。これにより、世界各国が不拡散のために一層協力して、安全保障貿易管理を進展させる必要性などについて意識を高め、共通の認識を得ることができました。今後とも本セミナーをはじめとするアウトリーチ活動を通じ、アジア諸国・地域に対する輸出管理の構築・強化に係る働きかけを継続してまいります。

3.参加国・地域・機関

(1)アジア(19ヶ国・地域)
バングラデシュ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、台湾、タイ、ベトナム

(2)アジア以外(13ヶ国・地域)
豪州、カナダ、欧州連合、フランス、ドイツ、カザフスタン、メキシコ、オランダ、スイス、トルコ、アラブ首長国連邦、英国、米国

(3)国際輸出管理レジーム
オーストラリア・グループ(AG)(化学・生物兵器)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)、原子力供給国グループ(NSG)、ワッセナー・アレンジメント(WA)(通常兵器及び関連汎用品)

(4)国際機関、大学等
国連安保理決議1540委員会、国連安保理北朝鮮制裁専門家パネル、国連軍縮研究所、ロンドン大学キングスカレッジ、ニューヨーク州立大学、ジョージア大学国際貿易安全保障センター、名古屋大学等

※プログラムや資料(講演者から了承が得られたもののみ)をこちら外部リンクのウェブサイトで公開します。
※我が国の安全保障貿易管理制度については、こちらのウェブサイトで確認できます。
 

第24回アジア輸出管理セミナーが開催されました第24回アジア輸出管理セミナーが開催されました

担当

貿易経済協力局 貿易管理部安全保障貿易国際室長 猪狩
担当者:荒木、桑原
電話:03-3501-1511(内線3271~4)
03-3501-2800(直通)
03-3501-6004(FAX)

公表日

平成29年3月2日(木)

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