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需要予測の高度化・共有により返品・食品ロス削減に成功しました

本件の概要

経済産業省は、平成27年度次世代物流システム構築事業(※)の一環として、日本気象協会と連携し、天気予報を活用して返品や食品ロスを削減する「需要予測の精度向上による食品ロス削減及び省エネ物流プロジェクト」を実施しました。
プロジェクトの結果、

  1. 食品ロスを20~30%削減
  2. 商品輸送で発生するCO2を半減
  3. AI技術による消費者の購買行動解析 に成功しました。

今後も需要予測の精度を向上し、その情報を製・配・販で共有すること等を通じて、食品ロスを削減するとともに、余剰生産、配送、蔵置、廃棄等で発生しているCO2を削減することが期待されます。

1.プロジェクトの拡大

平成26年度に引き続き実施した平成27年度プロジェクトでは、普及に向けて参加企業を拡大し、平成26年度の9企業・団体から、26企業・団体となりました。また、分析の対象エリアを全国に拡大するとともに、対象品目を小売業が扱う全商品に拡大しました。対象商品・エリアを拡大することで、知見やデータを集積し、企業データの解析・考察における相乗効果を生み出すことができました。

  平成26年度 平成27年度
参加団体数 9 26
対象商品(メーカー) 3品目 8品目
対象商品(小売り) 小売りが扱う全商品
地域 関東 全国

2.成果① 返品・食品ロス削減

平成26年度、当該プロジェクトにおいて解析に基づく気象予測の利用により生産活動を効率化できることを確認しました。平成27年度は、前年度の成果を用いて実際に生産量の調整を実施しました。その結果、食品ロス(食べられるのに廃棄されている食品)を、豆腐で約30%、冷やし中華つゆでは約20%弱圧縮(対前年比)することに成功しました。


商品 実証実験の成果
豆腐 約30%削減
冷やし中華つゆ 約20%弱削減

3.成果② 配送の効率化

日本気象協会の気温予測情報を利用することにより輸送計画を早期に決定できるようになり、ペットボトルコーヒーの配送手段をトラックによる陸上輸送から海上輸送へシフトすることができました。その結果、貨物1トンあたりの二酸化炭素を約48%削減することに成功しました。


商品 実証実験の成果
ペットボトルコーヒー モーダルシフトの実現
貨物1トンあたり二酸化炭素約48%削減
半年で二酸化炭素98.0トン削減

 4.成果③ 人工知能(AI)を活用した購買行動解析

人工知能(AI)技術を用いてPOSデータ、SNSデータ、気象データの解析を行い、需要予測モデルの高度化を進めました。その結果、以下の成果が得られました。

  • 小売店における全商品の売り上げデータと気象の関係を分析しました。それにより、気温との関連性が高く、企業において需要予測による効率化が見込まれる、優先カテゴリーとして、飲料・鍋物等があることが明確になりました。
  • 人工知能(AI)技術を活用した汎用的な需要予測モデルにより、小売店における来店客数予測の精度が従来の解析手法に比べて約20%向上しました。
  • Twitterの位置情報付きツイート情報から、人はどのような気象条件の時に「暑い・寒い」と感じるのかを分析し、より商品の需要に直結する、体感的な暑さ・寒さを表す体感気温を作成しました。

5.今後の予定

本プロジェクトが持続可能な取組となるように事業化を目指し、関係性強化と信頼性向上を図ります。

(1) 関係性の強化

平成27年度は製造業を中心に実証実験を行ってきましたが、今後は小売店の販売計画をメーカーに事前に共有することや季節商品の終売プロセスの最適化などを行うことにより、より一層食品ロス・返品の削減を進めます。

(2) 信頼性の向上

平成27年度に開発した人工知能(AI)を用いた需要予測手法をさらに高度化し、来店客数や気象の影響を受けやすい日配品の需要予測を行い、小売店の日々の発注業務に生かすなど、実際のオペレーションに活用する予定です。

※「平成26年度次世代物流システム構築事業」
我が国の最終エネルギー消費量の約2割を占める運輸部門の省エネルギー対策を進めるため、物流分野等で、効率化に向けた先行事業を行い、その成果を幅広く展開することで省エネルギー対策を進めることを目的としています。

担当

商務流通保安グループ流通政策課

公表日

平成28年4月25日(月)

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