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五庁共同声明2016(東京声明)に合意しました~第9回日米欧中韓五大特許庁長官会合の結果について~

本件の概要

日米欧中韓の五大特許庁(五庁)は、6月2日、東京において、第9回長官会合を開催しました。
今回の会合では、①ユーザーとの関係強化、②高品質で信頼性の高い審査結果の提供、③発展する新技術への知財庁としての対応、を今後の五庁協力の目指すべき方向性とする五庁共同声明2016(東京声明)に合意しました。また、五庁の審査関連情報の提供システムの基本機能の完成を報告するとともに、PCT国際出願の国際調査報告を五庁が協働して作成する枠組の試行開始に合意しました。

1.概要

五庁への特許出願(220万件(2014年))は、世界の特許出願件数(268万件(同年))のうち、8 割近くを占めています。
そのため、五庁は知的財産における世界的な取組をリードすべく2007 年より長官会合を継続して開催し、審査結果の相互利用・手続きの簡素化・審査の質の向上等の課題について、幅広い協力を行っており、今年で9 回目を迎えました。また、長官会合前日には五庁ユーザーとの会合も開催され、特許制度調和等について、積極的な意見交換が行われました。

2.第9回日米欧中韓五大特許庁長官会合の結果(概要)


(1) 五庁共同声明2016(東京声明)(概要)

五庁は、今後の五庁協力の目指すべき方向性として、三つの取組を掲げた五庁共同声明2016(東京声明)に合意しました。各取組の概要は以下のとおりです。

①ユーザーとの関係強化
五庁の取組に関する広報を拡大し、より広いユーザーの意見を取り入れるとともに、各庁のユーザーサービスの向上に向け、各庁のユーザーサービスのベストプラクティスを共有し、さらなる改善点の発見につなげる。

②高品質で信頼性の高い審査結果の提供
ワークシェアリングや品質、特許制度調和に関する取組の深化を通じ、五庁において、高品質で信頼性の高い審査結果を提供するための協力を強化する。

③発展する新技術への知財庁としての対応
IoTやAI等の新技術に対応するため各庁の協力を図る。このため、これらの新技術による影響について情報共有や意見交換等を進める。 

(2) 各プロジェクトの成果について

① 特許出願・審査関連情報(ドシエ情報)の提供
五庁において、ドシエ情報の提供システムの基本機能の完成(①五庁審査官への提供、②公衆提供、③WIPO-CASE※1との連携)を確認しました。更なるサービスの向上のためにユーザーから優先的な対応が求められている五項目※2について、それぞれの実施内容等が合意されました。

※1 WIPO-CASE:世界知的所有権機関(WIPO)が提供する、ドシエ情報共有ネットワーク。
出願書類や手続書類等のXML化、特許庁間での書類交換に関する実証実験、アラート機能、出願人名称の統一、リーガルステータス

②五庁によるPCT国際出願の協働調査の試行
ユーザーニーズや効果等の把握を目的として、五庁が協働して国際調査報告等の作成を行う枠組みの試行開始に合意しました。この枠組みによって、ユーザーがより一層グローバルに信頼性の高い調査報告等を得られるようになることが期待されます。

③ 特許審査ハイウェイ(PPH)
五庁ではIP5 PPHの試行期間の延長に合意しました。また、IP5 PPHの更なる利便性向上に向けて、申請様式の共通説明書を作成するとともに、各庁運用を整理し、その成果を五庁やPPHのウェブサイトに公表することに合意しました。

④特許制度調和
記載要件については、五庁で実施している仮想事例に関する事例研究の経過報告がなされ、今後も事例を追加し、事例研究の結果をもとに記載要件の調和の方向性を検討していくことで合意がなされました。また、発明の単一性については、まずはPCT国際出願の国際段階における運用調和を図ることで合意がなされました。さらに、先行技術の開示義務※3については、ITシステムを最大限活用しユーザーの負担を軽減する方向性に合意がなされました。

※3「先行技術の開示義務」:審査の参考資料として活用するために、出願人が有している先行技術文献情報について、情報開示を求める制度。迅速な審査や権利の安定化につながる。
 

3.今後の取組

特許庁は、五庁共同声明2016(東京声明)で合意した方向性に基づき、我が国を始めとする特許制度のユーザーにとって、国内外において高品質で予見性の高い権利取得を可能とするグローバルな特許制度の整備を進めていきます。

※参加者
日本国特許庁(JPO):伊藤長官 他
米国特許商標庁(USPTO):リー長官 他
欧州特許庁(EPO):バティステリ長官 他
中国国家知識産権局(SIPO):何副局長 他
韓国特許庁(KIPO):チェ庁長 他
 (オブザーバー)世界知的所有権機関(WIPO):ガリ事務局長 他 

担当

特許庁総務部国際政策課

公表日

平成28年6月3日(金)

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