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ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第12回会合(POPRC12)が開催されました

本件の概要

平成28年9月19日から23日にかけて、残留性有機汚染物質を国際的に規制するストックホルム条約による規制対象物質について検討を行う「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC)の第12回会合がイタリアのローマで開催されました。
本会合では、短鎖塩素化パラフィン(SCCP)について、条約上の廃絶対象物質(附属書A)への追加を締約国会議に勧告することを決定しました。
さらに、ジコホル、また、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質について、それぞれ規制対象物質に追加するための検討をさらに進めることを決定しました。
 

1.背景

「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」は、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の製造及び使用の廃絶や制限、その意図的でない生成による放出の削減等の規制に関する条約です。
 
条約対象物質への追加について検討する検討委員会(POPRC、加盟国の31人の専門家から構成)においては、加盟国から提案された物質について、①スクリーニング、②危険性に関する詳細検討(リスクプロファイル)、③リスク管理に関する評価の検討の3段階のプロセスを経て、締約国会議(COP)に勧告します。
 
COPでの決定の後、各加盟国は、対象物質について製造、使用等を規制することになります。我が国では、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」等によって規制します。
 

2.今回の会合での決定内容

POPRCの第12回会合(POPRC12)は、平成28年9月19日~23日、イタリアのローマで開催され、我が国からは、メンバーとして高月峰夫早稲田大学客員教授が、また、オブザーバーとして経済産業省・環境省の担当官、国内の専門家等が出席しました。POPRC12で決定した内容は、以下のとおりです。
 
(1) 条約対象物質への追加
①短鎖塩素化パラフィン(SCCP)(提案国:欧州連合)
【主な用途】難燃剤
リスク管理に関する評価を検討し、POPs条約上の位置付け(製造・使用等の「廃絶」及び「意図的でない生成」)について検討し、廃絶対象物質(附属書A)への追加を、SCCP以外の塩素化パラフィンに混入するSCCPの低減のための規制の必要性と共に、COPに勧告することを決定しました。また、リスク管理に関する評価の検討においては、COPにおいて途上国における必要性が明確にされれば特定の用途についての適用除外を設けることも選択肢であることが合意されました。
 
(2) 条約対象物質としての検討
①ジコホル(提案国:欧州連合)
【主な用途】殺虫剤※
リスクプロファイルを審議し、当該物質が長距離移動の結果、重大な悪影響をもたらすおそれがあるとの結論に達し、リスク管理に関する評価を検討する段階に進めることを決定しました。
※我が国においては、既にジコホルを化審法の第一種特定化学物質に指定し、その製造及び使用を禁止しています。
 
②ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質(提案国:欧州連合)
【主な用途】フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤等
リスクプロファイルを審議し、当該物質が長距離移動の結果、重大な悪影響をもたらすおそれがあるとの結論に達し、リスク管理に関する評価を検討する段階に進めることを決定しました。また、リスクプロファイルの審議においては、定義としてPFOAには直鎖のものだけでなく分岐鎖のものも含まれることを合意しました。日本のメンバーは、PFOA関連物質の定義の明確化に貢献しました。
 
(3) その他の検討
①デカブロモジフェニルエーテル(デカBDE)の個別の適用除外に関する検討
【主な用途】難燃剤
当該物質については、平成27年10月のPOPRC11において、自動車及び航空機用の特定の交換部品を適用除外にした上で廃絶対象物質(附属書A)へ追加をCOPに勧告することを決定し、また、適用除外対象となる交換部品を明確化するようPOPRC12で更に検討することを決定していました。
これを受けて、今回のPOPRC12において、産業界等からの情報に基づいて検討し、自動車については、駆動系部品、燃料系部品等の三つのカテゴリーを特定し、これらの交換部品及び航空機用の交換部品を適用除外の対象としてCOPに勧告することを決定しました。
 
②ヘキサクロロブタジエン(HCBD)の意図的でない生成による放出の削減に関する検討
【規制前の主な用途】溶媒(ただし、日本での用途は不明)※
当該物質については、平成25年のPOPRC9において、廃絶対象物質(附属書A)及び意図的でない生成による放出削減対象物質(附属書C)への追加をCOPに勧告することを決定していましたが、平成27年5月の第7回締約国会議(COP7)においては、 附属書 C への追加を見送り、POPRC において更なる評価を行うことを決定しました。
これを受けて、今回のPOPRC12において、締約国等から提供された当該物質の意図的でない生成による放出の発生源等の情報を検討した結果、塩素化炭化水素等の製造工程等におけるHCBDの意図的でない生成を確認しましたが、他方、その放出削減の費用対効果を懸念する向きもあると指摘しました。
※我が国においては、既にHCBDを化審法の第一種特定化学物質に指定し、その製造及び使用を禁止しています。
 
③ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)代替ガイダンスの改訂
【適用除外の主な用途】半導体用のエッチング剤・レジスト
附属書B(制限)に掲載されているPFOSについては、いくつかの用途に対して適用除外が条約上認められており、これらの適用除外用途においてPFOSを代替していくためのガイダンスをPOPRCが作成しています。
今回のPOPRC12においては、最新の情報に基づいてガイダンスを改訂し、平成29年の第8回締約国会議(COP8)に提出することを決定しました。
 
④臭素化ジフェニルエーテルの個別の適用除外の見直しに関する報告書
【適用除外の主な用途】以下のとおり
附属書A(廃絶)に掲載されているヘキサBDE及びヘプタBDE並びにテトラBDE及びペンタBDEについては、これらを含有する又は含有する可能性のある物品の再生利用等に対して適用除外が条約上認められており、COP8においてこれらの適用除外用途の見直しを行うこととなっています。
今回のPOPRC12においては、条約事務局が締約国から収集した情報をまとめた報告書について、内容を吟味し、COP8に当該報告書を提出することを決定しました。
 

3.今後の予定

今回及び前回会合の結果を受け、平成29年4月末から5月初めにかけてCOP8がスイスのジュネーブで開催される予定です。POPRC次回会合(POPRC13)は、平成29年10月にローマで開催される予定です。
 
【参考】関連するホームページ
POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)とは
ストックホルム条約ホームページ(英語)
 

担当

 製造産業局化学物質管理課

公表日

平成28年9月27日(火)

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