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30周年記念「WIPOハイレベルフォーラム」を開催しました~ジャパンファンドの協力の方向性について議論~

本件の概要

日本国特許庁(JPO)と世界知的所有権機関(WIPO)は、2月22-23日に千葉県浦安市でジャパンファンド30周年記念「WIPOハイレベルフォーラム」を開催しました。本フォーラムでは、開発途上国等から招待した54か国の約100名が一堂に会し、今後のジャパンファンドを通じた協力について議論を行いました。併せて、参加の知財庁等と会合を行い、ベトナム、トルコと今後の知財分野の協力に合意をしました。

1.結果概要

日本は、1987年からWIPOへ任意拠出金(ジャパンファンド)を支出し、アジア・太平洋及びアフリカ地域を中心とする開発途上国に対する知財面の協力を行ってきました。
今回、ジャパンファンドを創設してから30年が経つことを記念して、JPOとWIPOは「経済、社会、文化の発展のための知財制度の活用に関するWIPOハイレベルフォーラム」を2月22日-23日に千葉県浦安市で開催しました。本フォーラムに開発途上国等の54か国・機関から知財庁長官を含む約100名を招待し、各国の知的財産制度の進展や今後の共通課題を提示しながら、今後のジャパンファンドを通じた協力について議論しました。

(1)開会挨拶及び基調講演

21日のガリWIPO事務局長の世耕経済産業大臣への表敬を踏まえて、開会挨拶において、大串経済産業大臣政務官から、ジャパンファンドを活用した協力を全世界に広げ、拠出金額を協力地域や協力内容に見合う額に増額するよう取り組んでいくことが紹介されました。
続いて、宗像特許庁長官から、今後のジャパンファンドの協力の二つの方向性を提案しました。1つは、地域ブランドの形成と国際市場への展開を知的財産の面から協力すること、2つ目は、イノベーションの創出のための知財を活用した協力を提案しました。具体的には、イノベーション創出のために、(1)ゴールとしての「IP for Innovation」、(2)進むべき方向性を見定めるための「IP Intelligence」、そして、(3)これを支える「IP Literacy」の3つの柱を掲げ、議論を促しました。
次に、ガリWIPO事務局長の基調講演が行われ、近年の知的財産の動向やWIPOにおける幅広い開発協力が紹介され、これまでのジャパンファンドを通じたJPOの協力に謝意が示されました。

(2)各セッションの議論

  1. テーマI:時代の要請に応じた知財制度の変遷
    ブラジル、フィリピン、南アフリカ、スリランカから、各国の知財制度の進展や知財庁の業務の効率化への取り組みについて紹介がされました。各知財庁の業務のIT化によって業務効率が改善されているものの、依然として、審査の滞貨問題が課題である点や、知財制度を活用していくために、より一層の普及啓発が必要であることが示されました。
  2. テーマII:イノベーションを促進するための知財政策の新たな課題
    インド、メキシコ、シンガポール、モロッコから、イノベーション促進のための取り組みとして、知的財産エコシステムの確立、大学・研究機関による知財活用促進の環境構築、産学官連携、知財関連事業への融資などの紹介がありました。また、知財を活用するためには国際的な枠組みや協力が必要であることの認識が示されました。
  3. テーマIII:知財の保護と活用のための情報化施策
    エジプト、インドネシア、日本、ナイジェリアからIT技術を活用した各国知財庁の情報化の取り組みや知財情報の活用について紹介がありました。JPOからは、AI(人工知能)技術を活用した、機械翻訳や文献検索、そして知財情報から特定の分野の動向を分析する取り組みを紹介し、今後、各国への協力内容となりうることを示しました。
  4. テーマIV:知財制度発展のための人材育成
    タイ、トルコ、ARIPO(アフリカ広域知的財産機関)、OAPI(アフリカ知的財産機関)から各知財庁職員、大学、学生などの人材育成や教育について紹介がありました。また、新人審査官に対するJPOの研修機会の提供やジャパンファンドによる知財修士課程への支援などの活動が紹介されました。
  5. ラウンドテーブル 経済・社会・文化発展のための知財制度の活用と国際協力
    カメルーン、チリ、ケニア、マレーシア、モロッコ、パキスタン、サモア、セネガルから各国の取り組みが紹介され、知的財産制度の活用とそのための国際協力の在り方について議論が行われました。知財の保護に対する協力から知財を活用することに国際協力に対する各国のニーズが高まっていることが確認され、ジャパンファンドを通じた協力が拡大することに多くの国から賛同が得られました。

2.知財分野の協力強化

JPOは、本フォーラムに併せて各国知財庁と会合を行い、今後の継続的な協力関係について確認するとともに、今回以下の国と知財分野の協力で合意しました。

  1. ベトナム
    JPOは、ベトナム国家知的財産庁との間で、知的財産分野における協力に関する覚書に署名し、特許審査の迅速化と品質向上に向けた二庁間の協力体制の強化を図ることとしました。
  2. トルコ
    JPOは、トルコとの間で特許審査ハイウェイ(PPH)試行を開始することに合意し、その関係を一層強化することとしました。

3.今後の取組

今般のフォーラムにおける議論を通じて、知財庁の制度整備に引き続き協力しつつ、ジャパンファンドを通じて、知財が活用される環境を構築する協力や地域産品のブランディング化の協力など、新たな分野への開発途上国のニーズに対応した国際協力を推進してまいります。

担当

特許庁総務部国際協力課長 星野
担当者:中山
電話:03-3581-1101(内線 2574)
03-6810-7501(直通)
03-3581-0762(FAX)

公表日

平成30年2月26日(月)

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