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世界の石油化学製品の需給動向(対象期間2008~2021年)をとりまとめました

本件の概要

このたび、世界の石油化学製品の今後の需給動向に関する研究会において、エチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品等の石油化学製品について、2021年までの世界の需給(需要、生産能力、生産量)の動向をとりまとめました。

1.中国の石炭化学の動向等

  1. 中国の経済成長に伴い、年々拡大する内需を支える石油化学プロジェクトは、原油価格の高値時での計画後退を受け、石炭化学プロジェクトへシフトしたものの、石炭化学プロジェクトは、公表済みの約50件の計画(エチレン換算で約1.7千万トン)のうち、稼働済みのものを含め、2017年末までに19プロジェクト(同6百万トン)が実行される見込みです。
    しかし、原油価格の値下がりや中国国内の環境規制強化、原料メタノールのコスト高の影響により、CTO(CoaltoOlefin石炭由来オレフィン)やMTO(MethanoltoOlefinメタノール由来オレフィン)のナフサに対するコスト競争力が低下し、プロジェクトの実施は後退しており、今後どの程度実行されるかは不透明な状況です。
  2. 一方、エチレンの生産能力は、原料の多様化、環境問題等に対応する新規エチレンプラント構想が打ち出されるなど、ナフサクラッカーも含めた新増設計画の進展により、2.2千万トン(2015年)から3.6千万トン(2021年)まで増加する見込みです。
  3. プロピレンについては、PDH(プロパン脱水素法)による採算が確保可能との観測から、新規プロジェクトの急速な進行が見られ、生産能力は2.7千万トン(2015年)から4.0千万トン(2021年)まで増加する見込みです。

2.米国のシェール革命の影響

  1. シェールガス由来の新増設エチレンプロジェクトは、原油価格の値下がりによる優位性の低下や建設コストの上昇等の影響を受けるものの、ナフサに対する絶対的な価格競争力は変わらない状況です。
  2. シェールガス由来の新規プロジェクトの一部には、延期や中止による計画の遅れも見られますが、2017年秋までに新規エチレンプラントが稼働するのを皮切りに、今後、エチレン生産能力の増強が本格化する見込みです。その結果、エチレンの生産能力は2.9千万トン(2015年)から4.0千万トン(2021年)まで増加する見込みです。

 

3.世界の需要見通し

  1. 世界全体のエチレン系誘導品の需要量の伸び率は、堅調な中国内需とインド、ASEANの伸びに支えられ、引き続きアジアが需要の伸びを牽引し、2015年~2021年で年平均3.0%となる見通しです。
  2. プロピレン系誘導品についても同様に、世界の経済成長に応じて、引き続きアジアが需要の伸びを牽引し、2015年~2021年で年平均3.4%となる見通しです。

4.需給バランスのポイント

  1. エチレン系誘導品の需給バランスは、中国では石炭化学プロジェクトにおいて生産増加の動きが後退しているものの、新たなナフサクラッカーの新増設計画が進められ、生産能力が増加するが、それを上回る伸びで需要が増加し、2021年には需要超過幅が2.0千万トン(2015年1.7千万トン)に広がる見通しです。一方、中東では主にイランでの生産能力増加の影響から、2021年には2.1千万トン(2015年1.7千万トン)の供給超過になる見通しです。北米では輸出増を目的とした新規プロジェクトの稼働が続くと見込まれ、供給超過幅が2021年には1.3千万トン(2015年8.1百万トン)に広がる見通しです。
  2. プロピレン系誘導品の需給バランスは、中国ではPDHプロジェクト等の進展に伴い、需要超過幅は緩和し、2015年に4.7百万トン、2018年には2.3百万トンまで需要超過幅は縮小する見込みですが、その後は再び拡大し、2021年には4.3百万トンになる見通しです。

(注)なお、石油化学製品の需給バランスは、今後の世界経済の動向やプラント増設の進捗によって状況が変わりうる点について充分な留意が必要です。

担当

製造産業局素材産業課長 茂木
担当者:服部、梅宮
電話:03-3501-1511(内線 3731~40)
03-3501-1737(直通)
03-3580-6348(FAX)

公表日

平成29年6月28日(水)

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