経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

工業炉のエネルギー効率評価に関する国際規格が発行されました~日本発の低炭素工業炉の普及を目指して~

本件の概要

我が国の工業炉は、高温空気燃焼技術をはじめとする高い省エネ技術を有しており低炭素化が進んでいます(以下、「低炭素工業炉」)。経済発展に伴い、東南アジア等の近隣諸国における工業炉の需要が増加傾向にある中、日本の低炭素工業炉の国際競争力強化のため、省エネ性能を適切に評価できる仕組みが求められています。今般、日本から提案した、「工業炉のエネルギー効率の評価方法」が、国際規格として発行されました。これにより、日本発の低炭素工業炉の一層の輸出拡大が期待されます。

1.背景

近年、工業炉を使用する国内製造業の生産拠点の海外進出や東南アジア等の近隣諸国の経済発展に伴い、海外における工業炉の需要は増加傾向にあります。省エネ・地球温暖化対策の必要性、エネルギー価格の高騰等を勘案すると、高温空気燃焼技術をはじめとした高い省エネ技術を有する我が国の低炭素工業炉への潜在的ニーズが高いと考えられており、その省エネ性能を適切に評価する仕組みが求められていました。


図:工業炉のイメージ(出典:日本工業炉協会HP)
 

(※補足1:工業炉とは、主に金属、一般機械、電機・電子、ファインセラミックスを主体とする新素材、窯業、化学及び環境関連産業等で行われる溶解、製錬、各種処理、熱間加工、焼結、焼成、反応用加熱、産業廃棄物の焼却脱臭などの工程で用いられるもの。)

2.規格の概要とISO規格発行までの経緯

このため、平成27年2月に、日本から工業炉のエネルギー効率の評価方法に関する国際規格をISO(国際標準化機関)/TC244(工業炉及び関連設備)に提案しました。ISO/TC244は、(一社)日本工業炉協会が議長・国際幹事を務め、我が国が中心となって活動しています。
本規格についても、約2年半にわたり、我が国の工業炉メーカー・北海道大学等のメンバーが積極的に議論に参画し、カナダ、中国、ドイツ、インド、イタリア、韓国等の諸外国の専門家と議論・調整を重ねてきた結果、平成29年8月に正式に発行されました。

今回、発行された国際規格(ISO 13579-11:工業炉及び関連処理機器-エネルギー勘定の測定及び効率の計算方法-第11部:様々な効率性の評価)の主なポイントは、以下の通りです。

  • 工業炉の省エネルギー対策の実施に重要となる効率指標を規定した。
  • 新たに規定された効率指標を用いた省エネルギー対策評価の実例及びその有用性について記載した。
  • 従来の熱効率(エンタルピー効率)に加えて、近年新しい指標として用いられているエネルギーの質を考慮する「エクセルギー効率」を新たに規定するともに、エクセルギー効率とエンタルピー効率の考え方の違いを具体例を用いて本規格の付属書に記載し、工業炉の効率評価の選択肢を広げた。

(※補足2:エクセルギーとは、周辺と平衡になるまでに仕事に変換できる理論的な最大エネルギーであり、「有効エネルギー」とも呼ぶ。)

3.今後の取組

これまで蓄積した実証データ、本規格に準拠したエネルギー収支表や効率評価が可能となる効率評価ツールソフトウェアを用いながら、日本の省エネ性能に優れた低炭素工業炉の東南アジア諸国等での普及を促進し、海外市場の拡大と世界のエネルギー消費の削減に取り組みます。

※今回発行された国際規格は、経済産業省の委託事業であるエネルギー使用合理化国際標準化推進事業委託費(工業炉の各種効率評価に関する国際標準化・普及基盤構築)の成果の一部によるものです。

担当

産業技術環境局 国際標準課長 藤代
担当者: 佐野、岡本
電話:03-3501-1511(内線 3426~7)
03-3501-9283(直通)
03-3580-8625(FAX)

公表日

平成29年9月14日(木)

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.