経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

光触媒の新たな性能評価法に関する国際標準が発行されました~戦略的な国際標準化を通じた、日本製品の市場拡大を目指して~

本件の概要

我が国メーカーが優れた技術を有する光触媒の市場拡大には、可視光応答型光触媒の普及が不可欠です。今回、NEDOプロジェクトの研究開発成果を基に、ISO(国際標準化機構)に日本から提案した、「可視光応答型光触媒の性能評価方法-アセトアルデヒド分解」が、国際標準(ISO19652)として発行されました。これにより、光触媒製品の性能を適切に評価できる環境が整備され、光触媒製品の国内外への普及と国際競争力の強化が期待されます。

1.背景

光触媒(主に酸化チタン(TiO2))は、光を照射することで酸化・還元作用が働き、空気浄化・脱臭、抗菌、抗かび、抗ウイルス、セルフクリーニング等の様々な効果を発現させることができるため、建材等に応用されています(図1)。特に、最近では室内環境問題への関心の高まりもあり、室内における光触媒の利活用が進みつつあります。
しかしながら、紫外線のみに応答する従来の光触媒では十分に効果が発現しないことから、室内に多く含まれる可視光を利用した「可視光応答型光触媒」の研究開発がNEDOプロジェクトの一環で進められ、その成果として、実用的な可視光応答型光触媒が製品化されるに至りました。
また、可視光応答型光触媒の機能別の性能評価方法の国際標準が体系的に整備されていなかったことから、研究開発と一体的に国際標準化活動を進めてきました(別紙)。


図1 光触媒の応用事例

2.規格の概要とISO規格発行までの経緯

平成25年12月に、JIS R1757 (ファインセラミックス-アセトアルデヒドを用いた可視光応答形光触媒の完全分解性能試験方法)を基に、光触媒に関する国際標準原案を作成し、日本からISO/TC206(ファインセラミックス)/WG9(光触媒)に提案しました。当該TC及びWGでは、日本から国際幹事・コンビナを輩出しており、我が国が中心となって活動しています。
本規格は、我が国の光触媒メーカー、大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所等のメンバーが議論に参画し、専門家との議論・調整を重ねてきた結果、平成30年3月23日に正式に発行されました。

今回、発行された国際標準(ISO 19652:ファインセラミックス-アセトアルデヒドを用いた屋内照明環境下での光触媒の完全分解性能試験方法)の主なポイントは、以下の通りです。

  • これまで国際標準が制定されていなかった可視光応答型光触媒の有害物質の分解性能の試験方法について規定した。
  • 具体的には、可視光応答型光触媒の室内照明環境下での酸化分解能力の試験対象にアセトアルデヒドを選択し、「完全分解性能」を評価指標とすることにより、客観的かつ再現可能な試験方法を規定した。 等

3.今後の取組

本規格の発行により、海外市場において日本の可視光応答型光触媒製品の性能を適切に評価できる環境が実現すると共に、光触媒製品の国際競争力の強化が期待されます。
また、特にアジアでの標準化や産業化を促進するため、アジア光触媒標準化委員会(CASP)や北東アジア標準協力フォーラム(NEASF)の枠組も活用しながら日本発の国際規格の開発を行っており、現在、実環境を考慮した光触媒の抗菌性能試験方法に関する国際標準化についても日本が主導となって取り組んでいます。こうした取組を通して、光触媒製品が世界に普及し、国連SDGs目標の2030年までに大気汚染の減少や都市環境の悪影響の軽減等にも貢献することが期待されます。

※今回発行された国際規格は、「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト(NEDO)」等の成果の一部によるものです。

担当

産業技術環境局国際標準課長 藤代
担当者:新海
電話:03-3501-1511(内線 3426~7)
03-3501-9283(直通)
03-3580-8625(FAX)

公表日

平成30年4月2日(月)

関連資料

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.