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伊藤レポート2.0「バイオメディカル産業版」(バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会報告書)を取りまとめました

本件の概要

経済産業省は、グローバルに活躍するバイオベンチャーの創出を通じて、いち早く世界中の患者の皆様に治療法を届けることを目的とし、2017年11月に「バイオベンチャーと投資家の対話促進研究会」を立ち上げました。(1)創薬型ベンチャーと投資家の価値協創ガイダンス策定、(2)創薬・バイオをはじめとする研究開発投資先行型企業の視点からみた新興市場の課題整理、に向けて検討を行った結果として、伊藤レポート2.0「バイオメディカル産業版」をまとめました。

1.背景・趣旨

創薬型ベンチャーが医薬品を上市し成功するためには研究開発を支える資金調達が重要です。これまでも、創薬型ベンチャーの資金調達面の課題が議論されていますが、その多くは上場前の資金調達環境の改善が主眼となっていました。
他方で、成功例が次々と創出される米国の創薬型ベンチャーの資金調達環境をみると、上場後も1社平均10 年間の赤字期間が継続しているものの、1社平均350 億円程度を株式市場(機関投資家が中心)から調達し成長しています。
日本に目を転じると、新興市場に上場後の創薬型ベンチャーの時価総額は、欧米のみならず、中国・韓国よりも小さい状況です。上場後も研究開発投資が先行し、売上や利益が早期に計上されない中で、機関投資家による評価が困難であることを1つの要因として、柔軟かつ機動的な資金調達ができない状況にあります。
創薬型ベンチャーの目的は上場ではなく、いち早く医薬品を上市し、患者の皆様に適切な治療法を届けることです。本報告書は、(1)創薬型ベンチャーと投資家の対話を促進する共通言語の策定、(2)新興市場の現状と課題の提示の2点を通じて、上場後も含めた資金調達環境の改善に向けた方向性を示しています。

2.創薬型ベンチャーと投資家の価値協創ガイダンス(概要)

本ガイダンスは、経済産業省が2017年5月に公表した「価値協創のための総合的開示・対話ガイダンス」を、バイオメディカル産業の特性を考慮して再構築したものです。(1)創薬型ベンチャーが、機関投資家等の理解を得るために示すべきポイントを明確にすること、(2)機関投資家等に、創薬型ベンチャーの産業特性を踏まえ、企業が示すポイントの評価軸を提供すること、を目的として策定しています。
具体的には、業種特性を踏まえつつ、創薬型ベンチャーの成長ステージに応じて、機関投資家等との対話に有益となる内容を列挙しています。全ての上場創薬型ベンチャーに共通の対話項目として、(1)価値観、(2)ビジネスモデルと開発戦略、(3)成長を加速する経営体制の3点を挙げ、また、臨床開発後期以降の開発品を有する場合には、上記(1)~(3)に加え、(4)ビジネスモデルと出口戦略を、医薬品上市後の安定成長期に至った場合には、上記(1)~(4)に加え、(5)持続可能性・成長性や(6)ガバナンスといった、他産業と共通の対話項目を構成しています。

3.創薬・バイオなどの研究開発型企業の視点からみた新興市場の課題(概要)

上場後の資金調達環境改善のためには、企業と機関投資家等の対話促進と同時に、企業が新興市場で健全に成長し、機関投資家等にとって魅力的な投資対象となる必要があります。一方、日本の新興市場では、財務指標を基準とする上場制度や、パッシブ運用の拡大、TOPIX と連動した機関投資家の資産運用の下、創薬型ベンチャーは短期的な売上高や利益の確保に奔走し、製薬企業への早期ライセンスアウト等により中長期的な企業価値を毀損してしまうといった側面もあります。こうした点も踏まえ、本報告書は、新興市場の現状、課題と今後の方向性を示しています。

<新興市場の現状を示す3つの事実>

  1. 国内創薬型ベンチャーの時価総額は、米欧のみならず、中国・韓国よりも小さい
  2. 新興市場の上場廃止基準により、米国創薬型ベンチャーの多くが上場廃止(※)
    (※)ジャスダック(利益基準)で約8割、マザーズ(売上高基準)で約35%が廃止に
  3. 国内創薬型ベンチャーは個人投資家比率が高く、国内外の機関投資家は敬遠

<新興市場の3つの課題と方向性>

  1. 創薬等の赤字先行型の研究開発企業の成長に資する上場制度の必要性
    上場基準、上場廃止基準等のあり方の検討、資金調達の円滑化・多様化
  2. 新興企業を支える国内外の機関投資家の必要性
    国内機関投資家(クロスオーバー/アクティブ)の増加、海外機関投資家の呼び込み、新興企業を対象とする資金供給の増加を促す仕組み
  3. 新興企業と機関投資家をつなぐ機能の必要性
    新興企業を対象とするアナリストの増加や指数(インデックス)の創設

4.今後の方向性

本報告書は、国内外の創薬・バイオベンチャーや機関投資家等との意見交換を踏まえ、今年度中に「フォローアップ研究会」を開催し改善や施策の検討を行う予定です。

担当

(本発表資料のお問合せ先)
商務・サービスグループ 課長 上村
担当者:前田、北角、神里
電話:03-3501-1511 (内線 3741~7)
03-3501-8625 (直通)
03-3501-0197 (FAX)

公表日

平成30年4月27日(金)

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