第4回意匠五庁(ID5)会合が開催されました

五庁は新技術意匠の保護強化を目指します

2018年11月7日

特許庁

日本国特許庁、米国特許商標庁、欧州連合知的財産庁、中国国家知識産権局、韓国特許庁の「意匠五庁(ID5)」は、第四次産業革命を背景とした新技術意匠の保護強化を共に目指すとする、「ID5共同声明」を採択しました。
また、意匠制度の国際的な協調や利便性向上に資する取組を、新たに開始します。

1.背景

経済の急速なグローバル化と製品のコモディティ化を背景に、国際的な競争力獲得におけるデザインの重要性がますます高まっています。差別化に資する魅力的なデザインは模倣の対象ともなりやすいため、世界中で安定した意匠権を速やかに保護し、安心して活用できる環境を整える必要があります。

意匠五庁(ID5)は、日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州連合知的財産庁(EUIPO)、中国国家知識産権局(CNIPA)、韓国特許庁(KIPO)による意匠分野の国際的な協力の枠組として、2015年に創設されました。世界の8割以上の意匠登録出願を扱う五庁が、相互理解を深め、国際的な協力関係を強化していくことを目的としています。

2.今回会合の主な成果

今回の第4回年次会合では、意匠保護に関する国際協力の強化と将来的な制度運用の国際調和、利便性の向上にもつながり得る、以下の成果を得ました。

  1. 新技術意匠の保護強化
    ID5は、GUIに代表されるデジタル技術由来の新しいデザイン等(新技術意匠)の保護に関する実務、意匠の保護要件、部分意匠、グレースピリオドに関する五庁の制度比較調査結果等を取りまとめるとともに、「ID5ユーザーセッション」を開催し、これらの調査結果について、五庁の意匠制度ユーザーへ情報共有を行いました。

    特に、新技術意匠の保護については、第四次産業革命の進展を背景にその利用が拡大する中、ID5は、新技術意匠の保護強化を共に目指すことについてまとめた「ID5共同声明」を採択しました。また、ユーザーセッションでは、五庁ユーザー代表からの発表も交え、多様化する新技術意匠の保護の重要性や制度運用の国際協調に向けた要請が多くなされるなど、五庁とユーザーとの間で活発な議論が行われました。

  2. 意匠制度の国際協調に向けた新たな取組
    ID5は、意匠制度の国際的な協調や利便性の向上に資する、6つの新たな協力プロジェクトを採択しました。
    ・3Dプリンティングと意匠保護に関する研究
    ・意匠データ資源(非特許文献)に関する研究
    ・品質管理に関する研究
    ・新規性審査におけるインターネット情報の証拠性に関する研究
    ・侵害時の救済手段に関する研究
    ・ID5推奨意匠実務に関する研究

    中でも、意匠登録出願手続(方式要件)の国際的な調和の実現に向けて、現在、世界知的所有権機関(WIPO)での条約採択に向けた検討が停滞している意匠法条約(DLT)草案について、ID5がこれを国際的に推奨していくためのプロジェクトを立ち上げ、今後、JPOとUSPTOが、その議論を主導していくこととなりました。

  3. 五庁協力の更なる発展
    2019年におけるID5会合は日本開催とし、事務局をJPOとすることが決定しました。2019年は、ID5の開始から5年目という節目の年に当たります。今次会合では、我が国から、五庁協力の更なる発展についての提案を行いました。2019年の会合では、これまでの五庁協力の成果を踏まえつつ、国際協調や権利の質的向上に向け、更なる協力の方向性についての検討を行う予定です。

3.今後の取り組み

JPOは、我が国の優れた意匠が世界でより適切に保護、活用されるための環境の整備に向けて、五庁間の連携を緊密にしながら、引き続き取組を進めて参ります。

関連リンク

担当