消安法第2条第4項において、『製品事故』とは、消費生活用製品の使用に伴い生じた事故のうち、
のいずれかに該当するものであって、消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のもの(他の法律の規定によって危害の発生及び拡大を防止することができると認められる事故として政令で定めるものを除く。)と規定されています。
「消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のもの」とは、製品の欠陥によって生じた事故でないことが誰の目から見ても明々白々な事故は、この法律における製品事故には該当しないということです。
例えば、
については、消安法の製品事故には該当しません。ただし、この「消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のもの」には、製品の欠陥によって生じた事故は勿論ですが、製品の欠陥によって生じた事故か不明なものも、消安法における製品事故に含まれることを意味しますので十分に注意が必要です。
他方、「消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故」かどうかを判断することは極めて難しい場合があります。例えば、消費者による消費生活用製品の誤使用や目的外使用によって引き起こされた事故は、それが本当に製品の欠陥によって生じた事故ではないことが明白な事故か否か、極めて慎重に個別の事故事例で判断することが求められ、事故原因を安易に消費者の過失であると結論付けることは避けなければなりません。
例えば、ホームセンターで売られている比較的安価なシュレッダーにおいて、家庭で子供の手指を切断するといった事故がありましたが、これを単に使用者の誤使用(過失)と判断して、消安法の製品事故ではないと結論付けることは極めて早計な判断であり不適切です。
なぜなら、メーカーは、個人情報保護法の施行などを背景に、家庭でのシュレッダーの需要が増加していることを知って、家庭で使用されていることを把握していながら、製品の仕様(投入口の幅や投入口から刃の位置)については業務用の仕様を改めることなく、子供などがいる家庭での使用を考慮した設計・製造の変更をせずに売り続けました。この結果、投入口が幅広で、また、刃の位置も子供の手でも十分届く位置にあり、また、投入口の材質が柔らかく、たわんで指が入るなど、製品の欠陥がないことが明白とは必ずしもいえません。したがって、こうした事例は、消安法における製品事故に該当すると判断することとなります。
安易に、子供の行動を常に監視していない使用者(親)の誤使用であると結論付けることは、適切な判断とはいえません。
また、製品の欠陥については、民事上の賠償ルールである製造物責任法(PL法)と、国による安全規制である消安法とでは、その捉え方に若干の違いがあります。すなわち、製造物責任法(PL法)においては、製品の出荷時における技術水準等を考慮して、当該製品が通常有すべき安全性を欠いていることを「欠陥」と捉えているのに対して、消安法においては、製品の不具合が生じた時点において、当該製品が通常有すべき安全性を欠いていることを「欠陥」と捉えています。
なお、欠陥の類型としては、一般的に、
が含まれます。