第1章 世界経済の成長メカニズムと不均衡問題 

(2)外貨準備の運用4

 急速に拡大している外貨準備は、どのように運用されているのであろうか。IMF等のデータにより通貨別の運用構成比や証券運用の比率を確認することができる(第1-5-8表、第1-5-9表)。東アジアの国・地域が多く含まれる発展途上国の通貨別運用構成比は、2003年で米ドル建てが59.3%と6割近く保有されていることが分かる。加えて、近年はユーロ建ての比率の上昇も確認される。次に、証券運用の比率を見ると、東アジア諸国・地域の外貨証券での運用の割合は、6〜9割と比較的高いことが分かる。
 こうしたことから、外貨準備はその準備資金としての性格もあり、主として米国債をはじめとした安全性・流動性の高い米ドル建ての資産で運用されていると考えられる。第1-5-10表は、米国財務省証券の海外保有分の国別内訳である。2004年の数値を見ると東アジア7か国・地域合計で1兆1,291億ドルと2000年時点の倍以上の水準となっている。公的部門による保有が世界平均と同じく約6割と仮定すると約6,800億ドルもの巨額の資金が、米国の財務省証券の運用に費やされていることになり、この中には、外貨準備の運用資金も相当程度含まれていると考えられる。
 以上のように、外貨準備の運用を見ると、経常収支黒字により獲得した資本が外貨準備を通じて、米国の財務省証券等の安全性・流動性の高い低リスク資産に投資されていることが考えられ、結果的に米国の経常赤字をファイナンスしているとの見方もある。また、このことは先述した国際資本フローから見られる傾向とも整合的である。

 
第1-5-8表 外貨準備の通貨別構成比率の推移

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第1-5-9表 東アジア各国・地域の外貨準備に占める外貨証券の比率(2004年末)

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第1-5-10表 東アジア諸国・地域の米国財務省証券保有高推移

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4 清水・村田(2005)。


 第5節 世界経済が抱える「不均衡」

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