第1章 国際経済の動向と構造変化 

(1)サービス経済化の進展

 経済発展に伴って経済活動の重点が農林水産業(第一次産業)から製造業(第二次産業)、非製造業(サービス業、第三次産業)へと移る現象は「ペティ=クラークの法則」18として知られており、実際の国際経済でも先進国を中心にサービス経済化の進展が見られる。経済的な発展を遂げつつある途上国では、先進国ほどに明らかではないものの、今後サービス化の動きは加速するものと考えられる19

18 〔1〕第一次産業に比して第二次産業の収益が高く、第二次産業に比して第三次産業の収益が高いことから、より収益の高い産業へ労働力が移動すること、〔2〕経済の発展に伴い、一定程度モノが行き渡ると食料品や工業品といった第一次・第二次産業の生産品の需要は飽和し、第三次産業が提供する各種サービスの需要が増加すること、といった要因から経済活動の重点が、順次、第三次産業へ移っていくことを示した。
19 なお、東アジア諸国・地域のサービス経済化については第2章第1節で分析する。


 第三次産業がGDPに占める割合20は先進諸国では60%を超え、世界全体でも増加基調を示している(第1-1-31図)。特に急速な経済成長を続ける中国では、早いペースでのサービス経済化が見られている。また、雇用面での第三次産業の重要性も同様に増加しており、第三次産業の経済に占める重要性は増している(第1-1-32図)。

21 製造業の中間財投入に占めるサービス業のシェアなどは第2章第1節で分析する。

 
第1-1-31図 各国・地域の実質GDPに占めるサービス産業の付加価値割合
第1-1-31図 各国・地域の実質GDPに占めるサービス産業の付加価値割合
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第1-1-32図 各国・地域の雇用者に占めるサービス産業の割合
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 生産性の観点からも、サービス業の一人当たり付加価値額は先進国を中心に上昇している(第1-1-33図)。各国にとってサービス・セクターの生産性の向上は、経済全体の生産性を左右する大きな課題となっている。
 
第1-1-33図 各国・地域のサービス産業の生産性推移
第1-1-33図 各国・地域のサービス産業の生産性推移
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 第1節 リスクをはらみつつも着実な成長を続ける国際経済

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