第2章 「アジア・ダイナミズム」と国際事業ネットワークの形成 

(1)中国とASEAN4の為替制度及び為替レートの動向

 中国は、1994年1月から2005年7月21日まで、人民元の対ドル95レートの変動幅を±0.3%以内とする管理変動相場制度を採用96したが、1997年末からは、おおむね1ドル8.2765元に固定する実質的なドルペッグ制となっていた。2005年7月21日に通貨バスケットを参照する為替制度への移行後も、対ドルレートは安定して推移している。

95 以下の分析で「ドル」は米ドルを指す。
96 中国政府では1991年に管理変動相場制度への移行を宣言したが、公定相場と外貨調整センター相場(外貨を売りたい企業と外貨を買いたい企業との仲介を行う市場)の併存する実質的な二重相場制となっており、1994年に為替相場を一本化し、30%近く公定為替レートの切り下げが行われている。


 フィリピンを除いたASEAN4各国では、中国と同様、アジア通貨・経済危機前は実質的なドルペッグ制を採用していた。しかしながら、実質的なドルペッグの下での急激な資本流入と流出がアジア通貨・経済危機の原因になったとの認識から、タイやインドネシアは資本移動規制を最小限とする一方で為替制度を柔軟化し、マレーシアでは資本流出入を厳格に規制した上で、対ドルレートを安定させる固定相場制へと移行した。こうした為替制度の差異等もあり、アジア通貨・経済危機以降のASEAN4各国の通貨を対ドルレートで見ると、マレーシアは安定、フィリピンでは減価、インドネシア、タイでは増価傾向にある(第2-3-65図、第2-3-66図)。
 
第2-3-65図 アジア各国の為替制度
第2-3-65図 アジア各国の為替制度
 
第2-3-66図 アジア各国通貨の対ドルレート
第2-3-66図 アジア各国通貨の対ドルレート
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 第3節 国際事業ネットワーク形成における進出先としての中国とASEAN4の経済環境と投資・事業環境

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