第3章 「持続する成長力」のために取り組むべき課題 

1.拡大する我が国の所得収支

(1)我が国の所得収支の動向

 近年、我が国の所得収支は黒字幅を拡大し、最高額の記録を更新し続けている。2005年の所得収支は前年比22.7%増の11兆3,817億円に達した。足下の所得収支の増加は、〔1〕海外金利の上昇と国内金利の低迷による内外の金利差拡大要因、〔2〕近年の我が国企業の海外子会社の好業績、等を反映したものである。なお、原油価格の高騰による貿易黒字減少の影響もあり、2005年には初めて我が国の所得収支が貿易収支を上回った2(第3-4-1図)。

2 年度ベースでも、2005年度の所得収支は貿易収支を初めて上回った。

 
第3-4-1図 日本の貿易収支と所得収支の推移
第3-4-1図 日本の貿易収支と所得収支の推移
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 我が国の所得収支を、対外投資の先進国である英国、米国と比較すると、総額では我が国の所得収支は約1,033億ドル3(2005年)であり、499億ドル4(2005年速報値)の英国、16億ドル(2005年速報値)の米国5を上回って、世界一の規模となっている(第3-4-2図)。

3 年平均レート(1ドル=110.22円)で換算。
4 年平均レート(1ポンド=1.8204ドル)で換算。
5 米国の所得収支は、米国金利引上げによる所得支払の増加により、2003年の463億ドルから2004年の304億ドル、2005年(速報値)の16億ドルと急減している。

 
第3-4-2図 日米英の所得収支額の推移
第3-4-2図 日米英の所得収支額の推移
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 一人当たり所得収支額については英国の838.8ドル6(2005年速報値)をわずかに下回るものの、米国の5.3ドル6(2005年速報値)を大きく上回り、807.3ドル6(2005年)となっている(第3-4-3図)。

6 人口については2005年の数値が未出であることから、IMFの2004年の推計値を使用した。

 
第3-4-3図 日米英の一人当たり所得収支の推移
第3-4-3図 日米英の一人当たり所得収支の推移
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 また、所得収支の対GDP比では、我が国は2.26%(2005年)であり、米国の0.01%(2005年速報値)は大きく上回っているものの、英国の2.27%(2005年速報値)とおおむね同水準にある(第3-4-4図)。
 
第3-4-4図 日米英の所得収支(対名目GDP比)の推移
第3-4-4図 日米英の所得収支(対名目GDP比)の推移
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 第4節 「投資立国」の実現に向けて 〜「単線的」構造から「複線的」構造へ〜

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