第4節 グローバル化活用による生産性向上と「投資立国」実現による「持続する成長力」の構築
(グローバル化をいかした生産性向上と「投資立国」実現による「持続する成長力」)
グローバル化をいかした生産性の向上と「投資立国」実現による所得収支の拡大によって、相応の「可処分所得」を稼ぎ出していくための「持続する成長力」を備える―これが、大きな時代変化の中、我が国の未来のために進むべき道である。
もちろん、言うは易く行うは難い。私たちは、グローバル化の姿を的確につかみ、アジアのダイナミズムを取り込んでいくための「知恵」とともに、環境変化に対応して「持続する成長力」を身につける自己改革の「実行力」を持たなくてはならない。
「持続する成長力」に向けて 〜グローバル化をいかした生産性向上と「投資立国」〜
(全体の構成)
このような立場から、具体的に、第1章から第3章では、以下のような分析・議論を展開していく。
第1章では、国際経済の最近の動向を概観した上で、国際資本移動を中心としたグローバル化等の国際経済の構造変化について分析を加える。特に、国際資本移動の活発化については、国際的な経常収支不均衡拡大や原油価格上昇に伴う新たなオイルマネーの動向等といった視点から検討を行う(あわせて、それぞれのリスクとしての側面についても分析を行う)。
第2章では、アジアに着目する。高い経済成長を続けているアジアのダイナミズムの実相を明らかにしていくが、特に日本企業の国際事業ネットワークの形成の進展について多角的に分析を加えていく。そこでは、従来の「雁行型」、「垂直分業」といった姿ではなく、むしろ「水平的なアジア」への移行の姿が描かれる。また、日本企業の進出先として重要な中国とASEAN4(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン)の現状について分析を深める。
第3章では、我が国を取り巻く環境変化を適切に活用し、我が国が「持続する成長力」を実現するために求められる取組の方向性について検討する。具体的には、〔1〕企業活動の場(フィールド)の自由化・調和・安定化と事業拠点間を結ぶ「ビジネスコスト距離」の短縮等を通じた国際事業環境整備の推進、〔2〕生産性向上を伴う対内直接投資の拡大、〔3〕人的資本の整備と活用、〔4〕「複線的」構造に立脚した「投資立国」に向けた取組、の4点について議論を展開する。
(モデルとしての日本)
なお、我が国が、グローバル化を活用して生産性を向上させ、また「投資立国」実現により所得収支の拡大を実現することで「持続する成長力」(少子高齢化の下でもGDP成長を続け、また、所得収支を増加させていく力)を構築することは、独り我が国のためだけになるものではない。
今後、アジア諸国を含めて少子高齢化が進展していくと予想される中、グローバル化をいかした生産性向上と「投資立国」実現による所得収支の拡大は、世界各国に対して新たな成長モデルを提示することになる可能性がある。
第4節 グローバル化活用による生産性向上と「投資立国」実現による「持続する成長力」の構築 |