(3)拡大する対外純債務残高  経常収支赤字の悪化を受けて、米国の対外純債務残高は拡大を続け、2005年末には過去最大の2兆5,462億ドルを記録した。一方、対外純債務残高の対名目GDP比を見ると、2003年末以降2005年末までは減少傾向にある(第1-2-9図)。対外純債務残高の対名目GDP比が減少傾向にある要因としては、〔1〕米国の対外債務の大半がドル建てである一方、対外資産の過半が外国通貨建てであるため4、2002年以降続くドルの減価傾向の中で、ドル建てで見た米国の対外資産の評価額が増加していること、〔2〕株式等米国が保有する対外資産の評価額が上昇していること、〔3〕所得収支が黒字を計上していることなどが挙げられる(第1-2-10図)。 4 Roubini and Setser (2004), "The US as a Net Debtor: The Sustainability of the US External Imbalances".   第1-2-9図 米国の対外純債務残高の推移 第1-2-10図 対外純債務残高の対名目GDP比(対前年増減)の変動要因分解  しかしながら、〔1〕2005年以降ドルの名目実効為替レートは横ばいに転じていること、〔2〕貿易収支は引き続き悪化を続けていること、〔3〕株価等米国の対外資産価格が長期的に上昇し続けるとは考えにくいこと、〔4〕2005年以降2年連続で所得収支黒字幅が減少していることにかんがみれば、今後、対外純債務残高の名目GDP比が増加することが懸念されることから、米国は、貿易赤字を一定程度縮小させることで、その抑制を図ることが必要である(第1-2-11図)。 第1-2-11図 ドル実効為替レート、英国・ドイツ株価指数の推移