第1章
困難に直面する世界経済と「50億人」市場による新たな発展の展望
第1節
 世界経済の現状


3 資源・食料価格の上昇とインフレ圧力
(1)世界的な資源・食料価格の上昇
 2000年前後から、原油、石炭、鉄鉱石、銅などの国際取引価格が世界的に高騰しており、2000年4月から2008年4月で、原油が4.4倍47、鉄鉱石48及び石炭49が4.9倍、銅が5.2倍にそれぞれ高騰している(第1-1-33図)。また、食料についても、同期間でとうもろこしが2.6倍、大豆が2.4倍、小麦が3.4倍、米が4.7倍にそれぞれ高騰している(第1-1-34図)。

47 世界の代表的な価格指標であるWTIの価格は、2008年に入って、1バレル当たり100ドルを突破した後、5月21日には133ドル/バレルの史上最高値を記録した(2008年5月30日現在)。
48 鉄鉱石価格は、年に一度、供給側(大手資源メジャー数社)と需要側(日本、EU等の大手鉄鋼メーカー各社)の交渉によって決定されており、2003年以降は毎年価格が上昇している。特に、2005年と2008年には平均で前年比1.7倍という大幅な価格改定が行われた。
49 石炭のうち、発電用の一般炭スポット価格は、2003年末から高騰し、その後も高止まりした後、2007年以降再び大幅に高騰している。製鉄用の原料炭価格も同様に高騰している。
 
第1-1-33図 国際資源商品価格の推移(2000年4月〜2008年4月)
第1-1-33図 国際資源商品価格の推移(2000年4月〜2008年4月)
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第1-1-34図 主要穀物、大豆の国際価格の推移(2000年4月〜2008年4月)
第1-1-34図 主要穀物、大豆の国際価格の推移(2000年4月〜2008年4月)
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(2)資源・食料価格高騰の諸要因
 国際的な資源・食料価格高騰の要因として、〔1〕アジア等新興国の需要が急増していること、〔2〕国際金融・資本市場から巨額の投機資金・投資資金が商品市場に流れ込んでいることなど様々な要因が挙げられる。特に、近年の急激な価格高騰は、〔2〕の投機資金・投資資金の流入が大きな役割を果たしていると考えられる。
 第1-1-35図は、国際商品である原油及び銅の各価格変化を、需給バランスで説明できる部分(在庫量の変動による価格)と需給バランスで説明できない部分(プレミアム)に分解したものである。これを見ると、近年、いずれの商品も在庫量の変動による価格が上昇傾向にある中、実績値がそれを上回って上昇している。需給バランスだけでは説明しきれない要因によって、価格が高騰していることがうかがえる。
 
第1-1-35図 原油及び銅価格の変動要因
第1-1-35図 原油及び銅価格の変動要因
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 一方、農産物である小麦及びとうもろこしについては、第1-1-36図のとおり、世界全体の期末在庫の予測値の変動のみで説明できる部分の価格が上昇傾向にある中、天候変動による作柄予測や輸出国の輸出規制などの様々な需給要因と投機資金等のテクニカルな要因が複合的に影響して(図中プレミアム部分)、実績値がそれを大きく上回って上昇している。
 
第1-1-36図 小麦及びとうもろこし価格の変動要因
第1-1-36図 小麦及びとうもろこし価格の変動要因
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(供給が停滞する中での、新興国を中心とした資源需要の拡大)
 原油需要の国・地域別内訳を見ると、米国をはじめ先進国の原油需要はこの数年間減少若しくはわずかな増加にとどまっている中で、世界の需要増加のほとんどが中国を始めとする新興国の需要増加で占められている(第1-1-37図)。銅や粗鋼の各国・地域別の消費量も、同様に米国等先進国の消費量が横ばいないしは減少傾向で推移する中、中国を始めとする新興国の消費量の拡大が世界全体の消費量を押し上げている(第1-1-38図、第1-1-39図)。その結果、世界の鉄鉱石及び銅鉱石の輸入量増加のほとんどは、中国、インド等新興国の輸入増によるものである(第1-1-40図、第1-1-41図)。
 
第1-1-37図 世界の原油需要の推移
第1-1-37図 世界の原油需要の推移
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第1-1-38図 世界の粗鋼消費量の推移
第1-1-38図 世界の粗鋼消費量の推移
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第1-1-39図 世界の銅消費量の推移
第1-1-39図 世界の銅消費量の推移
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第1-1-40図 世界の鉄鉱石輸入量の推移
第1-1-40図 世界の鉄鉱石輸入量の推移
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第1-1-41図 世界の銅鉱石輸入量の推移
第1-1-41図 世界の銅鉱石輸入量の推移
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 こうした中国等新興国の急激な需要増が原油、鉄鉱石、銅鉱石の価格を押し上げている要因の一つであると考えられる。
 このように資源需要が新興国を中心として高まる一方で、供給能力は伸び悩んでいる。例えば、原油の余剰生産能力は、近年、低水準で推移している(第1-1-42図)。その背景には、資源ナショナリズムの高まりや石油産業エンジニア等人材の不足・高齢化や資源価格が低迷していた時代の資源開発投資の減少等があると考えられる50

50 こうした原油の供給体制を巡る諸問題の詳細については、例えば、資源エネルギー庁「エネルギー白書2008年版」第1部第1章を参照。
 
第1-1-42図 OPEC原油余剰生産能力の推移
第1-1-42図 OPEC原油余剰生産能力の推移
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 また、世界的な環境問題への関心の高まり等を背景に、ガソリンやナフサ留分等軽質の石油製品への需要増加(白油化)等が石油消費国を中心に広まる一方で、産出される原油は、中東に多い中重質のものが多くなる傾向にあることが、重質と軽質の品質面での原油需給のミスマッチを引き起こしていることも、課題の1つとして指摘されている51

51 例えば、資源エネルギー庁(前掲書)。


(供給が伸び悩む中での、新興国を中心とした食料需要の拡大)
 食料についても、資源と同様に需要の拡大が見られる。世界的に農地面積や単位面積当たり収量が伸び悩む中で52、新興国を中心とした力強い需要増が、食料需給をひっ迫させ、結果として価格を引き上げている。

52 農地面積や単収の伸び悩みに加えて、原油価格の高騰による肥料、農業用資材・燃料等の価格高騰もあり生産増が難しいと言った背景もある。

 需要増の要因としては、第1に、高成長を続ける中国等新興国の1人当たり所得が向上するに従って、食生活が多様化し、豚肉等肉類の消費量と飼料穀物需要が急増したこと53、第2に、米国等でトウモロコシを原料とするバイオエタノール等のバイオ燃料生産が増加したことなどがあると考えられる(第1-1-43図)。

53 例えば、中国等新興国の急速な経済成長による食糧需要の増大がある。中国の都市部の1人当たり所得は、2000年から2006年にかけて倍増し、その上昇と共に動物性タンパク食品や大豆油の消費が急拡大している。特に、飼料にも用いられる大豆については、中国は世界の大豆輸入の45.6%(2006年)を占める最大の輸入国である。
 
第1-1-43図 主要穀物、大豆の需要増加の推移
第1-1-43図 主要穀物、大豆の需要増加の推移
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 この結果、穀物需給はひっ迫し、主要穀物の在庫量を見ると、世界的な穀物消費量の増加と天候不順による小麦等の減産54を背景に、世界的に低下傾向で推移し、2007年度の期末在庫率は食料危機といわれた1970年代前半の水準にまで低下している55(第1-1-44図)。その結果、主要穀物をめぐる需給逼迫感が増大し、世界の穀物相場の上昇を招いていると考えられる。特に、食料の国際価格の高騰は、過去20年間のアジアの経済成長の成果を台無しにする可能性がある56と指摘されるなど、貧困層を中心に大きな経済的影響を与える恐れが懸念される。

54 小麦の主要生産地域であるEUでは年初の生産計画において2年連続の減産政策をとっていたが、熱波に襲われ大幅な減産となっている。旧ソ連邦諸国、東欧諸国、豪州及びカナダにおいても干ばつ等の影響で軒並み不作となり、世界の小麦生産量は需要量を大きく下回る水準で推移した。
55 例えば、2007年度の世界の小麦在庫率は18%にまで落ち込み、「食料危機」といわれた1970年代初頭の在庫率21.3%を下回る水準にまで低下した。これは、FAOの定める小麦の安全基準18%とほぼ同等である。
56 国連世界食糧計画(WFP)のポール・リズリー地域広報官の発言。
 
第1-1-44図 主要穀物、大豆の期末在庫率の推移
第1-1-44図 主要穀物、大豆の期末在庫率の推移
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(商品市場への資金流入)
○投資資金の流入
 資源・食料の需給ひっ迫に加え、価格を押し上げている要因として、投資資金の流入があると考えられる。
 近年、商品先物市場で大きな存在となっているのが、世界で約17兆ドルといわれる年金基金、約1.5兆ドルと言われる産油諸国のオイルマネー及び新興国の外貨準備等を原資とする投資資金である。これらの資金が投資銀行等の運営する商品インデックスファンド等を通じて、大量に商品先物市場に流入しているとも言われている57。商品インデックスファンドの商品構成は、原油、天然ガスから穀物、畜産物、貴金属等極めて多岐にわたっている(第1-1-45図)58

57 資源エネルギー庁「エネルギー白書2008年版」第1部第1章等。
58 Goldman Sachsによれば、商品インデックスファンドの投資残高は、1990年代では100億ドルに達することはなかったが、2004年以降、急激に増加しはじめ、2008年には2千億ドルを超えている。
 
第1-1-45図 世界の主要な商品インデックスファンドの商品構成
第1-1-45図 世界の主要な商品インデックスファンドの商品構成
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 このような巨額の投資資金の流入を受けて、例えば、ニューヨーク商品取引所におけるWTI先物市場の市場規模は近年急拡大している(第1-1-46図)。
 
第1-1-46図 ニューヨーク先物市場の市場規模
第1-1-46図 ニューヨーク先物市場の市場規模
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 国際商品市場に多額の資金が流入するようになった背景には、〔1〕2000年以降世界的な低金利が続くなか、運用収益の低迷に苦しむ年金基金やその運用を引き受ける投資銀行等が、よりハイリスクの株式・債券等への投資を増加させる一方で、これら株式・債券等と非相関関係にある商品インデックスを保険と位置づけて投資を行っていること、〔2〕米国サブプライム住宅ローン問題以降、世界の資金の流れが、より安全な資産へと変化するなか、中長期的に需給逼迫が持続する可能性が高く、かつ、需要の価格弾力性が低い資源・食料分野が、有望な投資先として注目されていることなどが考えられる。

○投機資金の流入
 原油の先物取引が行われているニューヨーク商品取引所では、現物の取引に比べ1,000倍以上のペーパー取引(現物を伴わない先物取引等)が行われている。さらに、原油価格上昇時には、現物の取引を行わない投資ファンド等非当事者の買い越し幅が増加するなど、因果関係は不明であるが、原油価格と非当業者の売買状況との間には一定の関係が見られることから、投機的資金が市場価格の短期的な変動(ボラティリティ)をより高める方向に影響を及ぼしているとの指摘もある。ただし、この場合の非当業者には投資銀行等が含まれていない場合があるなど不透明な点も多く、市場の一層の透明性向上が求められる。

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(3)資源・食料価格の高騰が各国・地域に及ぼす影響
(各国・地域の物価に及ぼす影響)
 このような国際的な資源・食料価格高騰の影響を受けて、消費者物価が各国・地域で上昇している。
 最近の消費者物価上昇率を見ると、多くの国・地域で、2008年に入ってエネルギー及び食料品の価格が急騰している。また、米国、EU等先進国ではエネルギー価格が、新興国では食料価格の上昇が大きい傾向が見て取れる(第1-1-47図)。そこで、家計支出に占める各国・地域の食料品の割合を見ると、先進国に比べ新興国では食料品のウェイトが高くなっていることが分かる(第1-1-48図)。実際、食料品の支出割合が高い新興国では、食料価格の上昇が国民生活に極めて大きな影響を与えており、各地で食料に起因するストライキや暴動が発生している(第1-1-49図)。逆に、先進国、特に、家計支出に占めるエネルギーの割合が食料品に匹敵する米国の場合、食料品価格を上回るエネルギー価格の上昇が、他の先進国以上に、米国家計に大きな影響を及ぼしていることが懸念される59

59 米国では、2008年5月、中小トラック事業者らが燃料の値下げを求めて1週間にわたる全国規模の抗議行動を実施。大きな混乱は見られなかったものの、駐車場を占拠したり、道路を低速で走行したりするなどの抗議が繰り広げられた。米国ではディーゼル燃料の価格がこの1年で45%上昇している。実際、2008年5月2日に米CNNが公表した世論調査結果によると、「最大の経済問題は何か」という問いに対し、47%が「インフレ」と回答している。対照的に「住宅価格の下落」はわずか19%、「失業」は13%であった。「インフレで最も困っているものは何か」という問いに対しては、68%が「ガソリン」と回答し、「食料(23%)」を大きく上回った。なお、2008年第1四半期のレギュラーガソリンの全米平均価格は前期比5.3%上昇の1ガロン当たり3.1ドルであった。これは、ガソリン価格が低位で安定していた1990年代(平均価格1.1ドル)と比較すると3倍近い価格になる。
 
第1-1-47図 各国・地域の消費者物価上昇率(2008年3月)
第1-1-47図 各国・地域の消費者物価上昇率(2008年3月)
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第1-1-48図 各国・地域の家計消費支出に占める食料、エネルギーの割合
第1-1-48図 各国・地域の家計消費支出に占める食料、エネルギーの割合
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第1-1-49図 食料価格の高騰に起因するストライキ・暴動事例(2008年1月〜4月)
第1-1-49図 食料価格の高騰に起因するストライキ・暴動事例(2008年1月〜4月)


(各国・地域の交易利得に及ぼす影響)
○国・地域によって不均一な影響
 資源・食料価格の高騰は、各国・地域の物価を上昇させるだけではなく、貿易や投資を通じて、さまざまな影響を各国・経済に与えている。一般的には、資源・食料を輸入している国・地域では、交易条件(輸入物価と輸出物価の比)が悪化することによって、交易利得60が減少ないしは交易損失が発生し、所得の流出が起こる。

60 交易利得とは、財・サービスの輸出入価格(デフレーター)の差によって生じる所得の実質移転額。実質GDPに交易利得(マイナスの場合は交易損失)を加えると実質GDI(国内総所得)となる。

 今次の資源・食料価格の高騰局面における世界各国・地域の交易利得・損失の状況を見てみると、国・地域によって不均一な結果となっている。我が国をはじめNIEs、中国など輸入原材料を製品・中間財に加工して輸出する加工貿易型の産業構造が主流の国・地域では交易利得が縮小ないしは交易損失が拡大する一方、湾岸諸国(GCC)や資源・食料輸出国が多く含まれるその他諸国では、交易利得が拡大している(第1-1-50図)。
 
第1-1-50図 主要国・地域の交易利得・損失の推移
第1-1-50図 主要国・地域の交易利得・損失の推移
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○輸出の拡大等を通じた所得の還流
 資源・食料高により、日中米欧といった主要国の交易利得は軒並み悪化したが、資源・食料輸出国の交易利得の拡大は、これら諸国の最終需要を活性化させ、こうした国々に商品を輸出できる国々(日本、中国、EU)の景気を下支えしている。その結果、日本及び中国では、純輸出及び海外からの純受取が、交易損失の拡大を上回って増加することで、国全体として所得(実質GDP比)を拡大させていることが分かる(第1-1-51図)。
 
第1-1-51図 主要国・地域の純輸出、海外からの純受取及び交易利得・損失の推移
第1-1-51図 主要国・地域の純輸出、海外からの純受取及び交易利得・損失の推移
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(食料価格高騰の貧困国への影響)
 こうした食料価格の高騰は、特に貧困国に深刻な影響を及ぼしている61

61 過去2年間の食料価格の高騰で、新たに1億人が貧困状態に陥ったとされる(世銀ゼーリック総裁4月29日記者会見)。

 貧困国の食料輸入額は、2008年に1,690億ドルと、2007年の1.4倍に達する見込みである62。また、食料価格高騰の悪影響は、支出全体に占める食料支出の割合が高いアジア、アフリカ等の途上国では特に深刻である63。バングラデシュやザンビアでは、人口の40%近くが栄養不足の状態にあり、急激な食料価格の上昇がこれらの国々の状況をさらに悪化させるとの警告もある64

62 FAO,“Food Outlook May 2008”。
63 食料危機に直面しているとする36か国のうち21か国がサハラ以南アフリカであり、同地域では、小麦の45%、米の84%を輸入に依存している(FAO・Webサイト)。
64 ボーゲIFAD総裁。


(今後の見通しについて)
 世界の資源・食料需要は、当面、増加傾向が続くものと見られている。

○資源(石油、石炭)
 IEAによれば、2005年から2015年までの間、世界の石油需要は年平均1.7%、石炭需要は同3.3%で増加し続けると見込んでいる65。これを地域別に見ると、同期間のOECD諸国の石油需要の伸びは年平均0.6%、石炭需要の伸びは同0.8%と見込まれているのに対し、新興国の石油需要の伸びは同3.3%、石炭は同4.9%と、OECD諸国を大きく上回る伸びが見込まれている。新興国の中でも、特に中国及びインドの石油・石炭需要増加の影響が大きく、2005年以降2015年までの世界全体の石油需要増加の約3分の1が、石炭については同じく約5分の4が中国及びインドの需要増によるものと見込まれている(第1-1-52図)。

65 IEA(2007)。なお、ここに掲げた数値はすべて、IEAの「Reference Scenario」(各国のエネルギー関連施策が現状のままで維持されると仮定)によるものである。
 
第1-1-52図 世界の石油・石炭需要の見通し
第1-1-52図 世界の石油・石炭需要の見通し
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 なお、原油価格の今後の見通しについて予測することは困難であるが、将来、需給が逼迫するのではないかとの不安から市場に資金が流入して価格を押し上げている面があるため、今後、開発生産や、省エネ・代替エネルギー開発が進んでいけば、価格メカニズムが働いて価格が落ち着きを取り戻すと期待されている。ただし、予断も許さない状況であることから、引き続き注視が必要である。

○食料
 OECD・FAO(2008)によれば66、今後10年間の世界の食料輸入は、すべての品目で現在よりも増加すると見込まれている。2017年の輸入量見通しは、小麦、とうもろこし等主要穀物が2005年から2007年までの平均を約15%、コメが25%以上上回ると見込んでいる。小麦の輸入増のほとんどはアジアの開発途上国の輸入増によるもの、コメや粗粒穀物はアフリカの開発途上国、特に最貧国の輸入増によるものであるとしている。

66 OECD・FAO(2008), Agricultural Outlook, 2008-2017


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