概要

1 世界経済の現状と課題

■ 回復しつつも構造的な不安定さを抱える世界経済
・世界経済は、2010年春以降、新興国にけん引されて緩やかに回復。ただし、2011年にかけて先進国と新興国の成長速度の差が鮮明化、新興国の存在感は一層高まる。
・グローバル・インバランスは世界経済危機を経て一旦縮小するも、2010 年に再び拡大傾向。持続不可能な財政赤字によるデフォルト、金融機関の不安定化、新興国への資金流入の増加による一層のインフレ等が世界経済の下押し懸念の材料に。
■ 世界経済の抱えるリスク(資源・食料価格の高騰と欧州財政危機)
・世界的に緩和した金融環境を背景に、[1] 実需増、[2] 天候、[3] 輸出国の政治情勢、[4] 資金流入等が複合的に影響し、資源・食料価格が高騰。世界経済の下押し要因に。
・2010 年、欧州全体としては緩やかな回復を見せたが、ユーロ圏内の経常収支不均衡は徐々に拡大している。こうした中、欧州財政危機の拡大懸念は払拭されず、財政状況の厳しい他の域内国の自律的財政再建に不安が存在。信頼性ある救済体制の構築が鍵。
■ 持続可能で均衡のとれた経済成長を目指して
・世界経済危機の発生以降、先進国と新興国との成長率の差が鮮明化。金融、為替、貿易を巡る各国の政策は様々な軸で対立し、世界経済の不安定化要因に。
・今後、持続可能で均衡のとれた世界経済の成長のために、不均衡の是正、国際通貨システムの安定、保護主義化の阻止と自由貿易の促進等に関して、G20、APEC 等の国際的な場におけるコンセンサス形成に向けた協調が必要。
■ 東日本大震災:各国協調によって安定しつつある世界経済
・震災以降、各国が金融政策における協調など落ち着いた対応を行ったこともあり、世界経済は金融市場を中心に、総じて落ち着いた動きを維持。


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