第2章 我が国の貿易・投資の構造と変容

第3節 我が国をはじめとした周辺国・地域の通商環境等に大きな影響を与えたタイの洪水

3.洪水が各製造業種に与えた影響の違いとその理由

前部分の洪水前後のタイ経済の概観により、洪水による被害拡大時に製造業への影響が特に大きかったことを確認した。本部分では、具体的にどの業種が洪水の影響を大きく受けたのか、製造業生産指数を品目別に詳細に分析することなどにより、直接的な被災のみならず、間接的なサプライチェーンによる影響も含めて確認する。さらに、業種ごとに洪水による影響の程度に違いが出た理由について、主に産業別の立地の特徴についても考察する。

(1)洪水前後の製造業の業種ごとの状況の違い

製造業全体の生産水準が前年同月比で最も落ち込んだのは、工業団地が浸水している最中の昨年11月時点(同▲47.2%)であった。そこで、昨年11月の生産水準の落ち込みに着目し、主要品目(ここでは、タイ製造業全体に占める割合が3%以上の生産品目及びその主な内訳品目とした)の落ち込みの程度を確認した。

昨年11月の生産水準の落ち込みが全体以上に大きかった主要品目は、減少率の大きい順に、@輸送用機械(乗用車・ピックアップトラック等)(同▲84.0%)、A事務用機器(主にHDD)(同▲77.2%)、B情報通信機器(品目名はラジオ・テレビ・通信機器。ICや半導体デバイス、テレビ等)(同▲73.0%)、C電気製品(エアコン、冷蔵庫等)(同▲58.7%)の4品目(以下、主要4品目という。)であった(第2-3-3-1表参照)。

第2-3-3-1表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別生産指数の推移
第2-3-3-1表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別生産指数の推移

Excel形式のファイルはこちら


特に、情報通信機器の内訳品目の「IC(モノリシック)」と「半導体デバイス(トランジスタ)」の2品目(以下、特定電子部品という。)については、昨年11月に「全減」となっており、特定電子部品が浸水した工業団地周辺のみで生産されていたことが伺える。

昨年11月以外の月についても確認すると、@工業団地への浸水が始まった昨年10月になって急速に特定電子部品の生産水準が悪化し、直近でも生産水準の回復が遅れている(今年3月でも未だに前年同月比▲50%台)こと、A輸送用機械の方がHDDや電気製品よりも昨年10月に突然急速に悪化し、直近では急速に生産を回復している61(今年3月の生産が、HDDは前年同月比▲9.9%・電気製品▲7.9%に対し、輸送用機械全体では同+14.7%まで回復)こと、Bテレビや繊維製品等幾つかの品目(以下、生産調整品目という。)では、生産循環など洪水とは直接関係のない要因で既に洪水前から生産水準が低く、前年同月比のマイナス幅が大きかったことが特徴として確認できる。

これらの特徴は、主要品目の洪水前後の設備稼働率や在庫水準を確認することで、よりはっきりと確認できる。

設備稼働率をみると(第2-3-3-2表参照)、@主要4品目(テレビ等一部を除く)の設備稼働率は、工業団地が浸水する直前の昨年9月まで高水準を維持しており、浸水した10月に急速に稼働率が低下していったこと、Aその中でも特定電子部品の生産事業所の稼働率は昨年11月にはゼロになったこと、B生産水準と同様に稼働率も、輸送用機械の方がHDDや電気製品よりも10月に急速に悪化し、直近では急速に稼働率を回復させている62(今年3月の稼働率はHDDが81.2%・電気製品が79.3%(両者とも全体の平均稼働率より高い)に対し、輸送用機械全体では112.0%とフル稼働している)こと、C特定電子部品の直近の稼働率は、全体の平均稼働率を上回っており、サプライチェーンの維持・回復のため、生産事業所が現在も復旧活動に努めていること、D生産調整品目の稼働率は洪水前から低水準であり、洪水により稼働率が急減していないこと、が確認できる。

61 後ほど詳述するが、輸送用機械の生産の中で最も大きなウェイトを占めるピックアップトラック(全生産に占める輸送用機械のウェイト5.4%のうち3.7%分)の生産が急速に回復していることが大きな要因であり、乗用車(特に中型・大型車)の回復は遅れている。これは車種毎にタイ国内での主要な生産地(メーカーの拠点)が異なることやピックアップトラックに搭載する電装品は少ないことなど、電子部品の使用の多寡(みずほ総研(2011))等が理由と考えられる。

62 生産水準と同様に、乗用車(中型・大型車)の設備稼働率の回復は遅れており、その理由も直前の脚注と同じと考えられる。


第2-3-3-2表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別設備稼働率の推移
第2-3-3-2表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別設備稼働率の推移

Excel形式のファイルはこちら


さらに、主要4品目の在庫(製品在庫のみを指す)水準をみると、以上の特徴に加えて、品目ごとの生産体制の違いまで確認できる63(第2-3-3-3表参照)。 主な特徴としては、@洪水後に在庫が最も早く最低水準に到達したのは、輸送用機械(昨年10月)であり、その後も在庫水準はあまり上昇しておらず、生産即出荷の体制になっていること(車種によっては、直近月まで最低水準を更新している)、A次に在庫が最低水準に達したのは、HDD64(昨年11月)であり、その後出荷のために現在まで在庫を徐々に積み上げてきている65こと、Bその他の主要4品目は、昨年12月になって在庫水準が最低に到達したこと(また、電気製品はその後もあまり在庫水準が上昇しておらず、輸送用機械と同様に生産即出荷の体制になっている)、C特定電子部品の在庫水準は、昨年11月の生産完全停止により翌12月には年初の10%前後にまで急減し在庫も底尽きた66。そしてモノリシックICは、現在でも十分に在庫が積み上がっていないこと(つまり、ぎりぎりのところで特定の部品の供給責任を果たしていること)が追加で確認できる。

63 2011年版通商白書において、先の震災がグローバルサプライチェーンに与える影響を分析する中で、業種ごとの在庫水準の違いや在庫の持ち方等のSCMの違いについての分析を行っており、タイでの今回のケースもその結論とおおむね整合的である(2011年版通商白書第4章第2節1(.2)「在庫管理の在り方からみたグローバルサプライチェーンの意味」参照)。

64 事務用機器の在庫水準は、前年同月比をみると直近はHDDと同じになっているが、これはHDDの他に在庫水準を調査していないため(以前はプリンターの在庫水準があった)。

65 HDDの在庫水準は、今年2月には既に前年同月比でプラスになっており、市場でいまだに供給が逼迫していることとの間の解釈は難しいが、@輸出用が多いために一定程度の在庫を積み上げてから出荷する体制になっているか、A直接の被災を免れたHDD製造企業が供給不足による価格上昇局面を維持するために、意図的に在庫を積み上げて出荷を制限しているかのどちらかあるいはその双方を示しているのではないかと思われる。

66 なお「在庫率」をみても、特定電子部品の需給が工業団地の浸水前後に急激に逼迫した(例えばモノリシックICでは、10月の前年同月比約420%から11月には同▲100%に急減)ことが確認できる。


第2-3-3-3表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別在庫水準の推移
第2-3-3-3表 タイ製造業の洪水前後の主要品目別在庫水準の推移

Excel形式のファイルはこちら


以上、製造業の主要品目別の生産・設備稼働率・在庫の各水準につき、主要4品目を中心に確認したところ、洪水によるHDDや輸送用機械等の生産急減の大きな要因の一つが、特定の電子部品をタイ国内で集中して生産している事業所67が浸水し、当事業所が生産停止に追い込まれたことにより、在庫が急速に払底したことにあると考えられる。

また、HDDの製造については、最終組立工場が直接浸水の被害を受けた企業も多かったが、輸送用機械の製造については、最終組立工場で直接被害を受けたのは一部のメーカーのみであった68。つまり、洪水による直接被害によって特定の電子部品が不足することによる「間接的な」サプライチェーンのショックは、特に輸送用機械産業、中でも電装品を多く使用する乗用車の車種の生産に大きな影響を与えたと言える69。タイの自動車生産を先程の生産指数(付加価値ベース)のほかに、台数ベースでもみると(第2-3-3-4図表参照)、昨年10月には前年同月比で▲67.6%、さらに11月には同▲85.0%となった。落ち込みは世界金融危機時よりも大きく、11月の生産台数の水準(約24,000台)は2000年代以降の最低水準にまで落ち込んだが、その後急回復し、今年3月は過去最高の生産台数となった。しかし、この急回復の背景は主にピックアップトラックの生産によるものであり、乗用車の回復はそれよりも遅れている。

67 今回の洪水では、多数のHDD向けの電子部品サプライヤーが浸水した工業団地に所在しており、直接被災した。DBJ(2011)・富士キメラ総研(2012)によれば、直接被災した日系企業は、A社(スピンドルモータ等)、B社(同左)、C社(ボイスコイルモータ等)、D社(サスペンション等)、E社(ピボットユニット等)等である。しかし、今回の自動車生産のサプライチェーンに最も影響が大きかったのは、電源用ICやカーオーディオ・カーナビゲーション向け制御用LSI、トランジスタ、コンデンサー等を製造しているF社(ナワナコン及びロジャナ工業団地に所在)が直接被災したことによるとされている。なお、先の震災で被害の大きかったG社がF社の生産支援を行い、組立等の「後工程」の代替生産を同社の余力のある国内工場で行った。また、F社も浸水後の昨年11月26日には「水上工場」でありながら一部生産を再開し、懸命の復旧活動により今年1月以降は代替生産も含め被災前の供給体制に回復している。

68 HDDの製造企業では、H社(バンパイン、ナワナコン工業団地)とI社(ナワナコン工業団地)の両社工場が浸水し、生産を停止したが、自動車の組立工場で直接被災したのは、ロジャナ工業団地内のJ社工場のみであった。なお、同工場は今年3月26日に約半年ぶりに生産を再開している。

69 なお、タイの製造業生産指数には「自動車部品」という品目が存在しないため、直接被災した自動車部品工場からの供給制約が自動車生産のサプライチェーンにどの程度の影響を与えたのかについては、分析できなかった。


第2-3-3-4図表 タイの自動車生産台数(最近及び時系列)の推移
第2-3-3-4図表 タイの自動車生産台数(最近及び時系列)の推移

Excel形式のファイルはこちら


今回のサプライチェーンのショックと同様の事象は、我が国の先の震災の際にも起こっている。震災時は、特定用途の電子部品である「車載用マイコン(MCU)」の供給で大きなシェアを占める事業所が直接被災し、製品の生産が停止したことによって、我が国をはじめ世界の自動車生産に間接的なサプライチェーンのショックが発生したが、これとほぼ同様のショックが規模の違いこそあれ、タイでも発生したことを意味している。電子部品の分野では、従来特注品の生産は少ない(西濱(2011)等)と言われていたタイにおいて、特定の電子部品の供給途絶によってグローバルなサプライチェーンに影響を与えたことは、タイの機械産業が日系企業の活動を中心として、最近はより高度化しつつあることを示唆していると思われる。

(2)電機・電子産業と自動車産業のタイでの立地の違い

次に、業種ごとに洪水による影響の程度に違いが出た理由について、電機・電子産業と自動車産業のタイ国内での立地拠点の違いに焦点を当てて説明する。今回の洪水で直接被害を受けた工業団地は、バンコク北方のアユタヤ周辺(アユタヤ県・パトゥムタニ県)に位置する7つの工業団地であり、約2か月間にわたり浸水被害を受けた(第2-3-3-5図表、第2-3-3-6図参照)。

第2-3-3-5図表 洪水被害が発生したタイの工業団地の概要と位置関係
第2-3-3-5図表 洪水被害が発生したタイの工業団地の概要と位置関係

Excel形式のファイルはこちら

PowerPoint形式のファイルはこちら


第2-3-3-6図 浸水被害を受けたタイの工業団地の復旧の様子
第2-3-3-6図 浸水被害を受けたタイの工業団地の復旧の様子

これらの工業団地には、判明しているだけでも800社以上の企業が入居し、うち日系企業は半数以上を占めており、入居日系企業の被害も大きかった。

また、業種としては多くの電機・電子産業の企業が浸水したアユタヤ周辺の団地に入居し、周辺での集積が進んでいたとされる一方、自動車産業については、直接の被災を受けなかったバンコク南東部(チョンブリ県やラヨーン県等)の工業団地周辺での集積が近年進み、浸水被害を受けた地域に所在する企業は一部であったため、それが洪水収束後の生産回復の差になっているとされる(位置関係については、第2-3-3-7図参照)。

第2-3-3-7図 タイ・バンコク都周辺の位置関係(バンコク都市圏)
第2-3-3-7図 タイ・バンコク都周辺の位置関係(バンコク都市圏)

PowerPoint形式のファイルはこちら


タイの工業地域の地理的な特徴や産業集積の形成については、洪水後に発表された大泉(2012)の中でも紹介されているNESDB・世界銀行(2010)が詳しい。ここでは、最近(2007年時点)のバンコク都市圏(バンコク首都圏(バンコク都及び近隣5県)に周辺4県を含む地域を指す)内の主要産業別の事業所数、投資額、労働者数(熟練・非熟練の別)等を県別よりさらに詳しい市別で分析している。その中から、自動車部品産業と電機・電子産業の集積地の比較をみた(第2-3-3-8図参照)。結果として、事業所数・投資額・労働者数のすべてにおいて、両産業間で明確な集積地域の差が示されている。自動車部品産業は、バンコク都より東南部に位置するサムットプラカン県、チョンブリ県、ラヨーン県といった地域での集積が中心となっており、今回浸水した地域での集積は相対的には低い。一方、電機・電子産業は、バンコク都より北部に位置するアユタヤ県、パトゥムタニ県といった今回浸水した地域での集積が進んでいることが確認できる70

70 大泉(2012)では、その後の2008〜2010年におけるタイ投資委員会(BOI)の日系企業による投資の認可額の個票を県別に集計し、業種別投資の地理的特徴に変化がないか確認している。その結果は、NESDB・世界銀行(2010)の調査結果とほぼ合致しているが、自動車産業の投資がチョンブリ県・ラヨーン県に集中しており、さらにバンコク東南部への集積を強めている現状が示されている。


第2-3-3-8図 タイ・バンコク都市圏内の自動車部品産業と電機・電子産業の集積地比較
第2-3-3-8図 タイ・バンコク都市圏内の自動車部品産業と電機・電子産業の集積地比較

次に、両産業の集積の要因について考える。瀬田(2002)の電機・電子産業関連の日系企業を中心としたインタビュー及びアンケートによれば、企業のタイ国内での立地選定においては、工業団地の存在、安価な熟練労働者の供給力71、既存集積の存在といった側面が大きく効いているとされる。また、取引企業、関連会社からの勧誘や要請の影響も大きい。こうした立地選定の基本的な理由は、業種を超えてほぼ同じと考えられる。

さらに、瀬田(2002)、宇根(2009)、大泉(2012)等多くの分析であげられているのが、タイ投資委員会(BOI)によるゾーン制の投資奨励政策の存在である(第2-3-3-9図参照)。ゾーン制とは、工業の地域分散化を主な目的として、国内を3地域に区分し、バンコク都から遠いゾーンに立地するほど、税制面等で手厚い恩典が受けられ、さらに工業団地に立地する方が団地外に立地するよりも手厚い恩典が受けられるというものである72。一方、取引面で重要なバンコクへの近さの必要性も企業アンケートで確認されている(TDRI(2009))。自動車産業、電機・電子産業の集積拠点の共通点としては、場所は異なるものの、幹線道路の整備によりバンコク中心部に1-2時間と近く、BOIゾーンが1から2に変わって恩典が手厚くなる場所に集積していることである73

71 ただし、NESDB・世界銀行(2010)の調査結果では、電機・電子産業の熟練労働者比率は、バンコク東南部が高く、アユタヤ県等の北部は低い結果となっており、集積の状況と反しているが、同調査ではこの結果は多国籍企業の新たな投資が東南部で進んでいることと整合的であるとの分析をしている。

72 ゾーン別、さらに奨励業種別等の恩典内容の詳細についてはここでは省略するが、BOI事務局「タイ国投資委員会ガイド2011」等において詳しく記されている。

73 さらに、バンコク東南部のレムチャバン工業団地(チョンブリ県)とラヨーン県内の工業団地に立地するプロジェクトは、ゾーン2の県内にありながら、ゾーン3と同じ恩典を受けることが可能である(ただし、2014年12月31日までの申請受理が必要)。


第2-3-3-9図 タイ投資委員会(BOI)による投資奨励ゾーンの分布
第2-3-3-9図 タイ投資委員会(BOI)による投資奨励ゾーンの分布

Excel形式のファイルはこちら


一方で、両産業の特徴により集積場所が異なる要因も考えられる。石井(2006)は、タイ国内での立地要因として物流コストをあげている。自動車産業では取扱品目の重量や容積が大きく、かつ輸出入も多いため、港湾付近の立地が通常となる。一方、電機・電子産業も輸出入は多いものの、電子部品等であれば小口・高付加価値であり、価格に占める輸送費の割合が相対的に小さいため、航空輸送でも負担可能であって、内陸部への立地が可能であるという主張である(実際にバンコク−アユタヤ間の幹線道路はスーパーハイウェイとして整備されており、途中には旧国際空港のドンムアン空港もある)。その他の個別要因としては、半導体生産には特に水資源の確保が必要になること(瀬田(2002))や、自動車関連企業の立地促進等、対象業種を特化した開発戦略を採る工業団地ディベロッパーの存在(宇根(2009))等も考えられる。

また、集積拠点は企業の進出時期とも関係していると考えられる。タイへの産業向け直接投資に占める業種別割合をみると、アジア通貨危機以前は電気機械が一般・輸送機械を上回る高い水準で推移していたが、同危機後は一般・輸送機械の比率が急速に高まり電気機械の比率をほぼ上回って推移している(第2-3-3-10図参照)。1980年代に始まった東部臨海開発計画(チャチュオンサオ県、チョンブリ県、ラヨーン県)により、国際貿易港としてレムチャバン港が1991年に開港し、その後港湾施設に隣接して整備されたレムチャバン工業団地等で自動車・部品産業の集積が進んでいった(有賀・江島(2000)、瀬田(2002)、宇根(2009)等)。また同時に、アジア通貨危機以降、日系自動車メーカーがタイを本格的に輸出拠点化するため、部品の現地調達率の向上策を図り、以降タイ東南部に急速に自動車部品産業の集積が進展していったこともあげられる(川邉(2006))。

第2-3-3-10図 タイへの産業向け直接投資に占める主な業種別投資割合の推移
第2-3-3-10図 タイへの産業向け直接投資に占める主な業種別投資割合の推移

Excel形式のファイルはこちら


以上、両産業の集積先の決定要因について、共通点・相違点を整理した。今回浸水した地域への電機・電子産業の集積が今後も進展するのかについては、今年3月に決定されたBOIによる被災2県への投資減少を防止するための優遇措置拡大策74の効果を含めて、今後注目されるところである。

74 BOIのアチャカ長官は、洪水で被災しなかった東南部のチョンブリ県、ラヨーン県への投資が直近増えている(今年1−2月の全体申請額の約5割を占めた)一方で、アユタヤ県とパトゥムタニ県では伸びが鈍っているため、優遇措置の拡大を決めたとしている(2012年3月30日付けNNA)。





前の項目に戻る   次の項目に進む