第4章 外との繋がりによる日本経済の新たな成長に向けて

第2節 ニーズの変化に対応した海外事業活動支援

2.我が国の魅力を活かしたクール・ジャパン戦略

伝統と文化によって培われた我が国の魅力を活かし、クール・ジャパンの海外事業活動を拡大することは、我が国経済の新たな成長エンジンになると期待できる。

(1)クール・ジャパン戦略とは(総論)

アジア新興国の急速な追い上げの中で、これまで我が国の経済成長を支えてきた自動車や家電などに代表される工業製品は激しいコスト競争にさらされている。

他方で、アジア各国の富裕層や中間層は、「エンターティンメント」「おしゃれ」「やすらぎ」「健康」「豊かな住空間」「感動のある生活」などを価値と考え始めており、我が国のファッション、コンテンツ、デザイン、伝統工芸品など“クール・ジャパン”への評価が高まっている。こうした中で、“クール・ジャパン”の魅力を産業化し、世界、特に、アジアへ売り込み、アジアから観光客を呼び込むことで、我が国は、新たな成長エンジンを獲得し、雇用を創出する大きなチャンスを持っている。

我が国を取り巻く環境が大きく変化する中、海外からの収益をこれまで以上に獲得できる新たなビジネスモデルの構築や海外展開を行うことが急務となっている。海外に対して、直接的にも間接的にも日本文化の魅力を伝え、新たな産業構造や新たなライフスタイルを背景としたクール・ジャパンの要素を取り入れることで、グローバル競争の中で日本の産業の付加価値を高め、競争力を強化する必要がある。これは、新興国がコスト競争力を武器に市場獲得を進めつつある中で、日本の製品やサービスが競争優位性を保つ、あるいは、市場を創造していく上での重要な要素となっている。

こうした現状を踏まえ、経済産業省では、2010年6月に「クール・ジャパン室」を設置し、ブランド戦略、販路開拓、マーケティング、プロモーションを一貫して支援し、担い手である職人、クリエイター、中小企業を世界市場へ結びつけるための政策に着手した。2011年7月には、「新成長戦略」(平成二十二年六月十八日閣議決定)等を踏まえ、我が国の魅力を活かした製品等の海外展開及び国内振興について一体的に企画立案等を行う体制を整備するため、クール・ジャパン室を発展的解消し、同省商務情報政策局にクリエイティブ産業課(生活文化創造産業課)を新設した。

また、これらの製品等の海外市場獲得を目的として、「クール・ジャパン戦略推進事業」を実施しているところであるが、同事業を効果的に実施し、クール・ジャパンをビジネスにつなげるという視点から、2010年11月に、現場の第一線で活躍する有識者により、海外展開の具体的な進め方を検討するための「クール・ジャパン官民有識者会議」を開催した。同会議には、内閣官房(知的財産戦略推進事務局)、総務省、外務省、観光庁、文化庁、農水省からも政務三役がメンバーとして参加し、2011年5月に、基本コンセプト、重点分野やターゲット国の絞り込み、地域ごとの戦略の在り方をまとめた提言を取りまとめた。

1. クール・ジャパン海外展開支援プロジェクト

現在、海外展開を中心に提言の具体化を進めているところであり、平成23年度においては、我が国の最先端のクリエイティブ産業を見せることにより現地で大きな話題をつくり、日本のファンを増やすとともに、コンテンツやファッション、地域産品など関連産業が現地で継続的ビジネス展開を行う仕組みを構築することを目的として、クール・ジャパン海外展開支援プロジェクトを実施した。このプロジェクトは、ファッション、コンテンツ、食、地域産品等クール・ジャパンを担う中小企業、職人、クリエイター、海外の販路開拓を担う内外の企業、メディア等が、チーム(コンソーシアム)を組み、プロジェクトを統括しながら海外市場を開拓する事業を支援するものである。具体的には、ターゲット国と分野を決め、「業種を越えたチームづくり→市場調査→市場開拓→成果の検証→実際の事業展開」という民間の一貫した取組を支援し、クール・ジャパンを競争力の源泉とする新たな成長産業群を創出し、雇用を創出することを目的としている。平成23年度に実施したプロジェクトの例を以下に示す。

(a)「Harajuku Street Style in Singapore」

日本のストリート・ファッションのブランドを束ね、アセアン・中国・インドのビジネスゲートウェイであるシンガポールのショッピングストリート(オーチャード)に面した百貨店とネット販売でテストマーケティング等を実施した。アジアのマスマーケットにおいて「売れる価格設定」を特定しつつ、現地消費者の視点に立ったPRにより、日本ファッションのファンを拡大する(第4-2-2-1図)。

第4-2-2-1図 「Harajuku Street Style in Singapore」の様子
第4-2-2-1図 「Harajuku Street Style in Singapore」の様子

(b)「クール・ジャパン戦略 シンガポール事業」

シンガポールにおいて「クール・ジャパン月間」等のキャンペーンの実施、「Anime Festival Asia(AFA)」への出展等を行い、日本のアニメ、キャラクター、アーティスト等のコンテンツへの認知度を高めるとともに、アンテナショップを設置して関連グッズを販売した。また、日本のコンテンツを収集し、海外進出を図る日系企業及び現地企業とのビジネスマッチングを図るためのプラットフォームを構築した(第4-2-2-2図)。

第4-2-2-2図 「クール・ジャパン戦略 シンガポール事業」の様子
第4-2-2-2図 「クール・ジャパン戦略 シンガポール事業」の様子

(c)「Tokyo Fashion Week in FIRENZE/DELHI」

「東京コレクション」と若手デザイナーの海外進出を支援。日本のクリエイションを世界に発信するため、JFW公募ファッションクリエイターを中心に周辺コンテンツを加えた総合イベント「Tokyo Fashion Week」をイタリアで実施、さらに成長する新興インドマーケットでも連動イベントを開催し継続的ビジネスに繋げる(第4-2-2-3図)。

第4-2-2-3図 「Tokyo Fashion Week in FIRENZE/DELHI」の様子
第4-2-2-3図 「Tokyo Fashion Week in FIRENZE/DELHI」の様子

(d)「365日 Charming Everyday Things」

日常生活の「人の手や知恵を集結した胸の高鳴りがあるもの」「日本の誇る最高のふつう」を選定・編集し、海外に向けて発表・小売販売までをコーディネイトする。伝えるための環境・ツールの作り込み、媒体等による発信によって、“伝える”ことに注力し、実際の消費者・バイヤーからの意見を吸い上げ今後のビジネス化に活かすため、2012年1月20日〜25日にかけ、フランスのパリにあるBastille Design Centerにて、展示販売を行った(第4-2-2-4図)。

第4-2-2-4図 「365日 Charming Everyday Things」の様子
第4-2-2-4図 「365日 Charming Everyday Things」の様子

(e)「Future Tradition WAO」

日本全国から募集した1,326品より一流アーティスト、文化人で構成するキュレーター陣が厳選した約150点の工芸品を23年2月にニューヨーク、3月にパリで展示販売会を実施。また、22年12月にInternational Luxury TravelMarket(ILTM)2011に出展。主にラグジュアリーブランドに感度が高い欧米の富裕層をターゲットとして、新ブランド「Future Tradition WAO」の展開を行った(第4-2-2-5図)。

第4-2-2-5図 「Future Tradition WAO」の様子
第4-2-2-5図 「Future Tradition WAO」の様子

(f)「SOBA-YAプロジェクトーホンモノの日本食文化伝播のテコ入れ」

コメの流通企業と食関連の中小企業がコンソーシアムを形成し、「Common Grains」という共通ブランドを構築。米国ロサンゼルスにアンテナショップを設置し、ソバやコメを中心としたメニューを提供するとともに、食材、炊飯器、食器・調理器具などの展示販売を行った。また、ワークショップ等を通じて、日本の食文化への理解の促進や、東日本大震災による風評被害の払拭を図った(第4-2-2-6図)。

第4-2-2-6図 「SOBA-YAプロジェクトーホンモノの日本食文化伝播のテコ入れ」の様子
第4-2-2-6図 「SOBA-YAプロジェクトーホンモノの日本食文化伝播のテコ入れ」の様子

(2)実施プロジェクトから明らかになった成果と課題を踏まえた今後の方向性

平成23年度に実施したクール・ジャパン海外展開プロジェクトにおいては、ファッション、食、住まい、地域産品、伝統工芸品、コンテンツ等の各分野の商品を「束ねて」展開する、という目標はおおむね達成したと考えているところ。今後は、産業としてのスケール感を確保し、「大きく稼ぐ」ため、他業種とのコラボレーション、「面的な拠点確保」、地域資源等の発掘・連携が課題である。また、商品を単独で提示するのではなく、日本のライフスタイルや価値観を戦略的・効果的に伝え、現地消費者の購買意欲を上げる取組も必要である。

コンテンツ関係においては、コンテンツの国際競争力や集客力を活かし、コンテンツと消費財の組合せでグローバルに「大きく稼ぐ」成功事例の創出や現地市場向けの映像コンテンツ等のローカライズ支援が必要である。また、ファッション、生活雑貨関係においては、国内外の商業施設、流通企業との連携等による継続的なビジネスの拠点の確保、商流の効率化が必要である。

これらの平成23年度のプロジェクトで明らかになった成果・課題(ボトルネック)を踏まえ、平成24年度以降は、以下の戦略で、官民有識者会議目標達成(2020年に8〜11兆円の市場獲得)に向けて更なる飛躍を目指す。

1. コンテンツと消費財のマッチング

我が国のコンテンツは、海外における高い人気を必ずしも収益に結びつけられていないのが現状。海外マーケットの効果的な獲得のためには、コンテンツ産業が広く関連ビジネスや他産業と連携し、「点」ではなく「面」の相乗効果を発揮して「大きく稼ぐ」海外展開を行うことが必要。コンテンツと関連産業との連携によりコンテンツ企業は海外展開の機会を得やすくなり、コンテンツ企業と連携した企業はコンテンツの国際競争力や集客力を活かしたプロモーションを実施するなどして、自社製品やサービスの魅力をPRしやすくなる。

日本企業が魅力あるコンテンツを核として海外で「大きく稼ぐ」ためのプラットフォームを提供する試みとして、2012年3月に「クール・ジャパン海外展開関心企業大会議(クールジャパン大会議)」を開催。この会議において、コンテンツの国際競争力や集客力を活かし、コンテンツ×消費財の組合せでグローバルに「大きく稼ぐ」成功事例を創出するため、アニメ、マンガ、フィギュア、音楽等のキラーコンテンツを保有する企業と消費財メーカー双方のマッチングを行った。当日の出席者は200名を超え、海外展開を行いたいコンテンツ企業20社が、パートナー候補企業に向けてプレゼンテーションを行い、最大11社とのマッチングに成功した。

今後、後述するコンテンツの海外展開施策や他省庁の既存施策との連携、民間企業の動きとの連携などにより、こうした取組の効果を拡大させていくことが重要。

2. 物流・流通・商業施設と連携した「大きく稼ぐ」ための後方支援

アジアを中心とする新興マーケットで、日本の食、ファッション・アパレル、日用雑貨、地域産品等のブームが起きつつある。これまで、日本企業は個々に海外展開を試みてきたが、物流、流通、商業施設を含めシステムとして「大きく稼ぐ」モデルを描けていないため、収益を上げることができていない。

中小テナント企業側には、@海外での出店が容易になること、A単独企業ではできないフードコートのような出店形態が可能になること、B共同調達の実施やセントラル・キッチンを整備することで、資材物流が効率的になること、等のメリットがある。

他方、流通・ディベロッパー側には、日本らしさを前面に出した「ジャパン・フロア」、「ジャパン・ストリート」を打ち出すことで付加価値をつけるメリットがある。

この取組では、「ジャパン・フロア」、「ジャパン・ストリート」が特定の国内都市や地域(=聖地)と結びつくことで、買物観光客等の増加といった聖地へのインバウンド効果も期待できる。

このような中で、食、ファッション・アパレル、ライフスタイル雑貨等中小テナント企業と流通・物流・商業施設企業との大規模なマッチングを行い、その上で、ターゲット国を決め、コンソーシアム組成、海外展開を国としても後押しする。2012年4月に「クール・ジャパン大会議(流通・ディベロッパー・商業施設編)」を開催。当日の出席者は150名を超え、食、ファッション・アパレル、ライフスタイル雑貨等中小テナント企業と流通・物流・商業施設企業(プレゼン企業23社)が、互いにプレゼンテーションを行い、最大27社とのビジネスマッチングに成功した。

3. 地域資源の発掘と国際的発信

人口減少・高齢化が進む中で、地域経済の疲弊は深刻化し、中小企業の経営環境は一段と悪化している。これまでも伝統工芸品に代表される地域資源の海外輸出、商談会への出展等は行われてきたが、その文化的・歴史的背景を知らない外国人には、その価値を理解してもらえず、海外展開につながっているのは一部の商品に限定されている。

特に、生産・製造技術が高度化・普遍化し、情報と物流が整備されている現代においては、個別の商品で差別化することは難しく、商品単品での違いを消費者に理解してもらうことは容易ではない。

他方、我が国には、豊かな食材、日本酒、漆器、伝統文化など、海外に誇ることができる希少性の高い地域資源が埋もれており、「おもてなし」に代表されるきめの細かいサービスは海外で高い評価を受けている。また近年、日本各地で美術館や廃校、空き家、町家をクリエイターやアーティストの創造拠点や観光拠点として組成する取組が進展している。こうした取組は地域の食、伝統文化、観光をはじめとする異分野の産業が結びつくことにより、コミュニティの活性化、移入人口の増加、産業の活性化に繋がりつつある。

個別の商品での差別化、高付加価値化は難しくとも、地域の歴史・文化、伝統的生活様式、自然と、地域特有の商品・サービスを総合的に組み合わせ、他の地域にない魅力の発信を図ることは、我が国の地域資源の本物の価値を顕在化し、国際市場での高い評価を受けるために有効である。特に、我が国の本物の「和」の魅力は、海外から実際に我が国を訪問してもらい、そこでしかできない付加価値の高い体験を通して実感してもらうことがアウトバウンドを進める上で重要である。

このため、食、伝統工芸、旅館、現代美術などの文化、地域資源の連携・集積を進めるともに、ブランド化や国内外への情報発信、恒常的なインバウンド誘致により、地域において新たな収益を生み出す仕組みを構築することが重要である。

その際、国においては、商工業、農業、観光業などの異業種・異分野の連携の場を形成し、新たな付加価値を創造する仕組みづくりを行うとともに、高品質の「和」の資源を支えているのは、中小企業、個人が中心であり、自ら海外市場への販路開拓、海外市場で評価される商品開発、海外からの集客・インバウンド需要の獲得は困難であることから、内外における商談会・情報発信の場を確保することが必要である。

また、それぞれの地域がバラバラに情報発信をするのではなく、「クール・ジャパン」としての「ジャパンブランド」を確立し、世界で活躍するグローバル企業と、地域を支える中小企業の連携を進め、地域と海外市場の繋がりを強め、海外で通用する地域の魅力・資源の再発見、相互マーケットの拡大を推進する必要がある。

こうした取組を進めるに当たり、クリエイティブ産業に従事する若手人材の育成、外部人材の誘致などのクリエイティブ人材の集積により、文化産業の非価格競争力を強化することが重要である。このため、国内外のクリエイティブ人材を地域において集積し、外国人も含め国内外の視点により、新たな地域資源を発掘するとともに、我が国に蓄積されている技術力、匠の技、感性、知恵と融合し、海外市場で評価される商品の開発、販路開拓を進め、伝統工芸、ファッション、デザイン、コンテンツなどの新たな文化産業を創出し、地域資源の海外展開とインバウンド誘致の取組を推進する。

(3)コンテンツの海外展開施策について

我が国のコンテンツは「クール・ジャパン」として海外からも高く評価されており、海外展開を通じた成長を見込める有望な産業である。一方で、米国のコンテンツ産業の海外輸出比率(17.8%)の約3割に過ぎず、海外からの高い評価を経済的利益に転化できていない。今後の持続的な成長のためには、日本のコンテンツの価値を活かし、海外からの収益を獲得していく事が重要。以下、主なコンテンツ海外展開支援施策を示す。

1. コ・フェスタ(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)の開催

東京国際映画祭を中心に、アニメ、音楽、ゲーム等のコンテンツ・イベント等が一体となって国内外に発信する世界最大の国際コンテンツ・イベント。平成19年度より開始し、今年で6回目。過去6年間の開催を通じ、日本コンテンツの発信の場(来場者約170万人)、海外展開の足がかりの場(併設商談会等における商談件数3千件以上)、業界横断的なネットワーク形成の場として一定の成果を上げた。コ・フェスタが国内外で知名度を高め、海外のバイヤーやメディア、一般消費者を多数誘引できるようになると、@日本のあらゆるコンテンツに同時に触れてもらうことによって日本の総合力で勝負することが可能になり、A海外展開余力の乏しい中小企業が国内から海外にアピールできることでコスト面での優位性が高まる(第4-2-2-7図、第4-2-2-8図)。

第4-2-2-7図 コ・フェスタ ブラジルの様子
第4-2-2-7図 コ・フェスタ ブラジルの様子

第4-2-2-8図 コ・フェスタオフィシャルイベント(抜粋)
第4-2-2-8図 コ・フェスタオフィシャルイベント(抜粋)

2. アジア・コンテンツ・ビジネス・サミット(ACBS)の開催

ハリウッドにコンテンツの流通を席巻されている現状を打開し、アジアの多様性の中に共通項を見つけ、「メイド・イン・アジア」の新しい魅力のある作品作りを目指して、2008年にACBSが創設された。産業界交流・ビジネス展開の場としてアジア8か国・地域(日本、中国、香港、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)のコンテンツ産業に係る政府、産業界、学識経験者等が参加しており、2009年10月の第1回会合において、アジア全体の競争力向上のための各国・地域における国際共同製作の促進や人材育成・交流の促進等を盛り込んだ共同宣言文が策定された。共同プロジェクトの具体的実施を通じて、アジア・コンテンツ市場の拡大、国際共同製作支援、人材交流等の国際的な課題に取り組んでいる。ACBSにおけるビジネス創出の組合せによるアジア域内の連携強化、市場拡大を図る。

3. (株)All Nippon Entertainment Worksの設立

我が国には、国際的に高く評価されている「原作・物語」や、それに関する「キャラクター」が多数存在しているが、これらコンテンツを十分に活用し、潜在的価値を収益化していくメカニズムが確立していないのが現状である。こうした中、日本の映画・TV番組・ゲーム・書籍等のコンテンツについて、海外展開を支援する、「(株AllNipponEntertainmentWorks(ANEW)」が産業革新機構の100%出資で2011年度に設立されたところ。ANEWでは、日本の魅力あるコンテンツを素材として、グローバルに展開することを視野に入れた映画化等の企画開発業務をハリウッドスタジオ等と協力して行い、海外で大きな収益を上げることができる革新的事例の創出を目指す。また、同会社の取組を通じて、我が国のコンテンツ業界に海外展開のノウハウが蓄積されることや、コンテンツの価値に見合う適切な対価が国内に還元される仕組みが構築されることも期待される。

4. (株)グロザスの設立

日本はグローバル競争力の高い魅力的なデジタルコンテンツ等を持つ一方で、文化対応などのローカライズ、課金回収、現地語への翻訳、販売促進及び法制度対応といった煩雑な付随業務のため、海外展開に踏み切れない中小企業が少なくない。こうした状況を踏まえ、中小企業等が有する優良コンテンツ等の海外展開を支援するため、2012年5月に、(株)産業革新機構とニフティ(株)が共同で「(株)グロザス」を設立し、個別の中小企業では実施が困難なローカライズ、課金・翻訳及び販売促進等を代行している。インドネシア及びマレーシアを皮切りに、現地の有力配信事業者やフェイスブック等に直結してサービスを提供することにより、中小企業等が有する優良コンテンツ等に海外の顧客を誘導することを目指す。




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