会見・スピーチ


甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要

平成20年3月18日(火)

11:34〜11:50

於:記者会見室

 

(閣議/閣僚懇)

 

 私からは特にありません。どうぞ。

 

(質疑応答)

 

【日銀総裁人事】

 

Q: まず先ほど政府が日銀の総裁人事について、国際協力銀行の田波総裁を提示するということなのですけれども、これについて大臣の所感をお伺いできればと思います。

 

A: 極めて適切な人選だと思います。資源外交でも一緒に取り組んできたパートナーでもありましたが、その都度極めて適切なご発言をされていた方だというように記憶をしております。

 

【地球温暖化対策】

 

Q: G20を終わったわけですけれども、昨日、環境高級事務レベル会合というのが開かれてEUのデルベック環境総局次長がセクター別アプローチについて、非常に有益なアイデアであるということで基本的な支持を表明なさったということなのですが、日本がこれからセクター別アプローチを世界に提示していく中で非常に意味のあることではないかと思うのですけれども、その辺の感想をお聞きください。

 

A: いままで通商や経済を担当する閣僚間、事務レベル間ではかなりこの有用性が共有されてきたわけですが、環境を担当する部署でこの有用性の認識が深まってきているということは極めて良いことだと思っています。新しい枠組みは時間をかけて来年末までにつくるわけです。各国が余り急ぎ過ぎて、余り強圧的につくるとかえって反発を招くということ、これは途上国の代表が私にアドバイスをしてくれたわけですが、日本が何か、やたらせっかちに新しい枠組みを主導したいと思われると誤解が生ずると確かに思います。その有効性を順々と説明をしていくということによって理解が広まっていくのだと思います。G20の場でも次期枠組みをつくっていく中での必要条件だという発言は他国からもありました。ということは、十分条件だとは言われなくて必要条件だと言われたのは、要するに時間をかけて議論をしていく中でセクトラルアプローチがより良いものにするためにどういう議論が必要かと。あと足らざるところについてはどういうカバーする必要があるかとか、そういう議論が必要だということなのだと思います。途上国からは、従来の枠組みで途上国に有利な点が幾つかあることが全部一掃されてしまうと困るという意味で、とってかわるものではないのでしょうね、という話がありました。とってかわるというのは、例えばいままでのCDMが途上国に資金と技術を移転する有効な策としてあったわけですが、途上国にとって有利な仕組みが全部チャラにされてしまって、これが全部枠組みを決めるということになるとしたら、ちょっと待ってくださいということなわけです。しっかりと有効性、途上国にとってもどういう点が有利かという、メリットがあるかという点をしっかり説明していきたいと思います。技術移転も資金支援の仕組みもセクトラルアプローチには入っているわけですし、それと連動して民間投資が入っていくと。これが実はその国の経済を助けるのに極めて重要なのですが、そういう公的な資金と民間投資とがつながっていくという点も理解を広めていかなくてはならないと思いますし、それから途上国は支援はありがたいのだけれども義務づけは勘弁してくれと、そこの部分ですべてを仕切られてしまうと、まだ時間もあることだし、急ぎ過ぎなのではないかという警戒感があるわけです。ただ、セクトラルアプローチというのはセクトラルごとに効率化が進むわけですから、そこでCO2削減がどのくらい算出できるというのがオートマティカリーにその分野に関しては積み上げられるわけです。ですから途上国にとって無理なくこの位はできるということが自主申告できるという仕組みがあります。途上国は「差異ある」というのはどうやって位置付けてくれるのだと、差異ない枠組みでは約束が違うねと、共通だか差異ある取り組みと、その差異をセクトラルアプローチの中でどう位置付けてくれるのですかということを我々が問われているわけですから、その点についてもしっかり説明していく必要があると思います。例えば、大まかな目標に向けた年数の差を先進国、途上国でつけるとか、目標の野心の高さについて先進国、途上国で差をつけるとか、その差異をどうやってつけるかというのはセクトラルアプローチの中でもきちんと設計ができるわけですから、同じ土俵だけれども、先進国とは異なるハンディキャップをどうつけてくれるんだということについて理解が進むようにしていきたいと思います。

 

【炭鉱開発】

 

Q: 一部報道なのですけれども、三井鉱山が北海道の舞台で新しい炭鉱開発を始めると。13年ぶりに日本では新しい炭坑開発になるということですけれども、資源高が背景にあるんですが、これについてご所見があればお願いします。

 

A: たしか露天掘りが可能なところで、そんなところが日本にあったのかと私も初めて知りましたけれども、今までは国内炭のコストが外国のものに比べて合わないということで閉山せざるを得なかったと。資源価格の高騰がそういう思わぬ恩恵をもたらしたというこういうとなんだと思いますが、これは産出量が極めて限られていますから、日本の資源政策を大きく変えるという期待は抱かない方がいいのですけれども、価格が上がってくるといままでコスト高でできなかったことについて新しい可能性が開けてくると思います。ですから我々は高いコストでも見合うようなエネルギー開発だという追い風は炭鉱再開も否定はしませんけれども、できるだけ新エネルギー開発、あるいは脱炭素に向かうようなエネルギー開発に進んでいくべきだと思います。それが消費国の化石燃料の交渉、価格交渉力をつけることにもなると思います。

 

【日銀総裁人事】

 

Q: 日銀総裁の人事案の件ですけれども、福田総理は当初、ベストな人選ということで日銀の武藤副総裁を挙げたわけですけれども、こうやって人事案を差し替えるということに関しての大臣のご所見とあとマーケットが非常に荒れている中で日本政府として総裁の任期ぎりぎりまでこういった人選がかかったことに関しての大臣のご所見をお願いします。

 

A: とにかく空白ができないことというのが一番大事だと思います。日本に中央銀行の総裁がいない期間が生ずる、世界第二の経済大国で、影響力も大きいその国の中央銀行の総裁がいない期間が発生するということは絶対避けなければいけないと思います。それから武藤さんから田波さんに差し替えということであります。極力最初に決めた人事で了解がとれるのがいい、ベストだと思います。ただ、田波氏は能力的に武藤さんと同等の優秀な人材だと私は思っております。

 それから、どういう人を人選するかということは通貨金融政策に関わる一番ポジションの高いポストでありますから、市場の金融のプロが敬意を表するような専門家でないといけないわけです。通貨金融政策にとって極めて権威を有する人を国会が了解をする。順序が逆になってはいけないと思うのです。国会対策上了解をする人から人選をするということは、これは順序が逆だと思いますから、政府をそれなりに市場関係者がその発言に一目を置くというような知見を持っていらっしゃる方を選ぼうとしているわけですから、そこはしっかり野党も受けとめていただきたいと思います。

 

Q: 民主党からすると財金分離の原則、田波さんというのは相当程度抵触するのではないかという見方もあるようですけれども、そこはいかがですか。

 

A: 民主党も要するに財務省出身者ということで反対はしないと、いろいろな方は仰っているのです。財金分離というと財政政策にとらわれてしまうというのは別な話であります。もっとはっきり言えば財政政策がわからない人が日銀の総裁になることのほうが恐ろしいのではないかと思っていますけれども。

 

【地球温暖化対策】

 

Q: 先ほどのセクトラルアプローチの話ですけれども、途上国の懸念、異論といったものを払拭するために今後サミットですとか次期枠組み決まるまで時間ありますけれども、今後具体的にどういった場をとらえてそういった途上国の理解を得ていくのかという戦略といいますか、今後の進め方についてのお考えをお聞きします。

 

A: 私はいままで東アジアの経済大臣会合とかAPECの場、あるいはエネルギー大臣会合等の場でセクトラルアプローチを提案しまして、それなりの支持を得てきたわけです。これからは、問題は次期枠組みに向けての取り組みになりますから、メリットというか途上国にとっていままでは技術がもらえる、お金がもらえる、これに反対するということは得策ではない。自国の産業の高度化にも資すると。これからは次期枠組みですから、すべての国が一定の縛りに入ってくるわけです。つまり制約を受けるということです。そうしたときに途上国側としては享受できるものはできるだけ受け取りたい。守らなくてはならない制約は少なくしたいと当然考えていくでしょうから、このセクトラルアプローチというその枠組みを進めていくと約束を守れる仕組みなんだと。オートマティカリーに。そこのところをしっかり理解する。つまり、キャップをかけられるのとはある意味少し違うのだと。強制的に上からここまでしか出してはいけないというのと違って、自動的に削減をしていく仕組みだから当然その成果は報告できますよということを無理なく削減に参加できるという点を強調していきたいと思います。これからは私の経済大臣のベースとそれから環境大臣のベースで、これは環境省鴨下大臣もセクトラルアプローチについて協力して取り組んできていただいているわけですから、環境ベースでもこの利点をしっかりと説明をして、いま世の中で考え得る最も無理なく貢献できるやり方だということを途上国に理解をしてもらうための努力を環境大臣ベースでもしていただくというつもりです。環境大臣会合、それからG8のエネルギー大臣会合もサミット前に控えていますから。

 

(以上)

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