| 甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要 | |
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平成20年4月8日(火) 10:15〜10:43 於:記者会見室
(閣議/閣僚懇)
私からは特にありません。
(質疑応答)
【地球温暖化対策/地球温暖化問題に関する懇談会】
Q: 5日の洞爺湖での温暖化の懇談会、あるいは国民対話のほうで、大臣の考える成果とご感想をお伺いします。
A: 洞爺湖サミットに向けて、日本が何を提案し、何をリードしていくかということについて、次第にフォーカスが絞られてきたと思っています。その中で、私からは、国民全体で、ある種の覚悟をする必要があって、日本の高い志を進めていくには、覚悟とコストが必要であるということを申し上げたわけですが、出席者の中から、もちろんそうだけれども、もう一面前向きに考えて、コストを52兆円投ずるということは、それだけ投資の機会があるということで、技術開発投資が行われるのだという前向きな面も捉えてはいかがかという話がありまして、これはとても良いお話だと思います。技術開発を進めていくに関して、消費者もそれなりのコスト負担を要請されることですが、生産側も消費の側もそれを投資の機会として捉えて、それによって国民生活が経済の拡大を通じても貢献があるという点も捉えていかなければならないと思っておりました。
【電源開発】
Q: J−POWER株の買い増しのお話なのですが、公の秩序の維持を妨げるおそれがあるという判断に至った理由をお話しいただければと思います。
A: 何度も申し上げてきておりますけれども、ファンドが株主権をどう行使しようとも、それは自由なのです。それは一般の会社に対して何をなされようと、それは自由なのです。ただ、一般の会社でない枠組み、その投資行為が国の安全保障にかかわるとか、公の秩序安定にかかわるとか、そういうものについては、OECDでルールを決めているわけです。そのルールに従って審査をする必要があるかないかを判断すればいいということでして、J−POWERの場合には、まず大間の原子力発電所の設置計画があります。近いうちに許可がおりると思いますけれども、これは日本のプルサーマル政策を支えていく、温暖化防止政策を支えていくという重要な要素になっております。これに対する影響はどうなのか、あるいはJ−POWERは日本4島を結ぶ基幹送電網を唯一持っている会社です。ここに対する影響がどうであるのか、あるいは周波数変換の3割を支える設備を持っている会社です。つまり電源開発に支障が生じたら国民生活に直接影響を与えてしまうという基幹電源ですから、影響があるかないかということを慎重に審査をするというのは、当然のことでして、これは個別事情でやるわけではありません。OECDルール、国際ルールに従ってどこの国も当然やるであろうことを行うということです。
Q: いまの件で、渡辺大臣が閣議後の会見で、今回、空港の問題と違って法令協議のマターではないので、いまこの段階でははっきり言わないものの、一般論という形で、日本というのはいま投資を呼び込もうとしていると、もし仮に経済産業省として今回、投資計画を認めないとなった場合、その判断が、日本がいま進めようとする投資の呼び込みに支障を生じないということをしっかり説明する必要があるではないかということを言っていたのですけれども、今回、閣僚内でこれにつきまして異論も出たりしているのでしょうか。
A: 全く異論は出ておりません。全く支障も生じないと思います。これは投資云々という視点、もちろんそれは関連してかかわることでありますが、国民生活の秩序維持、あるいはプルサーマル政策で言えば、プルトニウムが積まれたままになっているのか、きちんと平和利用されるのかということは、IAEAの保障行為なのでありますし、これは世界中から安全保障の視点からも日本はきちんとできたプルトニウムは平和的に処理されるのですねということに対して、こういう計画でやっていきますという枠組みの一つなのです。ですから、公の秩序に加えて、国家安全保障とダブルできいてくる話ですから、一般の投資案件とは違いますというのは、国際ルールが認めているところなのでありまして、日本だけがやっているわけではありません。 加えて、ですから私が申し上げましたように、一般の企業に対してたとえ理不尽と言われようとも株主権の交渉をされるのは、それは自由なのです。それに対して影響を受けるのは、企業がきちんとした対抗措置をとっていなかったというだけの話なのです。これはそれとは全く別案件だということです。日本の外国人株主の株式の売買の量というのは、東証においては取り扱い外国人株主比率というのは6割なのです。よく言われていますのに、外国人比率が多くて、国内外国人比率が少ないから物すごく影響を受けるのだと、もっと国内比率を増やせという議論が一方であります。これはむしろ外国人比率を減らすというのではなく、要するに国内外国人の量をもっと増やしていく必要は当然あると思います。そういう問題はありますが、比率で言いますと6割です。世界に開かれている市場というと皆さんはどこを思い浮かべますか。金融センター、香港を思い浮かべるでしょう。香港の外国人株主の取り扱い比率はどのくらいだかご存じですか。4割ですから、日本が開かれてないというのは全くの誤解です。JDRという手法でインドの企業が上場予定と報道されています。これはまさに外に向けて市場を開いてどんどん投資を呼び込んでいく証しであります。ですから、淡々と国際ルールに従って、懸念があるかどうかを確認していくということだけであります。
Q: 明日、自民党の議員連盟にTCIのアジア代表のジョン・ホーさんがいらっしゃって意見を述べられるという話を聞いているのですけれども、そういったところでの発言が注目されると思うのですが、そういったところで一体何が確認されれば投資が認められる余地があるのか、お聞かせください。
A: そこの中身について、これから外為審が行われる中で、私が先入観を与えるような発言は一切すべきでないと思います。外為審というのは、先ほど申し上げました国の安全とか公の秩序について懸念がある以上はかけなければならない。そこで、専門家の学者の方の議論をしていただいて、意見をいただくわけですが、それをどちら側にも誘導するような私の事前の発言は控えた方がいいと思います。それぞれ中立な学者の方々、中立なメンバーによって審議が行われるわけですから、それを見守りたいと思っております。
【地球温暖化対策】
Q: 本日、夕方、経済財政諮問会議で、環境問題、地球温暖化問題が議論になるようですけれども、ここで民間の議員が排出権取引の検討・加速というのを提案する見通しのようですが、今日の会合では大臣としてはどのようなご提案、あるいはご意見を述べられる予定でしょうか。
A: 我が国は公式には総理がダボス会議でセクトラルアプローチ、セクター別ボトムアップアプローチというのを提案しました。私自身は経済大臣の会議でいろいろな場面で提案をしてきましたけれども、総理ご自身が提案をされたのは初めてだと思っております。その後、経済大臣だけではなくて、環境大臣の席にもこの提案がなされました。ですから、既得権にかかわっていらっしゃる方々は既得権が剥奪されるのではないかという懸念を持つのは当然のことです。ただし、セクトラルアプローチが何を言っているかというと、一番大きな点は、公平な基準を設けるということです。これはベンチマーキングということをやるわけです。セクター別に鉄鋼なら鉄鋼セクター、セメントならセメントセクター、世界中を網羅して、標準的にこれくらいの効率ではできますというのがベンチマークで決まったとします。そしたら、それよりたくさんCO2を出しているのは普通に努力の余地があると、それより排出を少なくしている企業については、前向きな成果が得られるということで、そこで次なる努力はどう要請していくかの基準点ができるわけです。 従来のキャップアンドトレードの最大の欠陥は、基準点がないということなのです。つまりいままでのルールはグラウンドファザリングで既得権を認めていると。つまりサボればサボっているほど有利に働くということですね。この地球温暖化防止というのは、努力の成果が評価される。努力をして成果を出したことが評価されるということが極めて大事なことです。そういう点で、セクトラルボトムアップアプローチというのは、きちんとした基準点をつくられる。そして、その基準点に沿って、より多くの努力を要する人、模範的な行動を示している人、模範的な行動に向けて技術移転をしていく、そのための資金メカニズムができているわけですから、私は極めて理想的な仕組みだと思っております。ただ、既得権益にしがみついていらっしゃる方は都合が悪いわけです。ですから、そこに従来のメリットを全部払拭してしまって、取って代わるものではないという警戒感を解くということから始めなければならないと思います。 加えて、途上国にしてみれば、我々は成長する権利があるはずだと、先進国の地点に到達するまで見逃してもらえる権利があるはずだということなのですね。しかし、いまや中国で言えば、年間に13%もCO2排出量を伸ばしているわけです。これはGDP成長率を上回る排出量ですから、これは大変なことになってしまうものですから、成長を犠牲にしないやり方はありますと、それは効率的なエネルギー利用ということですから、その技術移転というスキームがありますから、これは途上国にも受け入れられるはずであります。 加えて、基準点を決めて途上国には達成のスピードとか、目標を先進国とは差をつけてあげるとか、同じ土俵に乗って差異ある取り組みというのができる極めて理想的なやり方なのです。新しい枠組みは共通だが差異ある取り組みということのはずです。つまり基準を共通にさせないと、どっちが減っているのか、どっちが増えているのか、わからないわけですから、この共通だが差異ある取り組みに向けては、まさに理想的な取り組みだと思っています。排出権の取引については、そこで商売が成り立っているわけですから、その商売の上によって立っている人は、その商売がこれからも栄えていかなければ困るわけですから、当然商売が栄えるような主張をされるでありましょう。 この地球温暖化防止対策というのは、何を成果に得るのですかと、実務としてCO2が減るということを確認することを求めるのか、それとも金もうけ先行でビジネスが先にいくということを求めるのか、そこの動機の純粋性を求めなければならないと私は思っているのであります。いろいろな手法があっていいと思いますが、セクトラルボトムアップアプローチというのは、純粋に減らしていくという志を持っている、しかも実効的な取り組みだというふうに私は信じて疑いません。 このことについて、少しずつではありますけれども、理解が広まっています。一部のマスコミが誤報をしておりますけれども、セクトラルアプローチも議定書の新枠組みの中で、ワークショップは2回目に開かれるということは決定しているわけです。なぜ1回目に開かなかったのと、1回目は途上国が自分たちの主張に沿ったものを先に議論してくれということですから、それを譲ったわけです。第2回目のワークショップではきちんと取り扱われるということになっています。3回目、4回目では技術開発だったと記憶しておりますけれども、着実にこの実施に向けての歴史を刻んでいるのだと思います。ですから、ここは世界にとってもいいし、差異ある取り組みにも資するし、技術移転にも資するし、いろいろなことを包含しているこの仕組みをここは理解しているところは国を挙げて取り組んでいかなければならないと思います。次第に理解をする国が増えてきました。賛成だとはっきりおっしゃる国も増えてきましたし、いままで反対だとおっしゃった国が検討には値するというように軟化もしてきているのも事実であります。 これは当初はよく言われた言葉でありますけれども、後から新しい仕組みをつくるということの困難さ、ローマ教会の前でそれでも地球は回っていると叫ぶガリレオの心境だというようなことを言いましたけれども、これは担当者の率直な思いだったと思います。正義は我々にあると思いつつなかなか理解されないと。しかし、少しずつ理解されてきていることは事実だと思っています。
【資源外交】
Q: 昨日、日本とEUとの間で資源の官民対話というのが開かれたと思うのですが、改めて大臣から国際資源メジャーの合併と買収に関する国際ルール、どういった国際ルールが望ましいのかという所感をお伺いしたい。それから、大臣がEUと中国の首脳とこの問題に関するどういった意見交換をされているのか、この2点をお伺いしたいと思います。
A: 資源メジャーの合併論議は、この資源に限らず国際的なシェアを圧倒的に有する状況が発生するということは、独禁政策上好ましいことではありません。日本も日本の所掌範囲については、公取が厳正、適正な対応をするでありましょうし、各国ともその対応に向けて取り組むということを、私自身は促しております。具体的に事務方でどういう話をしたかということについては、私自身が詳細に把握はしておりませんが、考え方として独禁政策上各国がとるべき政策については、厳正、適切にとっていくということを促しているということであります。
Q: EUや中国の首脳との意見交換というのはされていらっしゃるのでしょうか。
A: それはしておりません。会合の席上で外国首脳とお会いしたときに、折に触れてするということでありまして、特に直近で中国、EUの首脳と、あるいは要人とこの件について意見交換をしたということはありません。
【日銀総裁人事】
Q: 日銀の総裁の件なのですけれども、白川さんが昇格するということでほぼ民主党も賛成するようなのですが、逆に副総裁の渡辺さんのほうは反応がかなり分かれているようなのですけれども、そのあたりの民主党の対応について大臣はどのようにお考えでしょうか。
A: 私が閣内にいなければ、もっと思い切ったことをいっぱい言うのですけれども、閣内にいるものでありますから、閣僚がこんな発言をしたということがこの邪魔をしてはいけないと思います。穏やかに申し上げますけれども、財務省にいたからということでけしからんということになりますと、これから民主党さん自身の行動を相当縛られることになると思います。国際社会の常識というのは、この通貨の関係するプロたちが一目置く存在が中央銀行の総裁、副総裁の人事でありますから、経験、識見に裏打ちされているかどうかということを評価すべきでありまして、どこの役所だからいかんということになったら、そういうことを物すごく縛ってしまうということになりますし、そういうことを発言する党の行動を縛ることになると思います。 財務省出身者、なかんずく事務次官出身者というのは、世界中の中央銀行にいっぱいいるわけです。現にEUのトリシェさん、私も何年か前にお会いしましたけれども、当時フランスの中央銀行の総裁の時代だったですけれども、彼はまさに財務省次官経験者そのものでありますし、アメリカにもかつての中央銀行総裁経験者はそういう方がいらっしゃいますし、世界中に沢山いるわけです。ですから、能力的に適切かどうかということについては、厳しい目を持つというのは当然でありますけれども、どこの役所だからいかんと言ったら、身動きがとれなくなってしまうのではないかと思いますし、国際社会からはちょっと奇異の目で見られるということになってしまわないかということを心配しております。当然、そういう点は民主党さんを初め野党さんも冷静にお考えになると思いますから、適切な判断がなされるということを期待しております。
【暫定税率】
Q: 暫定税率の件なのですけれども、ちょうど切れてから1週間以上たちましたけれども、現場のガソリンスタンドのほうから値下げのスピードが速くて苦しいという声ばかりが聞こえてくるのですけれども、大臣から見て、この値下げが起きたことによって、むしろよかった面、メリットがあった面というのは何か波及をしているとお考えでしょうか。
A: よかった面は何があるのだろう、それは私も選挙区へ帰りますと、地元でガソリンが下がったというのは一個人としてはありがたいけれども、複雑な心境だなと発言する人が結構いるのですね。税金が安いからいいということだけではなくて、その結果、どういうことが起きるのだろうかということに思いをはせている人が増えてきたなというふうに思います。ですから、消費者の側でも自分個人にとって言えば、安いガソリンはありがたいよとの、でも公にとって見るといろいろ問題があるよなという方が随分、少なくとも私の周りには地元では多いです。一生懸命考えていただいている方だと思います。 ガソリンスタンドについては、当初これは蔵出し税ですから、税金がかかっている分を売り切るまではその価格でという思いで個々のスタンドはいらっしゃったと思いますけれども、持ちこたえられないということで、仕入れ値に旧暫定分がのっているものを、それを切れたと自分でかぶって販売している方が非常に多いのです。混乱は皆さんの協力で最小限におさまったというように思っておりますけれども、経営上の懸念というのは非常に深刻でありますから、そこで先般申し上げましたとおり、超低利融資で運転資金を供給するということで、運転資金の借り入れ利息分についてカバーするということで、全部とは言えませんけれども、7〜8割はカバーできるのではないかと、しかしそれでも、もともと経営が厳しい業界でありますから、大変なご迷惑をおかけしているのではないかというように思っております。
(以上) |
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