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枝野経済産業大臣の臨時記者会見の概要
17:11~17:31
於:記者会見室
冒頭発言
原子力災害対策本部会合
先ほど第23回原子力災害対策本部が開かれましたので、これについての会見をいたします。
三つ議題がございまして、まず一つ目に野田総理から東京電力福島第二原子力発電所に係る緊急事態解除を宣言いたしました。
二つ目に、いわゆる区域の見直し関係でございます。
先般のステップ2の完了によって、原子力発電所の安全性が確認されたことから、警戒区域及び避難指示区域の見直しについて、具体的な検討を開始する環境が整いました。今後、具体的な検討を開始するに当たり、国としてまずは見直しに関する基本的な考え方を提示することといたしました。
見直しに当たり発生し得る諸課題への対応や新たな区域の運用については、今後、福島県、それから市町村、住民の方々を含め、関係者との緊密な協議、調整を行いながら、検討をしてまいります。その手始めとして、既に先週、松下副大臣が関係市町村長を個別に訪問し、各市町村長から率直な御意見もいただいております。
これらを踏まえて、本日本部において、ステップ2の完了を受けた警戒区域及び避難指示区域の見直しに関する基本的考え方及び今後の検討課題について取りまとめたものであります。
繰り返しますが、これから申し上げる中身は、基本的な考え方を提示するものでありまして、今後具体的には県、市町村、住民の方々との緊密な協議、調整を行いながら検討していく、そのスタートラインでございます。
まず、具体的な中身としては、今後新たに設定される区域の共通課題として、3点、第一に住民の安全、安心の確保を最優先に実施をしていく。放射線に対する住民の不安感を払拭するためにも、放射性物質の健康管理に関し、コミュニティレベルで住民との継続的に対話を行う体制整備などを行ってまいります。
二つ目に除染については、適切な優先順位、中間目標を設定して、徹底した除染を実施してまいります。除染を始め、線量の低減に関する取組は、子供や子供の生活圏を優先して実施をしてまいります。
三つ目に、住民の帰還に向けて必要なインフラの普及や雇用対策などを政府一丸となって取り組んでまいります。損害賠償についても、原子力賠償紛争審査会への迅速な検討を
要請をしてまいります。
以上の共通課題を踏まえつつ、まず警戒区域の見直しについて申し上げます。
ステップ2の完了により、短時間で極めて高いレベルの放射性被ばくが生じるリスクは解消されました。したがって、警戒区域は解除をすることが基本となります。しかし、住民の安全な帰還を確保するためには、解除に先立ちインフラの安全確認や応急復旧、治安対策などを講じる必要があります。こうしたことに全力を挙げ、早ければ4月、そこから大きく遅れない一定期間を経過後に警戒区域を解除することを目指してまいります。
避難指示区域については、現在出ております半径20キロの区域及び半径20キロよりも遠い計画的避難区域について、一体として見直しを進めてまいります。今後、関係者との協議を速やかに開始し、3月末をめどに新たな地域設定を行いたいと考えております。
具体的には、新たに三つの区域を設定したいと思っております。
一つは、現在ある避難指示区域のうち、住民の皆さんが受ける年間積算線量が20ミリシーベルト以下であることが確認された地域を避難指示準備区域に設定をしたいと考えております。この区域では、当面避難指示は維持するものの、除染、インフラ復旧、雇用対策など、復旧、復興に向けた支援策を早急に実施し、進捗状況を踏まえ、できるだけ早期に、段階的に避難の指示を解除したいと考えております。
次に、年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがある地域を居住制限区域に設定をしたいと考えております。この区域では、将来的な住民の皆さんの帰還及びコミュニティの再生を目指し、除染やインフラ普及を計画的に実施してまいりたいと考えています。
最後に、放射性物質による汚染レベルが極めて高く、長期間具体的には今後5年間が経過をしても、なお年間50ミリシーベルトを下回らない可能性が高い地域(後述に「5年経過をしても20ミリを下回らない可能性の高い地域)と訂正)、具体的には現時点で50ミリシーベルト以上の地域を帰還困難区域に設定をしたいと考えております。
こうした区域にもともとお住まいの皆さんには、大変なつらい思いさせて、申し訳なく思っておりますが、長期化する避難生活や生活再建の在り方、自治体機能の維持などについて、国として責任を持って対応をしていく考えであります。
こうした区域の不動産の取扱いについても、今後、県、市町村、住民の皆さんと密に意見交換を行い、区域内の住民に対する支援パッケージ全体を議論する中で検討を進めます。
すみません、ここの線量を言い間違えていたようですが、5年経過をしても20ミリを下回らない可能性の高い地域、現時点ではそれが50ミリシーベルトというのが数字でございます。
いずれにしろ、こうした区域の見直しに当たっては、市町村ごと、あるいは住民の皆さんごとにそれぞれ状況や、あるいは御意見が大きく異なっておられます。そうした皆さんの意向を十分に把握しながら、きめの細かい対応を行いまして、政府一丸となった最後の最後まで責任を持った総合的な支援策を講じてまいります。
最後に、本日は21日にまとめられた中長期ロードマップについて、細野大臣から報告がございました。この中長期ロードマップ、原子力発電所の安全と廃炉とに向けた作業についても、政府一丸となって全力で取り組んでいくことを確認いたしました。
以上3点について、本日の原子力災害対策本部について、決定、確認をいたしました。
繰り返しになりますが、特に避難地域にお住まいの皆さんにはそれぞれ大変厳しい思いをお掛けしている中でございます。基本的な方針をお示しした上で、個別具体的に丁寧に御相談をしてまいりたいというふうに思っております。
私からは以上です。
質疑応答
原子力災害対策本部会合
Q: 帰還困難区域なのですけれども、おっしゃったように、住民の心労等が大きいと思うのですけれども、具体的にどのように対策を講じていく心構えなのか、まず教えてもらえますか。
A: 正に非常に長期にわたって、放射線という観点から御帰還ということが難しいということについて、まずは住民の皆さん、あるいはそうした地域を含んでいらっしゃる自治体の皆さんの御意見、御要望というものをまずはできるだけ丁寧に承ることが重要だろうというふうに思っております。それぞれにいろいろ気持ち、お考えをお持ちだと思います。
自治体としても、それぞれの事情、立場があろうかというふうに思っていますので、まずは基本的な方針をお示しした上で、具体的にそれぞれどういった御意向があるのか、またそういった御意向を御判断いただくためにも、賠償についてはどうなるのかというようなことをできるだけ早くお示しをしながら、御相談をさせていくということに、今日のところはとどめさせていただきたい。できるだけ早くパッケージとしての支援策、それを踏まえたそれぞれの御要望をできるだけすり合わせながら、3月めどにできる限り御要望を踏まえた対応ができるように挑戦をしてまいりたい。
Q: 帰還困難区域の資産をこちらで買い上げという話が出ていますが、これについて考え方はどのようになるのか。それについて、これはあくまで帰宅困難区域だけが対象で、例えば居住制限区域など、他の地域については、対象にはならないのか、そういった点についてお願いします。
A: 今のその前のお尋ねに対するお答えと重なりますが、賠償に対する考え方、取扱いと各市町村の復興再生のプランなどとこれは双方が相関関係を持ちながら、出来上がっていくものだというふうに思っていますので、そうしたことを踏まえながら、全体としての住民の皆さんに対する支援パッケージの中で、今後進められていくと、当然3月をめどにしている線引きまでの間には方針、具体的な結論を出したいと思っていますが、現時点では、今のような中できめ細かい御相談をしながら、決めていきたいというふうに思います。
Q: 居住制限区域なのですけれども、住民の帰還までにどのくらいの年限がかかるという目安というものを政府としては持っていらっしゃるのでしょうか。
A: 逆に20ミリシーベルトを下回るのに5年以上掛かると見込まれる地域は帰還困難区域でありますので、居住制限区域については、今後5年間で20ミリを下回ると見込まれる地域でございます。できるだけ早くなるように除染、あるいは同時並行でインフラの復旧であるとか、あるいは徐々に線量が下がっていくのに合わせて、その先の復興などに向けた着手ができるということになっていきますので、できるだけ20を下回ったら速やかに解除ができるようにということを計画的に進めている。もちろん20から50のエリアの中でもそれぞれ線量は違いますので、一律にいつということではなくて、線量が下がるのと、今申し上げた様々な支援の準備が整うというのは、できたところから解除していくということもあります。
事故調査・検証委員会
Q: 今回の事故対策本部のことと直接関係なくて恐縮なのですが、今日事故調の報告書が出まして、その中で事故発生時の官邸の情報発信の在り方について問題視している指摘があったのですが、その点について大臣はどうお考えでしょうか。
A: 従来から、情報の収集、集約、したがってそれが十分でなかったがゆえに、国民の皆さんに対する伝達が十分でなかったということは、官房長官時代から申し上げてきているところ、今回の反省点、教訓だというふうに思っております。
事故調査委員会の報告については、詳細認識をまだいたしておりませんが、中間報告だということでございますので、今後更に関係者、その中に私も入るのだと思いますが、聴取等の中でしっかりとした検証を進められるものと期待をしております。
九州電力について
Q: 今日、九州電力の社長が会見をしまして、これまで枝野大臣がガバナンスを批判していた九電の社長が一、二カ月後をめどに辞任する意向を表明されました。それについての受け止めとメール問題について一定の区切りがこれでついたと考えるのか、再稼働の政治判断にどう影響するのか、お願いします。
A: メール問題についてというか、それに関わる第三者委員会の検証については、過日、九州電力から資源エネルギー庁長官に対して文書が提出されておりますが、そのことをもって、あるいは今回辞任を示唆されると報道されている御発言があったようでございますが、そうしたことの一つ一つのことでけじめがついたりとか、信頼回復ができたということを断言をできるということではないと、私はそれは先日の文書が出てきた時にも申し上げているとおりでございまして、トータルとしての九州電力の様々な対応がトータルとして信頼回復に値をするのかということを今後慎重に見極めてまいりたいというふうに考えます。
Q: それに関連して、看板の取り替えというか、社長が辞任することで信頼回復ができるのではないかという社長の発言がありますが、この前の追加文書の中では最終報告書についての修正はしていません。第三者委の郷原さんも問題の本質については、何も変わっていないという批判をしていますが、今回そういう状況で信頼回復ができるというふう思われるでしょうか。
A: ですから、今後の対応を見守ってまいりたいという状況で、現時点で私は何の判断も下してはおりません。
電力制度改革の論点整理
Q: また別の質問で恐縮なのですが、今日の報道で、送配電事業と発電事業の一体運営の見直しについて、論点整理をまとめたという報道がありました。明日の関係閣僚会議で枝野大臣が論点整理を提出するということですが、現在の検討状況はいかがでしょうか。 あと記事の中では、送配電事業を電力会社から切り離すことについては、電力の安定供給とかコストの面で問題があるとして、否定的なニュアンスだったですが、大臣の御認識はいかがでしょうか。
A: 電力システム改革については、御承知のとおり省内でタスクフォースを設けまして、それで論点整理をいたしましたので、明日の電力改革及び東京電力に関する関係閣僚に案を示して議論をした上で、公表をする予定でございます。
それについていろいろ報道されておりますが、あくまでも明日そちらにお示しをして議論をした上で、現時点での論点整理が決定をするということでございますし、中身は余り詳細を読んでおりませんが、中身が正しいものであるのかどうか、現時点で私のところにあるのと一致しているのかどうか、チェックしておりませんので、中身について聞かれても何とも答えようがありませんが、いずれにしても従来のシステムがベストであるという前提には立っておりません。発送電分離を含めすべて白紙から我が国の電力供給システムを見直していくという考え方のもとで、タスクフォースで検討をしたものに基づく論点整理をするものでございます。
明日の論点整理を関係閣僚会合で、もし決定いただきましたら、年明け以降に総合資源エネルギー調査会に専門委員会を新たに立ち上げて、具体的な改革内容を精力的に検討していこうというふうに思っています。
Q: もし総合資源エネルギー調査会で議論する場合は、基本問題委員会ではなくて、別の委員会を立ち上げてということになるのでしょうか。従来ですとあの手のものは電気事業分科会が担ってきたんだと思うのですが、電気事業分科会では不安があるということなのでしょうか。
A: 基本問題委員会でも、論点整理については御議論いただいて、御意見をいただこうと思っています。ただ、具体的な電力システムの構築というのは、かなり具体的、専門的なことを短期間でやっていただこうと思っておりますので、基本問題委員会でも御意見、御議論をいただいたものを踏まえつつ、別の場で、これは従来の既存の場ではなくて、新たなメンバーで新たな場を立ち上げます。
東京電力への追加支援
Q: また違うことで恐縮なのですけれども、東京電力が損害賠償支援機構に対して、6,000億円の追加の支援を要請することを決めたということなのですけれども、それについて大臣は数日中に判断をなされるのか、あるいは判断をされているのか、お聞かせください。
A: これは、報道は拝見をいたしておりますが、私がそれについて早期、短期に了とするというような方針を決めたということは、少なくとも私のところですので、ないということは明確に申し上げられます。少なくとも、もちろん賠償について、お金がないから賠償ができないということになってしまってはいけない。これは被災者、被害者の皆さんとの関係で、責任を持って東電が賠償する仕組みを一時的に国が出すということは、やっていかなければいけないと思っておりますが、一方で、実際の賠償が残念ながら十分なスピードで進んでいないという実態も見極めなければいけませんし、東京電力のガバナンスの全体の在り方というものを見極めながら、慎重に判断をする必要があると思います。
Q: 年内に解決するということではないですか。
A: 少なくともそういう状況には今なっているとは思っていません。
