経済産業省
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枝野経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要

平成24年1月6日(金)
11:07~11:32
於:記者会見室

 

冒頭発言


今年の抱負

 

 改めまして、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いを申し上げます。

 昨年は日本にとって大変厳しい1年でございましたが、経済産業省にとっては、原発事故によって、福島の皆さんを始めとして多くの皆さんに大変な御迷惑、御苦労をお掛けした大変厳しい1年でございました。この問題に対して、引き続き真摯に取り組んでいくことはもちろんでありますが、同時にこの事故の教訓をしっかりと踏まえた新しいエネルギー政策を構築していくこと、そして同時に広い意味での被災地復興のための日本の経済活力を再生させるということに向けても、何度も申し上げてきておりますとおり、これまでのやせ我慢の経済から価値創造を目指した攻めの経済へと転換をしていくこと、いずれにしても、様々な反省と教訓を踏まえて、前に向かって攻めていく、そんな1年にしていきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 私から2点御報告をいたします。

 


蓄電池戦略プロジェクトチームの設置

 

 まず、そのエネルギー政策にも関わりますが、本日経済産業省に蓄電池戦略プロジェクトチームを設置いたしました。言うまでもなく、蓄電池はエネルギー政策、情報政策、ものづくり産業の振興の観点などから、大変重要な鍵となるものでございます。電力の需給両面で負荷の平準化のための活用、スマートコミュニティの実現など、様々な活用が期待をされます。また、防災対策、あるいは日本規格の世界標準化、新しい市場の創造や競争力の強化等も期待ができる分野でございます。

 これまでも蓄電池については、経済産業省において力を入れてやってきた分野でございますが、それぞれ蓄電池の用途によって部局が分かれているという側面もございました。それぞれの用途に応じた戦略も重要でございますが、総合的、包括的な戦略をしっかりと描きつつ進めていくという観点から、この部局横断的なプロジェクトチームを設置したものでございます。

 今後、精力的に検討、そして実施できるところからの実施を進めてまいりたいと思っております。

 


インド、タイ及びミャンマーへの出張

 

 次に、インド、タイ及びミャンマーへの出張について御報告いたします。

 来週9日から15日にかけて、経済団体や日系企業などのトップの皆さんとともに、インド、タイ、ミャンマーの3カ国に出張をいたします。

 インドでは日系企業進出の重要な拠点でありますチェンナイを訪問いたします。昨年末の首脳会談の結果を踏まえ、このチェンナイ地域の港湾、工業団地及び周辺施設等のインフラ開発を加速するための具体的な議論を行うことで、我が国のインフラ海外展開や日系企業の海外進出を後押しすることにつなげたいと思っております。

 タイでは、言うまでもなく洪水によって大きな被害を受けた自動車などのアジアのサプライチェーン、この復興状況、そしてその復興に向けた信頼回復や産業競争力強化のための我が国の継続的な努力を確認するとともに、現地日系企業に対して、今後とも政府として全面的な支援を行うことを表明してまいりたいと思います。

 ミャンマーにつきましては、昨年のミャンマーの民主化に向けた流れを踏まえて、二国間の経済関係強化について、官民での議論を行ってまいります。ミャンマーの民生の向上や社会の安定、経済発展、そしてそれが民主化に更に後押しになっていくことを目指して、様々な議論を進めてまいりたいと思っております。

 これら3カ国への出張によって、メコンからインドまで一体となった連結性の強化を進めて、日系企業のサプライチェーン強化と貿易投資促進を通じて、アジアと一体となった経済成長の実現を加速してまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

 


質疑応答


福島復興計画

 

Q: 1問目は、福島県が昨年末原子力に依存しない社会づくりを基本理念に、県内の全原発の廃炉を国と東電に求めることを盛り込んだ復興計画を正式に決めました。これに対する受け止め、対応について教えてください。

 

A: 原発については、立地自治体の御意見というものは、大変重たいものがあると、一般的にも言えると思っておりますし、特に福島県については、昨年の原発事故によって、今なお大変大きな御迷惑と御苦労をお掛けしているという状況でございます。

 そうした中で、県が一定のプロセスを踏んで、県としての意思を示されたということは、大変重く受け止めなければいけないというふうに思います。

 


政府・与党社会保障改革本部

 

Q: 次に、本日政府・与党が社会保障改革本部で消費税率を14年、15年と段階的に引き上げる内容などを柱とする社会保障と税の一体改革の素案を正式決定しました。

 税率引き上げの必要性を求める声がある一方、野党が衆院解散や総選挙を求めることなどもあって、法案成立までは曲折もありそうだと。その中で、中長期の経済情勢が楽観視できない中で、増税は国民の理解を得られるかという前提もあるかと思うのですが、そのあたりについて、評価や受け止めについて教えてください。

 

A: 急速に進む少子・高齢化の中で、老後と子育ての安心をしっかりと確保、あるいは充実させていくために、この一体改革はどんな政権であっても避けることのできないテーマであるというふうに思っております。そして、日本経済の少なくとも中期的な将来の見通しということを考えるならば、老後の安心と子育ての安心というものを充実させることで、国内の消費を喚起していくということなしに、日本経済の再生はあり得ない。日本経済再生のためには、この税・社会保障一体改革というのは、一刻も早く実現をすることが必要であると私は確信をしております。

 ただ、これをしっかりと国民の皆さんに御理解をしていただくためには、政治改革、行政改革について、更に力を入れて、スピード感を持って前に進めていくことが重要であると考えておりまして、そうした観点からも、私自身としても経済産業省としても努力をしてまいりたいと思います。

 


TPP

 

Q: まず、TPPについてお伺いしたいのですけれども、今年初めての会見ということもあるので、2012年にTPPの交渉参加に向けてどう取り組まれるのか、意気込みを教えてください。

 

A: 順次、現在の参加国との間の協議を始めていくことになろうかというふうに思っておりますが、できるだけ広範かつ具体的な現在の交渉状況、あるいは現在の9カ国が我が国に何を求めているのか、あるいはくるのかということについて、スピード感を持って情報把握をするとともに、それを国内にしっかりと情報提供して、国民的な議論が十分に行えるように、努力をしていきたいというふうに思っております。これを十分に進めることによって、国民の皆さんの理解を得ることは十分に可能だと思います。

 

Q: TPPについて、アメリカの自動車業界が日本の市場開放が足りないと指摘しているようなのですが、これについてはどうお考えですか。

 

A: それぞれの国のそれぞれの業界の皆さんには、それぞれの意見や見方や立場があるだろうというふうに思いますが、正に国家間の通商交渉の中で具体的に様々なお話があれば、その時にそれがTPPに向けた協議で話し合うべきことなのか、それとも二国間で協議をすべきことなのか、そもそも前提となっている事実認識に違いがあるのか、様々なケースがあり得ると思いますので、その段階で具体的それぞれ判断をして協議をしていくことになると思います。

 


電力会社の公的運営検討

 

Q: まず、原発についてなのですけれども、エネルギー政策の見直しを今後進めていく中で、原子力発電所の電力会社の運営について、今後検討をなされるおつもりがあるのかどうか、もし検討されるとするとどういう方向で検討されるのか、お考えでいらっしゃいますか。

 

A: 御社が大きな見出しで書いていただいておりますが、論点であり、いろいろな可能性については否定をしませんが、今の段階で具体的に何か結論を決め打ちしながら議論を進めていくというつもりはありません。様々な見方があるだろうと思います。

 ただ、少なくとも原子力の安全というものをしっかりと確保しながら、原発への依存度を下げていく、同時に電力の安定供給をしっかりとしていくというこの観点を踏まえながら、あらゆる視点から検討してまいりたいと思います。

 


エルピーダメモリへの経営支援

 

Q: エルピーダメモリの経営支援についてお伺いしたいのですが、3月末に産活法の適用が切れますが、DRAM市況の低迷が続いている中で、9月末の累計現預金残高とか、今後の社債とか借入金の返済スケジュールを見ると、何らかの金融支援が必要になると思われます。今後の支援の在り方、基本姿勢についてどのようにお考えでしょうか。

 

A: 一般論としてこの業界が円高の進展やメモリ価格の大幅な下落等によって、厳しい事業環境にあることは間違いないと思っています。そうした中で、企業として様々な事業構造改革を検討しているということは承知をいたしておりまして、それについて当局としても動向は注視をしておりますが、それ以上の話は個別企業のことでございますので、コメントは差し控えたいと思います。

 

Q: 2年前に経産省は日本にとってDRAMは非常に大事な産業だということで支援を行ったわけなのですが、基本的なスタンスとして、これは変わらないということでよろしいでしょうか。

 

A: 2年前にそういったことを行っているからこそ、今動向を注視しているところであります。

 


山岡大臣の年頭訓辞

 

Q: 山岡大臣が昨日の年頭訓辞で、近々ユーロが破綻する。そして、中国のバブルも破裂する可能性がある。金融経済の大津波がやってくると発言していますが、大臣はこの発言についての所見をお願いします。

 

A: 山岡大臣がどういう情報に基づき、どういう真意でおっしゃられたのか、直接伺っておりませんので、コメントは控えたいと思います。

 


核燃サイクルの直接処分コスト試算

 

Q: 大臣官房審議官が2004年の4月にエネ庁の原子力政策課長をされていた時に、核燃サイクルの直接処分のコストの試算を部下にそれを隠ぺいするように指示したというような報道をしているのですが、その件で内規に基づき処分はしていますが、改めて再調査をするお考えはないか、または既にされているというようなことはないか、伺いたいのですが。

 

A: この問題については、2004年3月に国会でも事実と異なった答弁があったということで、それを契機として当時の大臣の下で徹底的な内部調査を行った上で、報道にある職員も含めて関係者の処分を行ったというふうに報告を受けております。

 もちろん3・11を受けて、核燃料サイクルを含む原子力政策の今後については、ゼロベースでしっかりと検討していきたいと思っておりますし、そうした場において、今回問題となって取り上げられた情報といいますか、資料についても、2004年の時点で既に公になっているわけでありますので、当然そういったことを含めて、検討していくことになるというふうに思っておりますが、当時の正に様々な事実と異なる発言等については、その時点で徹底的な調査と処分が行われております。

 

Q: 当時の会見等で発表されていることによると、直前まで知らなかったということで、大分前から知っていたとかという悪質性というところについては、ちょっと事実と違う判断がされているのではないかと思うのですが、それについて改めて調べることはないですか。

 

A: むしろ当時の経産大臣にお尋ねいただいた方がいいのではないかと思いますけれども、当時内部的に徹底的な調査を行って処分をした問題でありますし、今後のこうした核燃料サイクルに対しては、ゼロベースで今見直しをしておりますので、後ろ向きの話かというふうに思いますので、むしろゼロベースで、しっかりと今までの経緯に縛られることなく、議論をしていくことが重要だと思います。

 

Q: ゼロベースということですので、行政は継続性が必要と思いますが。

 

A: 行政の継続性が必要ならば、選挙によって政権交代があったらおかしくなります。行政というのが継続性があるというのは大きな誤りです。行政というのは、憲法に基づいて、国会の多数を占めた政党が行政権を行使することになっておりますので、したがって選挙の度に継続性はありません。

 

Q: 原発の安全規制担当をされていらっしゃるわけで、今後原子力安全庁の設置の準備に取り組んでいく方なのですが、こういった事実があると、私はその職務自体が不適格ではないかというふうに思うのですが、大臣はどのようにお考えですか。

 

A: ですから、それは2004年当時の内部調査が不十分で、その処分が甘かったのではないかという御指摘だとすれば、正にそういった処分や調査がしっかりと行われたということを、これは行政の継続性は私は憲法上間違った表現だと思いますが、そういったことで引き継ぎを受けております。

 その上で、当該指摘された職員について、例えばこの間、私も官房長官時代から接点を持っておりますが、例えば当時の官房長官である私に対してであるとか、あるいは現時点での大臣である私に対して、当時問題になったような報道と同種のようなことが行われるような状況は全く感じられません。むしろしっかりと当時の官房長官、今は私のしっかりと指示の下で、必要な情報はきちっと報告をしておりますし、あるいは私などの指示に基づいて仕事をしております。

 


東電の公的管理

 

Q: 東電の公的管理の件に関してお伺いしたいのですけれども、年末に大臣が一時的な公的管理も含めたあらゆる可能性を検討するし、排除しないで欲しいというふうにおっしゃったと記憶しているのですけれども、公的管理という言葉がいろいろ出ている、見出しなどで踊っていますけれども、改めて大臣のお考えとして、公的管理の際の狙いというのはどういったものがあるのか、あらゆる可能性の中の一つだと思うのですけれども、どのような狙いを持って、どういった意味があるのか、何を成し遂げたいのか、そのあたりのお考えをお聞かせください。

 

A: 正に選択肢の一つでありますので、一般論として東京電力は今回の原発事故を受けて、国民の皆さんから信頼をされる新生・東電に生まれ変わる、その努力をしなければならない。国としても、そこに対して既に賠償のための資金について拠出をしている以上は、東京電力が新生・東電として国民に信頼される組織として生まれ変わることをしっかりと促していかなければならない。そこにつながっていくのにどうしたらいいのかということの選択肢の一つとしてあるということです。

 


玄海町による経産省職員への接待

 

Q: 九州、佐賀の玄海町長が3・11後も含めて経産省の職員らを会食接待していたということが判明しております。町長も認めております。人脈作りと言っております。その点についての事実関係と国家公務員倫理法に抵触すると思いますが、それについての大臣の見解及び経産省としてこの問題について、今後どう対処するかについてお伺いします。

 

A: この件については、事務方からも報告を受けておりまして、既に徹底した調査を指示しているところでございます。徹底した調査を踏まえて、万が一にも服務上の問題があれば、関係当局とも調整の上、これは公務員倫理法違反等の場合は人事院に設置されている審査会の承認を得なければいけませんので、関係当局とも調整の上で、厳正に対処してまいりたいというふうに思っています。

 


原子力賠償責任法の見直し

 

Q: エネルギー政策の見直しに関連してなのですが、政府内でいわゆる原子力賠償責任法の見直しなんかも課題になってきています。直接現賠法の所管は文科省になっていますけれども、この原賠法を見直すに当たって、大臣として必要な視点、論点というのはどういうところにあるのか、教えてください。

 

A: まず、エネルギー政策全般、その中においてどういうふうに原発への依存を引き下げていくのかということの根本的な議論を、今しているところでございますので、原賠法の今後の在り方については、そうした議論を踏まえた上で、検討していくことになるというふうに思います。

 


核燃料サイクル

 

Q: 核燃料サイクル構想についてちょっとお伺いします。

 日本原燃が今月下旬にもガラス固化体の製造の試験を再開することを表明しているのですが、エネルギー政策のゼロベースの見直しが進む中で、この件について大臣はどうお考えでしょうか。

 

A: それについては、国が承認するとかしないとかという、そういう今段階ではないというふうに承知をしております。当然各電気事業者も、今後の電力政策や特に原発政策の在り方がゼロベースで議論をされていることは、承知なわけでありますから、それぞれそれを踏まえて、それぞれの判断をされる。

 問題は地元の皆さんの十分な理解は必要だと思っております。それについては、努力をされているというふうに聞いております。

 


対イラン制裁

 

Q: 米国の対イラン制裁について、石油業界、エネルギー業界を所管する経産省の大臣としてどのように考えていらっしゃいますか。

 

A: これは我が国とイランとの取引にとどまらず、国際的な原油価格に影響を与える可能性のある大変重要な問題だというふうに思っています。一方で、イランの核問題というのも、これまた大変重要な問題であります。国際社会の対応も見つつ、我が国及び世界経済への影響を最小限に抑えるべく、適切な対応を行っていきたいというふうに考えております。

 

Q: 例えば、仮にイランからの原油が停止せざるを得なくなった場合は、代替調達先としてはどういうところを考えておりますか。

 

A: 今申しましたとおり、現時点では核問題に係る国際社会の対応を見つつ、米国との間でも協議をしております。したがいまして、その先どうなるかという仮定の話にお答えをすべき段階ではないと思っていますが、当然のことながら、あらゆる可能性を想定して、様々なシミュレーションについては十分にしながら、先ほど申しましたとおり、我が国と世界経済に与える影響を最小限に抑えるべく、努力をしていきます。

 


エネルギー特別会計見直し

 

Q: 提言型政策仕分けを踏まえて、エネルギー特別会計について、課税根拠も含め今後検討していくということなのですけれども、いわゆる電促税は原発立地との関係、あるいは石石税については新エネルギーの関係と、前者については課税根拠も原発を引き下げるということであれば、下げていくというふうなこともあり、後者については石油業界からいろいろな不満も出ております。そこら辺も踏まえて、今後どのような課税根拠の議論をされていくのか、存廃も含めてということなのですけれども、廃止も含めて御検討されていくのか、そこら辺の御見解をお願いします。

 

A: これは政策提言型仕分けというのは、その場で全部結論が出せない、だけれども重要な課題について幾つも取り上げていると思います。したがって、そこでの結論がすぐに具体化ができない性格のものでも重要なものについて取り上げていく。今御指摘の件はそういったテーマの一つだと思っています。

 だからこそ、そこでの結論をもちろん特会の在り方という意味では、特会は限りなくゼロにしたいという一方でニーズがあるわけですが、しかし課税根拠との関係を十分に検討しなければいけないということが同時に結論としてなっているわけでありまして、これはすぐに結論が出せる話ではなくて、政府や党の税調などにおいても、他の税目とも併せて、かなり本質的、抜本的な議論をしながら、特会についてどうしていくのかということを考えていかなければならないので、もちろん私の個人的な見解はありますが、所管の大臣として今の段階でそれを申し上げる段階ではないと、党や政府全体としての議論の進行を見ながら、経済産業大臣としての、あるいは私個人としての意見等はそこで提起をしていきたいと思います。

 

以上
 
最終更新日:2012年1月10日
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