経済産業省
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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成26年2月25日(火)
9:28~9:53
於:記者会見室

冒頭発言

エネルギー基本計画

 私から1点、エネルギー基本計画の政府の原案についてでありますが、取りまとめを行いましたので、公表いたします。
 なお、先ほど行われました原子力関係の閣僚会議におきまして、原子力部分について、関係閣僚の了承も得たところであります。
 今回の原案のポイントでありますが、まずエネルギー基本計画において、省エネルギーと再生可能エネルギーの取り組みを更に強化していくとともに、エネルギーを軸として成長戦略を実現していくことをより明確に打ち出すため、総合資源エネルギー調査会の昨年末の意見から、全体の構成を変更いたしました。
 次に、各エネルギー源の位置付けについては、今回電源として使用する際の特性を明確化しております。具体的には、エネルギー源ごとにその特性を踏まえまして、まずベースロード電源、発電コストが低廉で、昼夜を問わず安定的に稼働できる電源でありまして、原子力、石炭、一般水力、地熱です。それからミドル電源、これは発電コストがベースロード電源に次いで安く、電力需給の変動に応じた出力変動が可能な電源であります。
 そして、三つ目がこのピーク電源でありまして、発電コストは高くなりますが、電力需要の変動に応じた出力変動が容易な電源、石油、揚水式の水力、それから太陽光、風力等が入ってまいります。こういった形で、それぞれの電源、区分を設定いただきました。
 それから、その中で、原子力につきましては、その位置付けを重要なベースロード電源として、その他最終処分について、2008年3月に閣議決定された特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針の改定を行うことを記載いたしました。
 また、再生可能エネルギーについては、意見において、今後3年間導入を最大限加速化していくとしておりましたが、今回の政府の原案では2013年から3年程度導入を最大限加速化していき、その後も積極的に推進していくとして、更に踏み込んで、しっかりと推進していく方針をより明確に示し、そのための全体的施策も記述をいたしております。また、福島の再生可能エネルギー産業の拠点化を進めることといたしました。更に省エネルギーにつきましては、産業、民生、運輸といった部門ごとに取組を加速化すべく、目標となる指標を速やかに策定する旨の記載を加えたところであります。
 全体の分量としては本文で73ページのものになります。
 また、パブリックコメントにつきましては、寄せられた約1万9,000件の意見を128の主要意見に区分いたしまして、その区分ごとに丁寧に回答する形で95ページに及びますパブリックコメントの結果を取りまとめました。この後、この政府の原案と一緒に95ページのパブリックコメントについても皆さんにお配りをしたいと思っております。
 事実関係につきましては、後ほど事務方から詳細に説明をさせていただきたいと思っております。
 私から以上です。

質疑応答

エネルギー基本計画

Q: 幹事社から、今のエネルギー基本計画に関連しまして、変更の狙いなどについてお伺いしようかと思ったのですが、かなり詳しく御説明ありましたので、この政府原案の今後の閣議決定に向けたプロセスをどのように進めていこうとされているのか、またその時期などについて、現時点での見通しをお願いします。

A: まず、今日公表ということでありまして、この後与党プロセスを経て閣議決定する予定であります。これにつきましては、閣僚懇談会におきまして、私からも説明をいたしました。国民生活と経済活動に直結をする重要な問題でありまして、いつまでと期限を区切るのではなくて、丁寧なプロセスを経た上で、しっかりと閣議決定をしていきたいと思っております。

TPP

Q: 今大詰めを迎えておりますTPPの交渉について、本日まで閣僚会合ということなのですが、現地からはかなり厳しい見通しが伝えられているところですけれども、現時点の見通し、それとまた合意に向けて日本としてどういったことが必要だというふうにお考えか、そのあたりについてもお伺いできればと思います。

A: シンガポールの閣僚会合、今日が最終日を迎えるわけでありまして、昨晩甘利大臣とフロマン代表が再び会談しましたが、日米間の主張には依然隔たりが残っておりまして、引き続き事務レベルで間合いを詰める作業を継続することで一致したと聞いております。
 全体会合もありますし、相当バイの会談も実施していただいたということでありまして、そういったことを通じて、どこまで各国の主張の隔たりが埋められるかということだと思いますけれども、閣僚会合としての成果がしっかり出るように努めたいと思っております。その成果を見た上で、今後のことが決まっていくのだと思います。

エネルギー基本計画

Q: エネルギー基本計画のことでお伺いをしたいと思いますけれども、政府原案は去年12月の分科会の意見から比べて、さまざまな文言の変更というのがなされたというふうに理解していますけれども、去年の12月と比べて、原発とか核燃料サイクルとか再エネとか、この方向性というものを変えているものなのかどうかというところを伺えればと思います。

A: まず、例えば調査会であったり、審議会から意見なり答申をもらう。そして、それに対して最終的に政府としての案を取りまとめる。この段階では何らかの修正が入るということは極めて一般的であります。その上で、今回幾つかの変更点はございますが、基本的に方向性が変わったとは認識をいたしておりません。
 幾つかの変更点について申し上げますと、まず先ほども申し上げましたように、再生可能エネルギーにつきましては、今後3年間、こういった表現からその後も積極的に推進していくという形で踏み込みまして、更にこの後ごらんいただきますと、どうやって進めていくのかという具体的な記述も書かせていただいたというのが1点違っております。
 それから、先ほど説明申し上げましたように、原子力につきまして、重要なベース電源というものを重要なベースロード電源という表現にさせていただきました。もともとの文章では、基盤となる重要なベース電源、こういうところが切り取られていたことが多いのですけれども、これは正しく読みますと、もともとの意見も安定性を支える基盤というのが一つあって、重要なベース電源、こういう二つの表現がくっついているということです。途中から基盤となる重要なベース電源、こういう読み方もされていたのかなということで、表現をわかりやすくさせるために、今回のような重要なベースロード電源という表現を使わせていただきました。
 それから、原子力に関して、必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保するという記述につきまして、確保していく規模を見極めると、こういうふうに変更したわけでありますが、ここにつきましても、安定供給、コスト低減、温暖化対策、安全確保のために必要な技術、人材の維持の観点から、確保していく規模を真摯に見極めることが何より重要だという基本的な認識は変わっておりません。
 その上で、総合資源エネルギー調査会の意見では、必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する、こういった表現になっておりましたが、確保していく規模は今後のエネルギー制約等の状況等によって変動し得るものであるという観点から、我が国の今後のエネルギー制約を踏まえ、確保していく規模を見極めるという表現にさせていただいたところであります。
 それから、核燃料サイクルにつきまして、着実なという表現、形容詞を落としました。核燃料サイクルにつきましては、六ヶ所再処理工場の竣工遅延やもんじゅのトラブルなどが発生してきたことは事実でありまして、これまでの経緯、計画に照らして、着実であったかといえば、そうでなかった点も多いと思っておりまして、このため、総合資源エネルギー調査会の意見の表現から修正をしたものであります。
 こういった修正、加わっておりますけれども、基本的なスタンス等について、180度変わったことはないと考えております。

Q: 2点よろしいでしょうか。1点目、今のところに関してなのですが、確保していく規模を見極めるというのは、確保が前提なのでしょうか。

A: いえ、そうでありません。

Q: 2点目で、今回の計画にはベストミックスが盛り込まれてないと理解しているのですが、規制委の安全審査の見通しが立たないのと同じぐらいベストミックスがないというのは、企業にとっては戦略を決めづらいと思うのですが、現時点でいつごろまでにベストミックスを出せるとお考えでしょうか。

A: 例えば、原発につきましては、再稼動、これは法律上も私が今の段階で何基動かせますということにはなっていない。このことは御理解いただけると思います。
 そういった中で特定のエネルギーの比率、原発であったり、再生可能エネルギーにつきましても、FIT初め、さまざまな支援策をとっておりますけれども、まだスタートして期間も短く、どこまでの最大限の導入が可能か、見極める必要があると考えております。
 もちろんベストミックス、できるだけ早くその目標を決めていきたいと思っておりますが、少なくとも今回今までの計画にはなかった電源ごとの特性、ベースロード電源、ミドル電源、そしてピーク電源、こういう位置付けも明確にいたしました。その中で、こういったものを踏まえながら、ベストミックスというものを検討していく、そういった一つの土台ということはつくることができたのではないかなと考えております。

Q: 遅くともいつまでに示さなくてはいけないとお考えですか。

A: そういう決まりはありません。ただ、早ければ早い方が良いと思っておりますけれども、見通しが立たないのに勝手に例えば原発比率を50%以上とか、逆に原発をゼロとか、根拠もなくそういったことを示すということは、責任あるエネルギー政策とは言えないと思っております。

田村市の避難指示解除

Q: 田村市の政府警戒区域が4月に解除されることになりました。まず、その点についての受け止めと、改めてエネ庁の方で早期帰還賠償というものを検討したと思うのですが、その進捗というか、今後の対応について伺います。

A: 23日に行われました意見交換会で、4月1日の避難指示解除につきまして、田村市の住民の方々から大筋の理解が得られたと承知をいたしております。今後、原子力災害対策本部を開催して、政府として避難指示解除の決定を正式にしたいと考えております。
 避難指示は一律の避難を求める措置でありまして、今回の解除は早期帰還を望まれる住民の方々の帰還を可能にするものであり、また避難指示の解除は帰れないと考えている方々にも帰還を求めるものではございません。避難指示の解除後も復興庁など、関係省庁と連携して、ふるさとの再生や住民の方々のさまざまな不安に応える施策をしっかりと実施して、復興を軌道に乗せていきたいと決意を新たにしたところであります。
 そして、早期帰還者に対します賠償の関係でありますが、12月20日に原災本部決定によりまして、早期帰還への賠償を追加すると決めたわけでありまして、東電と経済産業省において、その具体的な賠償額を検証し、避難指示解除後、1年以内に帰還される住民の方々に対して、1人当たり90万円を支払うことが適当としたところであります。
 田村市の避難指示解除時期が決まれば、東電の方から住民の方々に速やかに申請方法、そして申請書等の御案内をさせていただきたい、迅速に、そして丁寧に対応していくよう、東電にも指導をいたしております。

原子力規制庁の安全審査

Q: ちょっとエネルギー基本計画と離れますが、ちょうど1週間前、2月18日の記者会見で、茂木大臣が北海道電力の料金値上げに絡んで、規制庁の審査について言われたことが大きくクローズアップされております。もしかしたら誤解があるかもしれませんので、ちょうどその次の日に規制委員会が見通しを示したこともございまして、クローズアップされているのですが、報道されていることについて、改めて真意というか、御説明いただければと思いますが、それと関連はないと思うのですけれども、そういった大臣が言いたかったことをもう一度。

A: その場にいらした方はおわかりだと思いますけれども、私から唐突に言い始めたわけではありません。電力会社について見通しをどう思うかということについて質問を受けましたので、電力会社としては、こういったことは有益であろうと、素直にお答えをさせていただいただけです。

Q: それにとどまるというか、特に要望というようなことはない。

A: 安全審査、これは以前から申し上げているように、適切に、速やかに行っていただいた方が原子力の安全性の確保という意味からは望ましいと考えておりますが、具体的な審査の方法や進め方は、まさに規制委員会によって行われるものであると考えております。

エネルギー基本計画

Q: 2点あります。一つはエネルギー基本計画ですけれども、原子力、内閣の方針としては可能な限り低減させるということでしたけれども、この点については変更はないのか。

A: ありません。

Q: この点についての大臣の思いというか、この点についての思いというのは。

A: それは今申し上げたとおりありません。

Q: それと、もう1点、エネルギーで成長戦略実現を打ち出すということですけれども、原子力産業とエネルギー成長戦略の実現との関係というのは、何かありますでしょうか。

A: またこの後細かい部分について説明させていただきますが、例えば今後さまざまな技術開発、こういった分野も出てまいります。今後、再生可能エネルギー、最大限の導入を図っていくということになりますと、電源としての安定性を保たなければならない。系統内に大型の蓄電池、こういったものを組み込むことになってまいります。
 大型の蓄電池、日本は世界最高水準の技術を持っております。今市場規模としますと、小型のタブレット等々に使われておりまして、1兆円ですけれども、これが2020年には20兆円まで成長すると言われておりまして、こういった大型の蓄電池における技術開発、コスト削減等々は、日本の今後の成長につながっていく一分野であると考えております。日本は1970年代、2回のオイルショックを経験いたしました。しかし、そのオイルショックを克服する過程で、世界に冠たる省エネ技術、省エネ製品、更には省エネ社会というのを確立したわけであります。
 3・11以降、日本は新たなエネルギー制約に直面をしております。大変難しい課題を解決していかなければなりませんけれども、この課題を解決する中で、またこれを新たな成長につなげていきたいと考えております。

Q: 原子力産業については。原子力産業というものを今後どのように成長戦略との関係で扱っていくのかというのはいかがでしょうか。原子力にかかわるメーカーとか、そういったものは多くて、これまでも輸出産業を奨励するとか、いろいろなことを打ち出していらっしゃったことは、多分御存じでいらっしゃると思うので、経産省として。

A: 恐らく日本の成長戦略、その中での国際展開戦略を考えたときにさまざまな分野があると考えております。

 その一つがインフラ・システム輸出、そして更にはクールジャパン等の国際展開、また中小企業、小規模事業者の国際展開、さまざまな側面から成長戦略の一環として国際展開戦略というのをとっていきたい。その一つの柱として、インフラ・システム輸出というものがあります。

 そして、このインフラ・システム輸出は、原子力にとどまらず、鉄道、水ビジネス、さまざまな分野というのがかかわってまいります。その中で日本の持っている優れた技術であったり、ノウハウ等、相手方のニーズ、また置かれている国の事情等に応じて、日本として提供していく、このことは日本の成長にもつながり、そして相手国の発展にも寄与するものと考えております。

TPP

Q: TPPについて、今回の会合で合意できなければ、アメリカが中間選挙のモードに入って、漂流するのではないかというような懸念もあったと思うのですが、大臣はそのあたりどういうふうにお考えでしょうか。

A: まだ会合が終わっておりません。今この瞬間もぎりぎりの議論というのが行われていると思います。その結果を見た上で、今後のことは判断をしていきたいと思っております。

以上

最終更新日:2014年2月26日
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