経済産業省
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宮沢経済産業大臣の就任記者会見の概要

平成26年10月21日(火)
12:44~13:07
於:記者会見室

冒頭発言

経済産業大臣就任に当たって

 安倍総理から、経済産業大臣、産業競争力担当大臣、原子力経済被害担当大臣、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)を拝命いたしました。
 経済産業省、私も仕事で随分おつき合いがありますし、また特に最近であれば税制等々でいろいろなやりとりをしてきた役所でありますし、また更に申し上げますと、私も40年ぐらい前に、官庁訪問で当時の通産省に来た思いで、また私の父方の叔父は、宮澤喜一は大臣をさせていただきましたし、母方の叔父はちょうど岸田外務大臣のお父さんですけれども、中小企業庁長官までやって、いろいろなことで身近にありまして、大変幅広い仕事をする役所である。そこの大臣を務めさせていただくというのは、大変うれしいことである一方で、特に福島の復興と福島第一発電所の廃炉・汚染水対策につきましては、これは経済産業省が担う最も重い課題でございます。この点につきましては、地元の方々の声にしっかりと耳を傾けながら、着実に前進をさせていきたいと考えております。
 その上で、3点申し上げます。
 第1に、責任あるエネルギー政策を推進していくこと。
 エネルギー政策については、さまざまな課題が山積しているところであるが、徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限導入により、原発依存度を可能な限り低減することが基本方針であります。また、安全性の確認された原発の再稼動は進めていくと考えております。
 具体的には、再生可能エネルギーの持続的な導入のための対策や川内原発の再稼動、電力・ガスシステム改革などを着実に進めていこうと考えております。
 第2に、中小・小規模企業対策と地方創生であります。
 日本の力、経済の源は元気な中小企業がたくさんあるということであります。全国で385万の中小企業を活性化していくということなしには、地方創生はあり得ませんし、また恐らくこれから例えばクールジャパンとか、そういうものをやっていくときには、中小企業の働く、これは農業も含めて、働くところというのは大変大きなものだと思っております。その可能性を最大限引き出すためにも、中小企業需要創生法案を今国会に提出しておりますけれども、早期に成立をしたいと考えております。
 第3に、アベノミクス第3の矢である成長戦略を強力に推進していくということであります。
 成長戦略、恐らくアベノミクスの中で最も大事なところであります。私は、この成長戦略というのは、日本の経済のエンジンを取りかえる作業だと思っております。かつての日本の高度成長期を支えてきたエンジンというのは、ある意味では大変大きな馬力、しかし燃料は食うし、環境にも悪いというエンジンをまさにハイブリッド等々の最近の新しいエンジンにかえて、馬力はもう少し落ちるかもしれないけれども、しかし燃費はいいし、環境にも大変いいというような、そういう経済のエンジンをつくり上げることだと思っております。そして、その担い手のかなりの部分は、中小中堅企業に私は期待しなければいけないと考えておりまして、この点をぜひ進めていきたいと思っております。
 そういう中で、法人実効税率の引き下げとかイノベーションの推進、ベンチャーの創出、ロボット技術の活用、インフラ輸出やクールジャパン政策など、我が国経済の新たな成長基盤をすぐできるものから、少し時間のかかるものまであると思いますけれども、しっかり整理をしていきたいと思っております。
 いろいろな難題が山積しておりますけれども、全力で経済産業行政を推進していくということを考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 以上であります。

質疑応答

政治資金

Q: 前任者の方が政治資金をめぐって辞任をした後の着任ということになりました。政治とカネの問題に関しては、国民から厳しい視線が向けられていますが、その受け止めをまずお願いします。

A: 昨日もぶら下がりで申し上げましたけれども、政治とカネの問題というのは、古くから出てきては、なかなか収束はしない問題であります。そういう中で、私自身、父、叔父から、そういうことはしっかり気をつけろということで、ある意味では人生の教え、政治家としての教えを得てまいりましたので、本当にしっかりとしたまさに、昨日も「李下に冠を正さじ」と申し上げましたけれども、政治家に求められる倫理というものを本当にしっかりと守りながら、やっていかなければいけないと考えております。

政策の停滞

Q: もう1点、所管の分野で課題が先ほど御言及のとおり山積しているのですけれども、政策停滞に対して、国民は厳しい姿勢を持っていると思いますので、その辺の受け止めを。
 政策の停滞をすることについて、大臣が例えば1カ月後でかわってしまうというようなことに関して、厳しい見方があるのですが、その辺の受け止めをお願いいたします。

A: 本当に第2次安倍内閣の一昨年の12月から続いていた体制というのは、久しぶりに安定した政権で、その結果、すばらしい成果が出てきております。本当に政治が安定しなければ、今のような難題が山積した時代には、国民といえどもいらいらするのは当たり前の話であります。そういうことをただされないように、一方でしっかりとした政策を将来を見据えて実行していくということが安倍内閣の責務だろうと私は思っています。

法人税改革

Q: 3点目に、成長戦略に関係すると思うのですが、法人税減税、更に代替財源確保の基本姿勢、現時点でのお考えを教えてください。

A: 法人税減税に関しましては、この6月の日本再興戦略等々で政府・与党で一定の方針が固まっております。たしか数年で20%台にするというようなことだったと思いますけれども、法人税減税、昨日総理には攻守が変わってしまいましてと申し上げたわけでありますけれども、今まではある意味で法人税減税はやるけれども、相当厳しい税収確保策というものがなければいけないという立場でありましたが、一方で経済産業省の場合は税収と言わないで、財源と言うようでありまして、この隙間をどうやって埋めていくのか、いろいろ見解の違い等々がありますけれども、財務省にしても、経済産業省にしても、基本的にこの経済を成長させていかなければいけないということ。
 それから、金利の上昇というような不測の事態が国家、また国家の財政の信認が失われると起き得ますから、そういうようなことが起こらないように、財政を健全にしていくという方向については、これは一致していることなので、その間でいろいろな選択肢があるのだろうと思います。
 最終的には、党の税制調査会で決められることでありますけれども、そういう立場に立って、私もいろいろお力添えをしていきたいと思っております。

川内原発の再稼働

Q: 原発の再稼動について、詳しくお聞きしたいのですけれども、特に川内原発について、向こうの方に大臣御自身が行かれるというのはありますか。

A: 当然、なるべく早い時期に鹿児島の方に行かせていただきたいと思っております。

Q: 川内原発の再稼動を進めるというお話しでしたけれども、同意を求める地元の範囲をどこまでとするか、あるいは誰が決めるべきか、その点についてお考えをお聞かせください。

A: それぞれの地域、特に川内原発であれば鹿児島県という地域において、どう考えられるかということがまず一番だと思っておりまして、私どもの方から、こうでなければいけないということを申し上げるのではなくて、地域で意見を集約していただきたいと思っております。

法人税改革

Q: 法人税減税のことで、外形標準課税の拡大という議論がありまして、大企業に向けて拡大したいという議論がありますけれども、それについての現時点での大臣の御見解を聞かせてください。

A: 私も党税調の方でこの間まで仕切り役をやっておりまして、たしか6月の初めに与党でまとめた外形標準については、導入するとまでは言い切ってないのですけれども、中小企業には配慮するということが実は書かれております。
 それで、結局は最終的に法人税率を来年どの程度、下げるかということと、かなり関係はしてくるわけですけれども、中小企業については、与党においてそういう考えでありますから、恐らく中小企業に対する適用ということは、すぐにはないだろうと思います。
 問題は大企業ですけれども、大企業の中でもかなり負担がふえる等々といった問題があることは事実でありまして、特に人件費が大きければ負担が大きくなるという制度につきまして、これだけこれから人件費といいますか、給料をふやしてほしいということを言っているときに、どういう形にするかということは、かなり慎重に検討をしていかなければいけない。そういう問題だろうと思っております。

福島第一原発

Q: 福島第一原発の事故対応、福島県の復興を目指すということですけれども、事故後、福島第一原発とか福島県を視察したことがあるかということと、今後視察に向かう予定があるか、お聞かせください。

A: 私は、福島県に事故後入ったことはありません。今後のこととしては、できるだけ早い時期に伺いたいと思っております。

川内原発の再稼働

Q: 大臣は先ほど鹿児島にはできるだけ早く入りたいとおっしゃられましたが、28日にも薩摩川内市議会が同意について、議論されますけれども、その前に行かれるお考えなのか、そこら辺のタイミングを教えていただけますか。

A: 正直、先ほど大臣になったばかりで、微妙なタイミングまではよくわかりませんけれども、いずれにしては、これは地元とよく御相談してタイミングをはからなければいけないと思っております。

放射性廃棄物ワーキンググループ

Q: 放射性廃棄物の最終処分地の選定についてお聞きしたいと思います。
 政府は科学的な有望地を国が示すという方針で、有識者によるワーキンググループをその一環として再開するというふうにしていますけれども、大臣は有望地の提示というものをいつぐらいまでにやりたいとお考えでしょうか。

A: 私は今勉強したばかりなのですけれども、放射性廃棄物ワーキンググループが再開されますけれども、その処分地の選定に向けては、専門家にともかく具体的な選定基準といったものを検討していただくことが第一だと思います。したがって、選定基準というものがある程度でき上がらなければ、その次の段階にはいかないということで、いつ云々ということが言える状況ではないというふうに聞いております。

ローカルアベノミクス

Q: 地方経済についてお伺いいたします。
 安倍政権はアベノミクスの効果を全国津々浦々に広げるということを強調されていますけれども、地方と都市の間で温度差があるという指摘もあります。地元広島での現状などを踏まえて、アベノミクスの効果、現状認識と今後の課題について伺いたいと思います。

A: アベノミクスの効果が全く地方に波及してないわけではないだろうと思っています。私の地元、広島県の福山市というところですけれども、中小中堅企業が割合元気なところでございまして、それなりにいい雰囲気にはなりつつある。
 ただし、地方全般にそうなっているかといいますと、これも地方の中での温度差というものが大変大きくあります。そうした意味で、今度の「まち・ひと・しごと創生法案」というのが大事でありますし、それをまた確実に実行していかなければいけないし、地方にある意味では人口が本当に移動していくような政策といったものがどうしても大事です。
 私は大きな話をするときには、それこそ江戸幕府開闢以来、400年間にわたって、東京、大阪に地方から人口移動があったのをこれから100年かけて逆転させていくぐらいのことを本当に考えなければいけないと思っています。もちろんこれはかなり大風呂敷ではありますけれども、そういった意味で地方の配慮といったものは、非常に大変重要なことであり、今回提出する法案もその意味では大変役に立つ法案だと思っています。

原発の廃炉

Q: 原発で廃炉について、ちょっとお伺いしたいのですけれども、先週小渕前経済産業大臣が電事連の八木会長に、40年を超える原発7基について、運転延長するか否か、早急に判断を迫ったわけですけれども、宮沢大臣のお考えを廃炉についてお聞かせ願いたいのと、その時期について、いつぐらいまでに判断をしてもらいたいか。

A: たしか小渕大臣は、来年40年を迎える七つの炉についての検討を電事連会長にお願いしたと聞いておりますけれども、したがって来年になれば各電力事業者は判断をしなければいけないわけですし、一方でそれを延長するという判断をされた場合には、原子力規制委員会で審査して、許可が出るかどうかという問題があるわけですので、そんなに時間が残されているわけではないといったようなことで、大臣が要請をされたのだろうと思います。したがって、一義的にはこれは電力事業者がどう判断されるのかというのをまず待たなければいけないと考えています。

Q: よろしくお願いします。
 関連で、例えば廃炉を電力会社が仮に進めるにしても、一旦廃炉に決めますと、発電設備が資産とは見なされなくなるために、非常に会計上、一度に大きな損失を計上しなければならなくなるので、なかなかそこは難しい問題だと思うのです。こうした廃炉を進めるための環境整備については、現時点で大臣はどうお考えですか。

A: そういうことを今後検討しなければいけないということで進めていますが、廃炉対策につきましては、原子力小委員会で検討をしているところであります。恐らくいろいろな問題が出てまいります。廃炉ができる現実的な方法というものを考えなければいけないのだと思っています。

原発の再稼働

Q: 政府の方針として、安全が確認された原発は再稼動する、そういう政府の方針とは別にして、大臣御自身の福島の原発事故以降、国内の世論が割れている状況の中で、原子力についてのどのような評価をなさっているか、お聞かせください。

A: 原子力発電所というものが我が国の将来大事なベースロードの電源であるということは、これは間違いないことだと思っております。そういう中で、安全が確認されたものをある意味では地域の理解を得ながら、どう再稼動していくかということをそれをしっかりとやっていかなければいけない話、ただ一方で将来的なことを考えますと、新増設といったことは現在考えてないわけでありますから、再生可能エネルギー等々といったものを最大限、しかも経済的なコストも考えながら利用できるということを一生懸命考えていくというのが、私であり役所の仕事だと思っています。

TPP/消費税率引上げ

Q: 2点お尋ねします。
 一つ目はTPP交渉のことなのですが、今なかなか進んでいない状況の理由として、アメリカは日本が農産品について、非常にかたくなな姿勢を貫いているからだという指摘もありますが、今後どのような姿勢で臨むべきかというのがまず1点と。
 2点目は、現時点で消費増税と軽減税率について、どのようなお考えか、お聞かせください。

A: TPPにつきましては、当然昨日までの情報というものは、ある意味ではマスコミから仕入れているような状況でありましたし、今日も恐らく何も今まで説明がないということは、経済産業省も知らないところが多いのだろうと思っていますので、正直私が申し上げる立場ではないと思っております。
 それから、消費増税につきましては、消費税を予定どおり来年の10月1日に引き上げると決めた場合と、また決めない、延ばした場合、延ばし方はいろいろあると思いますが、それぞれメリット、デメリットがあることは確かでありまして、最終的には11月の初めから官邸において、いろいろなヒアリングをした上で、総理が御判断することだと思っております。

Q: 軽減税率については。

A: 軽減税率につきましては、正直私どもも衆議院の選挙の公約等々で、軽減税率を低所得者対策として導入するという方向を打ち出してきたことは確かでありますし、また公明党もそういうことで今検討しております。
 そういう中で、今年の夏も60を超える団体からいろいろな意見を賜りましたけれども、正直、国民の中である程度の意見が一致しているという状況ではないというのが正直な今の状況、その中で特に食料品につきましては、どこで切ったらいいのか、特に食料全体を対象にするということになりますと、社会保障の財源をどこから持ってくるのだというような話が出てくる中で、どこかで切るということになりますと、切り口というのは結構これはやっかいな話だなというのがこのヒアリングを通じて、本当に改めて思い知らされました。
 一方で、軽減税率を導入したときに、インボイスという制度を導入しなければいけないのですけれども、この制度自体をどうつくるかということ、設計にもそれなりの時間がかかるし、一方で最終的には納入事業者にその把握を義務づけるのですけれども、その前の段階で義務づける前に、相当習熟していただかなければいけない。義務でない状況で相当零細業者の方も含めてなれていただくというのは、かなり時間的にはかかる話なのだろうと思います。
 ただ、これからいろいろないいところですぱっと明確に切れる線が出てきて、それこそ零細な納入業者も自分が納めたものは軽減税率なのか、標準税率なのかということが一目してわかるようなものが出てくれば、それはそんなに時間がかからないのかもしれませんが、いろいろ勉強すればするほど、いろいろなやっかいなことがでてきておりまして、それなりに最終的には国民の皆様と相談しなければいけないことですから、国民の皆様がわかるような形をつくり上げていくのは、本当に与党の皆様は大変だろうなというふうに思っています。

 

以上

最終更新日:2014年10月23日
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