会見・スピーチ


北畑経済産業事務次官の次官等会議後記者会見の概要

平成19年9月13日(木)

14:02〜14:27 

於:記者会見室

 

(次官等会議)

 

 私の方からはございません。

 

 

(質疑応答)

 

【安倍総理辞任について】

 

Q: 大きく三点に分けてお尋ねします。

 まず一点目なのですけれども、昨日の安倍総理の突然の退陣表明について、率直にどのように受け止めているかという点と、また内閣が変わることによって経済産業省としてはWTO交渉を初めとする通商政策、あと概算要求が出ましたけれども、経済成長戦略、かつ安倍イニシアチブといって、国際社会にアピールした温暖化対策への影響、これがどのようにあるか、次官のお考えをお聞かせください。

 

A: 昨日の安倍総理が辞意を表明されたことについては、ただただ驚いております。それから、残念に思っております。

 安倍総理のこの1年間のご業績に触れることが二番目のご質問につながるのだと思いますが、ご質問にあったとおり、総理が登場されて、その前の財政再建一本やりのマクロ政策から成長戦略、成長政策を推進することを通じて財政再建をやっていくということで、そこを明確に方針として打ち出されました。私どもは昨年の7月に新経済成長戦略ということで、今後10年の政策をまとめていたわけですが、安倍総理はそういう成長政策を推進されたということであります。

 それから、WTO、EPA、通商関係は将来の日本のことを考えますと大変重要な課題であります。この部分についても、総理は積極的な政策をとられたと思います。

 それから、地球温暖化対策、これは「クールアース(美しい星)50」というのがまさに主張する外交といいますか、ハイリゲンダムサミットでの総理のご活躍というのは何度かご説明申し上げましたが、多大な成果を上げられたと思います。

 それから、忘れてならないのは、就任された直後に電撃的に中国、韓国を訪問された日中関係は、経済関係は非常に活発だけれども、政治の関係が少しぎくしゃくしておりました。それを一気に解消されたというのは、大変なご功績だったと思います。

 ご質問のWTO通商政策、成長戦略、それから地球温暖化対策でありますけれども、内閣が変わっても、総理が進められた大きな方向は変わらないのではないかと私は思っています。

 WTO、EPA、その他の通商戦略は、日本の将来の生きる道でありますから、マルチの場での自由化を進めていくということと、それから東アジアを中心に、EPAを積み上げていくことによって、東アジア経済圏構想を具体化していくというのが通商立国日本の進むべき道であると考えていますので、ここは変わらないと思います。

 それから、成長戦略につきましても、2006年から日本は人口減少が現実のものになっているわけです。そういった人口減少というのは基本的には成長にはマイナスの働きになるわけですが、そういったことでは日本の財政再建だけではなくて、国民生活の向上も図られないわけですから、人口減少を克服して、新しい成長を目指すというのは、日本の、これも中長期の戦略として重要な柱だと思いますので、この辺も新政権になっても変わらないのだろうと思います。

 それから、最後の地球温暖化対策でございます。京都議定書の次をどうするのかとか、それからもう少し長期のものについてどう考えるのかというとでした。総理が2050年半減、これをハイリゲンダムサミットで米国と欧州の間で意見の違いがあったのを総理自ら調整されて、G8のベースでは2050年半減ということが合意をされたというのは大変な前進でであったと思います。それから、よりメンバーの多いAPECの場で、中国も含めた国の間で、やはりそういうCO2の長期的な削減目標、それから省エネですが、2030年、2005年比で削減をするといったことについて、総理がリーダーシップをとられたと思います。それによって実現をしたのだと思います。

 この10年ぐらいの日本の外交を見ていただいて、これだけダイナミックに世界の外交を日本がリードしたというのは、他には私はないのではないかと思います。総理が敷かれた外交路線を、次の政権でも引き継いで取り組まれることになるのだろう思いますし、そのように期待をいたしております。

 

【PSE制度】

 

Q: 今週PSEマークの中古品への表示で、当時関連した職員の処分を行いましたけれども、次官としてなぜこのようなことが起きてしまったのかと、それと再発防止策、これをどのように取り組んでいくか、この2点をお願いします。

 

A: 昨日発表いたしましたが、PSEをめぐる問題、これは皆さん取り上げていただきましたが、5年間の経過措置が切れて、中古品がマークなしでは販売できないという法律上の制度が施行直前になって、現実に合わないということで、ビンテージものの中古品を販売している事業者の方々から非常な反発を受けて対応をとったわけでありますけれども、今度審議会でご議論いただいて、新しい法律も国会に出すという中で、この分についても審議会でご議論いただいたわけです。その方向が10日だったでしょうか、出ましたので、この機会に昨年の混乱の原因は何かということについて省内でも議論いたしました。法律の経過措置が切れるまでの間に周知が不十分であったと。そのことについて関係職員の処分をいたしたと、こういうことでございます。

 

【原油価格】

 

Q: 今日、ニューヨークのマーカンタイル市場で、原油のWTI指標が初めて1バレル80ドルと、80ドルの大台を突破したわけですけれども、日本経済に与える影響と、省で今後とらえる対策があればお話しください。

 

A: 原油価格、それから資源、この分野での高価格というのが続いているわけです。この問題について日本経済への影響、中小企業も含めた産業への影響というのは、経済産業政策局、それから関係の研究部で定期的というわけではありませんが、その都度影響調査というのをやっていまして、皆様にも発表していると思います。

 ご質問のあった原油ですが、ずっと高価格水準が続いております。原油は需給両面であると思います。1つは産油国の方でございますが、長い目で見まして、一次、二次の石油ショック以降、原油の供給先の多角化というのが進んでいたわけでありますが、これがまた最近になって中東に集中するということになってきているわけです。一時は北海油田というのが活発な産出量を維持した時期がありました。インドネシアや中国は石油の輸出国であった時代もあったと思いますが、いずれも、中国もインドネシアもいまでは石油の輸入国。その結果、埋蔵量の大きい中東の諸国に再び集中をすると、我が国の石油輸入量も中東依存度が高まると、こういうことになっている中で、高価格になる背景があったということですね。

 それから、もう一つは需要側でありますけれども、インド、中国を初め、アジアの諸国が高度成長しておりまして、その過程で石油に依存する比率が大きくなったと。マーケットメカニズムでありますから、高価格になるのはある程度やむを得ない部分があります。 そういった中で、日本経済は比較的その影響を克服しているのではないかなと思います。諸外国と比較しますと、産業構造全体が省エネルギー的ですし、それから石油への依存度というのが長い間かけて低減を図ってきた。昔は電力会社というと石油に依存していましたけれども、今は、石油は電力会社の主要電源ではございません。そういった取り組みがある程度功を奏しているのだろうと思います。

 対策としては、また総理の話になりますが、中東を歴訪していただきました。ああいった資源外交をやっていかなければならない。国内的には、地球温暖化対策と合わせて省エネを一段と進めていくと、こういうことだろうと思います。

 

Q: 今の関連なのですけれども、アメリカの景気も減速懸念が強まっている中で、こういう原油のさらなる高騰ということで、日本経済への影響、とりわけこの間の調査でもやはり中小企業が、特に影響が価格転嫁なかなかしにくいということもあって出ているようなのですけれども、そこら辺、今後どのような影響が及んでいくだろうかと見ていらっしゃいますか。

 

A: アメリカの経済は、底堅いものがあるのだろうと思います。サブプライムローンという問題がありましたけれども、アメリカの実態の経済にそう大きな影響は与えているとは思いません。日本の経済を支えているのは、海外での生産と輸出でありますけれども、米国の重要性は変わらないのですけれども、米国以外にもアジアとかいろいろな、最近は多角化しているわけでして、アジアの方は引き続き好調ですから、すぐに日本経済がそれによっておかしくなるということはないのだろうと思います。

 ただ、原油の動向は、アメリカ経済の動向はきめ細かく見守っていかなければならないのだろうと思います。4−6月期の法人季報で設備投資が大きく落ち込んだという報道がありましたけれども、国内の方で申し上げますと、それは非製造業の分野での投資の落ち込みでありまして、いま日本の経済を引っ張っている製造業の方は、設備投資は依然として高水準です。7月の機械受注統計でも大きな伸びが出たということでして、まだまだ日本経済は底堅いのかなというように理解をしています。

 

【NOVA】

 

Q: NOVAの問題ですが、NOVAが契約のときと異なる契約で精算をしていたという仕組みについて、2002年に経産省の方で出された通知が全国の消費者担当部署に流れたと思いますけれども、それに対して国民生活センターの方が、そういった通知が出されたことによって、トラブル解決が困難になったというふうに指摘しております。この通知について、改めてその妥当性についてどのようにお考えなのか、お伺いします。

 

A: 2002年だったと思います。NOVAの授業料が中途解約になったときに精算の方式についての通達かと思います。その時点でいろいろな議論をした上で、現実に使われていない単価を使うのは良くないと、現実に使われているならばボリュームディスカウントをやっていたときに、中途解約をどのように計算するかということについての通達だったと思いますが、その時点では非常に合理性のあった通達ではないかと理解しておりますけれども、その後、今年になりまして最高裁の新しい判決によって、新しい見解が出て、中途解約の際の精算の単価は契約時の単価を使うということになりました。私どもの2002年の通達とは違う司法の判断が出たわけでありますから、その司法の判断に従って今は行政を進めているということだろうと思います。

 

Q: その当時の担当者の処分等、担当されているようなというとはあるのでしょうか。

 

A: それはございません。

 

【大阪ガスの補助金受給】

 

Q: 大阪ガスなのですけれども、昨日補助金を一部不正に受給していたという発表があって、今日立ち入り検査もされていると思うのですけれども、まずそのこと自体についてどうお考えか。また、今後の対応を教えていただけますか。

 

A: 大阪ガスの天然ガスコ−ジェネレ−ションに対する導入補助金など、当初4つの補助事業、22件について不適切な行為があったということであります。担当官を現地に派遣いたしまして現在立ち入り検査をしています。事実関係を確認をした上で、補助金適正化法に基づき、厳正に対処したいと考えています。

 公益事業である会社がこういう不適切な処理をしていたということは誠に遺憾だと考えています。当省としては他に類似の不適切な事例がないのかどうかも含めまして、様々な検討を進め、補助事業の適正な執行に努めてまいりたいと考えています。

 

Q: 他に類似なというのは、大阪ガス以外にもということでしょうか。

 

A: 類似のものについては点検をしなければならないと思っています。

 

Q: 補助金事業全体についてということですね。対象はやはりガス会社になりますか。

 

A: 当面、類似のものというのはガス会社、この補助金の関係で、他の会社についても点検をしなければならないという問題意識も持っています。

 

Q: それは一斉に調べろという指示をなさったのですか。

 

A: まずは大阪ガスの件でいま職員を派遣しているわけですから、この事実を解明した次のステップということになるのかもしれません。

 

Q: 補助金適正化法に基づいてということなのですけれども、この法律に基づきますと、行政としての最後の対応というのはどのようなものが考えられますか。

 

A: 補助金の、もちろん不正があれば、その事実いかんですけれども、返還を求めるというとになると思いますし、それから行政上の措置としては再発防止策を指導すると。関係者の処分を会社の方で行うということになるのだろうと思いますけれども、関係者の処分の方は、既に大阪ガスはとったということで報告を受けております。

 

【放射性廃棄物最終処分場】

 

Q: 昨日、総合資源エネルギー調査会で、高レベル放射性廃棄物最終処分場の確保のあり方について、文献調査の、要は公募の話で、公募をしながらも、国から申し入れる仕組みを新たに導入するという考えが打ち出されているということについて、公募というのは地域の自主性を尊重するということですが、そういいながら国から申し入れるということは、そういう自主性の尊重というものと矛盾しないのかということが1点。もう一点、調査受け入れ実施のメリットを示す地域振興構想をつくるということが盛り込まれているのですけれども、経済産業省は去年あたりから地域資源活用プログラムとか、企業立地促進法とかで、地域の自主的な自立的な産業おこしが基本であるという位置づけをしているのですけれども、その中で国から地域振興構想というのをメリットとして示していくという姿勢はちょっとおかしい気もするのですけれども、その辺どう考えたらよろしいでしょうか。

 

A: 最初のご質問ですけれども、放射性廃棄物小委員会が昨日中間取りまとめを行いました。最終処分事業を推進するための強化策ということで三点まとめられておるのですが、一つは広報です。地元の方に正確にご理解いただくということで、広報活動の強化というのが打ち出されています。それから、ご質問のありましたNUMOによる公募方式に加えて、地元地域の意向を十分尊重した上ではありますけれども、国による文献調査の実施の申し入れというのを追加すべきであるというのが二点目でございます。三点目は都道府県も含めた当該地域における広域的な振興構想の提示ということで3点の中間取りまとめが行われております。

 このうちの申し入れ方式を導入することについてのご質問でございますけれども、諸外国の例なども参考にいたしますと、公募方式以外に、国による申し入れ方式という方式をとっている国もございます。もともとなぜ公募方式をとったのかという点につきましてはご質問のとおり、地元の判断を尊重するという経緯があってこういう方式をとったわけです。ただ、高知県の東洋町で公募をされたことが、結果的には町長の選挙になり、うまくいかなかったという事実があったのは皆さんご承知のとおりでありますけれども、あの点について、国会での議論は公募ということではなくて、政府がもう一歩前に出なければいけないのではないかと、こういうご議論がありました。従って、公募方式は維持するわけでありますが、それに加えて文献調査の段階だけですが、申し入れ方式もあわせて導入するというのがこの中間報告の考え方です。

 地元の自主性を尊重しながらも、やはり緊急に整理をしていかなければいけない最終処分場事業を進めていくためには、こういう方式も必要だというのが委員会の判断であったと思います。

 それから、あわせて都道府県も含めた広域的な地域振興構想を提示するということは、やはりこういうことに踏み切っていただける地域には地域振興策の期待が強いわけであります。単に、お金が出るわけだけではなくて、一時的なお金で地元の財政を賄うのではなくて、自立的な経済発展をするためには、大きな範囲で地域振興策が必要だと。残念ながら、その地域振興策については、もちろん地元でまとめられればそれを応援するということが望ましいわけですけれども、政府、多分自治体と一緒になってということだと思いますけれども、地域振興策を打ち出してもらいたいというのが地元の要望であります。

 地域資源活用法の考え方と矛盾するのではないかというお話がありましたけれども、地域資源活用の方も、地元の自主性を尊重しながら、国、あるいは自治体がバックアップをするということでありますから、大きな矛盾があるということではないと思います。政府も地元も一緒になって地域振興を考えるということだろうと思います。

 

【原油価格】

 

Q: 先ほどの原油価格の高騰の対策として、資源外交というお話がありましたけれども、それは新たにいままで資源外交を行っていなかった国に対して行うという考え方なのか、あるいは昨年行ったような中東の、サウジを中心とした中東各国との資源外交をさらに別な面で強化するというお話なのでしょうか。

 

A: いままでも資源外交はやっておりましたけれども、首脳自ら相手国を訪問されて強力にそれをやられるということ、いままでもやっていましたけれども、小泉総理の時代にもサウジアラビアに行っていただいたことがありますけれども、そこを安倍総理は非常に強化した形でおやりになったと、それは大変効果があることだったと思います。

 サウジアラビアは4年ぶりでしたけれども、例えばクゥエートだったでしょうか、総理が行かれたのは確か初めてだったと思います。こういったレベルの外交による産油国の関係強化というのは資源外交上非常に重要な効果を持つものだと思います。

 それから、総理は中東訪問の際に、大型の経済ミッションを同行されました。外国の要人の場合にはそう珍しいことではないのですけれども、日本の総理が民間の社長、役員を引き連れて外国に行かれたというのは初めてのことだったと思います。産油国の場合には、官と民の区別があまりないわけでありまして、そういった意味でも民間任せの資源外交ではなくて、国と民間が一緒になって資源外交をするという姿を具体的に示されたというのは非常に画期的なことだったと思います。

 甘利大臣もウランの関係ですが、カザフスタンに民間ミッションを同行して行かれました。そういう資源外交をレベル、それから民間との共同、そういったもので分厚いものにしていく必要があるということだと思います。

                                   (以 上)

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