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望月経済産業事務次官の次官等会議後記者会見の概要

平成21年6月11日(木)
14:14〜14:31
於:記者会見室

質疑応答


温室効果ガス削減中期目標


 

Q: 中期目標ですけれども、昨日総理は2005年比15%減という目標を発表されましたが、これについての受け止めと、あと家計や企業への負担増が予想されていますけれども、経済産業省として、理解を得るためにどのようにやられていくのか、お教えいただきたいと思います。

 

A: 昨日、総理の会見でも仰っていましたけれども、日本の中期目標を定めるに当たって、かなり幅広い関係各方面の意見を総理自らもお聞きになったり、世論調査をされたりして、熟慮の上のご判断であると思います。大臣も、昨日記者会見で言っておられたと思いますけれども、政府として、この実現に全力で取り組むことが必要だろうと思いますし、経済産業省はもちろん、そのためにあらゆる努力をするつもりであります。

 それから、負担の問題について言えば、当然この議論をする前提として、国民経済全体に相応の負担がかかるということを覚悟して決めなければいけないということであることはもちろんで、そこをよく理解することが、環境と経済の両立ということを考える上での前提条件だと思います。そういった面で負担があることは当然だろうと思いますが、どこまで両立させるために耐えられるのかということを考えていかなければいけなかったわけです。ああいう形で15%という削減の目標が決められたわけですから、今度はそれに及ぼす国民経済の負担というものをどのように公平かつ効率的に分担をしていくかということが、これから大切になってくるのではないかと思います。いずれにしても、今回の目標自身は国際交渉をする上での日本の考え方、立場というものを鮮明にされたということでありますから、実際には、京都議定書第一約束期間後の姿についてのCOPの交渉の中で国際合意が得られて、その中における日本の分担として最終的なものが決まるのではないかとは思っています。

 


日経平均株価


 

Q: 株価ですが、本日、日経平均株価が8カ月ぶりに1万円を突破していますけれども、次官の受け止めと、あと足下の景気の現状について、ご認識に変化があれば併せてお聞かせください。

 

A: 株価の決定要因というのは、なかなか私共も十分説明ができないと思いますけれども、よく言われることは当該市場の長期的な展望に立って、投資が行われるということだろうと思いますので、その結果だろうと思います。従って、現時点で日本経済なり日本のマーケットの長期的な展望に明るさを期待しているということが、今回のここのところ比較的一貫して上昇を続けている一つの原因ではないかと思います。

翻って、足下の現在の日本経済の現状というのは、そういう長期的な展望を予感させるものはもちろんありますけれども、やはり経済の今の活動の水準というのは数年前に比べれば相当低い水準にあることも事実なので、その中で企業も国民も大変厳しい状況にあるということはよく見据えないといけないと思っております。恐らく長期的な明るい展望を持つ、そういう雰囲気を醸し出している中には、政府の経済対策というものの全体が明らかになって、あるいは実行され始めているということもあると思いますから、我々としては政府の一員としてこの経済対策を着実に効果がある形で実行していくということが求められているのではないかと思っています。

 


WTO交渉


 

Q: WTOに関連してですけれども、今週インドネシアのバリに呼ばれまして、経済産業省の幹部の方も出席されていたかと思うのですけれども、農業国の会議の中で、高級事務レベルの交渉を再開したほうがいい、すべきだというような声明も出ているようですけれども、報告を受けている分で構わないのですけれども、どのような議論があったかということと、今後のWTO交渉の見通しについてご所見をいただきたいのですが。

 

A: 会議の場面で、そう進展に直接結びつく議論が多かったとは思いませんけれども、現時点での各国の考え方、受け止め方、あるいは姿勢についての意見交換をかなり深く相互にできたという意味では成果があったと思います。やはり関心があるのは米国新政権の姿勢といったことについて、米国自身のレヴューは終わったという情報もありますが、まだまだ十分によく見極めがついていないというようなこともあったように聞いています。従って、今後、急加速していくものかどうかということについては、まだよく分からないというようなことだったように思います。

 


温室効果ガス削減中期目標


 

Q: 中期目標については、国際的にはAWGの場で各国の交渉担当者、あるいはNGOからかなり批判の声も出たようですけれども、今後、そういう批判についてどういう受け止めか。また、今後、国際交渉で各国の理解を得ていく上でどのようにしていくお考えでしょうか。

 

A: どういうやりとりがあったのかというのは、全部詳細に受け止めているわけではありませんけれども、先進国の代表の人たちからはそう大きな批判を受けているとは全く思っていません。途上国は、そもそも日本を含む先進国全体に対して、大きな削減をすべきだということを今まさにやっているAWGの会議の中でも主張しているわけですから、それに沿っていないものについては、常に批判的に声を上げると思いますし、あそこにおられるNGOの方々についても、これまでの立場から言えば、ある種予測された反応ではないかと思います。

ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、国際交渉をするわけですから、それぞれの立場から相手の対応を評価しなければいけないということですから、私共から言えば、今あそこで途上国も含めて何らかの責任ある対応をすべきだ。つまり、削減についての対応をすべきだという主張をしているわけですから、途上国が中期目標みたいなもの、あるいはその前向きな対応が出ていない限り、聞かれればむしろこちらから批判をするということが、今のネゴシエーションの状態だろうと思います。これから、その間の差を詰めて、お互いの理解をもとに、世界全体の究極的には2050年半減に向けて、どういう対応をするのかというのを話し合うまさにスタートラインのような時期でありますから、個々のコメントについて、今、直ちにあまり反応しても仕方がないということではないかと思います。お互い交渉において自らの利害関係がありますから、世界全体の削減量に他国がたくさん対応すれば自国は少なくてもいいという姿になるという場だろうと思いますので、ご批判は謙虚に承りながらも、きちんと国益も考えながら、あるいは世界全体の削減のための道筋も考えながら、これから日本として積極的に交渉に参加していくということではないかと思います。ただ、言えることは、やはり中期目標を今の時点で発表することが、この交渉にとって、交渉の中における日本の発言力というものが高まっていくということではないかと思いますし、その点についての評価も大いにあったのではないかというように受け止めています。

 

Q: 中期目標に関してですが、中小企業などに向けて、いろいろ今後は努力だったり、負担というのがかかってくると思うのですけれども、経済産業省としてはどのような支援だったり考え方で中小企業に対しては臨んでいくのでしょうか。

 

A: 先ほど申し上げましたように、日本経済の構成員の中でどのように負担していくかという問題は、まだオープンクエスチョンで残っているところがあると思います。ただ、中小企業にもこの問題については日本経済の構成員として、しかも99.7%の企業は中小企業というわけですから、その中小企業の方々を抜きにして、この問題に解決に臨むということは考えられないと思うのです。その中で、相応の負担をしていただくためにも、何らかの手段があるという必要はあるだろうというのはかねてから思っております。そういった面で、日本でいわゆる国内CDMと言われている中小企業の方々の削減努力を、他の企業の人達が支援をするという仕組みは今後大いに機能すると思いますし、ちょっと前ですけれども、発表された日本の国内CDMの中でもかなりの部分を占めていると思いますから、これからますます、言ってみれば中小企業に負担感が無くて、自ら削減できる仕組みというのも導入しているわけですから、そういったものが大いに活用されていくということが大事ではないかと思います。これは中小企業だけじゃなくて、国内CDMの話というのは民生部門であるとか、業務部門であるとか、学校だとか病院だとか、まさに日本がこれから削減していかなければいけない課題の分野においても、機能し始めてきているのではないか。まだまだ端緒でありますけれども、機能し始めているのではないかということを、よくよくこれからPRをしていく必要があるのではないかと思います。

 

Q: 中期目標の話ですが、まだ具体的に議論があるわけではないのですが、炭素税というのは、これから何らかの場で議論されるのではないかと思いますが、経済産業省としては炭素税に関してどのように進んでいるのでしょう。

 

A: これまで議論されていた炭素税の話というのは、非常に目的、効果の両面において、説得力のある話ではなかったと思っています。従って、そういう議論を繰り返すというのは、あまり有意義ではないとは思っております。これから負担のやり方というのは、幅広く誰がどういう形でいつ頃からというようなことは、国際コミットメントが決まったところで大いに議論していかなければいけない課題だろうとは思っております。

 

Q: 昨日、総理の会見で、低炭素社会をリードするために一歩踏み出すということで、倍の負担を覚悟するというような趣旨の発言をしていらっしゃいましたけれども、これまで国際的公平性という点で限界削減費用の均等という考え方を議論してきたかと思うのですけれども、今後はもうそういった考え方というのは採らないのでしょうか。

 

A: いや、昨日仰っていた総理のお話というのは、まず基本原則の中で国際的公平性というところは大前提だと思います。従って、先進国としてより一層の負担をしていくというのは、今回の2050年50%のケースであっても、先進国は60から80とか、そういうことを言っているわけですから、そういう面で先進国がリードしなければいけない。こういう全体思想は貫かれるのだろうと思うのです。従って、大事なことは、日本がリードして先進国全員が同様のことをしていくということは大事だという意味で、国際公平性というのはあるのだろうと思います。そうでないと、リーダーシップについて他の人がついてこない場合はリーダーシップとは言わないのです。ですから当然リーダーシップという以上は、皆がついてくることを奨励するために、より明白に自らの立場を述べなければいけないということではないかと思います。

それから、他方、国際公平性といった場合には、いろいろな公平の評価があると思うのですが、途上国においてもいろいろあると思うのです。大排出国のような場合には、もともと経済規模の小さいところに比べて、より大きな責任もあるだろうと思いますから、それらの責任をきちんと負っていただかなければいけない。そういうものを含めて、幅広く国際的な公平性、全員参加、そういうことを総理は仰ったんだと思います。ですから、そういう基本理念というのは大変大事なことだと思います。

 

Q: 今発表している欧州や米国の中期目標との比較を、先日いろいろ比べて日本の方がより高い目標だという趣旨のご説明をされていましたが、欧米に対して、限界削減費用を並べるという意味で、より高い目標を求めていくのが必要というのはないのでしょうか。

 

A: これはネゴシエーションですから、それは当然求めていくのでしょう。それはお互い求め合うと思います。あなたの数字は少ないからもっと多くすべきじゃないかなどというのは、交渉である以上は当然だろうと思います。

 

Q: そこを今から交渉していくということですか。

 

A: 交渉というのは、それを交渉に行くのであって、そこを抜きに交渉というのはあり得ないと思います。ただ、どの程度の強さでどのように言うのかというのは、やはりそれなりに相手の言っていることを、公平性という観点からよく評価をしてからでないと言えませんから、それはこれからだと思います。ただ、いずれにしても、自ら声明したのは、自らだけが独善的にやるというのではなくて、他国との交渉の上でも自分の立場をはっきりさせておかなければいけないという意味で、この時点でそれを述べられたということだと思います。COPはこの年末ということになっていますから、非常に大事な時期に差しかかってきたところで必要なことだったと思っています。

 

以上

最終更新日:2009年6月12日