経済産業省
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世耕経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成29年8月3日(木)
12:05~12:25
於:記者会見室

冒頭発言

【在任期間を振り返って】

本日、内閣改造が行われることになりました。
ちょうど1年前、総理から官邸での官房副長官としての経験を生かして、成長戦略の切り込み隊長として取り組んでほしいとの御指示をいただきました。
この1年間、幅広い所掌の中でグローバルな視点、そして現場主義、実行実現主義の考え方のもとで、さまざまなことにチャレンジをしてまいりました。
まず、最重要課題として取り組みましたのは、やはり福島第一原発の廃炉・汚染水対策と、そして福島被災地の復興であります。私自身、現地の声を聞きながら、被災地の避難解除指示ですとか、あるいは官民合同チームなどによる産業の復興といったことに取り組んでまいりました。また、福島復興に併せて、責任あるエネルギー政策の実現に向けた取組も着実に進めてまいりました。
昨年末、福島第一原発事故対応ですとか、賠償、廃炉などの資金フレームを取りまとめて、東電改革や原賠・廃炉機構法の改正によりまして、長期にわたる廃炉実施の資金需要に対応できる体制を整備いたしました。
また、原発については4カ所を訪問いたしまして、安全対策がどのように行われているかというのを自分の目で確認をした上で、地元と丁寧に対話をしながら、再稼動を進めてまいりました。
また、もんじゅにつきましても、省庁間での連携に取り組んで、政府一体となって、地元の御理解や廃止措置を進める体制構築ができたと考えております。高速炉開発の政府方針も策定させていただきました。
高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた長い道のりの第一歩として、先日科学的特性マップも提示をさせていただきました。また、JOGMEC法の改正で、JOGMECを通じたリスクマネーの供給を強化するというようなことも行わせていただきました。
次に、対外経済政策でありますけれども、世界的に保護主義の動きの懸念が見られる中で、自由で開かれた世界経済こそが日本の成長に不可欠であるという思いで、対外経済政策に取り組んでまいりました。この1年で就任直後の0泊3日の日ASEAN経済大臣会合をスタートに、合計17回、海外出張をいたしました。質の高いRCEP実現に向けたASEAN諸国との協力ですとか、日米の経済関係の強化、そして日EU・EPAの大枠合意への貢献などに取り組んでまいりました。
また、ロシア経済分野協力担当大臣として、1年で6回ロシアを訪問いたしまして、8項目の協力プランの具体化などに取り組むことができ、また日ロ関係を深化させることができたと思います。
また、こういった海外出張、あるいは相手国の訪日などを通じて、世界各国の経済、産業、貿易担当大臣とも、個人的な関係を築くこともできたと思っております。
加えて、大阪万博の誘致に向けまして、関係自治体経済界とも強力に連携をいたしまして、ことし6月のBIE総会でのプレゼンテーション、これの成功につなげることができたと思っています。
また、アスタナ万博のジャパンデーなどで、各国に積極的な働きかけを実施したところであります。今のところ、誘致成功へ向けた非常に十分な手応えを感じているところであります。
また、経済政策全般については、現場主義に基づいて、施策を具体化するということを進めてまいりました。特に第4次産業革命の進展を踏まえて、あらゆる企業や産業をデータを媒介としてつなげていく、Connected Industriesという考え方をまとめ、CeBITで発信をしたところであります。
企業との懇談会などを通じて、いかにこのConnected Industriesという考え方を通して、データで企業、産業がつながる世界をつくっていくか、また協調領域を最大化できるかなどを検討してまいりました。
また、技術や情報の管理を守る対策として、外為法の改正や海外とも連携をした官民でのサイバーセキュリティ人材の育成なども推進をしたところであります。
また、地域経済を牽引する事業を集中的に支援するため、さきの国会で地域未来投資促進法を成立をさせることもできました。
また、大企業と中小企業の間の下請け関係の適正化、これについても就任直後から熱心に取り組んでまいりました。未来志向型の取引慣行に向けてというプランをまとめまして、下請法通達の50年ぶりの改定、そして各業界への下請け取引環境の適正化の働きかけ、そして信用保険法の改正など、地域の中小・小規模事業者が仕事をやりやすい環境を整えるように頑張ってきたところであります。
最後に、働き方改革であります。
働き方を変えなければ企業や個人の成長は望めません。この国に次なる成長もないというふうに思っております。働き方改革を通じた生産性の向上の取組にも力を入れてまいりました。政府の働き方改革実現会議でも、多様で柔軟な働き方の実現などについて、発信してまいりました。
また、隗より始めよの精神で、経済産業省における働き方改革も進めてまいりました。無理だと思われておりました国会業務の徹底的な効率化を行いました。また、テレワークデイでは、1,000人規模のテレワークの実施を行ったところであります。
また、プレミアムフライデーも単なる消費喚起という視点ではなくて、働き方改革とセットで行っていく。まだ道半ばではありますが、プレミアムフライデーというのも始めさせていただきました。
長時間労働が常態化していた経済産業省においても、大きく変化が起こっているということを実感しております。日本企業全体で働き方改革による生産性向上が進むことを期待したいと思います。
こうやって簡単に振り返っただけでも、この1年間、本当にいい仕事ができたと思っております。支えてくれた経済産業省のスタッフに心から感謝をしたいと思っているところであります。
私からは以上であります。

質疑応答

【在任期間を振り返って】

Q:この1年間を振り返られて、積み残しになっている課題、特にどんな課題を優先して解決すべきかという考えをお聞かせください。

A:先ほど申し上げたように、いろいろなことに着手をしたということがある分、仕掛かりの仕事、積み残しの仕事というのも、結構たくさんあると思っています。
特に質の高いRCEPの実現、これはまだ交渉道半ばでありますので、引き続きやっていかなければいけないテーマとして残ったと思っております。
また、Connected Industriesの具体化ですとか、あるいは成長戦略の実現、こういったことも積み残しになっている部分があると思っています。
また、エネルギー基本計画の検討について着手いたしましたし、また2050年に向けたパリ協定を前提とした長期的なエネルギーの将来像の議論といったことも、これから行ってもらわなければいけないと思っておりますし、放射性廃棄物の最終処分に向けた国民理解の醸成など、将来世代に責任の持てるエネルギー政策の構築といったことも、まだ道半ばだと思っております。
そして、何よりも福島復興、廃炉・汚染水対策、こういったテーマも、これはなかなかまだ私の代で完結をするという問題ではなく、今後も引き続き取り組んでもらう必要があると思っております。

Q:世耕大臣は官房副長官から経済産業大臣に来られたわけですけれども、この1年間の仕事の中で、特に印象に残った政策、あるいは交渉を一つ、二つ挙げるとすれば、どういったものになるでしょうか。

A:まず、一つはやはりConnected Industriesという第4次産業革命に対応した、そしてSociety5.0を実現する上での日本の産業のあるべき姿というのをある程度この役所全体でコンセンサスとしてまとめて、また産業界でも共有できた、これは非常に大きかったと思っております。
あともう一つ海外との関係で言いますと、どうしても私の仕事は日ロが注目されるわけですが、私はASEANの経済大臣たちとの間で、特にASEAN経済大臣ロードショーを日本にお招きをして、非常に仲良くなりましたし、またRCEPの閣僚会議などの場で、本当に腹を割って話し合うことができ、そしてまたアウトプットとしても、質の高いRCEPを目指していくということで、大きな流れをつくることができた。
そういう意味で、ASEANの大臣たちとの関係というのが特に海外との関係では、私の印象に残っております。

【庁舎管理の強化】

Q:本当は記者クラブの方から質問が出るかと思ったのですけれども、一つ問題となっている例の施錠の問題です。これは先日も全国紙で大きく批判記事が出ていました。
大臣は必要だと思うのですけれども、実際にやってこられて、記者クラブの皆さんから指摘されているところをちゃんと検証して、こういう点がよかったということをどういうふうにお示しいただくのか、この機会に当然おやめいただくのが私は一番いいかと思うのですが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。

A:これは何度も申し上げているように、特に中小企業も含めて、企業の機微な情報を我々は扱っている役所であります。そして、他省庁に比べても、1日に出入りする方々の人数が非常に多いと、そういう観点から、行政の信頼という観点から、施錠という措置をさせていただきました。
そのことで、対外的な交流ですとか、あるいは皆さんの取材対応において、後退することがあってはならないということで、ミーティングスペースも設け、インターフォン、内線電話のような必要な措置も講じて対応しているわけであります。
取材対応について問題があれば、広報室長にお申し出いただければ、積極的に解決をしていきたいと思っております。
この問題は、全社の社説も含め、かなり紙面でたくさん取り上げていただきました。ただ、一方で一般の方からの苦情の電話ですとか、メールというのは、ほとんど1件、2件しか来ていないという状況であります。
私は、国民の目線に立って、今後も経済産業省がしっかりと対応していただくことを期待したいと思っております。

【改造内閣が取り組むべき課題、姿勢】

Q:留任する、しないというのは質問できないということで、ただ内閣支持率が下がっている中で、次の改造内閣が取り組むべき課題であったり、姿勢について、お願いします。

A:私は、副長官、そして経済産業大臣という立場で、約4年8カ月にわたって、この政権の中でずっと仕事をやってまいりました。その立場から見て、この政権の一番の特徴であり、かつここまで国民から一定の御支持をいただいてきたというのは、きちっと課題に向き合って仕事をして、そして成果を出すと、このことがこの政権の一番の特徴なのだろうと思っています。
今、支持率が非常に厳しい局面にありますけれども、今後も内閣がともかく課題に向き合い仕事をして、成果を出すということ、これをしっかりと国民にお示しをしていくということが重要だと思いまして、次の閣僚メンバーにも、ぜひそういう姿勢で仕事に臨んでいただきたいと思っております。

【自由貿易】

Q:この1年、世界でも大きく動いたと思います。世耕大臣は副長官の時代にもさまざまな要人に会われてこられたと思いますけれども、この1年、さまざまな国を歴訪される中で、世界の自由貿易体制への期待への変化ですとか、あるいはそこで利を得ようとする動きですとか、そういったことを、変化そのものを感じたシーンですとか、会談はあったでしょうか。

A:なかなかこのシーンでというのはなくて、政治状況を見れば、保護主義の台頭、自由貿易の反発の動きというのが非常に全般的に強い環境の中での経済産業大臣としての1年間だったと思っています。
そういった中で、ただRCEPについては質の高いものを目指すという旗が引き続き掲げられているということ、また日EU・EPAについては、非常に困難な交渉でありましたけれども、大枠合意に至ったということ、そしてまたTPPについては、残り11カ国でもしっかり進めていこうというモメンタムが維持をされているということ、これはまさにそれぞれ日本がリーダーシップをとっているわけでありまして、まさに今自由貿易の中核に日本が立っていると感じているわけであります。

【Connected Industries】

Q:Connected Industriesを一つ大きな成果として出されたと思います。
ただ、一方で産業育成などを所管される立場として、日本が何で稼いでいくのかということの厳しさに直面されたと思うのですけれども、そういった課題についてはいかがでしょうか。

A:まさに、今産業が大きな曲がり角に来ているわけであります。特に日本は、製造業の質の高さといったところで、世界に互してきたというところがあろうかと思っていますが、今まさに製造業が世界的に単に物を売る商売から、その物をまさにサービスとして提供するという産業に変わってきているのだろうと思っています。それが突き詰めて言えば第4次産業革命の本質ではないかと思っています。
Connected Industriesという投げかけを産業界にやらせていただいていますが、まさに商品と商品を製品と製品をコネクトして、どういうサービスを提供するかという視点をぜひ産業界の方に持っていただきたいと思いますし、経済産業省としては、そういった産業界の取組を邪魔しないように後押しをするという政策を続けていくべきではないかと思っております。

【福島第二原発の廃炉】

Q:福島第二原発について、措置法について、成立から1年たちまして、この間、福島原発は福島県議会から廃炉の要望が国に届いていると思うのですけれども、改めてそういう声を踏まえて、政府としてこの問題について、どう取り組まれていかれるかというお考えをお聞かせください。

A:知事、あるいは県議会関係者の皆さん、あるいは訪問した際の地元とのいろいろな意見交換などを通して、福島の皆さんの思いは重々理解しているわけであります。
そういう意味で、新規制基準に適合して、再稼動を目指している他の原発と福島第二原発を同列に扱うということは、これは非常に難しいということを、私自身痛感しております。ただ、これはどうしても法律上、政府が命令するわけにはいかないわけでありまして、東京電力が経営判断として、していただかなければいけないということだと思います。
東京電力にあっては、福島県民の皆さんの気持ちに寄りそって、適切な判断をしていただきたいと思いますし、今新しい経営陣のもとで、いろいろな経営改革が行われていくことになるだろうと思います。
そういった中で、2Fについても、ぜひ県民の立場に立った判断をしていただければと考えております。

【科学的特性マップ】

Q:先日、放射性廃棄物のマップについて、閣議後会見の御発言で、福島県に新たに負担をお願いする考えはないと、こちらの発言の受け止め方として、福島県は候補地選定から排除するというお考えを今の段階で、お持ちでいらっしゃるということで、理解してよろしいですか。

A:まだ今マップを出したわけですから、候補地と言ってしまうと、ほかの地域で絞り込みが始まるのかということになりますので、まず今マップをお示しして、国民理解を醸成する、丁寧ないろいろな形での対話をマップをベースにして行っていくというのが現在の段階でありますので、候補地という言葉を使うのは、ちょっと控えさせていただきたいと思いますが、先日私が申し上げたように、最終処分について、福島県に負担をお願いするという考えはありません。

以上

最終更新日:2017年8月8日
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